L.A.D.事件 謎影解析 STAGE 4 認知慣性-4

Last-modified: 2026-02-12 (木) 19:49:01

 剣士は得物を取り戻し、策士が戦局を導く。
これが……最後の一匹!
デュパンこちらも完了した!
デュパンルブラン、どこを見ている?
デュパン「相手に無礼だとは思わんか」――これは、お前の台詞だろう。
宝刀を取り戻したぞ!
 ロボットたちとの熾烈な戦いの末に、数珠丸恒次は秋の手の内へと戻った。
今や宝刀は彼にしっかりと握られている。
デュパン秋、刀がすり替えられていないか確認を。
ふむ――問題ない、正真正銘の本物だ!
はっはっはっは!これで怪盗の悪巧みは阻止できたな!さすがはお前だ!
デュパン探偵としての責務を尽くしたまでだ。それに、まだ終わりではない。
まったく、口を開けばすぐそれだ。謙虚なのも大概にしておけ、「名探偵」!
ルブランわかった、わかった。降参だ。
 ルブランにはわかっていた。
秋が数珠丸恒次を取り戻した瞬間、彼のチャンスは完全に失われたのだと。
 作戦が失敗したと見るや、ルブランは笑って両手を掲げた。
その動作とともに、頭上から真っ白な縄梯子が突然降りてきて、
彼を展示会場の高所へと引き上げた。
デュパンあんなもの、いつの間に……!
ルブランそう怒るな。怪盗というものは得てして、最後の逃げ道を残しているものだ。違うか?
デュパンその天井のフレームは……昨日、安全検査を終えて取り付けたばかりの……
デュパン昨夜の誘拐事件は、この「退路」を用意するための時間稼ぎか。
ルブランその通りだ、賢い名探偵殿。
残念ながら、今日のところはお別れだ。また会おう!
 そう言い終える頃には、ルブランの姿は跡形もなく消えていた。
どこからか持ち出されたスピーカーだけが、怪盗の声を会場へと届けている。
ルブランあの罠にさえ手を出さなければ、今頃、私は君に捕らえられていただろう。悔しいか?
デュパン……いいや。
デュパン罠に手出しせず、秋を助けていなければ、今頃、数珠丸恒次は失われていたはずだ。
デュパン今回は、引き分けとするほかあるまい。
ルブランそうとも、君は秋の力を借りているのだからな。
ルブラン次は君一人で、私を阻めるかな?
デュパン……
デュパンルブラン、お前は間違っている。
デュパン私の執着、選択、そしてパートナー……その全てが、私の力だ。
ルブランほう……つまり、秋も君の力の一部だと?
ん?何がいかんのだ?相棒とは、そういうものだろう。
ルブランなるほどな……それが君たちの考えか、羨ましいよ。
ルブランもし、もしもだ。我々の立場が逆転したら……
秋。君は、私の力になってくれるか?
……は?
デュパンもし次があるなら、他人を玩具のように弄ぶのはやめてもらいたい。
ルブラン玩具、か……素晴らしい例えだな。
デュパンお前に出会うまで、私には天敵など存在しなかった。私にとって、謎はあまりにも簡単すぎた……
デュパン解けない謎だけが、私を狂わせる。しかし過度な執着は真意を見失わせる。
デュパンお前も同様に、私と出会うまでは、誰かに捕まったことなどないのだろう?
ルブランお前を含めても、たった一度だけだがな?
デュパン私を挑発するのは、それが理由か。
デュパン標的に固執し、他者を軽んじ蔑んでいては、自分自身に囚われるだけだ。
デュパン一対一の決闘などという典型的な呪縛から、私はすでに解き放たれた。お前はどうだ?
ルブランフン、成長したとでも言いたげだな?面白い。
デュパンいずれにせよ――今回は、お前が思い煩う番だ。ルブラン。