L.A.D.事件 謎影解析 STAGE 5 ピグマリオン効果
Last-modified: 2026-02-12 (木) 19:32:17
- 『デイリー・ガラス』 2055年7月21日
【サンジェルマン各地の犯罪率は上昇の一途を辿っている――イタリアマフィア「フォルツァ」とロシアの「ボール・フ・ザコーネ」一味との衝突が白熱化していたと同時に、略奪や恐喝、殺害事件が後を絶たない】
【保安部門には当局面に対応できるだけの熟練人材が足りておらず、故に民間人から志願者を募り、法の執行や偵察などの任務に当たらせるほかなかった。募集要項には退役した軍人やオープンデータアナライザ、探偵なども含まれていたが志願者は少なく、最終的に募集範囲は人形にまで及んだ】
- 記者トンプソン:(溜息)とんだビッグニュースだ。
【WBCテレビ局のジャーナリストが現場よりお届けいたします。モンマルトル探偵事務所所長のエルキュール・クリスティが、イギリス行の旅行列車「オリエント」号上で何者かによって殺害されました。エルキュール・クリスティとサンジェルマン警察局は密接な間柄にあり、現在、警察は犯罪組織「フォルツァ」や「ボール・フ・ザコーネ」関連の事件を洗い出しています】
記者トンプソン:(マイクを置いて)あれは誰だ?
助手:新しく来た探偵でしょう。
- 『マンスリー・ケントン』 2055年10月
【一ヶ月近い調査の末、サンタ・カルロス警察局とコードネーム「デュパン」と呼ばれる探偵は、とある殺し屋グループに目をつけた。そのグループはエルキュール・クリスティの殺害容疑で訴えられているばかりか、サンタ・カルロス市の違法ボクシング産業にも深く関わっており、それを暴こうとした記者を数名殺害している。殺し屋グループのメンバーは先日逮捕され、現在取り調べを受けている最中だ】
【デュパンはメディアの取材を断っているが、我々は重要な情報を掴んだ……世間で噂されている通り、「デュパン」はUASの新型人形だ。それはつまり、UASがスヴァローグ重工の独占していた、保安ならびに法執行人形市場を正式に開拓し始めたということ】
- 【記者トンプソンの日記、2055.12】
「ひとまずは一件落着だ。サンティノの雇った殺し屋がすべての罪を認め『フォルツァ』と『ボール・フ・ザコーネ』はこの件から手を引いた…奴らの次の標的なんざ知ったことか」
「ハァ…あのデュパン探偵の実力を称賛する声もあるが、異議を唱える者も少なくない――探偵という職業すら人形に取って代わられたら、人間の立場はどうなる?職を失って家で寝てるか…」
「それを懸念したのか、デュパン探偵は大衆の前からあっという間に姿を消した。だが彼にはまだ多くの秘密が隠されている、私はそれを解き明かしたい」
- 【記者トンプソンの日記、2057.1】
「ここは内戦を終えたばかりの、傷だらけのサンタ・カルロス。『フォルツァ』のリーダーサンティノがここで違法ボクシング業を始めた。サンジェルマンと同じく、ここも奴のせいで散々な目に遭っている」
「私は新しく来た人形ジャーナリストとその地を訪れ、印象深い違法ボクシングの試合に立ち会った――全身ボロボロになったボクサーが、たった一人で巨漢を倒したのだ。そして観客席にはデュパンの姿があった」
「だが私は一足遅かった。それどころか、危うくボディガードにドブに沈められるところだ」
- いつもあと一歩のところで…それにしても人形の記者?それにボクサー、どこかで聞いたような
- 【記者トンプソンの日記、2057.3】
「私は一週間かけて日本へのフライトを予約した――少し前に、怪盗『ルブラン』が予告状を出したのだ。柳生財閥に代々伝わる名刀を盗み出すと」
「こいつの名前もデュパンと同じく、小説家が生み出した架空人物から取られている。私はデュパンがそこに現れると考えた…」
「私は彼が怠けた剣士とともに、とあるパビリオンでルブランを追うのを見た。だがまたしても一歩遅く…」
「あの剣士はなかなか親切で、デュパンは挑戦の喜びをもたらす場所に必ず現れると、後に彼は居酒屋で教えてくれた」
- 重要な手がかりだ。ん?その剣士、うな重が好物では?
- 【記者トンプソンの日記、2057.5】
「私は半年かけてありとあらゆる場所へ赴き、数多くの印象深い人々に出会った…正確には、どれも人形だが。違法ボクシングに落ちぶれた屈強な戦士、まるで剣士らしからぬ剣士、そして長いこと私につきまとってきた同僚の人形ジャーナリスト。だがデュパンの行方はわからないままだ」
「その後、私は休暇にパリのとあるレストランを訪れた。そこで某美食家と席を取り合っていると、デュパンにそっくりの人物を見かけた。黒いスーツ、黒い帽子にステッキ型の剣。そしてあの唯一無二の瞳。今度こそ彼は逃げ場を失った」
- デュパン本人に違いない、トンプソンさんの人探し旅は終わったな
- デュパン探偵は身を隠すのに長けている。だが、こんな場所で捕まるとは思ってもいなかっただろう。
記者トンプソン:なるほど、単身パリの18区で…その…「モンマルトル探偵事務所」を?かなり古い建物だな。
デュパン:こういったスタイルが気に入っていてね。それに、エルキュールと初めて仕事をした場所でもある。
記者トンプソン:まぁ、人それぞれだからな。さっそく取材をさせてほしいんだが…君が嫌じゃなければ。
デュパンは暫し沈黙し、やがて頷いた。
- 「では始めよう、ここへは個人的な理由で?」
「答えを知りたいのなら…仰せのままに。ルブランがここにいる、奴とはまだ決着がついていない」
「製品コード:DetectiveD」
「素体コード:SSE-54【暗号化】」
「製品シリアル番号:EAP1809」
「アクティベート時刻:【暗号化】」
「製品名:Dupin」
「メンタル活性度:100%」
「DetectiveD、CALL NAME:デュパン…認証完了」
- ベースコードまで謎に包まれているとは…まぁいい、合格だ