品質 (要 Space Age)

Last-modified: 2025-11-28 (金) 10:27:04

DLCの Factorio: Space Age に付属するMOD「Quality」で導入される*1概念で、「品質モジュール」を挿入した設備で生産すると低確率で高品質のアイテムが生産される。高品質の設備は、通常の設備より高い性能を持つものが多い。

なお、モジュールは生産に慣れた人向けの発展的な設備だが、品質モジュールは特に複雑である。まだ他のモジュールに慣れていないなら、まずはそれに慣れてから品質モジュールに手を出そう。

概要

生産設備に「品質モジュール」を挿入すると、低確率で品質の高い生産品が入手できる。設備の大半と中間品の一部は、品質に応じて何かしらの性能ボーナスを得る。例えば、電柱であれば供給範囲と接続距離が伸び、組立機なら消費電力据え置きのまま生産速度が向上する。中には通常品質の寄せ集めとは一線を画す性能を持つ物がある。例えば、タレットは射程が伸びるので、スピッターの処理能力が段違いに向上する。

ボーナス*2が付加される性能には、各アイテムの性能一覧の対象項目に水色の印が付く。
QualityBonusLightBlue .png

一方、確率で入手なので品質違いの生産物が混在する。品質が異なるアイテムは事実上別アイテム扱いとなり、同一の組立機に搬入できないので、適切な仕分けと生産ラインの複雑化は避けられない。さらに、高品質のアイテムを選択的に得ようとすると歩留まりが悪いので、設備規模と必要資源が増大する。ゲームクリアに必須ではないこともあり、中上級者向けの発展的要素である。

品質モジュール一覧

アイコン名称効果(レア度共通)レア度別効果
ノーマルアンコモンレアエピックレジェンド
32px-quality-module.png品質モジュール1
(Quality module 1)
速度-5%品質+1%品質+1.3%品質+1.6%品質+1.9%品質+2.5%
32px-quality-module-2.png品質モジュール2
(Quality module 2)
速度-5%品質+2%品質+2.6%品質+3.2%品質+3.8%品質+5.0%
32px-quality-module-3.png品質モジュール3
(Quality module 3)
速度-5%品質+2.5%品質+3.2%品質+4%品質+4.7%品質+6.2%

品質の種類と製造方法

品質には、ノーマル・アンコモン・レア・エピック・レジェンドの5段階がある。通常のアイテムはノーマル品質である。ソシャゲのガチャを彷彿とさせる。

品質モジュールを挿入した生産設備でアイテムを製作すると、モジュールに表記された品質の合計値と同じ確率で品質が上がったアイテムが出力される。得られる生産物の数は品質モジュールなしの場合と変わらない。

また、低確率だが1回の加工で品質が2段階以上ランクアップすることもある。
ランクアップ判定のとき、1段階だけランクアップする確率が90%、2段階が9%、3段階が0.9%、そして4段階のランクアップが0.1%の確率で発生する。

そのほか、以下の性質を持つ。

  • エピックとレジェンドは品質モジュールのアンロックとは別にアンロック用のテクロノジーが規定されていて、それを研究しないと出現しない。
  • 元から上位の品質のアイテムの場合、その品質を基準に上昇判定が入る。例えば原料がアンコモンで生産設備が品質8%なら、確率8%でレア以上になる。
  • 生産速度モジュール(ビーコン含む)は品質にマイナス補正が入る。そのため、品質モジュールとの併用は適さない。
  • 品質の補正は0%が下限であり、生産速度モジュールを使った場合を含めて品質が下がることはない。

製造条件の詳細

高品質のアイテムを用いた製造は、以下の条件を全て満たさなければならない。

原料品質の統一
複数の原料を扱うレシピの場合、原料の品質は統一しなければならない。例えば、電子基板の生産にレアの鉄板を使うなら、銅線もレアでなければならない。ただし、研究は製造ではないので、研究所に投入するサイエンスパックは品質が混在していても良い。
レシピでの品質指定
組立機を筆頭とするレシピを選ぶタイプの生産設備では、レシピで原料品質を指定し、その通りの原料を投入しなければならない。つまり、任意の品質の銅板を受け取って銅線に加工する設備などは存在しない*3
ロケット部品の生産の原料はノーマルのみ
ロケットサイロにおけるロケット部品生産用の制御基板・軽量化素材・ロケット燃料は、品質ノーマルしか受け付けない。貨物として打ち上げるアイテムは任意の品質が扱える。

また、流体には品質が無い。流体を扱うレシピは、以下のルールに従って品質が決まる。

  • 流体のみを原料とするレシピ:原料は品質ノーマルとみなす。
    • (例) 硫黄の生産 (化学プラント) ではノーマル以外の品質に設定できない*4。回路によるレシピ設定では形式的に高品質のレシピを指定できるが、その場合もノーマルの硫黄ができる。
  • 流体と固体を原料とするレシピ:固体の品質のみを参照する。
    • (例) 電池の生産では鉄板と銅板の品質をレシピ通りにすれば良い (硫酸は品質が無い)。(他: プラスチック、電気エンジンなど)
  • 生産物が流体のレシピ:原料に固体が含まれれば品質設定が可能だが、生産物には何の影響も与えない。
    • (例) 硫酸の生産に使う鉄板と硫黄がノーマルでもエピックでも全く同じ硫酸が生産される。生産量も変わらない。

このほか、以下のルールがある。

  • 品質違いは別のアイテムとみなされるので、インベントリスロットは統合できない。
  • インサーターなどのフィルターや物流ネットワークは、品質任意で指定することも特定の品質を指定することもできる。
  • 手動生産は品質ノーマルしか扱えない。

不要な品質のアイテムの処理

高品質のアイテムを選択的に作りたい場合、品質が向上しなかった生産物を処理する必要がある。他の生産などに流用できるならそれで良いが、用途がなければリサイクラーで原料に戻すことで再び品質向上を図ることができる。詳細は、レシピ逆転機能を参照。

逆に、過剰に品質が向上することも稀にある (レジェンドを目指す場合を除く)。これは完全に使い道が無い。なにか別の用途が出てくるまで保管しておくか、リサイクラーに繰り返し投入するなどして廃棄するしか無い。

高品質品の効果

高品質の施設や戦闘カテゴリーのアイテムが得るボーナスの有用性は、物によって大きく異なる。例えば、搬送ベルトは耐久値が増えるだけであり、無意味にも等しい。一方でモジュールは、デメリットが据え置きのままメリットだけ伸びるので非常に強力である。

また、施設でも戦闘カテゴリーでもないアイテムの大半は、何の効果も持たない。これらは、更に加工して施設などにすることで効果を発揮する。例外として、以下のアイテムは一定の効果を持つ。

  • サイエンスパック: 研究力が上がる。言い換えるとサイエンスパック1個あたりの研究進捗が増える。一方で研究速度は変わらない。
  • 固形燃料・ロケット燃料・核燃料: 車両加速力と車両最高速度が上がる。
  • 変質するアイテム: 変質までの時間が伸びる。

効果一覧

各アイテムが保つ効果は以下の通り。なお、表の肥大化防止のために具体的な数値は省いている。詳細はゲーム内のファクトリオペディア*5を参照。

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分類アイコン名称効果
共通-全施設共通耐久度の増加
共通-変質しうる中間品・施設変質時間の延長
物流チェストインベントリ容量の拡大
物流貯蔵タンクなし
物流搬送ベルト系列
(地下ベルト・分配器を含む)
なし
物流インサーター系列回転速度の向上、これに比例した最大消費電力増大
物流電柱系列接続距離と供給範囲の拡大
物流パイプ・地下パイプなし
物流ポンプ流量向上
物流鉄道用設備・鉄道車両類
(長距離砲車両を除く)
なし
物流長距離砲車両射程の向上
物流自動車車載武器の射程向上
物流戦車車載武器の射程向上、装備グリッドの拡大
物流スパイダートロン車載武器の射程向上、装備グリッドの拡大、インベントリ容量の拡大
物流物流ロボット・建設ロボットエネルギー容量の向上、これによる活動時間・移動可能距離の向上
物流物流チェスト各種インベントリ容量の拡大
物流ロボットステーション充電速度の向上、これによる最大消費電力増大
物流ランプ・回路類なし
物流敷設物
(コンクリート・埋立地など)
なし
物流崖用爆薬投擲可能距離の向上
生産リペアキット修理できる耐久力の向上
生産下記以外の生産施設生産速度の向上 (消費電力は据え置き)
生産ソーラーパネル出力向上
生産蓄電池蓄電量・最大入出力電力の向上
生産ヒートパイプなし
生産掘削機系列・ポンプジャック資源消費量の減少*6
生産農業タワーなし
生産避雷針・集雷設備雷の収集範囲の拡大、電力変換効率の向上
生産ビーコン分配効率の向上
生産モジュール各種性能向上幅の増大 (性能悪化は据え置き)
宇宙ロケットサイロロケット生産速度の向上
宇宙カーゴ降着パッドレーダー性能の向上
宇宙宇宙プラットフォームの基盤なし
宇宙カーゴベイインベントリ容量増加幅の向上
宇宙アステロイド収集機インベントリ容量の増加、収集範囲の拡大、アームの移動速度向上、アームの本数増加、アーム本数に比例した最大消費電力の増大
宇宙破砕機生産速度の向上
宇宙スラスター推進能力の向上、これに比例した燃料消費量増大
宇宙宇宙プラットフォームのスタートパックなし (耐久力の増加のみ)
戦闘携帯武器各種射程の向上
戦闘弾薬各種
(下記を除く)
ダメージの増加
戦闘火炎放射器用燃料ダメージの増加、炎の残存時間増加
戦闘捕獲ロボットロケットなし
戦闘テスラ弾ダメージの増加、分岐確率の上昇
戦闘グレネード類・戦闘ロボット系列
(粘着カプセルを除く)
投擲可能距離の向上、ダメージの増加
戦闘粘着カプセル投擲可能距離の向上
戦闘ライトアーマー・ヘビーアーマーなし
戦闘モジュラーアーマー・より上位のアーマー追加インベントリ容量の増加、装備グリッドの拡大
戦闘携帯ソーラーパネル・携帯原子炉・携帯核融合炉出力向上
戦闘個人用バッテリー系列蓄電量の向上
戦闘ベルト移動耐性装備消費電力の削減
戦闘強化外骨格移動速度の向上
戦闘携帯ロボットステーション系列ロボット同時稼働数上限の向上、充電速度の向上、同時充電数の向上、これらによる最大消費電力の増大
戦闘暗視モジュールなし
戦闘拡張ツールベルト追加インベントリ容量の増加
戦闘エネルギーシールド系列シールドHPの増加、充電速度の向上、充電速度に比例した最大消費電力の増大
戦闘携帯放電防御射程の向上
戦闘防壁・ゲートなし (耐久力の増加のみ)
戦闘レーダーカバー範囲の拡大 (常時・走査の双方)
戦闘地雷ダメージの増加
戦闘タレット各種
(下記を除く)
射程の向上
戦闘火炎放射タレット射程の向上、炎の残存時間増加
戦闘テスラタレット射程の向上、分岐確率の上昇
中間品サイエンスパックサイエンスパック1個あたりの研究進捗の増加
中間品固形燃料・ロケット燃料・核燃料車両加速力の向上、車両最高速度の向上

高品質品の性能上昇幅

高品質品の性能は、原則としてノーマル品質品の性能に一定の倍率を掛けるか補正項を足すことで得られる。ただし、端数処理が必要な場合は必ず切り捨てになる*7

計算例1:アンコモンの組立機1の生産速度

パラメータ:ノーマルの生産速度 0.75、アンコモンの倍率:× 1.3、端数処理:不要

計算結果:0.75 × 1.3 = 1.625

計算例2:アンコモンの中型電柱1の供給範囲

パラメータ:ノーマルの供給範囲 7、アンコモンの補正項:+2

計算結果:7 + 2 = 9

この倍率や補正項は、下表のとおりとなる。表からも分かるが、アンコモン~エピックは一定の幅で性能が上がる。対してレジェンドはその2倍の幅で性能が上がる。

設備パラメータアンコモンレアエピックレジェンド
共通下記以外の全て× 1.3× 1.6× 1.9× 2.5
電柱接続距離と供給範囲+2+4+6+10
ロボットエネルギー容量× 2.0× 3.0× 4.0× 6.0
蓄電池エネルギー容量× 2.0× 3.0× 4.0× 6.0
採掘設備リソースの消費× 5/6× 4/6× 3/6× 1/6
ビーコン分配効率+0.2+0.4+0.6+1.0
消費電力× 5/6× 4/6× 3/6× 1/6
カーゴ降着パッドレーダー範囲+1+2+3+5
アステロイド収集機インベントリ容量+5+10+15+25
収集範囲+2+4+6+10
アームの移動速度× 1.05× 1.10× 1.15× 1.25
アームの本数+1+2+3+5
武器・投擲物射程× 1.1× 1.2× 1.3× 1.5
車両・アーマー装備グリッドのマス数 (縦・横)+1+2+3+5
ベルト移動耐性装置消費電力× 1/1.3× 1/1.6× 1/1.9× 1/2.5
レーダーカバー範囲+1+2+3+5
テスラタレット・テスラ弾分岐確率+ 5%+ 10%+ 15%+ 25%
サイエンスパック研究進捗× 2.0× 3.0× 4.0× 6.0
燃料車両加速力× 1.05× 1.10× 1.15× 1.25

ちなみに、端数処理が行われるパラメータは以下のとおりである。

設備パラメータ丸め後の桁
チェストなどインベントリ容量整数
ドリルリソースの消費整数 (%)
モジュール (品質を除く)モジュールの効果整数 (%)
品質モジュールモジュールの効果小数第1位 (%)

なお、上記以外にもファクトリオペディア上の数値が端数処理されているものもあるが、それらの実数値は丸められていない。

高品質化の有用性の高いアイテム

高品質品を生産・使用する価値が高いアイテムを紹介する。

宇宙プラットフォームに設置する施設

宇宙プラットフォームは大型化するほどスラスターと防衛設備への負荷が上がる上、建材打ち上げ用のロケットのコストも重くなる。そのため、土地を節約できる高品質品の有用性が高い。同じ施設でも地上設置とは一線を画す有用性がある。

破砕機・電気炉・その他生産設備
例えばレアにすると、消費電力と専有面積が据え置きのまま生産速度が1.60倍になる。言い換えると、生産量あたりの消費電力と専有面積が0.625倍になる。生産設備はインサーターと搬送ベルトで自身のサイズ以上に土地を使うので、これを削減できる効果は大きい。その上に発電設備も節減できるので、間接的な土地節約効果もある。特に弾薬生産用の電気炉と燃料類生産用の化学プラントは数が多くなりがちなので、早い段階から高い有用性を発揮する。
ソーラーパネル
こちらも専有面積が嵩みがちなので、有用性が高い。生産設備と比べるとワンランク落ちるが、高品質品を狙う価値は大いにある。
アステロイド収集機
収集範囲が広がるのみならずアームの本数が増える点が強力である。ただし、ヴルカヌス・グレバ・フルゴラ向けのプラットフォームでは消費電力の増加が重く、特に発電をソーラーパネルのみに頼るプラットフォームではオーバースペックになりがちでパッとしない。アクィロやそれ以遠を目指す旅でこそ性能を十全に発揮できる。
蓄電池・スラスター・原子力発電用設備・核融合発電用設備
こちらも出力向上や処理速度向上による土地節約効果がある。しかし、蓄電池は比較的小さいので隙間に入れやすく、スラスター・原子炉・核融合炉は必要数を踏まえた専有面積が少なめなので、上記の設備群と比べると優先度は落ちる。
タレット
火力は変わらないが射程が広がる。とはいえ、広がった射程でプラットフォームに当たらないアステロイドを迎撃していては意味が無い。射程が広がった分だけ宇宙船の中央寄りに設置できることを活かし、搬送ベルトの引き回し距離を縮めることにこそ意義がある。そのため、品質を変えるとタレットの位置調整、ひいては宇宙プラットフォーム全体の再設計が求められることになる。これが苦にならない人向けとなる。

工場長用の装備品・車両

数を並べれば性能を高められる生産設備と異なり、工場長は1人しかいない。マルチプレイヤーでも人数が限られることに変わりがない。そのため、品質による性能向上は効果が高い。

モジュラーアーマー系列
アンコモンでもインベントリ容量の増加が快適性向上に寄与する。さらに、レアでは装備グリッドが縦横2マスずつ増えるので、より多くの装備品を取り付けられる*8。もちろん、エピックやレジェンドは更に強力である。
アーマー用装備品 (暗視モジュールとベルト移動耐性装備を除く)
アーマの装備グリッドの数は限られているので、同じ占有グリッドで高い性能を発揮できる高品質品は有用性が高い。特に専有面積が嵩みがちな発電装備や、運用できるロボット数が増える携帯ロボットステーションは強力である。
戦車
バイターなどの巣を攻略する際に工場長自ら殴りに行くスタイルの場合、装備グリッドが増える高品質戦車は使いやすい。一方、タレットクリープを主力とするなら必要ない。

その他

上記のほか、以下の設備も有用性が高い。

ロングアームインサーター
通常のインサーターや高速インサーターでは、処理速度が不足するなら上位のインサーターを使えば良いので高品質品を使う意義は乏しい。
しかし、ロングアームインサーターは唯一無二の搬送範囲を持つ。そのため、高品質化して搬送速度を上げると、高速なレシピや生産設備でベルトの取り回しが楽になる。
中型電柱
配電範囲が少し広がるだけではあるが、「もう1マス届くと良いのに」が多い設備なのでアンコモン品が使いやすい。特に組立機に隣接して設置すると、組立機を挟んで反対側にあるインサーターも配電範囲に入る点が使いやすい。
品質モジュール
高品質な品質モジュールを使うと、他の高品質品を効率よく生産できる。製造コストは高いものの、要所に絞って使えば必要量が限られる。
フルゴラでアンロックされる電磁プラントを使えば、コストが目を瞑れる範疇には収まる。高品質品を多用するなら早めに確保したい。
その他の生産設備用モジュール (エンドゲーム向け)
生産設備のモジュールスロットの数は限られている上、高品質モジュールはデメリット据え置きでメリットのみが伸びる。
非常に強力ではあるのだが、ただでさえ高いモジュールの製造コストが更に上がる。特に高品質のモジュール3のコストは凄まじいものがある。その沼に足を突っ込む覚悟のある人向けのロマン品としての側面が強い。
ちなみに、ライン組みは比較的シンプルで、目標品質の電子基板と発展基板を用意すればモジュール2までは簡単に高品質の物を生産できる。
なお、生産設備のレアリティを上げて生産速度を上げることで、生産力当たりの高品質モジュールの必要数を抑制できる。
ビーコン (エンドゲーム向け)
ビーコンは生産設備に近接させる必要がある都合上、数を増やすにも限界がある。さらに、上位のモジュールを高品質化するより製造コストが安い。
そのため、高品質品による分配効率の向上は生産設備やモジュールより有用性が高い。ついでに消費電力も減る。
大型掘削機・リチウム塩水用のポンプジャック (エンドゲーム向け)
掘削機やポンプジャックは、品質を上げても生産速度や掘削範囲が上昇しない代わりに掘削量あたりの資源の消費量が減る。
そのため、高品質の掘削機を用いると鉱脈の枯渇が遅くなる*9
もっとも、ゲームクリアまで (恒星系の縁に到着まで) を想定するなら、高品質掘削機を作るより新規鉱脈を開拓するほうが手っ取り早い。
一方で、無限研究を繰り返すようなやりこみプレイでは、鉱脈枯渇による建て替えの手間が減るメリットが大きい。
物流・建設ロボット
電池の容量が品質1段階ごとに2倍、3倍と増えていく。ロボットが消費する電力量は主に移動距離によって決まるので、電池の容量は補給なしで飛べる距離に大きく影響する。
ただし、充電待ちロボが増えるようだと効率は上がらない。その場合、設置されているロボットステーションの品質を上げるか、ロボットステーション数とロボット自体の数を増やして対応したい。

高品質品の生産に必要な原料の数

本項では、下図のような目標品質の生産物ができるまで加工とリサイクルを繰り返すスタイルを想定し、この条件下で高品質品の生産に必要な材料数が通常生産の何倍を解説する。

鉄板→鉄の歯車、目標品質: レア、品質モジュール2を使用
Recycle_for_quality.jpg

基本的な計算方法

先程の図では組立機およびリサイクラーの品質は8%だが、リサイクル時の品質向上と再加工時の品質向上もあるので、品質ノーマルの鉄板から得られるアンコモン品は8%より多くなる。例えば鉄板2000個 (歯車1000個相当) を加工すると、期待値としては以下のようになる。

  • 16px-assembling-machine-3.png16px-iron-plate.png (ノーマル 2000個) → 16px-iron-gear-wheel.png (ノーマル 920個、アンコモン 72個、レア 7.2個、エピック以上 0.8個)
  • 16px-recycler.png16px-iron-gear-wheel.png (ノーマル 920個) → 16px-iron-plate.png (ノーマル 423.2個、アンコモン 33.12個、レア 3.31個、エピック以上 0.37個)
  • 16px-assembling-machine-3.png16px-iron-plate.png (アンコモン 33.12個) → 16px-iron-gear-wheel.png (アンコモン 15.24個、レア 1.19個、エピック以上 0.13個)
  • 16px-assembling-machine-3.png (モジュールなし):16px-iron-plate.png (レア 3.31個) → 16px-iron-gear-wheel.png (レア 1.66個)

この4つを足しつつ両辺の共通項を相殺すると、以下のようになる (エピック以上は省略)。

  • 16px-iron-plate.png (ノーマル 1576.8枚) → 16px-iron-gear-wheel.png (アンコモン 87.24個、レア 10.05個)

したがって、ここまでの工程での収率は、以下の通りになる。

  • 16px-iron-plate.png (ノーマル) → 16px-iron-gear-wheel.png (アンコモン):87.24 / (1576.8 / 2) = 11.06%
  • 16px-iron-plate.png (ノーマル) → 16px-iron-gear-wheel.png (レア):10.05 / (1576.8 / 2) = 1.27%

ここで、アンコモン品の収率が8%より大きいことに留意しておく必要がある。

同様に歯車 (アンコモン) から歯車 (レア) を得る際の収率を計算すると、4.38%になる*10。これらより、ノーマルからレアを得る際の総収率は 11.06% × 4.38% + 1.27% = 1.75% となる。収率が 1.75% なので、この生産方式でレア歯車を得るために必要な鉄板の量は、通常の生産の 100% / 1.75% = 57.1倍と算出される。

目標品質がエピックやレジェンドの場合、加工段階が多い分だけ計算が複雑になるが、同じ考え方で計算できる。

材料必要数の計算結果その1

前項の方法に基づき、高品質品の生産に材料必要数を算出した結果をまとめた表を以下に示す。

注意事項

  • いずれも通常の生産との相対値である。
  • 生産設備もリサイクラーも全てのモジュールスロットを同じ品質モジュールで埋めるものとする。
  • 表中に生産設備のモジュール数0があるが、これはリサイクラー単独で品質向上を図る場合である (例: 鉄板をリサイクラーに繰り返し投入する)。
    • 表からも分かる通り、このようなリサイクラーで同じアイテムになる類のアイテムは品質向上の効率が非常に悪い。 たとえば各種モジュール3の作成に必要なバイターの卵や超電導体、炭化タングステンなどがこれに該当するが、こういったアイテムはそのレシピの前後段階にもっと効率のよい(≒リサイクラーで自分自身にループしない)レシピがないか探したほうがよい場合が多い。
  • 軽量化素材などの一部のアイテムは研究で生産性が上昇する。そのようなアイテムは表より必要数が少なくなる。
  • 品質向上は確率で行われるので、運の影響がある。表の値は期待値である。

品質モジュール1の場合

生産設備目標品質と必要材料数
モジュール数基礎生産性アンコモン レア エピックレジェンド
0-847556,75154,325
2-292311,86913,541
3-211701,3289,303
4-171331,0126,882
4+50%9603942,330
5+50%8493131,780
8-10694772,928

品質モジュール2の場合

生産設備目標品質と必要材料数
モジュール数基礎生産性アンコモン レア エピックレジェンド
0-433472,81020,500
2-151016874,173
3-11734732,716
4-9573511,922
4+50%524123554
5+50%42096409
8-529154722

品質モジュール3の場合

生産設備目標品質と必要材料数
モジュール数基礎生産性アンコモン レア エピックレジェンド
0-342672,06914,430
2-12764822,718
3-9553281,737
4-7432421,212
4+50%41883335
5+50%31564246
8-422104440

品質モジュール3 (レア) の場合

生産設備目標品質と必要材料数
モジュール数基礎生産性アンコモン レア エピックレジェンド
0-221511,0366,403
2-8422181,019
3-630146629
4-523106429
4+50%31035112
5+50%282782
8-31244148

品質モジュール3 (レジェンド) の場合

生産設備目標品質と必要材料数
モジュール数基礎生産性アンコモン レア エピックレジェンド
0-15865112,727
2-523100379
3-41766229
4-31348155
4+50%261641
5+50%251330
8-272054

材料必要数の計算結果その2

英wikiのページ(1)(2)に記載されている、行列を用いた算法では、生産設備のモジュールスロットの一部を品質モジュールではなく生産性モジュールで埋めることで、より少ない原料アイテム数で高レア厳選ができることが示唆されている。
その計算式を利用しつつ、モジュールスロットを品質・生産性モジュールに割り振った結果どう必要材料数・必要施設数が変わるかを計算した表を下記に示す。

  • リサイクラーには当該品質モジュールを常に4本刺すものとする。
  • レジェンド製品を組み立てるための施設には、品質モジュールを刺す意味がないので、生産性モジュールが刺せる場合は生産性モジュールを全てのスロットに、そうでない場合は何も刺さない状態で計算している。
  • もっとも必要材料数が少なくなる品質・生産性モジュールの組み合わせの行は太字で表示している。
  • 必要台数の列は、レジェンドの当該製品を1台の素の設備(ただし、生産性ボーナスは無視)で作成するのと同等の速度で出力するのに必要な、各種レアリティ用設備とリサイクラーの合計数である。
    • 生産性モジュールのみを刺す選択肢は多くのケースで個数最適ではないが、組立時の品質ペナルティを気にしなくてよくなるため、生産速度モジュールをビーコンで使い放題になるメリットがある。 ただしリサイクラー側は変わらず品質モジュールを刺すので台数が要る。
  • ノーマル→レジェンドのレア度厳選をする場合のみ掲載している。
  • 計算に用いたwxMaxima用ファイル 計算の理論の説明などはこのファイルを参照。

生産性モジュール利用可能 かつ リサイクルで原料が得られるアイテム

モジュール3(レジェンド)を用いる場合

生産設備モジュール配分必要材料数必要施設数
モジュール数基礎生産性品質生産性ノーマルアンコモンレアエピックレジェンドリサイクラー
20%02506.681,008.11117.5225.455.510.95189.75
11316.25507.0951.0912.793.080.6489.64
20308.25410.0234.299.352.280.5364.05
30%03238.75646.9494.1523.125.681.04115.78
12159.43333.4942.7311.873.190.7259.56
21152.29255.6928.128.412.290.6043.07
30178.25247.6022.487.021.860.5436.97
40%04116.05464.9483.1523.196.471.2572.22
1383.44241.3738.3911.853.560.8940.31
2279.88176.8124.618.082.460.7429.74
3189.97158.9318.896.431.910.6625.38
40116.05168.9516.515.721.610.6224.02
450%0428.55134.6535.4412.874.681.0029.32
1324.2780.4718.867.242.730.7419.17
2224.3960.6212.635.021.900.6214.97
3127.0852.839.713.931.450.5512.93
4032.5451.628.253.371.190.5112.00
550%0514.13117.0637.1915.536.491.4518.94
1413.2367.6219.008.183.471.1013.40
2313.8748.9812.235.372.260.9110.83
3215.6140.909.064.021.650.819.49
4118.6138.037.423.291.300.748.82
5023.4838.876.582.901.080.708.61
80%086.8979.0630.3514.697.111.6712.30
177.1969.8223.4211.365.451.279.42
267.9667.6220.089.764.581.067.92
359.1769.9518.468.964.080.947.06
4410.9876.5117.908.643.770.866.60
5313.6658.9012.135.792.410.816.42
6217.8054.079.664.531.780.786.48
7124.5856.718.593.941.440.776.82
8036.7667.688.383.741.250.787.52

生産性モジュール利用不能 かつ リサイクルで原料が得られるアイテム

このケースは、その1での計算例と同じ結果になる。

モジュール3(レジェンド)を用いる場合

生産設備モジュール配分必要材料数必要施設数
モジュール数基礎生産性品質生産性ノーマルアンコモンレアエピックレジェンドリサイクラー
20%20378.57503.5642.1211.492.800.4678.66
30%30229.40318.6528.939.032.390.3847.58
40%40154.72225.2522.027.622.150.3332.03
450%4040.7764.6910.334.221.490.2515.04
550%5030.1049.838.443.721.390.2311.04
80%8053.5898.6512.215.451.830.2310.95

生産性モジュール利用可能 かつ リサイクルで自分自身が得られるアイテム

生産性モジュールは、最初の製作時のみ利用可能になる。

モジュール3(レジェンド)を用いる場合

生産設備モジュール配分必要材料数必要施設数
モジュール数基礎生産性品質生産性ノーマルリサイクラー
20%021,817.943,198.35567.90
111,246.591,732.85297.14
201,090.761,297.43203.00
30%031,558.233,489.10567.90
121,038.821,777.28297.14
21872.611,245.53203.00
30839.051,035.89155.16
40%041,363.454,197.83567.90
13890.421,980.40297.14
22727.181,297.43203.00
31671.241,006.30155.16
40681.73883.38126.21
450%041,090.763,358.26567.90
13692.551,540.31297.14
22545.38973.07203.00
31479.46718.78155.16
40454.48588.92126.21
550%05991.604,884.75567.90
14623.291,980.40297.14
23484.781,153.27203.00
32419.52800.46155.16
41389.56621.28126.21
50382.72524.63106.80
80%08908.975,597.10567.90
17566.633,150.64297.14
26436.312,335.37203.00
35372.911,956.69155.16
44340.861,766.76126.21
53328.051,124.20106.80
62330.53844.4692.89
71349.04710.1882.42
80389.56658.1774.27

生産性モジュール利用不能 かつ リサイクルで自分自身が得られるアイテム

このケースは、その1の例のうちモジュール数が0のときの結果に近しいが、初回製作時の設備による品質向上分を考慮している点で異なる。
逆に、そもそもの入力がノーマル品質の製作後アイテムの場合は、その1の例の数値を参照されたい。

モジュール3(レジェンド)を用いる場合

生産設備モジュール配分必要材料数必要施設数
モジュール数基礎生産性品質生産性ノーマルリサイクラー
20%201,090.761,297.43203.00
30%30839.051,035.89155.16
40%40681.73883.38126.21
450%40454.48588.92126.21
550%50382.72524.63106.80
80%80389.56658.1774.27

生産性モジュール利用可能 かつ 原料側のアイテムでレジェンドを目指す場合

たとえば鉄板のレジェンドが欲しいので、鉄の歯車を作ってリサイクルを繰り返すような場合。

モジュール3(レジェンド)を用いる場合

生産設備モジュール配分必要材料数必要施設数
モジュール数基礎生産性品質生産性ノーマルアンコモンレアエピックリサイクラー
20%02760.021,512.17176.2838.188.27284.63
11599.08960.6096.7824.225.83169.91
20639.28850.3571.1219.404.73132.97
30%03417.821,132.14164.7640.459.93202.62
12338.07707.1590.6225.166.77126.40
21350.66588.7464.7419.365.2899.33
30427.24593.4553.8816.824.4688.80
40%04232.10929.87166.3046.3712.93144.44
13195.34565.0689.8627.738.3494.47
22201.15445.2361.9620.346.1975.05
31235.51416.0349.4416.835.0066.62
40309.48450.5444.0415.244.3164.27
450%0471.36336.6288.6032.1811.6973.30
1367.23222.8952.2420.057.5753.22
2271.26177.1036.9014.675.5443.91
3181.61159.2229.2611.864.3739.18
4099.88158.4525.3110.333.6637.08
550%0538.87321.91102.2742.7217.8452.07
1439.43201.5156.6124.3710.3540.04
2343.18152.4538.0716.717.0333.90
3249.88130.6828.9612.835.2630.55
4160.42123.5224.1010.694.2128.89
5076.98127.4421.599.513.5628.49
80%0820.68237.1891.0644.0721.3336.90
1722.92222.5474.6536.2117.3830.15
2626.24223.0166.2132.1815.1126.29
3530.90235.6062.1730.1713.7324.02
4437.47261.2361.1329.4912.8822.80
5347.03202.8141.7619.928.2822.38
6261.57187.0533.4115.686.1422.71
7185.16196.4529.7413.654.9823.91
80127.10234.0128.9612.924.3326.27

生産性モジュール利用不能 かつ 原料側のアイテムでレジェンドを目指す場合

モジュール3(レジェンド)を用いる場合

生産設備モジュール配分必要材料数必要施設数
モジュール数基礎生産性品質生産性ノーマルアンコモンレアエピックリサイクラー
20%20639.28850.3571.1219.404.73132.97
30%30427.24593.4553.8816.824.4688.80
40%40309.48450.5444.0415.244.3164.27
450%4099.88158.4525.3110.333.6637.08
550%5076.98127.4421.599.513.5628.49
80%80127.10234.0128.9612.924.3326.27

*1 Space Age を使用する際は Quality が必須だが、Quality は Space Age が無くても動作する。
*2 基本的にメリットのみ。インサータのように消費電力が増加する場合もあるが動作当たりで考えると消費エネルギー量は変わらないので本質的にはデメリットではない。
*3 複雑になるが、回路ネットワークによるレシピ指定を利用して擬似的に任意の品質を受け取る組立機なら構築可能ではある。
*4 ちなみに、高品質の硫黄が欲しい場合は発展アステロイド処理で入手できる。
*5 品質が有効なアイテムの項目には水色のひし形のアイコンが表示されており、マウスカーソルでポイントすると効果一覧がツールチップとして表示される
*6 通常は採掘1回で鉱脈1を消費して鉱石1つを生産する。資源消費量 (リソースの消費) が83%なら、採掘1回で鉱脈0.83を使って鉱石1つを生産する。そのため、鉱脈が枯渇しにくくなる。
*7 やや専門的な話だが、端数処理はパラメータが浮動小数点型から整数型に変換される際で起きる。この変換処理は切り捨てになる。また、同じ理由で計算誤差が出ているパラメータもある。例えば、アンコモンのゼリーの変質時間は 4分 × 1.3 = 5分12秒になるはずだが、実機の値は5分11秒になっている。
*8 アンコモンでも増えるが、縦横1マスずつなので増加分の使い勝手は悪い。
*9 電動掘削機や燃料式掘削機も同じ仕様だが、エンドゲームでこれらを使う機会は無いだろう。
*10 先ほどは鉄板からだったが、今回は歯車からになるので最初にリサイクラーの収率25%が乗る。その影響で収率が低い。