ジェヴォーダンの獣

Last-modified: 2016-10-09 (日) 10:19:38

【名前】ジェヴォーダンの獣
【クラス】アサシン
【HP】40 / 40
【宝具】 1 / 1
【筋力】EX:8
【耐久】EX:8
【敏捷】D:2
【魔力】E:1
【幸運】E:1
【スキル1】気配遮断:先手判定時、補正値5を得る。
 同盟を組んでいない場合でも相手前衛に対し、奇襲攻撃を行える。
【スキル2】無辜の怪物:キャラシート作成時、令呪を1つ失う代わりにサーヴァントの英雄点10を得る。
【スキル3】捕食者:自身の気配遮断の効果をマスターに与える。
奇襲攻撃の援護時に自身の【幸運】の値を補正値に加えるのではなく【筋力】の値を補正値に加える。
交戦相手が獣殺しの逸話を持つ英雄だと判明していた場合、相手サーヴァントは物理、魔術攻撃に補正値5を得る。

 
【宝具】狼の盟約(ラ・ベート・ドゥ・ジェヴォーダン)
【ランク・種別】C:対人宝具
【効果】戦闘終了までマスターの筋力耐久敏捷をEXランクにし、戦闘続行を与える。発動した場合戦闘が終わるまで自身は逃走判定を行えない。
 
【容姿】姿形は目に見えない。言葉もほとんど発しない。何を考えてるかもわからない。ただ間違いなく彼(?)は彼のマスターのそばに存在する。
 
【その他】マスターを触媒にし召喚されたサーヴァント。マスターの内に潜むため他者からは見えず誰からにも感知されない。
マスターの二面性、獣性、凶暴性。そういう類のものである。
 
 
 
【原典】
ジェヴォーダンの獣は、18世紀のフランス・ジェヴォーダン地方(現在はロゼール県の一部)に出現した、オオカミに似た生物。
1764年から1767年にかけマルジュリド山地周辺に現れ、60人から100人の人間を襲った。獣が何であったかは、現在も議論されている。
事件は未確認動物学と陰謀の両方の面の憶測がされている。
15世紀に首都パリに迫ったオオカミの群れの史実が有名であるが、18世紀後半のフランスでは、
ソワソンやペリゴール(現在のドルドーニュ県)など各地でオオカミ被害が相次いでいた。
 
【解説】
中田貞行が聖杯戦争前に召喚したサーヴァント。常に心の中に潜んでいるため、サーヴァントとしての形を持たない。
 
 
 
【絆1】
ジェヴォーダンの獣。
その正体は獣でもなく魔性のものでもなく、ただの一人の少女である。
当時のフランスはプロテスタントとカトリックの対立により各地でイザコザが起きており、
特にこのジェヴォーダン地方は二つの宗派が入り乱れた複雑な地域だった。
その折に一つの政治の駆け引きとして利用されたのが彼女である。

彼女はよく食べ、よく働き、よく笑うどこにでもいる普通の少女であった。
一つ普通とは違うところがあるとすれば、少女には身元がおらず、孤児であったということか。
少女が14歳になってからしばらくして、彼女は奉公先を紹介された。
イヴリーヌに館を構えるとある貴族の賄い婦だった。
少女はシスターと子供達に別れを告げ、用意された馬車の中で静かに泣いた。
みんなと離れるのは寂しいが、仕事を覚え落ち着いたらみんなに便りを出そう。
いつになるかわからないが、また子どもたちにシチューを振る舞ってやろう。
ヴェルサイユ宮殿も見てみよう。みんなのお土産話にもなるはずだ。
そんなことを思いながら、昨日の晩は眠れなかったのと、泣き疲れたこともあり、幾ばくかもしないうちに少女は眠りに落ちた。
ひどく揺れる馬車も気にならなかった。

それが少女の最後の記憶である。

【絆2】
彼らにしてみれば身元は不確かなほど好都合だった。
そしてより健康的で若い方がいい。
■■■への強引な施術は少女の体躯を倍以上に膨れ上がらせ、薬は彼女の意識を朦朧とさせた。
化粧ではなく体中に豚の血を塗りたくられ、ドレスではなくつぎはいだ狼の毛皮を着させられた。
背中にはよりよく目立つように一筋の縞模様。
より、らしくなった後には最後の仕上げ。
彼らは彼女の耳元でこう囁く。

「女子供を殺せ。――なるべく惨たらしくだ」

こうして彼女は「獣」となった。

彼女はただただ殺し続けた。道具は用いずその顎と腕だけで解体した。
憎いわけでもない。お腹が空いてるわけでもない。
なのに何故殺すのか。
そこに感情もなく理もなく、時折見知った顔が彼女に何かを叫んだ気がするが彼女は構わず殺し続けた。
なにせ彼女は「獣」であるから。

【絆3】
道理なきものはいずれ滅ぶ。彼女も例外ではなかった。
国が動き、彼女に莫大な懸賞金がかけられ話が大きくなった折、
捨て時と判断された彼女は、薬をいつもより多く嗅がされ、カビ臭い地下室で眠るように息を引き取った。
その後彼らは息のかかった猟師にテキトウな狼の死骸を与え、恐怖がもたらした大量の利益を持ってこの話を締めくくった。

そう、話はここで終わり。
そのはずだった。

彼女が死亡して三ヶ月程たったある日、二人の少年が獣に襲撃を受ける。
一人は死に、生き残ったもう一人は「背中に一筋の縞模様があった」と証言した。

【絆4】

――なにせ彼女は獣であるから。

彼らが作った「死」という道理に従う必要はない。
意味もなく殺すことをやめる道理だってない。
彼女にはすでに肉体は必要なかった。
だって全ての人間は内に醜い「獣」を飼っているのだから。
彼女をこうした彼らの所業のように。
彼女だとわからず罵声を浴びせ続けた子どもたちのように。

ならば彼女も、彼らが彼女にそうしたように、彼らの耳元でこう囁やけばいいだけだ。

――「殺せ」と。

【絆5】

人間誰しもが持つ悪性にささやきかけるサーヴァント。
現界するための写し身も存在せず、心の内に居座り、ただ殺せと、召喚者にささやき続ける。
既に呪いの一種となっているが、獣とされた彼女自身の人格もおぼろげながら存在している。
もし、もしも。
自身の悪性を認め、その上で彼女に救いの手を差し伸べられる人間に召喚されたなら。
そんな日が来るとしたら――
 
 
 
【宝具】狼の盟約(ラ・ベート・ドゥ・ジェヴォーダン)
【ランク・種別】C:対人宝具
マスターの体を借り、ジェヴォーダンの獣として現界する宝具。
マスター自身の身体能力を際限なく上げるが、マスターは常時狂化状態におちいり、
交戦対象が逃走に成功するか、相手が死ぬか、自身が死ぬかでしかこの宝具の効果がとけることはない。

 
【気配遮断C+】
サーヴァントとしての気配を遮断する。
そのサーヴァントの本質通り心の内に潜むため、このレベル帯でも同類以外には決して感知はされない。
【無辜の怪物EX】
本人の意思や姿とは関係なく、風評によって真相を捻じ曲げられたものの深度を表すスキル。
風評以外にも彼女も自身を肯定しているため、より強度に、より深く、その効果は現れている。
【捕食者E-~EX】
絶対的上位者。召喚者の心体に影響を及ぼす。召喚したマスターによってそのランクは変動する。
ランクが高くなれば高くなるほど身体能力は上がり、物理的、概念的な外的作用を受け付けなくなるが、
同時に同ランクの狂化状態に陥り、また狩人に対しては狩られるものに成り下がる。
中田貞行はこの狂気を理解し受け入れることで、その在り方を自身の技へと昇華させた。
 
 
●ジェヴォーダンの獣(台詞集)
一人称:(絆3から)ワタシ 二人称:アナタ マスター:名前

召喚  「…………」
レベルアップ「……フフ」
霊基再臨「…………」(第二段階。モヤのようなものがみえる)
    「…………」
    「……(名前)……」(もやが狼の形になる)
    「ワタシはころすよ……(名前)を殺す……なのになんで……」
     (最終再臨。木漏れ日のなか、孤児院の子どもたちに花かんむりを作ってあげている少女の絵)

戦闘開始「………ァ?」
スキル 「コワセ」「コロセ」
カード  (マスターの台詞)
宝具カード(マスターの台詞)
アタック(マスターの台詞)
EXアタック「ヒヒッ!ヒヒヒっ!」
宝具  「狼の盟約……(ラ・ベート・ドゥ・ジェヴォーダン)
     ねぇ……最高の気分でしょう!?」(マスターがヴェルグアヴェスター時のアンリマユのようになる)
ダメージ(マスターの台詞)
    「アナタモコロシタイノ?」
戦闘不能「じゃあね……つぎはあなたよ」
    「ウフフフ!」
勝利  (マスターの台詞)
    「死ね……死ね……」

マイルーム会話
    「…………うふふ」
    「殺そうよ」
    「ねぇ殺そうよ、気に入らないやつでも大好きな子でもいいからさ。きっと気持ちいいよ…?」
    「獣殺し……」(クーフーリン 所属)
    「聖人……ひひっ!いいいいいいいいねころそうよはやっはややく」(ジャンヌ、マルタ所属)

好きなこと「………………………ないよ」
嫌いなこと「………………………ないよ」
聖杯について「願い………………………ないよ」
絆Lv.1 「…………ウフフ」
Lv.2  「…………こわそ?」
Lv.3  「イダイイダイイダイダイダイイダイイダイモウヤメテッェ!!?ナンデイタイコロシタクナイイダイイダイィイイイイイイイイイ」
Lv.4  「(すすり泣く声)? ワタシの……名前? それは……」
Lv.5  「シスターにね、料理の腕がいいって褒められたんだ。でもワタシはもう……え……? そうだね……そんな機会あるとしたらいつか(名前)にも振る舞ってあげたいな」
イベント「…………いっぱいいるよ」
誕生日 「いいから殺そうよ」