冷澤重助

Last-modified: 2020-02-11 (火) 19:50:56

キャラシート

【名前】冷澤 重助
【容姿】車いすに座し、力無く唾液を垂らし続ける不気味な男
【願い事】みんな みんな いなくなってくれ
【令呪】 2 / 2
【HP】25 / 25
 
【筋力】E:3
【耐久】EX:5
【敏捷】E:1
【魔力】E:3
【幸運】EX:3
 
【スキル1】サンヘドリン第33/0ロッジ統括
英雄点5を得る。エクストラクラスの召喚が可能となる。
 
【スキル2】夢に溺れし逃避の徒
前衛にいる場合のみ行動を行う代わりに使用できる。相手前衛1体に5ダメージを与える。
 
【EXスキル】光明名『昏き瞳の外れ者(ジューダス・コキュートス)』
このスキルの効果は、シート開示を受けた場合でも一部隠匿される。
自分のサーヴァントが存在する限り、このマスターはダメージを受けない。
自分のサーヴァントのHPが0になった場合、自分の現在いるエリアに陣地を作成できる。
この陣地が存在する限り、自分は移動できない。また、陣地が破壊された場合、自分のHPは0になる。
陣地内では■■■以下、効果隠匿■■■
自身の物理防御と魔術防御と奇襲防御時、補正値5を得る。
また、陣地内の全てのキャラクターは、全てのダメージに固定値5を加えられる。
 
(NPC限定)

「ひ、ひひ……まるで閃輝暗点の七面鳥だな……」「ひ、ひ、ぐひ、ひ……嗚呼、あ…… 山岳の流転の波止場のよう…」「大文字焼きのモザンビークというのだよ、クロソイド曲線のようにツルグレンだな」「彼方だな……、まぁマイコプラズマだな。それは配置がはさみ将棋だからだろう」「簡単なスローモーションの三段論法だ。小規模な標本の爪のように無念を晴らすだけだ……」「緊締幕の田舎者のように……あるいは保証金のサッカー部のような乳酸菌だ。分かるか? 分かるだろう」「ぐひっ、ひひひっ! ひっ、っひひひ! 嗚呼、愉快愉快!!」
 

プロフィール

【氏名】冷澤重助
【性別】男性【年齢】24歳
【出身】日本某所
【身長】198cm 【体重】41kg
【肌色】白【髪色】白【瞳色】紅
【イメージカラー】吐瀉物
【属性】狂気・狂
【魔術属性】水
【起源】逃避
【特技】現実逃避、責任の擦り付け、言い訳
【好きなもの】自分、夢の世界、たのしいこと
【苦手なもの】自分以外、現実、つらいこと

■外見・容姿

常に機械仕掛けの車椅子に座っている、不気味な男。背中には幾重もの点滴の管が刺さっており、その身体はガリガリに痩せ細っている。口からは唾液が力無く垂れ続け、その視線は互い違いを向き非常にその様は不気味に映る。気狂いに近い妄言を垂らし続け、その姿は不安といった感情がそのままヒトガタを取っているように近い。だがそれはあくまで彼の意識が向こう側である夢の世界に言っている場合に限る。彼の意識がひとたびこちら側に向けば、彼は全てを殺さんというレベルで拒絶する。

■来歴

彼は生まれつき非常に高い魔術回路を備えて生まれた、しかし生まれた家は魔術の魔の字も知らない一般人の家系で、魔術とは縁遠い暮らしをしていた。しかし、そんな彼には、常人とはかけ離れたもう一つの才能があった。────それは『思い込みの激しさ』であった。
 
生まれつき、自分勝手と言われても仕方がないような行為を無意識にしてしまう彼は、日小学校に上がると同時に些細なきっかけからいじめを受けるようになる。彼も最初はその理不尽な事態に困惑し、そして人間並みに憤り、逃げようとしたこともあった。……が、何時まで経ってもその理不尽は終わらなかった。耐えれば終わると思った。逃げれば追わないと思った。だが、何処まで経ってもそれは途切れない。彼の精神は、まだ人格形成期であったことも手伝い、徐々に擦り切れていった。その苛めは中学2年生期まで続くことになり、耐えかねた彼は中学三年生の時に決心した。自身の親と教師に、頼れるであろう大人全てに対して己の現状を打ち明けた。
 
だが、彼が頼ろうとした大人たちは全て彼を突き放した。曰く、受験はどうしたと問うた出した。曰く、今頑張らないと将来が辛いぞと説教した。曰く、そんな物は思い込みに過ぎないと重助こそが悪であるかのように言った。彼はこの時に思った。ああ、自分が信じていい存在など、最初からこの世にはいなかったのか? と
 
そうして彼は、怒りも、憎悪も、負の感情の全てを己の中に溜め込み続ける事になる。視野が狭い、といえばそれまでだが…彼にとってはもうそれしか方法が無かった。逃げ続ければ全てが報われると思っていたが、何処まで経ってもその理不尽は消えていかない。耐えて、耐えて、耐えて、耐えて────そして、彼の精神は、ある日を境にぐちゃぐちゃになった。
 
人間の精神というものはとても不思議なものだ。誰かとコミュニケーションをとらないと
その取るに足らない小さな感情ですら、どんどんと膨らんみ手に負えない憎悪と化す。彼はさらにそれに加え、天性の思い込みの強さを持ってた。結果として彼は、「自分はいじめをした連中に人生を壊された」「奴らに俺以上の人生の破滅を与えないと俺は一人前になれない」とまで思考し始めることになる。
 
その姿はいうなれば、自分の行動を悔いず、そして他者への擦り付けに恥がない。生粋にして熟成された無慙無愧。自分が悪いとは欠片も考えず、世界の全ては他人が悪い、世界が悪い。俺が苦しんでいるのはお前のせいだという、他責しかない"独り善がり"。人格形成期に大きく歪み、加えて天性の思い込みの激しさを持っていたそれは、外からの影響を受けて完全に閉じた災厄と化した。自分以外がすべて悪いという、邪悪へと変貌したのだ。
 
そして彼は、世界への復讐鬼となった。
その後10数年を掛けて主犯格15人への復讐に成功。或る者は発狂させ精神病棟送りにし、あるものは職場・実家・住まい・家庭全てに圧力をかけ続け自殺に追いやらせ、あるものは妻への性的暴行行為をネットにばら撒いて家庭崩壊へと導いた。全て、総て自分がやられた行為だ。俺はお前たちからこれ以上の悪意を受けた。死にたいと何度も思った。ならば死よりも苦しい苦痛を味わえと。死した後の墓すらも何度も冒涜した。当然この過程で捕縛され釈放されるという事もあったが、それでも彼は辞めなかった。彼の中で、完全に何かが壊れきっていた。良心も、常識も、自分自身の未来すらも、ありとあらゆるすべてを復讐に捧げ続けた。これを終えた先にあるのが、人並みの人生であると信じていたからだ。復讐を終えて、初めて自分はゼロに至れる。そう彼は信じていた。
 
だが、そんなことは在り得なかった。
 
復讐を終えた結果、彼に残ったのは『虚無』でしかなかった。当然だ。彼は復讐の業火にありとあらゆる全てを捧げた。常識も、良識も、人間性も、未来も、人間関係も、総て、全て、凡て、遍くを捧げ続けた。故に残ったのは、ただ空っぽの魂だけ。彼を突き動かしていた復讐心も空っぽになり、生きる芯を喪ったのだ。
 
そして彼は、ありとあらゆる生きる意味を失った。そこで彼はまた一人引きこもり、自分の世界に閉じこもって自分の思考を拗らせてゆく。「俺がこうなったのはいじめられていたからだ」「ならばいじめを見過ごしていたクラスメイト全員が悪だ」「教師も悪だ」「学校が悪だ」「社会が悪だ」「両親が悪だ」「国が悪だ」「人類全てが、俺の敵だ」
 
そんな思考に至ったその時、日本で短い期間で同じ地域の人物が連続で自殺している、ということを知ったサンヘドリンが彼の正体を突き止め、偶然その保有魔力量を知覚。しかし、サンヘドリンが目をつけたのは彼の保有魔術回路ではなく、その彼の圧倒的なまでの「世界の狭さ」であった。
 
「天賦の才だ 何をしてでも連れてこい」
 
時の最高統括司令アーベルデルトの報告を受け、それは最重要実験素体として催眠状態の中連れてこられる。現実に居場所を失った彼は、夢という画期的な逃避場所を見つけたことで、至福の表情と感情に包まれていた。
 
天性の世界の狭さを持つ"それ"に、サンヘドリンは長年追い続けたある計画の素体にする事を決定した。……それは、人類の集合的無意識領域の観測。人類を永劫に発展し続けるためには、抑止力すらもその手に納めたいと考えていた彼らは集合的無意識を観測、調査する方法を極秘裏に計画していたのだ。それは人類の"夢"という領域から潜航を続け、集合的無意識領域の端へ限りなく近い深層まで心象世界を伸ばした人間を作り出し、観測のための経路とするというものであった。そのためには自身の心象風景を際限なく広げることができる強烈な自己の強さが必須であり、尚且つ外に対して過敏ともいえるほどの弱さも必要であった。(他者からの干渉により、内側の心象風景の所持者に対して刺激を与え心象風景拡大を促すため)彼はまさにその2つを兼ね備えた存在だった。故にサンヘドリンは迷わず、世界の狭さと自己の狭量さを持つ男を利用し集合的無意識領域へ近づく実験の決行を決意した。その第一段階として彼を催眠術・魔術・呪術といったオカルト的方法はもちろん、睡眠薬はおろかアヘン、コカイン、ヘロインと言った多数の麻薬を用い、彼を文字通りの意味で"眠らせる"ことに成功した。
 
そしてサンヘドリンの計画は最終段階に移行。胡蝶を通じて夢を深い所まで導き、そしてデマゴーグの持つ"人の悪意"による夢を内部から刺激。そしてある聖杯戦争にて完全に彼の夢は心象風景として成立。広がり続けて世界に影響を及ぼす存在と化した。今もなお彼の夢は拡大を続け、彼はその中心で常に薬の見せる幸せな酩酊の中に溺れ続ける。その様はまさしく、沸騰する渾沌の中で眠り続ける盲目白痴の如く────。現実に居場所を失った男は、今日も夢想の領域に笑い続ける。自分を指差し嗤う人間など誰一人いない、至高の領域の中で。
 
その夢が広がり続けるという事は即ち、集合的無意識へ近づいている事とも知らずに、彼は己の夢の領域を広げ続ける────。
 

■魔術・礼装

光明名『昏き瞳の外れ者(ジューダス・コキュートス)』
彼の生来の自己の強さを基盤とし、薬剤、魔術、催眠、あらゆる技術と暗示によって作り出された、彼が安寧の為に逃げ続ける夢想領域。いうなればただの夢だが、彼という熟成されきった不浄なる無慙無愧が見る夢であるために、触れるだけで発狂しかねないほどの自己への執着が渦巻き続ける。自分以外の人間を拒絶し、侵入すればそれを問答無用で取り込んで自分の夢の一部へと書き換える、いうなればこれは"彼自身"そのものともいえるユメの世界。
 
所詮は夢であるが、これがサンヘドリンの技術による改造と胡蝶の導き、そしてデマゴーグによる刺激の3つを受けることで、永遠に拡大を続ける心象風景へと変貌する。全てを拒絶する自己愛の塊と、広がり続ける夢想領域という相反する2つの属性を帯びた事で、非常に危険な災害とも言うべき存在となっている。彼の心象風景はサンヘドリンの改造により"接続されやすく"なっており、冷澤という人間を意識した者は全て、精神が弱いものから彼の夢世界に取り込まれ、発狂し精神が押しつぶされて廃人状態に変貌する。これは彼の心象風景が広がり続け、物理的な距離が近いものから取り込んでいることを表す。だがあくまで精神的な領域での話であるため、精神上で繋がりがないもの、即ち"彼を意識していない者"は影響の範囲外になる。また、精神が強いものも彼の夢の法則に支配されずに抗うことが可能である。…が、抵抗はあくまでまだ心象風景が広がり始めている段階だからこそ可能な物であり、彼の夢が広がり続け、それこそ底無し沼の如き深みにまで拡大成長するような事があれば、この抵抗も可能かどうかは定かではない。
 

■人物・性格

上述したように、責任の擦り付けと自己への思い込みの激しさだけで生きてきたと言ってもいい人間。現在はそれらは封じられ、ただ夢の世界に逃げ続け酩酊しているだけの狂人状態となっている。だがひとたび目覚めれば、その夢の中で得た幸せ総てが反動として返り、現実の人間たちに対する被害妄想が支配して暴力を振るい自傷を開始する。彼が幸せな夢の中で微睡んでいた時間のぶんだけ、起きたときの彼の被害妄想、思い込みが激しくなる。
 
サンヘドリンに送られてから4度だけ本部で目を覚ました時があるが、その時の思い込みのレベルは非常に激しく、目が合っただけで「俺を見下した」眼をそむけただけで「俺を無視した」とナイフでめった刺しにしたという報告が存在している。
 
結果として 彼の存在には情報統制が敷かれ、彼を知るのはごくわずかのみとなっている。幹部の中でも、彼の存在は『33の統括を起こすな』という法度でしか知らないという人が数人いるほどである……。が、最近は33支部の動きが活発であると報告があり、英霊肯定派、否定派の両派閥がその動きに注目しており、外部の魔術師を利用して諜報しているというのが現状である。

因縁キャラクター

アーベルデルト・ヴァイスハウプト
夢を通じて会話した人間。彼に光明名を授けた張本人。
夢を通じてとはいえ、彼と会話が成立した唯一無二のサンヘドリン。
アーベルデルトから授かった詠唱によって、彼は己の夢の領域を広げる術を知り、
そして集合的無意識領域への潜航を開始した。
 

■備考

サンヘドリン第33ロッジの統括となっているが、これは彼に「集合的無意識領域への潜航」を行わせるためだけに光明名を授けるためのモノ。要は幹部であるだけであり、権力は無いに等しい。むしろその扱いは実験動物かそれ以下と言えるレベル。加えて、33ロッジが研究していたものこそ、そのものずばり『人類の抑止力』。即ちアラヤに触れるための方法であり、言うならば33ロッジは彼という人間を作り上げるために数千年間紡がれ続けてきたと言っても過言ではない。