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Last-modified: 2008-10-13 (月) 22:14:30

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171 名前: その名はAKJ 第4章 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 06:35:39 ID:cf8X/xQq
第4章 AKJ会員規則
第一条 AKJは「兄(Ani)が嫌いな(Kiraina)女子(Joshi)なんていません同盟」を正式名称とする。 注1
第二条 目的  1、妹と兄が結ばれるための支援を行うこと。  2、全ての妹と兄が結ばれるような社会への変革を行うこと。

第三条 主な活動内容
1、妹と兄が結ばれるために、さまざまな支援を行うこと。
2、妹と兄が結ばれる正しさ、素晴らしさを、人々に啓蒙すること
3、妹と兄が結ばれる法制度、世論等を形成するために政界、財界に働きかけること。
4、妹と兄が結ばれることに反対する人間を抹殺すること。

第四条 AKJはノディオン家地下を本拠とし、必要な範囲において支部を置く。
第五条 会員資格は兄を愛する妹であること、実、義理は問わない。
第六条 会員の住所は紋章町であることに限定しない。 注2
第七条 入会を望む者は、己の兄への想いを述べた後、第八条の事項を決定し、AKJが用意した契約書にサインをすること。
第八条 AKJは会員に対し、入会費、年会費その他一切の金銭を徴収しない。「兄を愛する気持ち」こそが、AKJにとって最高の入会費であり、会費なのである。

第九条  会員は入会の際に、以下の事項を決定し、AKJに申告しなければならない。
1、聖名:愛しき者、即ち兄の名
2、聖言:兄への愛を告げる言葉

第十条 会員は、兄を愛し、兄への愛を全てにおいて優先する義務を負う。 注3

第十一条 会員は以下の行為をしてはならない。ただし、兄を愛することが目的である場合を除く。
1、AKJの存在をみだりに公開すること
2、他の兄妹の愛を妨害すること

第十二条 会員は以下に区分する。
1、特別会員 愛する兄が、原作、兄弟スレいずれにおいても血縁である者
2、正会員 愛する兄が、原作、兄弟スレいずれかで血縁である者
3、準会員 愛する兄が、原作、兄弟スレいずれにおいても血縁でない者

第十三条 会員は、資格がある範囲で会員区分を変更することができる。
第十四条 会員のAKJより以下の事項につき、経済的・人的援助を無償で享受できる。
1、兄と既成事実をつくる  2、兄と同棲、結婚をする  3、恋敵の抹殺  4、情報操作
5、戸籍の改ざん(正会員、特別会員に限る)   6、兄妹間の恋愛が許された他県、他国への亡命(特別会員に限る)
7、その他、兄妹間の愛情を深めるのに必要な行為

第十五条 兄と結ばれた会員は、神会員とする。
第十六条 神会員は兄との愛を保持するために必要な援助を無償で受けることができる。
第十七条 以下の事項に該当したものは神会員の地位を剥奪され、以前の地位に戻る。 注4
1、兄を他の女に寝取られた場合  2、兄を他の男に寝取られた場合
3、その他の理由で兄と別れた場合(ただし、会員自身の愛が失われた場合を除く)

第十八条  以下の事項に該当したものは、AKJを退会しなければならない。
1、兄が死亡した場合   2、会員が他の男と恋愛、結婚状態になった場合
3、会員の兄に対する愛が失われた場合

第十九条 AKJは、特別会員の中から以下の役員を定めなければならない。役員は定期的に役員会議を開かなければならない。
1、会長 AKJ全体の運営、管理を行い、会の最終的な意思決定を行う者
2、恋愛支援責任者 兄妹間の恋愛支援を管理、統括する者
3、人事・情報責任者 新会員の勧誘、情報収集を統括する者
4、財務・総務責任者 財産の管理および内部的事務を統括する者

第二十条 AKJは9月6日に総会を開かなければならない
172 名前: その名はAKJ 第4章 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 06:37:19 ID:cf8X/xQq
注釈
注1 AKJの歴史
AKJの歴史は古く、古の時代に遡る。
聖戦士の1人魔法騎士トードにはフリッグという妹がいた。
フリッグは豪放で逞しい兄に引かれていたが、彼女の想いが兄に届くことはなくトードは2人の女性と結婚してしまった。
傷ついたフリッグは自分のような妹が二度と現れぬよう、親友フレイア(ブラコン)と共に妹による組織を設立したのがAKJの始まりである。

注2 会員の住所
AKJ会員約3600名の内、8割が紋章町出身者であるが、残りは紋章町外の人間である。
神会員の中でも伝説となっているミア・トーマ(後述)は脚流芸県デュエル市の住民である。

注3 会員の義務
AKJにおいて兄への愛は絶対であり、全てに優先される。
たとえAKJ自体を破壊するようなことがあったとしても、兄への愛のためであれば、自衛以外で妨害、非難をしてはならない。
ミア・トーマという会員は実の兄と結ばれるため、世界を滅ぼそうとした。
結果としては失敗に終わったが、AKJは彼女を責めず、むしろ理想の行動として称えている。
※ミア・トーマとは「DUEL SAVIOR」というギャルゲーにでてくるヒロインが元ネタ。
上で書いたことをガチでやる可愛い女の子です。

注4 神会員の地位の剥奪 退会
両者の原因で最も多いのが「S」に仲を引き裂かれることである。
「S」については、次章で述べることとする。

注5 現在の役員は以下の通りである。
会長 ラケシス
聖名 エルト兄様
聖言 私はエルト兄様のような人でなければすきにはなれないわ

恋愛支援責任者 プリシラ
聖名 レイモンド兄さま
聖言 だいすきです・・・兄さま。

人事・情報責任者 ティニー
聖名 アーサーにいさま
聖言 だって・・・、にいさまのこと好きなんだもの・・・

財務・総務責任者 クラリーネ
聖名 クレイン兄さま
聖言 二人はいつまでもいつまでもずーっと一緒なのですわ!
173 名前: その名はAKJ 第5章 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 06:39:07 ID:cf8X/xQq
第5章 会長ラケシス及びAKJ役員会議

―9月6日 紋章町議会場
ラケシス 「以上がわたしが作成した『兄妹恋愛支援法案』でございます。議員の方々には是非ともご理解を求めたい所存であります」
ウーゼル 「私は反対であります、そのような法案は前代未聞。人類の常識にも反します」
エリオット「我がハイライン党も反対だ(そんなことをしたらラケシスがおれのものでなくなる)」
ラケシス 「しかし、現に兄妹で愛し合っている者は存在するのです。それを無視するのですか」
キュアン 「異議あり、兄弟の愛は所詮は家族愛。男女の愛とはなりえません」
ラケシス 「そんなことはありません」
キュアン 「最高の女性とは『童顔で従順、微妙に妹属性が入った若妻』であり、このような女性であるからこそハァハァできるというもの」
ラケシス 「く・・・」
キュアン 「あくまで妹属性は微妙に混じっているから素晴らしいのです。実の妹など萌えの対象に入りません」
ラケシス 「その見解は誤りです。実の兄妹という背徳的な状況が混じっているからこそ、燃えるし萌えるのです。真の燃えと萌えは血縁間にのみありえるのです」
議長ペレアス 「えっと、あの、両議員とも落ち着いてください。この法案については後日また改めて議論したいと思います。本日はこれで閉会します」

―議会終了後、紋章町議会場前
ラケシス 「く、本当に頭の固い連中ばかりでこまるわ。キュアンなんて『俺の嫁サイコー』って言いたいだけじゃない」
AKJ工作員 「ラケシス会長」
ラケシス 「あら、プリシラのところにいたのではなかったの?」
工作員  「は、プリシラ様との任務が完了したので、お迎えにあがりました。プリシラ様も本部へ向かっております」
ラケシス 「そうなの、それでプリシラのほうはどうだったのかしら?」
工作員  「成功です。会員C03532と兄との恋愛は成就、ご自身の恋敵についてもフラグを潰しました」
ラケシス 「それはよかったわ、あなたもお疲れ様」
工作員  「いえ、任務ですので」
ラケシス 「時間ですので、本部に向かいましょう。たいした距離ではないし、歩きでいいわね」
工作員  「は、ご同行いたします」

―歩き道
ラケシス 「まったく、議員連中は本当に憎たらしいわ。兄妹の愛こそ世界で最も崇高なものということがわからない野蛮人とケダモノばかり」
工作員  「ということは、法案の方は・・・」
ラケシス 「厳しいわね。買収や脅迫で動く連中はなんとかしたけど、それだけじゃ過半数は取れないわ」
工作員  「ま、まぁ確かに、世間的な常識からはかけ離れていることですから・・・」
ラケシス 「(ムっとして)あなた、AKJで働いているということは当然兄がいるのよね?」
工作員  「は、1人おります」
ラケシス 「それなのに、兄妹の愛を否定するのはおかしいのではなくて?」
工作員  「(いや、それが普通だから)べ、別に否定したわけではないのですが、なにぶん兄と年も離れておりますし、すでに兄は既婚者ですので・・・」
ラケシス 「まぁ、お兄様ご結婚なさっているの!?これは大変、明日にでもその妻を抹殺しなくては」
工作員  「けけけけけ、結構です」
ラケシス 「どうして?結婚していたらあなたとの愛を育めないのよ」
工作員  (だから、別に私は兄のことなんか好きじゃないから・・・って言ったらクビか・・・)
ラケシス 「どうなの?」
工作員  「いや、その、兄は本当に幸せな結婚生活を送っていまして、兄を愛するからこそ兄には本当に幸せになってほしいのです、よって、私は涙を呑むことにしました」
ラケシス 「まぁ、素晴らしい考えね、AKJの鑑よ。残念ながらわたしはその境地には達していないわ、グラーニェの姿を見るたびに切り刻みたくなるの」
工作員  「それはよろしいのですが・・・(よろしくないけど)」

注:グラーニェはエルトシャンの嫁でアレスの母のこと。
174 名前: その名はAKJ 第5章 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 06:40:13 ID:cf8X/xQq
―AKJ本部 ノディオン家前
ラケシス 「私は役員会議があるからあなたは暫く休んでいなさい、総会がはじまったら周りの警備に参加して」
工作員  「は」
エルトシャン「む、帰ってきたか、ラケシス」
ラケシス 「兄上、只今帰りました」
エルト  「そうか、行き違いで悪いが俺は出かける。明日まで帰らないから留守は頼むぞ」
ラケシス 「お仕事ですか?」
エルト  「う、いや、あの・・・そ、そうだ、仕事だ」
ラケシス 「そうですか、行ってらっしゃいませ、兄上」
エルト  「あ、ああ」
ラケシス 「・・・ちょっといいかしら」
工作員  「は」
ラケシス 「さっきの指示は取消、あなたはエルト兄様を尾行して。兄様を疑いたくはないけれど、あの態度は怪しいわ」
工作員  「承知しました」

―ノディオン家地下 役員会議室
クラリーネ「ティニーさん、大事な会議の前に変な本なんて読んでいるんじゃありません」
ティニー 「そんなこといっても冬コミは今からやらないと間に合わないから、研究よ、研究」
クラリーネ「いつもいつも、一体何を読んでいるんですの?」
ティニー 「クラリーネにぴったりの本よ、はい」

―ティニーが手渡した本、それは金髪の美青年と屈強な男が裸で<ダキュン>している本だった。

クラリーネ「ここここここここれは、クレイン兄さまと、デ、デ、ディーク。何をしていますの!?この2人は一体何をしていますの!!?」
ティニー 「去年出したディーク×クレイン本、結構人気高いカプよ」
クラリーネ「え、だ、だだだだって、この2人は男性同士、そ、それに、お、おし、おし・・・いや、これ以上は言えませんわ/////」
ティニー 「やっぱりいきなり18禁は刺激が強かったようね」
クラリーネ「不潔です、あなたは不潔です、フリージ家の令嬢ともあろうものが、こんな下品な本を・・・」
ティニー 「そう、クレイン×エルク本もあるけど、それは要らないと」
クラリーネ「え!?べ、別に要らないとは言っていませんわ、見聞を広めるためにあらゆる本を読みなさいとお兄様もおっしゃっていますし」
ティニー (お得意様ゲッツ。巨人・大鵬・卵焼きが嫌いな子供がいないのと一緒、兄・ホモ・スイーツが嫌いな女子もいないのよ)
ラケシス 「2人とも何をやっているのです!!」
クラリーネ「か、会長」
ティニー 「あ、会長、これ約束の『エルト×シグルド本』」
ラケシス 「ふん(受取る)」
ティニー 「プリシラさんも、『レイヴァン×ルセア本』要る?」
プリシラ 「いえ、そのカプは『リアルで洒落にならないので』遠慮しておきます」
ティニー 「そう」
ラケシス 「ティニーもいつまでもそんなや○いに現を抜かしているのではありません」
プリシラ 「そうです、同人活動なら兄妹恋愛モノを書くべきです」
ティニー 「うーん、ノーマル系は兄さまの方が得意なんだけどなぁ」

ラケシス 「そんなことより、役員会議を始めるわよ!!今日は手早く済ませます、まずはクラリーネ、先月の財政状況は?」
クラリーネ「中旬で一旦資金がつきかけましたが、リグレ家からの『自発的支援』でなんとかプラスマイナス0で乗り切りましたわ」
ラケシス 「それで、その他何か特筆すべきことは?」
クラリーネ「特にありませんが、皆さんもう少し支出を抑えて欲しいですわ。お金は無尽蔵ではないのですよ、おかげでお兄様の苦しむお姿を見ることに・・・あ、でもとても素敵で(以下略)」
ラケシス 「そうですか(スルー)、では皆さん支出を抑えるように。それではプリシラ、恋愛支援について報告を」
プリシラ 「はい、8月及び今日までで成立した兄妹カップルは21組。内訳は特別が1、正が2、準が18組です」
175 名前: その名はAKJ 第5章 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 06:41:58 ID:cf8X/xQq
ラケシス 「素晴らしい数字だけど、やはり準(義理同士)が大半を占めるのは惜しいわね。ところで『S』の動きはどうなの?」
プリシラ 「先月、我々は8組の恋愛支援に失敗しましたが、いずれも『S』の妨害によるものです」
ラケシス 「やはり『S』は動いているのね」
プリシラ 「またすでに恋愛が成立している兄妹を5組、破局に追い込んでおります。この5人の妹は『S』に説得された後、いずれもAKJを脱退しております」
ラケシス 「説得?単にティルフィングを振り回すだけではなくなったの?」
プリシラ 「ええ、以前より手口が巧妙になってきています。15年前、先代AKJによって戸籍を改ざんし結婚した兄妹がいましたが、『S』は3日前にそれぞれ恋人を紹介して別れさせております」
ラケシス 「そんな馬鹿な!?あの戸籍改ざんが見破れるはずが・・・」
プリシラ 「ことKINSHINに関する限り、『S』に常識は通用しません」
ラケシス 「く、寝取られ平社員、中年童○でた(検閲削除)の分際で・・・兄様の親友でなければすぐにでも切り刻んでやりたいわ」
プリシラ 「『S』への対策は検討中ですが、すぐには無理でしょう。とりあえず、今日も妨害が予想されるので警備は厳重に行いましょう」
ラケシス 「それしかないわね。他に何かあるかしら?」
プリシラ 「あとは恋敵とのフラグ潰しを30件ほど行いました。きょうもレイモンド兄さまとレベッカの仲を引き裂きました」
ラケシス 「さっき聞いたわ、よかったわね」
プリシラ 「無害とはいえ、兄さまに一服盛ってしまったのが心残りですが、でもきっと許してくださいます。兄さまは一見冷たいようですが、本当はとても優しい方で先日などは・・・」

ラケシス 「(スルー)ティニー、報告を」
ティニー 「先月から昨日まで新しく入会したのは2人です」
ラケシス 「随分と少ないわね、まさか夏コミを優先したわけではないわよね?」
ティニー 「(ギクッ)い、いえ、決してそういうわけでは・・・ですけど、入会した2人は大物ですよ、マケドニアのミネルバとマリアです」
ラケシス 「まあ、あの2人を引き入れたのは大きいわね」
ティニー 「はい、AKJ会員はユグドラルとエレブに偏りがちだったので、アカネイアの妹は貴重ですよね」
ラケシス 「人数のことは、それで不問にしましょう、他に何かある?」
ティニー 「兄弟家のことなんですが・・・」
ラケシス 「そういえば、次女のエリンシアを引き入れるのではなかったの?」
ティニー 「えっと、あの、その、勧誘の途中エリ>アイクというのが発覚したため、不可能となりました」
ラケシス 「なんですって!?そんな肝心なことに今まで気づかなかったというの!?」
ティニー 「すみません、作者の不注意で」
ラケシス 「長女ミカヤは年齢的に不可能だし・・・あとは四女のリンディスだけね。たしかプリシラが誘った時は失敗したのよね(12スレ「潔白の証明第4章」)」
プリシラ 「はい、好感触だったのですが、後一歩のところで失敗しました」
ラケシス 「素晴らしい兄2人を持ちながら何も想っていないなんて、明らかにおかしいわ、ひょっとしてレズという噂は本当だったの」
プリシラ 「考えたくはありませんが、あるいは・・・」

リン   「どっちも違ーーーーう」
フロリーナ「え、何、いきなりどうしたの!?」
リン   「え、あ、ごめんなさい、なんか無意識に叫び声が出ちゃったわ。やだ、どうしちゃったのかしら?」

ティニー 「ひょっとして、兄2人の方がリンディスを愛してくれないんじゃない?」
ラケシス 「その可能性も否定できないわね」
ティニー 「その辺がアーサーにいさまとは違うところね。にいさまは魔法の腕も一流だし、同人作家としても一流、もちろん妹への愛も・・・」
ラケシス「(スルー)さて、次の問題は・・・」
ティニー 「あーあ、セティ様もさっさとフォルセティをにいさまに譲っちゃえばいいのに」

セティ  「うわーーーーん。は!?す、すまない、何故かはわからないが急に泣きたくなった」
176 名前: その名はAKJ 第5章 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 06:43:48 ID:cf8X/xQq
ラケシス 「『兄妹恋愛支援法案』を今日議会に提出しましたが、予想通り反対にあいました」
プリシラ 「やはりそうですか・・・」
ラケシス 「事前に3分の1程は味方につけておきましたが、脅迫、買収が通用しない相手が尽く反対してきたのが痛いわね」
クラリーネ「具体的には誰ですの?」
ラケシス 「ウーゼルを中心としたリキア党の大多数、キュアンを中心としたトラキア党レンスター派」
ティニー 「『常識人』と『俺の嫁サイコー』の2つね」
ラケシス 「あとハイラインのエリオット。いつもは私の言いなりのくせに、今回だけはそうじゃないのよ」
プリシラ 「まぁ、法案が成立したら『おれのもの』にできなくなりますからね」
ラケシス 「まったく、どっちにしてもでもあんなキザな男は、大きらい!私はエルト兄様のような人でなければ(略)」
ラケシス以外の3人「それはよろしいのですが(スルー)」

注 AKJ役員にとって、他人の兄のノロケや自慢話をスルーするスキルは最低限持たなければならない。
 その一方で自分の兄については最低3日は語れなければならない。
 規則で決まっているわけではないが、そうでなければ身と心が持たないため必須スキルである。

ラケシス 「う、いずれにしても、この法案はなんとしてでも成立させなくてはならないから今後とも全力を尽くしましょう」
ラケシス 「それでは時間も押していますし、これで会議を終わりにします。すぐに会場に向かい、最終チェックを行いましょう」

―4人が会議室を出ようとしたその時
工作員  「会・・・長・・・」
ラケシス 「!?一体何があったの、傷だらけじゃないの!?」
工作員  「エルトシャン様が仕事というのは嘘偽り、実際はグラーニェとのデートでした」
ラケシス 「やはり、そうだったのね。しかも明日まで帰らないということはお泊りコース。あの女、一気に決める腹だわ」
工作員  「妨害を試みましたが一人では力及ばず、グラーニェに返り討ちに・・・」
ラケシス 「あなたはよくがんばったわ、まずは治療を・・・」
クラリーネ「リカバー。会長、何をなさっているのです?急いでデートを妨害にいくのです。グラーニェは、貴女以外では太刀打ちできませんわ」
ラケシス 「え、しかし、この後には・・・」
プリシラ 「規則第十条をお忘れですか。兄への愛は全てに優先されるのですよ」
ラケシス 「それは・・・」
ティニー 「この大事な日に会長の兄が寝取られました、じゃ他の会員に示しがつかないわ。間は私たちが持たせるから、速攻で片付けてきて」
ラケシス 「皆・・・ありがとう、私、行って来るわ」
役員3人 「今日という日に相応しく、派手にやってきなさい」
ラケシス 「任せて!!あの女、今日という今日は許さないわーーーー」

工作員  「・・・行ってしまわれたようですが、エルトシャン様が何処にいらっしゃるのか私伝えていない気が・・・」
ティニー 「兄の居場所なんて気を集中させれば自然とわかるわよ」
工作員  「は?いや、発信機も使わずにですか?魔法で行うのは大賢者クラスでもない限り・・・」
クラリーネ「あら、我々の間では常識でしてよ。ちなみにクレイン兄さまは今リグレ本社の社員食堂、左から2番目のテーブルにいらっしゃいますわよ」
プリシラ 「レイモンド兄さまはボディーガードの仕事でリキア党本部203号室に・・・あ、今207号室に移りました」
ティニー 「アーサーにいさまは・・・自宅で入浴中みたい、こんな時間に珍しいわね」
工作員  (嘘だ、絶対でたらめに決まってる、ああでも本当のことのように思えるのは何故なの?)
プリシラ 「さぁ、会場に行って準備をしましょう、連続で悪いけど、あなたは会場の外の警備をお願い」
工作員  「り、了解」

―9月6日、この特別な日に開かれる「AKJ総会」。AKJ最大とも言える催しがまもなく始まろうとしていた。

終章へ続く

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