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Last-modified: 2008-10-19 (日) 13:29:39

45 名前: 飛び出せ、棺桶姫! [sage] 投稿日: 2008/08/30(土) 23:26:05 ID:TKHEPXNI
 また新暗黒竜のネタばれだから気になる人はスルーヨロ。

 ある日、アイクが棺桶担いで帰ってきた。

マルス  「なぜに」
リーフ  「あー、アイク兄さん、ひょっとして中身ナギさん?」
アイク  「知っているのかリーフ」
リーフ  「うん。実はこの間かくかくしかじか」
アイク  「なるほどな。俺も似たような感じだった」

 街中を歩いているとき、路上に放置された棺桶を見つけていったい何だと怪しんでいると、蓋が開いて美女が体を起こし、

ナギ   「お前も蝋人形にしてやろうか」
アイク  「されたくないぞ」
ナギ   「わたしはナギです。あなたはトムですか」
アイク  「俺はアイクだが」

 そんなこんなでしばらく雑談していると、ナギは唐突に倒れこんでグースカ眠り始めたのだとか。

アイク  「そのまま放っておくわけにもいかんと思ったので、仕方なく棺を担いで帰ってきた」
リーフ  「いい訓練だね」
アイク  「いや、中身が女だからかあまり重くなかったので大した負担にはなっていない」
リーフ  「石棺片腕で担いでる時点で物凄い重労働だってことに気づいてよ」

 そんな風に話していると、唐突に棺の蓋が持ち上がって中から美女が体を起こした。
 相変わらずぼんやり周囲を見回した彼女、アイクを見つけるや否や、

ナギ   「アイクさん、あなたは愛を信じますか」
マルス  「どこかで聞いたセリフですね」
アイク  「昔『お前の名前の由来は愛の苦しみで愛苦だ』とからかわれて以来信じられなくなったが何か」
リーフ  「なにその悲惨な過去」
ナギ   「ひどいわあんなに激しく愛し合ったのに」
アイク  「なんのことだ」
ナギ   「あの夜を忘れたの」
アイク  「どの夜だ」

46 名前: 飛び出せ、棺桶姫! [sage] 投稿日: 2008/08/30(土) 23:28:43 ID:TKHEPXNI
 お互い淡々とした口調で不毛な問答を続けていると、

ワユ   「ひどいよ大将!」
ララベル 「わたしたちとのことは」
イレース 「ただの遊びだったんですか……」
サナキ  「答えよアイク!」
ミスト  「もうお嫁に行けない!」
セネリオ 「酷い有様です!」
リーフ  「ちょ、窓ぶち破らないでワユさんなんで台所から出てくるのララベルさん
      小柄だからって冷蔵庫に潜むのはナシだよイレースさん……ええいもう、突っ込みが追いつかない!」
レテ   「アイクゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」
リーフ  「畳を突き破って猫登場!? この人でなし―っ!」
マルス  「確かに人じゃあないね」
レテ   「アイク……! 貴様、よりにもよって竜などと……この、この……!」

 レテは目に涙を溜めて、絶叫しながら駆け去った。

レテ   「この獣姦マニアァァァァァァァァァッ!!」
リーフ  「あんたがそれ言っちゃうの!?」
イレース 「彼女はひどく錯乱しているようですねモグモグ」
リーフ  「ドサクサに紛れて冷蔵庫の中身食べないで下さいよ」
イレース 「残り物うめぇ」

 そんなこんなでぎゃーぎゃー喚いていると、不意にナギが、

ナギ   「……あら、ここは?」
リーフ  「あ、目が覚めたみたいだ」
マルス  「今まで半目で寝言言ってただけなのかこの人は……」
ナギ   「……ここはどこ。わたしはナギ」
アイク  「名前ならもう聞いたぞ」
ナギ   「……あなたは……」

 と、首を傾げて一言。

ナギ   「誰?」
リーフ  「ここまで混乱させてといてそれはねーよ」
イレース 「残り物うめぇ」