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Last-modified: 2009-01-13 (火) 23:07:02

378 名前: フラグマスターアイク トーナメント青月光 [sage] 投稿日: 2008/12/08(月) 11:43:55 ID:o+OGmA7l
一部、大乱闘FEブラザーズと重複しかねない設定があります。その点に留意のうえご覧ください。
そろそろテンプレについて話し合おうぜ。

―――その日、紋章町のあらゆる未来視たちが夢を見た。
リオン「……これは……」
ミカヤ「……なんて……こと」
ヘクトル「オイオイオイオイ、洒落になんねーだろ……」
ユリウス「……地球滅亡か……?」
そして、その全ての者たちが決意した。この事態は食い止めねばならぬと。
そのためには、結束して事に当たるべきであると。

数週間後、兄弟家

エリンシア「お早うございます兄上とアイク。今日はカレーですよ」
シグルド「ありがとう。いただきます」
アイク「いただきます。……今日は祝日か」
シグルド「そうだね。セリカ達も、テリウス区にできた新しい遊園地(わくわくイズカランド。しっこくハウスやマレハウト山を模したアトラクションがあることで話題)に遊びに行ったようだし」
アイク「暇だな」
シグルド「そうだね」
エリンシア「そうだったら、少しお使いに行って下さいませんか? 今日の夕食分の肉が切れてしまって」
アイク「肉か……重要な問題だ。俺が行こう」
シグルド「私も行こう。少しは運動しないと体がなまってしまう」
アイク「それなら、グラドの商店街まで競争しようか? 俺は徒歩でいい」
シグルド「じゃあ私は馬で行こう」
エリンシア(仲が良いですわね……。微笑ましいわ)

十分後、バーハラ商店街

シグルド「ぐはっ……はあ、はあ、くそ、早すぎるぞアイク……」
アイク「不摂生が祟ったな。さて、肉屋は……」
ヴァルター「くくく……久しぶりだな? エイリークは元気か?」
アイク「ヴァルターか。ああ、エイリークは元気だ。ただ、少し学園祭の出し物で苦労しているようだがな」
ヴァルター「ほう……それは旨くないな? 何が足りないのか言うがいい? 私が用意してやるぞ?」
アイク「そうか。ならば肉を頼む」
シグルド「待てアイク! お前の欲しい物じゃないだろう!」
ヴァルター「構わんとびきり上等の竜の肉を用意してやろう?」
アイク「有難うヴァルター、恩に着る。エイリークが必要なものは人手だそうだ。俺も手伝っているが、流石にステージの作成は難しいようでな」
ヴァルター「それならば私に言ってくれればいいものを……いや、その奥ゆかしいところがエイリークの良い所だな?」
アイク「そうだな。肉は家に届けてくれ」
ヴァルター「把握した?」
シグルド(私空気……)

アイク「さて兄さん、やることが無くなってしまったが」
シグルド「うむ。……おや、あっちの広場で何かやっているようだ」
アイク「縁日か? 行ってみよう」
379 名前: フラグマスターアイク トーナメント青月光 [sage] 投稿日: 2008/12/08(月) 12:03:55 ID:o+OGmA7l
マージョウ「はい、クリミアシティトーナメント参加希望者はこちらに並んでください。住所と電話番号も記入してください。登録された方は、サイクロプスと腕相撲して……」

アイク「クリミアシティトーナメント?」
シグルド「ふむ。例のやつか」
アイク「知っているのか兄さん」
シグルド「ああ。最近、バレンシアで行われた大会と同系列でね。ほら、アルムが出場していただろう」
アイク「ああ、あれか。つまり、あの大会をクリミアでも行うと」
シグルド「というか、同じ大会の予選という扱いだったね。クリミア市の人だけが出場できる予選だろう」
アイク「……さて、問題は俺が出場できるのかということだが」
シグルド「出来るだろう。一応、アイクはグレイル工務店にも籍を置いてあるからね」
アイク「そうか。じゃあ、受け付けてくる」

マージョウ「はい、お名前を」
アイク「アイク。グレイル工務店のアイクだ」
マージョウ「……アイク!? お、おいコユージョ! たしかこの人って……」
コユージョ「うむ、確かそうだ。……失礼しました。では、この書類にサインを」
アイク「……これで良いんだな? サイクロプスとやらはこれだな?」
マージョウ「あ、そちらではなく。こっちのドラゴンゾンビと闘ってください。武器は無しです」
シグルド「無理ゲーだろ!」
380 名前: フラグマスターアイク トーナメント青月光 [sage] 投稿日: 2008/12/08(月) 12:30:42 ID:o+OGmA7l
通された場所は、広場の中央。
それなりに広く、踏み固められ、ところどころに焦げ目の入った地面が、賢者たちの魔道障壁で覆われている。
広場の中央に、一体のドラゴンゾンビが鎮座する。ただのドラゴンゾンビではなく、古の火竜が屍竜化したモノ。
攻撃射程は3。攻撃力は守備無視で40。体力は100を超える。シグルドの叫びも致し方ない、まさに無理ゲーだ。
その屍竜の前に相対する、紋章町最大戦力の人間災害。それが、屍竜の前でファイティングポーズをとる。
「覚悟しろ」
その言とともに、人間災害は吶喊する。握られた拳が、屍竜の顎を砕く。
屍竜は苦痛を感じた気配もなく、雄叫びを上げ、口腔に漆黒の炎を宿し、解き放つ。
それはアイクに直撃し、地面を溶かす。障壁の内側が、炎に包まれる。
だが、アイクは動じない。作業的に、屍竜に攻撃を加えていく。
腹、脚、尾、翼。攻撃する度にそれらはぼろぼろになり、やがて黒い塵に帰る。
激しく動き回るアイクに屍竜の攻撃は当たらず、障壁の内側が、黒い炎に染め上げられていく。

やがて屍竜の四本の脚は全て塵へ帰り、翼も尾も千切れとんだ。
ただし、最大の脅威はまだ厳在する。黒い炎を生産する胴体、それを発射する口腔。
アイクは胴体に狙いをつけ、そこに対術版天空を浴びせようと光る雲を突き抜けFly Away。
そのアイクを狙って、屍竜は鎌首を持ち上げ、アイクに向けて口を開く。
そして再度宿る、黒い炎。それが発射され、炎の奔流がアイクを焼き尽くさんと迫る。
ひらりと、空中だというのに回避するアイク。
屍竜の眼が、なん……だと……とばかりに見開かれ、蹴り壊され、その先の胴体ごと二つに分断された。
どさ、と屍竜の体が地面に倒れる。屍竜の体は塵に帰り、黒い炎も消え失せた。

コユージョ「はい、予選突破です。では来週、第一試合を行いますのでグリトネア塔にいらしてください」
マージョウ「お疲れ様でしたー」