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Last-modified: 2009-03-18 (水) 00:46:59

19 名前:フラグマスターアイク トーナメント青月光:2008/12/10(水) 19:19:37 ID:d89WYjPN
アイク「なかなか強かったな、あれは」
シグルド「流石のお前でもあれは無理だと思ったが」
アイク「完全に鍛え上げたアシュナード・漆黒の騎士のタッグと戦った時よりは楽だったぞ?」
シグルド「前言撤回だ。あの程度なら楽勝だったな、お前なら」
話が寸断され、ふとシグルドが前を見ると、茶髪で快活そうな少女と、茶髪で斧を担いだガチムチおっさんがいた。
知った顔を見て足を止めて前を見たシグルドにつられて、アイクもシグルドと同じ方向を向く。
見られていることに気付いてか、少女がアイクに向けて振り向き、いきなり走り出してくる。
ミスト「お兄ちゃん!」
アイク「ミストか」
下腹部にロケット頭突きを喰らっても平気なアイク。
おっさん達はおっさん達で話が盛り上がっているようだ。
シグルド「グレイル殿! お久しぶりです」
グレイル「おお、シグルド殿。ご無沙汰でしたな」
シグルド「今日はどちらまで?」
グレイル「いや、クリミアシティトーナメントの予選会に行った帰りでして。しかし、なかなか厳しい内容でしたな。
     マギ・ヴァル名産の魔物との戦い! サイクロプスとは、なかなか腕力の強い魔物のようです」
ミスト「お父さん凄かったんだよ! サイクロプスと腕相撲して一発KO! お兄ちゃんもやってみたら?」
アイク「……」
シグルド「……」
グレイル「予選は突破できましたが、はたして本戦を突破できるかどうか。ガトリーやジョフレなど、なかなか強そうな面子が集まっていますからな」
アイク(なあ、兄さん。言ってもいいか?)
シグルド(駄目だ。絶対に止めろ)
グレイル「そういえば、広場に黒い塵の山が出来ていましたが。シグルド殿、なにか心当たりはありますか?」
アイク「ああ、それは俺が……ムグッ! むぐむぐ」
シグルド「ははは、今日はいい天気ですなグレイル殿、いい天気ですから、ついでわくわくイズカランドに行ってみたらどうです?」
グレイル「……? ああ、そう言えばミストが言っていましたな。なかなか面白いらしいですな? ドアを開けたら怒りジェネラルが飛び出してくるアトラクションがあるそうで」
ミスト「巡回してる人に見つからないように入って出ていくっていう、捕虜解放屋敷ってアトラクションもあるらしいよ」
グレイル「そうだな、一度行ってみるか」
ミスト「やったぁ!」
アイク「むー! むー!」
グレイル「シグルド殿、それではまた!」

シグルド「……何故だろう。グレイル殿がアイクとトーナメントでぶち当たって『さあ、覚悟しようか(´・ω・`)』って言われるのが目に見えるようだ」
アイク「まあ、俺が出るといったら親方は出場を取り消しかねないからな……言わなくて正解だったかもしれん」
シグルド(言ったほうが良かったかもしれんな……)

20 名前:フラグマスターアイク トーナメント青月光:2008/12/10(水) 19:38:32 ID:d89WYjPN
アイク「……む?」
シグルド「どうした?アイク」
アイク「……いや、少し嫌な予感が」
シグルド「嫌な予感? ……そう言えば、昔高校でメティオの嵐を喰らった時に似た気配が……」
アイク「それだ。誰かが魔法を使う前の、何かが蠢くような嫌な感触によく似てる」
シグルド「……テロか? ベルクローゼン辺りがウォームを使っているのかもしれんぞ」
アイク「……いや、違う! 来たぞ! みんな伏せろ!」
アイクの突然の怒鳴り声に、驚いて地面に座り込む買い物客。
皆が座り込むのとほぼ同時にアイクは大きく跳躍する。空から降って来る、激しい炎を纏ったメティオに向けて。
アイク「せぇやっ!」
との掛け声と共に、激しく隕石をラグネルでバッティング。宇宙空間へホームラン。
そして、間髪入れず飛来する無数のメティオ。さながら嵐のように、メティオは上から降り注ぐ。
日常を過ごすことがすなわち死と隣り合わせの紋章町においては大して珍しくないことではあれど、この状況はさすがに異常で異様だった。
すぐに喚きだす赤子。それにつられて慌てだす少数の大人たち。
少数の混乱は1ダースの混乱を招き、そして群衆は鼠の群れと化した。
シグルド「皆さん落ち着いてください! メティオは回数制限がありますから、すぐに止みます!」
こうか は ないようだ……。
アイク「兄さんは逃げ遅れた人を救出してくれ! 俺は隕石を撃ってきてる奴を倒しに行く!」
シグルド「分かった! 気をつけろよアイク!」
アイク「任せろ!」

21 名前:フラグマスターアイク トーナメント青月光:2008/12/10(水) 19:57:36 ID:d89WYjPN
『只今、グラド市街にメティオの雨飛来中です。グラド公園とグラド大学にグレイル工務店ダイケンジャーズの魔道障壁を展開中です。皆様そこに避難をお願いしまs』
町の電気屋のテレビがそんなことを言って、メティオを喰らって店舗ごと吹き飛ぶ。
アイク「くそ、どこだ……?」
既にグラド市街は更地になって、グラド大学の大きな校舎がよく見える。
変わらず降り注ぐ、メティオの雨。空は晴れているのに、今は真っ赤で物騒な雨が降り注いでいる。
アイク「セネリオがいれば、精霊の動きで場所の割り出しくらいやってのけそうなもんなんだが……」
前を見れば、座り込んで泣いているピンク髪の少女が。
近くには、青い髪でピアスをつけた少年が倒れている。
アイク「おい、大丈夫か?」
ネイミー「ふええ……コーマ、コーマぁ……」
コーマ「くそ……あんな攻撃に当たるなんざ……俺も案外大した事ないかもな……」
アイク「……火傷が酷いな。そこのお前、リフ薬持ってるか?」
ネイミー「あ……はい、どうぞ」
アイク「ふんっ!」
リフ薬をコーマの顔に浴びせるアイク。
アイク「どうだ?」
コーマ「……ああ、なかなかいい調子だ。ありがとな! あんた、名前は?」
アイク「アイク。兄弟家のアイクだ。ところで、だれか怪しい奴見なかったか? 魔道士風の外見の奴」
コーマ「ああ、見たぞ。灰色の顔した爺さんだ。いくら攻撃してもカキーン! NO DAMAGE! だった」
アイク「ふむ? いや、協力感謝する。さあ、早く行け。ここもじき危なくなる」
コーマ「そうだな。ほら、立てネイミー! 行くぞ!」
ネイミー「あ……待ってよコーマぁ!」

アイク「……しかし、いくら攻撃してもNO DAMAGE! だと? さすがに心当たりは……」
アイク「もしかして、女神の加護を受けてるのか? だったら……誰が黒幕だ?」