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Last-modified: 2011-06-07 (火) 23:21:09

213 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 17:26:48 ID:xnr+B3RN
キラリン☆
セリカ「あっ、流れ星!」
アルム「本当だ。雪の降る聖夜の流星か……。とってもロマンチックだね。」
セリカ「アルム、ありがとう。こんなに夜景のきれいな場所につれてきてくれて、私、とっても嬉しいわ。」
アルム「そんな…。僕はセリカが喜んでくれれば、それだけで……。」
セリカ「アルム……。」
アルム「セリカ……。」
禁断のカップルの熱い気持ちをますますヒートアップさせた、ロマンチックな聖夜の流れ星。しかしその正体は……。

ルベール「さささささ寒い!しょしょ将軍!スピード落としてくださいいいい!」
漆黒の騎士「し、しかしこのスピードで行かなければ、配達が間に合わんのだ。」
セフェラン「ぜぜぜーたん!ここのままじゃ私たちこごえちゃううう!」
ソリナビ<目的地マデ、アト3分デツキマス
漆黒の騎士「もうすぐ着くようだから我慢してくれ。」
ルベール「しょしょ将軍はずるいですす!その鎧、僕にも着せてくださいいい!」
漆黒の騎士「何を言うか……。このくらい、耐えろ。」
ルベール「ブチッ…………ころしてでも うばいとる!」
漆黒の騎士「な……!?やめろ、ルベールーーーッ!」

ルベール「本っっっっっ当に申し訳ありませんでした!」
セフェラン「ルベールちゃん、もういいのよぉ。きっと寒さでちょっとおかしくなってただけなんだからぁ。ねえ、ぜーたん。」
ゼルギウス「まさか…まさかまさかまさかっ!この私が本当に素顔で配るハメになるだとっ!?うわぁぁぁぁん!」
セフェラン「あ…こっちは兜が壊れておかしくなっていたんだった……。」
ルベール「将軍……申し訳ありませんでした!将軍のお心を傷つけた代償、この命で払わせてください!」
ゼルギウス「!?」
セフェラン「ちょ、何言ってるのよルベールちゃん!?」
ルベール「止めてくれるなセフェラン様!私、この場で切腹しますーーーっ!」
セフェラン「早まんないでーー!」
ゼルギウス「や…やめろルベール!」
ルベール「ですが……!」
ゼルギウス「兜が壊れたのはお前だけのせいではない。これは…相当前から使っていたものだからな。
      もうガタが来ていたのだろう。」
ルベール「本当ですか……?」
ゼルギウス「ああ。それに、サンタとは基本的にこっそりプレゼントを置いていくものだ。
      だから、たとえ私が素顔で配っ……て…も………。
      うわぁぁぁ!やっぱり恥ずかしいぃぃぃぃぃぃ!」
セフェラン「ぜ、ぜーたん!落ち着いて―――――」
ルベール「ああ…やっぱり私、ハラキリしますーーー!」
セフェラン「だから早まんないでーーー!」

214 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 17:28:52 ID:xnr+B3RN
その時、突如セフェランが激しい光に包まれ―――――
ゼルギウス「なっ!?」
ルベール「えっ!?」
ドゴォォォォォン!
ゼルギウス・ルベール「のわぁぁぁぁぁ!」
セフェラン「もう…。少しは落ち着いたぁ?」
ゼルギウス「お…落ち着くどころか死ぬかと思ったわ!」
ルベール「い、今のは……一体…?」
セフェラン「クライディレドwith暁光よぉ!」
ゼルギウス「殺す気か!」
ルベール「今度こそ人生終わったかと思いました……。」
セフェラン「だってぇ、あのくらいしないと、二人ともずっとバサーク状態だとおもったんだもの。」
ゼルギウス「だからと言って、あんなやり方が……!」
セフェラン「…ゼルギウス、今のあなたが一番優先させるべきものを、よく考えなさい。」
ゼルギウス「……!」
ルベール「セフェラン様……?」
セフェラン「今のあなたに課せられた使命…。
      それを全うすると決めたのなら、こんなところで油を売っている暇はありませんよ。」
ゼルギウス「…何か話をすりかえられたような気もしたが、確かにその通りだ。」
セフェラン「うふふ…。わかればよし!さ、さっさと配達再開しましょうぉ~!」
ルベール「あ…れ?もとのセフェラン様に戻りました。」
ゼルギウス「……義父上は不思議な方だ。神秘的な雰囲気を纏っているかと思えば……。」
セフェラン「やだー!さっきのクライディレドで、ちょっとソリに傷つけちゃったみたーい!ごめんね、ぜーたん!」
ゼルギウス「ああやってふざけたことを言い始めるし……って何だと!?傷をつけただって!?」
セフェラン「大丈夫、大丈夫!飛行にモーマンタイだから。たぶん。」
ゼルギウス「たぶんで済むか!ちょっとそこに座れ!」
ルベール「……将軍だって、似たようなことしたんですけどね…。」
セフェラン「ねー。」
ゼルギウス「う…うるさい!だからこそ余計にダメなのだ!」
セフェラン「今のあなたに課せられた使命…。それを全うすると決めたのなら、こんなところで油を売っている暇は(ry
ゼルギウス「こんなときばかり真剣モードになるなーーーっ!」

途中から素顔になるというハプニングに見舞われながらも、なんとかプレゼントを配っていったシッコクロースたち。
しかし、最後の家に最強(?)の敵が待っていようとは、夢にも思っていなかったのだった……。

215 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 17:30:22 ID:xnr+B3RN
ルベール「ここで最後ですね!」
ゼルギウス「長かったな……。やっと終わりだ。」
セフェラン「ここって…竜王家ね!デギンちゃん、元気かしら~?」
ルベール「さあ、最後の仕事ですね、将軍!早速……。」
ゼルギウス「待てルベール。…何か様子がおかしい。」
ルベール「え?」

アイク「この酒……うまいな。」
イドゥン「それは…竜王家の倉に代々保管されていた1000年もののワインだそうです。
     気に入っていただけたみたいで良かったです。」
エリウッド「げっ……そんなプレミアものを兄さんが……!?ああ…めまいが頭痛が胃痛が……。」
ミカヤ「エリウッド!?しっかりして!」
デギンハンザー(ん?あのワインはわしが1000年前に倉に入れたものか。
        まあ、まだまだたくさん入れてあるし、一本くらいはあの若者にあげるのも良かろう。)
リン「あれ?そういえばアルムとセリカとヘクトルがいないわね?」
ロイ「ああ、アルム兄さんとセリカ姉さんは例によって二人でどこかへ出かけたよ。
   ヘクトル兄さんは……知らないや。」
シグルド「なに!?アルムとセリカが!?K―――――」
エリンシア「KINNIKU!KINNIKU!サ・イ・コー!」
ヤアン「……頼むから、わたしにしがみついて胸板を触るのはやめてくれないか。」
セリス「ああ、姉さん……完全に酔ってるみたいだよ。」
マルス「…酔って無くてもあんな感じだけどね。」
ファ「わーい!エフラムおにいちゃんあそんで!」
エフラム「おいおい三人とも、もう寝たほうがいいんじゃないか?」
チキ「いや!きょうはずっとおきてる!」
ミルラ「みんな…楽しそうです。私たちも、遊びたいです。」
エフラム「そうか。だが、あまり起きていてはサンタが来てくれないかもしれないぞ。ほどほどにな。」
三人「はーい!」

217 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 17:32:20 ID:xnr+B3RN
ゼルギウス「なぜだ……なぜあの兄弟たちまでいるのだ!?」
ルベール「どうやらクリスマスパーティーの最中みたいですね!」
セフェラン「あらら、子どもたちまで起きちゃってるわよぉ。」
ルベール「楽しそうでいいなぁ。将軍、僕らも来年はクリスマスパーティーやりましょうよ。」
ゼルギウス「だめだ。サンタ巡業はどうするのだ。それに……。」
ルベール「それに?」
ゼルギウス「…いや、なんでもない。(男三人でパーティーを開いて何が楽しいのだ!?私はできれば乙女と(ry
セフェラン「ねえねえ、どうやって入るのぉ?」
ゼルギウス「むうう…。正面から入れば確実に誰かに見つかる。かと言って、この家には裏口はないし……。」
セフェラン「あ…そうだ!ホラ、ぜーたんが持ってるそのどこでも粉で、子どもたちの部屋へワープしちゃえばいいのよ!」
ゼルギウス「そのドン○ラ粉とどこでもドアを足したようなおかしな名前で呼ぶな!」
ルベール「ええ!?転移の粉の正式名称って、どこでも粉なんですか!?
     やっぱりディアドラえもんにインスピレーションを受けていたんですね!」
ゼルギウス「(まだ信じてたのかあの嘘を……。)…と、とにかく、子どもの部屋へ直接乗り込むなど断る。」
セフェラン「えー、どうしてぇ?」
ゼルギウス「…わ、私は今、“漆黒の騎士”ではなく“ゼルギウス”になっているのだぞ!?
      も、もしサンタ服なんかを着ているところを見られたら……う、うわぁぁぁ!想像するだけで恥ずかしいぃぃぃぃ!」
ルベール「しょ、将軍!落ち着いてください!」
ゼルギウス「頼むから一人にしないでくれえええ!」
セフェラン「ぜーたん、しーっ!しーっ!」

アイク「……ん?外から声が聞こえたような…?」
リーフ「え?僕には何も聞こえな―――――」
シグルド「KINSHINはぁ~、ゆるっさんぞぉ~!くらえティルフィング~!」
リーフ「僕はアルム兄さんじゃないってーー!この人でなしーー!」
ロイ「リーフ兄さん…クリスマスまで不幸な目に会うなんて哀れすぎ……。」
マルス「仕方がないよ。それがリーフのアイデンティティだからね。あれがなくなったらつまらないし。」
ロイ「兄さんもひどいこと言うよね……。」
アイク「…シグルド兄さんは完全に酔ってしまったようだし、俺が外の様子を見てくるか。」

218 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 17:34:22 ID:xnr+B3RN
ゼルギウス「……はっ!」
ルベール「あっ、気づきました!」
ゼルギウス「あ…あれ?私は……?」
セフェラン「スリープかけたのよ。も~、ぜーたんったら、子どもみたいに泣き喚くんだからぁ。」
ゼルギウス「し、仕方がないだろう。嫌なものは嫌なのだ!」
ルベール「うーん…わかりました!私が行ってきますよ!」
セフェラン「ええっ、ルベールちゃんが!?」
ルベール「こんなこともあろうかと持ってきたんです。ほらっ!」
つアンパントマンの着ぐるみ
ゼルギウス「……何だこれは。」
ルベール「見ての通り、着ぐるみです!これを着ていけば、絶対正体はばれませんよ!
     子どもたちも喜んで一石二鳥です!」
ゼルギウス「喜ぶ前に不審者として捕まるわ!」
セフェラン「しかも、顔隠せてないしねぇ……。」
※アンパントマンはアンパンの被り物をしたキャラですが、顔はしっかり出ています。
「誰だ?そこにいるのは。」
ゼルギウス「!?」
不意に暗闇から聞こえてきた声に驚くシッコクロースたち。
ルベール「まずいです!誰か来ましたよ!」
セフェラン「と、とりあえず逃げましょ!」
「待てっ!逃がさん!ぬぅん!」
ものすごい衝撃波が三人を襲う!
ルベール「う、うわぁぁぁ!」
セフェラン「いったぁ~い!」
ゼルギウス「この衝撃波は…まさか……!?」
「ん?その声は……。」
ゼルギウス「やはり………アイク!」
暗がりから現れたのは、ラグネルを構えたアイクだった。
アイク「しっこく……いや、ゼルギウス…?何でこんなところにいるんだ?」
ルベール「え……?この方が、将軍がいつも楽しそうにお話してくださるアイクさんですか?
     はじめまして!私、ルベールと申します!いつも将軍がお世話になっています!」
アイク「楽しそうに……?まあいい。よろしく頼む。」
ゼルギウス「ば、馬鹿者!余計なことは言わなくていいのだ!」
セフェラン「な~ん~だアイクちゃんだったの!も~、びっくりさせないでよねぇ~。」
アイク「…で、こんなところで一体何をしていたんだ?」
ゼルギウス「いや、それはだな……。」
アイク「ん?あんたたちのその格好は……?」
アイクが三人の着ている真っ赤なサンタ服を見る。
ゼルギウス「(ま、まずい……!)ア、アイクよ。これはだな……。
      そ、そう!私たちはサンタクロースに頼まれて、代わりにこの家の子どもたちにプレゼントを渡しに来たのだ!」
アイク「なんだって!?」
セフェラン(ぜーたん、いいの!?)
ゼルギウス(いい!私たちがサンタ本人だとバレなければ………。)

219 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 17:36:31 ID:xnr+B3RN
アイク「…頼む!教えてくれ!どうやったらサンタさんと会えるんだ!?」
ゼルギウス「は?」
アイク「俺は、幼いころに絵本でサンタさんの存在を知ってから、ずっとクリスマスイヴの夜に靴下を用意して待っている。
    しかし、いまだに会えたことがないんだ……。」
ゼルギウス(アイクよ………。)
セフェラン(どこまで純粋なのかしら……。)
アイク「あんたたちがサンタさん直々に頼みごとをされたのなら、どうすれば会えるのかも知っているはずだ。
    頼む!サンタさんに会う方法を教えてくれ!」
真剣に頼み込むアイクを見て、困惑するシッコクロースたち。
ルベール(ど、どうします?)
ゼルギウス(これは…上手く伝えれば、何とかなるやもしれん。)
セフェラン(どうやって?)

ミカヤ「あら、アイク。外に出てたの?」
アイク「あ、ああ。そうだ。ちょっと気分転換に。」
ミカヤ「あら?何、その大きな箱は!」
アイク「これは……その、二階に運ぶように頼まれたんだ。」
ミカヤ「そんな大きな箱、三つも積み上げちゃって…。待ってて、今エフラムを呼ぶから…。」
アイク「だ……大丈夫だ!一人で運べるから!」
ミカヤ「そう……?」
アイク「ああ。心配してくれてありがとう、姉さん。」
ミカヤ「わかったわ。じゃあ、気をつけてね。」
アイク「そうする。」
ミカヤがパーティー会場に戻ったのを確認し、アイクはほっと息をつく。
アイク「……なんとかなったな。」
アイクはぽつりとつぶやいた……いや、話しかけたのだ。
ゼルギウス(箱の中)「ああ…肝が冷えたぞ……。」
ルベール(箱の中)「見つかるかと思いましたね…。」
セフェラン(箱の中)「もう!窮屈すぎるわぁ!アイクちゃん、早く子どもたちの部屋に連れて行ってくれない?」
ゼルギウス(箱の中)「こら!わがままを言うな!
           第一、ついてこなくていいと言ったのに、勝手についてきたのは自分だろうが!」
セフェラン(箱の中)「だって、最後の仕事じゃない?この目で見届けたいの!」
ゼルギウス(箱の中)「なら文句を言うな!」
アイク「頼む……。箱の中でケンカしないでくれ………。」
ゼルギウス(箱の中)「うっ…すまん。」
ルベール(箱の中)「私は結構好きなんですけどね、この中も。巣にもぐりこんだハムスターの気分になれて楽しいです!」
ゼルギウス(箱の中)「……お前ののんきさが私はうらやましいぞ、ルベール…。」
ルベール(箱の中)「そんな…もったいなきお言葉です!」
アイク「それより、プレゼントを置くのを手伝ったら、サンタさんに会う方法を教えるというのは本当なんだろうな?」
ゼルギウス(箱の中)「も、もちろんだ!その代わり、このことは口外してはならんぞ!」
アイク「わかっている。じゃあ、急ぐぞ。」

220 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 17:38:22 ID:xnr+B3RN
アイク「ふう…何とか二階に着いたな。あと少しで子ども部屋だ。」
ルベール(箱の中)「あの子達は、おんなじ部屋で寝ているんですよね?」
ゼルギウス(箱の中)「そのはずだ。」
アイク「…しっ!誰か来る!」
ゼルギウス(箱の中)「むっ!?」

マルス「あれ?アイク兄さん、何抱えてるの?」
ルベール(箱の中)(あの子は……?)
ゼルギウス(箱の中)(出たな……兄弟一の腹黒少年マルス。こやつにだけは、我々の仕事を知られてはいかん…。
           何をされるかわからないからな。頼んだぞ、アイク!)
アイク「これは、子ども部屋に運ぶように頼まれた荷物だ。」
マルス「ふーん、これがねえ……。何が入ってるの?」
アイク「に、肉だ。」
ゼルギウス(箱の中)(あほか!もっと上手い嘘をつけ!)
マルス「肉?なんでそんなものを子ども部屋に運ぶのさ?」
アイク「え、えっと……。」
セフェラン(箱の中)(やだ!このままじゃ見つかっちゃう!)
マルス「…わからないの?」
アイク「あ…いや……。」
ルベール(箱の中)(これは…まずいですよ将軍!)
ゼルギウス(箱の中)(…アイクに頼んだ自分が一番あほだったーーーっ!)
ところが三人の予想とは裏腹に、マルスは意外なことを口にした。
マルス「…まあいいや。僕は手伝えないけど、頑張ってね、兄さん。」
アイク「え?あ、ああ…わかった。」
それだけ言って、マルスは一階へと降りて行ってしまった。
ルベール(箱の中)「あれ?行っちゃいましたよ。」
アイク「危なかった……。」
セフェラン(箱の中)「絶対ばれると思ったのに…案外鈍感なのかしらぁ?」
ゼルギウス(いや……違うな。あれは………。)

階段を下りたマルスは、二階を見上げてつぶやいた。
マルス「全く…僕もお人よしだよね…。
    あの場で正体を暴いちゃえば、脅しのネタにも出来たけど………。
    何の利益も顧みずに、あそこまで頑張っている人にそんなことが出来るほど、僕も悪にはなりきれないみたいだ。」

221 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 17:40:15 ID:xnr+B3RN
アイク「(キョロキョロ…)よし、着いたぞ。もう出ても大丈夫だ。」
ゼルギウス「ぷはぁっ!」
ルベール「うわーっ!やっと出られました!
     冬眠から覚めたリスの気分ってこんな感じですかね?気持ちいいです!」
セフェラン「あー、肩こっちゃったわぁ~。」
ゼルギウス「よし、さっさとプレゼントを配って―――――」
「わーい!みんなからプレゼントもらったー!」
「おへやであそぼうよ!」
ゼルギウス「ま、まずい!子どもたちがくるぞ!」
ルベール「将軍!プレゼント配り、完了しました!」
ゼルギウス「よし、転移の粉で脱出……。」
アイク「待て。約束は果たした。サンタさんと会う方法を教えてくれ。」
ゼルギウス「な……。(し、しまった!忘れてた!)」
ルベール「将軍!早くしないと……!」
ゼルギウス(ええーい、こうなったら適当に……!)
セフェラン「……その心を忘れないこと。それが一番大切です。」
ゼルギウス「え?」
セフェラン「会いたいと願い続ければ…その想いはきっと、届きます。
      大事なのは、その気持ちを忘れないことです。」
アイク「…願い続けることか。俺にできるか…?」
セフェラン「それは、あなた次第ですよ。」
ゼルギウス(願い続けること………。)
セフェラン「……さ、早く脱出しましょ!アイクちゃん、ありがとね!」
ゼルギウス「そうだ…世話になったな。礼を言う。」
ルベール「ありがとうございました!」
アイク「いい。サンタさんに会う方法も教えてもらえたしな。」
ゼルギウス「では、また…イヤでも会うだろうな。……さらばだ。」

222 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 17:42:19 ID:xnr+B3RN
ファ「あれ?アイクおにいちゃん、どうしておへやにいるの?」
アイク「ああ……今、サンタさんに会ってな。ほら、プレゼントを持ってきてくれたぞ。」
チキ「ほんと!?」
ミルラ「サンタさん…どこにいるのですか?」
ファ「ファもあいたーい!」
アイク「残念だが、時間が無くて今年は会えないらしい。
    だが…“会いたいと思い続ければ、いつか絶対に会いに来る”……そう言っていた。」
ミルラ「…ほんとうですか?」
チキ「じゃあ、ずっとあいたいっていうね!サンタさんにあいたーい!あいたーい!」
ファ「…あれ?なに、このおもちゃ?」
チキ「ちいさいおふねだー。」
ミルラ「じゃあ、明日、お姉ちゃんたちにもらったおやまにもっていってあそびましょうか。」
チキ「うん!チキのおふねにのっていこうね!」
ファ「じゃあ、おやまにあるファのおうちでおままごとしようよ!」
ミルラ「それがいいですね。明日が楽しみです。」

223 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 17:44:31 ID:xnr+B3RN
ゼルギウス「終わったな……。」
ルベール「終わりましたね……。」
セフェラン「終わったわ……。」
三人は大きく深呼吸をする。今年のサンタ巡業は、これでおしまい。とりあえず、成功を収めることが出来たのだ。
ルベール「将軍、本当にありがとうございました。すっごくいい経験になりました!子どもたちの喜ぶ顔も見られて、私、幸せです!」
ゼルギウス「そうか。私もお前が手伝ってくれて本当に助かった。なんなら来年も一緒にするか?」
ルベール「はいっ!喜んで!」
セフェラン「も~、サンタって大変なのねぇ~。ぜーたん、毎年一人でやってたのよね?すごいわぁ。」
ゼルギウス「ふっ…私も、願い続ける者だからな。」
ルベール「え?」
ゼルギウス「この町中の子どもたちの幸せ……。私はそれを毎年願っている。
      …かつて、一人さまよっていた子どものころの私に、幸せを与えてくれた人のようになりたくて、な。」
セフェラン「………!」
ゼルギウス「一つの想いを貫くことは、並大抵の覚悟で出来ることではない。
      しかし、私にそれを決断させてくれた“彼”には、本当に感謝している。……ありがとう。義父上。」
セフェラン「…ちょっとやーだー!ぜーたん、あなたすっかり大人になっちゃってぇ!」
ゼルギウス「ちょ……や、やめろ!ほおずりするな!」
ルベール「あはははは!……あっ、ゼルギウス将軍、セフェラン様!見てください!流れ星です!」
空にはまるでクリスマスイヴの夜を楽しむかのように、無数の流星がふりそそいでいた。
ゼルギウス「……美しいな。」
セフェラン「……そうね。」
ゼルギウス「…そうだ。もう一つ、二人に言わねばならないことがあった。」
セフェラン「えっ?」
ルベール「なんですか?」
ゼルギウス「……メリー・クリスマス。義父上、ルベール。」
その言葉を聞いた二人は、そういえばまだ言ってなかったなあと笑って、こう返した。
ルベール・セフェラン「メリー・クリスマス!ゼルギウス(将軍)!」

224 :メリー・シッコクロース 流星編:2008/12/25(木) 18:10:27 ID:xnr+B3RN
漆黒の騎士「ふう……やっと家に着いた。」
ルベール「将軍!打ち上げしましょうよ!打ち上げ!」
セフェラン「…待って。何か外が騒がしいわよぉ?」
窓から外を見ると、しっこくハウスの周りに群がる無数の人々が見えた。
ルベール「わあ!将軍、たくさん人が来ています!きっと、プレゼントのお礼を言いに来たんですよ!」
漆黒の騎士「馬鹿な……。私たちがサンタだとはばれていないはずだ。そんなわけが……。」
「ここが容疑者の家だ!」
「全員…突入!」
ルベール「え?」
ドゴォォォォン!
セフェラン「ええ!?」
「いたぞー!」
「気をつけろ!奴らは全員相当の戦闘力を持っている!」
ルベール「な…なんですか!?」
漆黒の騎士「ま……まさか…!?」
「……やっと見つけたぞ。」
三人「!?」
ゼフィール「漆黒の騎士、ルベール。
…天馬保護区に不法侵入し、保護指定を受けていた天馬数頭を傷つけた罪で、逮捕する!」
しっこく・ルベール「やっぱりバレてたーーーーーっ!」

おわり