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Last-modified: 2007-06-15 (金) 22:21:46

エフラム 「ここか……なんというか俺には場違いな所だな」
片手に弁当の包みを抱えて訪れたのはルネス女学院の正門前
ちなみに朝の授業中な時間なのだが自分は一時間目をぶっちぎって違う高校に通う妹へ弁当を届けにきたという顛末である
なんてシスコn

エフラム 「しっかりはしている妹だが…ま、忘れ物ぐらいは許容範囲内か」
さてどうするかと足を止めていると

「そこの貴方!」

エフラム 「ん?俺か?」
ラーチェル 「貴方以外に誰がいるというのです。部外者は立ち入り禁止でしてよ!保健室から見えて来てみましたけど」
エフラム 「あぁ……そうか。妹に弁当を………って、保健室?体調でも悪いのか」
ラーチェル 「仕方がないですし、女の子のh…って何を言わせるんですか!生徒会長のラーチェルといいます」
エフラム 「良く判らんが怒らせたか、すまん。なんだか顔色が芳しくないようだが……大丈夫か?」
ラーチェル 「半分貴方のせいですから、まったくもうっ……っ!いたたた…!」
顔色悪く腹部を押さえて蹲るラーチェルに膝まづくエフラム、そして

エフラム 「おい!しっかり…保健室は何処だ!運んでやる!」
ラーチェル 「ぇ…ちょっ!ななななな!何をなさるんですか、御放しなさい!お弁当を届けにきたんじゃないんですか、貴方は」
弁当を傍らに置いてお姫様抱っこを決行するエフラムに驚くラーチェル、といっても体調の悪さ故に声の張りはない
しかし顔は頭から湯気がでてもおかしくないほど真っ赤で

エフラム 「放っておけるか!エイリークならキチンと理解してくれる。校舎まで走るぞ、しっかり掴まってろ!」
ラーチェル 「ぇ…貴方、エイリークのお兄さん?」
エフラム 「後からちゃんと話は妹からさせる、今は喋るな。舌噛むぞ」
ラーチェル 「は……はい…わかりました…殿方の腕というのは落ち着くもの…ですね」(ぼそぼそ)

颯爽と校舎までの並木道を走るエフラム。
そして校舎から甲高く黄色い声が二人に降りかかる、ゴシップ好きな女子高の生徒から見れば
『生徒会長!他校の男子生徒にお姫様抱っこされる』なんて新鮮で堪らない構図だろう。
その後妹に問い詰められたりするのはまた別のお話……