20-583

Last-modified: 2011-05-31 (火) 03:40:25

吾輩はシビリアンである。名前はまだ無い。
 どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも町内の端っこで一般人していた事だけは記憶している。
吾輩はここで始めて主人公というものを見た。しかもあとで聞くとそれはアイクという主人公で一番獰悪な種族であったそうだ。
この主人公というのは時々我々を捕えてレベルアップするという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
ただ彼の目の前に立ってぬぅんという声を聞いた時ゾクゾクした感じがあったばかりである。
工務店で少し落ちついてアイクの顔を見たのがいわゆる主人公というものの見始であろう。
この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。第一服をもって装飾されべきはずの体が筋肉まみれでまるでゴリラだ。
その後ラグズにもだいぶ逢ったがこんなガチムチには一度も出会わした事がない。のみならず持った剣があまりに大きい。
そうしてその剣を持って時々天空ッと振り回してくる。どうも迷惑で実に弱った。これが最上級職の振るう奥義というものである事はようやくこの頃知った。