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Last-modified: 2012-08-27 (月) 21:26:57

336 :幼女の旗の下に:2010/04/13(火) 19:45:20 ID:Qu67n00m

17

2 マルスを登用しない チキよりもシーダを選ぶ者に用なし! 即刻消え失せい!

エフラム 「…前から思っていたのだが…お前やロイは真剣に幼女を守る気があるのか?
      チキやファはこのスレではほとんど俺に絡んでばかりではないか!
      原作ではマルスのお兄ちゃん…好き…なんてセリフで慕われていたというのに!」
マルス  「いや…それチェイニーですし…ファにしたってロイとはイベントで多少しゃべる程度で
      支援も無いしフラグは薄いと思いますけど…」
エフラム 「向こうから来ないならこちらから積極的に守りにいくべきだろう!
      幼女がいれば赤の他人だろうが守る!これが基本だ!
      幼女愛護の精神無き者を入党はさせられん、この話は断らせてもらう」
マルス  「まぁ……そういうなら仕方ありませんね。兄さんの健闘を祈ってますよ」

踵を返して事務所を出て行く弟の姿を見送りながらエフラムは一人つぶやいた。
エフラム 「あくまでも…幼女を守る正義を実現するのは幼女への慈愛の精神をもった者でせねばならぬ…
      コネを作りたいなどという欲得は幼女の教育上よくないのだ…」

紋章町議会総選挙の日は刻一刻と近づいている。
選挙を一週間前に控え党員たちは連日、集会や演説に追われる日々を送っていた。
シャナン 「ううむ…幾分か支持者も得たが準備不足は否めんな…」
ターナ  「仕方ないわよ。党の立ち上げも立候補も急だったものね」
エフラム 「前途の困難さはわかっている。なにも一度の選挙で政権を取れるなどとは思っていない。
      俺は何十年かかろうとも幼女の住みよい紋章町を実現してみせる!」
カナス  「党首の言うとおりですね。カオスな紋章町は政情不安定ですし、議会の解散総選挙があることを期待しましょう。
      今は次回以降を見据えて地道に票田を開拓するべきでしょうね」
エフラム 「だからといって今回の選挙をあきらめたりはせんぞ、目標は7人全員の当選だ」
力強く拳を握る党首の宣言に一同は固い信念を漲らせた。

337 :幼女の旗の下に:2010/04/13(火) 19:46:21 ID:Qu67n00m

18

エフラム 「そういえば現在の議会の議席はどうなっている?」
ターナ  「それならこうよ」

党名(党首・議席数)                     

ベグニオン元老党(ルカン・102)                     
バーハラ保守党(アズムール・88)                     
アカネイア中央党(ハーディン・31)                     
エトルリア王侯党(モルドレッド・24)                     
カルチノ共産党(クリムト・19)                     
北方トラキア4州血盟党(キュアン・15)                     
国家社会主義トラキア統一戦線(トラバント・15)                     
マギ・ヴァル連盟(ヴィガルド・11)                     
アグストリア人民党(シャガール・9)                     
リキア民主党(ウーゼル・8)                     
エッダ・エミリーヌ連立道徳党(ヨーデル・6)                     
クリミア文治党(ユリシーズ・5)                     
愛国マケドニア新進党(ミシェイル・5)                     
AKJ(ラケシス・5)                     
サカ天命党(ダヤン・3)                     
西方三島独立戦線(エキドナ・3)                     
イリア労働党(ゼロット・2)                     
バレンシア農業者同盟(リマ四世・2)                     
カダイン魔道自治党(ウェンデル・1)                     
紋章町蛮族連合(バトゥ・1)                     
ロプト信仰者同盟(マンフロイ・0)                     
ミラ神党(ノーマ・0)                     
鉄血幼女守護同盟(エフラム・0)                     

合計 355

エフラム 「……たくさんあるんだな…」
カナス  「カオスな町ですからねぇ、党の統一や分裂も珍しくありません」
オグマ  「例え敵がどれほど強大でも勝たなくてはな。今回の選挙はいわばデビュー戦だ。
      次に繋げる点でもいい結果を出さなくては」
エフラム 「うむ、そのためにも残り1週間、全力をあげて運動する!」
一同   「紋章町全幼女のために!」
ターナ  (ああ……こうして深みにはまっていくのね……)

338 :幼女の旗の下に:2010/04/13(火) 19:47:08 ID:Qu67n00m

19

夜の路上……今日も遅くまで機関紙「幼女愛護新聞」の編集作業に追われ、ようやく入稿して仕事を終えたターナは家路を急いでいた。
ターナ  「ふぃ~~~疲れたぁ~~~支持者も増えて、ようやく定期購読形式にできたのはいいけど…
      今度はスタッフが足りないのよねぇ…お金が溜まったら求人広告でも載せようかしら…」
肩をコキコキさせながら足早に夜道を進む。最近帰宅が遅くなっているので父ヘイデンがいい顔をしないのだ。
ターナ  「まったくお父様ったら過保護なんだから…私ももう高校生なのに…あひゃあ!?」

突然何者かに背中をつ~~~っとなぞられた。
慌てて振り返ると背後には美しい銀髪を夜風にたなびかせる幼女の姿があった。
サラ。ある意味ターナがエフラムの同胞に引きずり込まれるきっかけをつくった幼女だ。

サラ   「クスクス…しばらくぶりね」
ターナ  「さ…サラ!?」
サラ   「最近兄様もターナも忙しくしてるんだもの…ね、遊んで?」
ターナ  「だだだ駄目よ、もうこんな遅い時間なんだから!
      さ、家まで送っていってあげるから…」
サラ   「だめ?…遊んでくれないの?(うるっ)」
ターナ  「…………っ!?」
     (か…可愛い…綺麗…まるで妖精のよう…なんかドキドキして…って…今、私は何を考えたっ!?
      私はノーマルなのよっエフラムが好きなのよ!決してロリコンじゃないのよっ!?)
サラ   「そんなに頭を電柱に打ち付けたら痛いわよ?
      ライブしてあげる…」
ターナ  「あ…あははは…驚かせてごめん…と、とにかくサラの家まで送ってくから…」
サラ   「むぅ…仕方ないわね…じゃあ抱っこしてね」
ターナ  「あ…あのねぇ…」
サラ   「あら、お姫様をエスコートするんだもの。それくらい当然でしょ?」
ターナ  「私も原作じゃお姫様なんだけど…もぅ…しょうがないわね」

小柄なサラはターナでも簡単に抱き上げることができた。
ターナ  「それじゃ行くわよ。確かこの近くだったよね…ひゃあっ!?」
サラ   「あら?…たまたま耳に息がかかっただけじゃない?」
ターナ  「そそそそーよね!決してわざとじゃないわよね!」
サラ   「クスクス…いけない姉さま…ひょっとして私みたいな子供に変な気を起こしてる?」
ターナ  「ない! それはない! わわわわ私はノーマルノーマルノーマル…」
サラ   「そうね、ノーマルな姉さまなら平気よね? あ、私のこと落とさないようにしっかり抱えててね」

天使のような悪魔の笑みを浮かべるとサラはさりげなさを装ってターナの耳や首筋を指で撫でる。
ターナ  (こ…この娘に触れられるたびに…心地よく……だだだ駄目よターナ!?理性よ理性!
      このままじゃいろんな意味で危険すぎるっ!?
      な…なんて恐ろしい娘)
サラ   (あ、顔を真っ赤にして我慢してる…クスクス…面白い…どこまで我慢できるかしら?)

辛うじてサラの愛撫を耐え切ったターナはサラをマンフロイのマンションに送り届けた…
だが別れ際に「送ってくれてありがと…」の一言とともに頬に柔らかい唇が触れ…
ぼんやりとしたまま帰り際にマンションの階段から足を踏み外すはめになった…
ターナ  「あいたたたた…は…鼻血っ!? こここれはきっと階段から落ちたときに鼻を打ったのよ!
      けけけ決してサラにキスされたからとかじゃ…日本じゃあるまいしキスは挨拶程度なのよ!
      決して萌え萌えハァハァしたりしたからじゃなーーーーいっ!」

絶叫して必死に己を保つのだった…

339 :幼女の旗の下に:2010/04/13(火) 19:47:50 ID:Qu67n00m

20

森の中に静かに佇む邸宅の一室で老いた主は客人を迎えていた。
ほのかな紅茶の香りが優しく鼻をくすぐる。

バイロン 「…して…何用かな」
ルカン  「もちろん議会選挙後の内閣についてです。元帥閣下」

紋章町第17代大統領バイロン。
シアルフィ公爵家頭首にして紋章町国防軍の退役軍人でもある。
武人たることを長年誇りにしてきたバイロンは大統領と呼ばれることよりも元帥の称号をこそ何よりも誇りにしている。
とはいえそれをみこしたルカンの言葉は心地のよいものではないが…

バイロン 「いささか性急ではないかね。まだ選挙の結果が出たわけでもあるまいに」
ルカン  「おっしゃるとおりではありますが、こたびもわがベグニオン元老党こそが第1党となることは間違いありますまい。
      首相の人事はお早めにお考えになられるがよろしいかと…」
バイロン 「ガドゥス公…貴公としては誰がふさわしいと思うのか?」
ルカン  「無論現任のヘッツェル殿でしょう。これまでなんの失政もなくよくお役目を果たしていると思います」
バイロン 「ふむ…だが元老党の党首は貴公だ。第1党の党首が首相たることはなんらも不自然なことではないがな」
ルカン  「ご冗談を…年功上私が党首を勤めさせていただいておりますが、政権の運営についてはヘッツェル殿に
      一日の長がおありです」
バイロン 「…わかった…考えておく。だがそれも選挙…民意が示されて後のことだ」
ルカン  「ありがとうございます。無論よく心得ております。紋章町の住民は我が元老党を支持しております。
      それではこの辺りでお暇いたします…失礼…」

ルカンが退出するとバイロンは揺り椅子に腰を下ろし傍らの側近に深く溜息をついた…
バイロン 「オイフェ…貴族たる身は紋章町への献身と義務を果たしているからこそ名誉と特権を受けるのだ。
      ガドゥス家にしても数代前はそうだったのだが…嘆かわしいことだな」
オイフェ 「お館さま…」
バイロン 「キュアンは…北方トラキア4州血盟党はどうしているか?」
オイフェ 「トラキア地区でトラバントの党と激しく争っておられます」
バイロン 「…あやつがバーハラ党との合流を望むならワシはいくらでも力添えしてやれるのだがな…」

実のところバイロンはそれを何よりも望んでいた。
バーハラ保守党と血盟党が連立して第1党となり、将来的に娘婿のキュアンが党首となり首相となる。
彼はバイロンが見込んだ優れた器量と才覚の持ち主であり、人格も申し分ない。
だがキュアンの考えはあくまでもトラキア地区に向けられたものであり、
バーハラ党との合流は党内で非主流派に落ちるのみ、それではトラキア地区の地位向上は望めないと謝絶してきたのである。

オイフェ 「その点は残念ではありますが…ですがキュアン様はよくやっておいでです。
      キュアン様がいなければトラキアはトラバントの党に飲み込まれていたでしょう」
バイロン 「うむ、トラバントやクリムトが言うような貧者のための政権…理解はできるが彼らの言う
      極端な平等主義は受け入れられん。貴族制全廃なぞもってのほかじゃ。
      国防軍にも多くの貴族将校がおる。
      ルカンのような俗物もおるが代々紋章町を守ってきたのは貴族としての義務を果たしてきた騎士道精神の持ち主たちなのだ。
      その名誉は守られねばならん」

老いた退役軍人はかつて共に槍先を並べた名誉ある騎士たちを想い瞳を細めた。

340 :幼女の旗の下に:2010/04/13(火) 19:48:30 ID:Qu67n00m

21

フレリア家は気まずい夕食の席となった…
あきらかにヘイデンは難しそうな顔をしている。
それでもターナが帰るまで夕食を待っていたのは父の愛情だろうが…
ターナ  (あぅぅぅ……空気が重い…)
ヒーニアス「うむ今日のカレーは絶品だな。
      だが近いうちに我が妻となったエイリークが私のためにつくる夕食ほどではないがな、はっはっは!」
ターナ  (ある意味…この空気読めなさがありがたい…)

夕食が終わるとさっそく父に声をかけられる。
ヘイデン 「ターナ…少しいいかね? 話があるのだが」
ターナ  「はっ…はいお父様」
ヘイデン 「このところ帰りが遅いようだが…」
ターナ  「えとえと…その…部活や生徒会で……」
ヘイデン 「本当かね?」
見抜かれている…ターナは観念した。
ターナ  「ごめんなさいお父様…私は…新党の党員になって政治運動をしてました…
      お父様はマギ・ヴァル連盟の議員なのに…だから言い出しにくくて…」
ヒーニアス「なんだ、ターナそのようなことをしてたのか?」
ヘイデン 「私は議員だよ、どうしたって政界の話は耳に入ってくるさ。
      親だからといって娘の政治思想にまで口を出すつもりはない…ただ…」
ターナ  「…ただ?」
ヘイデン 「聞けば…その党は…その…幼い少女を守ると主張してるそうじゃないかね…
      その…世間ではロリコン政党という言い方をする者たちもいてね
      娘に限ってそのようなことはないと思っていたのだが…」
ターナ  「へ?」
ヘイデン 「その…お前の帰りが遅いので迎えに出てみたら…見てしまったのだ…
      お前が…小さな幼女を抱きかかえて…そのだな…随分親密そうにしているのを…」
ターナ  「あ…あのーお父様?」
ヘイデン 「いや…まあなんだ…私もまさかとは思ったのだが…そういう政党に属してる上…
      うむむ…なんといったらいいか……お前の恋愛感は大事にしてやりたいのだが、女の子同士…
      しかも子供相手というのはあまり一般的ではないのじゃないかね?」
ターナ  「ちょ……お、お父様はなにか誤解して…」
ヒーニアス「なんだターナ。お前ロリコンだったのか? いかんなエフラムになってしまうぞ?」
ターナ  「お兄様は黙ってて!」
ヘイデン 「そのな…私としてはターナに家督をついで貰いたいしな…だが女の子同士では跡取りの問題もだな…」
ヒーニアス「はっはっは跡取りなら私がいるではないか父上。嫁も決まっててモーマンタイ!」
ヘイデン 「…ヒーニアスはちょっと席をはずしてくれ……」
ヒーニアス「む? まぁよくわからんが父上がそういうならそうしよう。さて部屋でエイリークの画像を加工せねば…」

なにやらほざきながらヒーニアスは立ち去った。

ヘイデン 「………はぁ………と…とにかくそういうことだからよく考えてみておくれターナ。
      そういう政党に出入りするからお前もそういう趣味に染まってしまうんじゃないのかね…」
ターナ  「ち…違うのお父様! 私は決してロリコンじゃないの!」
ヘイデン 「いや…隠す気持ちもわかるが…お前はまだ若いのだし、気の迷いもあるだろう。
      しばらく学校の送り迎えにヴァネッサをつける。あまり妙な団体に近寄るのは控えなさい」

父は頭を抱えながら部屋を出て行った……

341 :幼女の旗の下に:2010/04/13(火) 19:49:22 ID:Qu67n00m

22

翌日…選挙を6日後に控え、事務所は多忙を極めていた…しかしそこに一人の党員の姿が見えない。
エフラム 「ターナはどうした? まだ学校が終わらんのか?」
ロイド  「さっきから携帯にも出ないんだ。困るな」
ライナス 「ちくしょー大事な時だってのになにやってんだ!」
オグマ  「だが今までこんなことはなかったぞ。学校の都合で遅れる時は必ず連絡を入れていたのに…
      なにかあったのではあるまいか?」
ディーク 「ちょっと党首の家のほうに行ってエイリークに聞いてきたんだけどよ…
      なんでも親に党の活動に反対されて監視をつけられたらしいぜ」
エフラム 「なにい!?」
オグマ  「むぅ…考えてみればターナの父は議員だからな…娘がよその政党に属すればよい顔はしないだろう…」
ジャファル「……フレリア家に俺が侵入…身柄を奪回する…潜入工作なら任せろ…」
ロイド  「いや…あまり無茶をするもんじゃない。バレたら不法侵入で訴えられるし
      下手をすればマギ・ヴァル連盟と全面対決になるぞ。
      それほど大きな政党でないとはいえうちとは雲泥の差だ」
オグマ  「まずは説得してみてはどうだろうか?エフラムは元々ターナとは親しい間柄だし親とも会ったことはあるんだろう?」
エフラム 「うむ、家に行った時に幾度か会っている」
サラ   「あら大騒ぎね」
シャナン 「うお!?いつの間に!?」
ディーク 「お前サラ!?」
サラ   「ひさしぶりねロリコンさん、元気にしてた? 相変わらず少女にハァハァしてるのね」
ディーク 「誤解を招く言い回しはよせ!?」
エフラム 「サラ…すまんが今は遊んでやれん。選挙が終わったら時間をとるから…」
サラ   「あら、貴重な情報を持ってきてあげたのに?」
エフラム 「む?」
サラ   「ターナの事よ。昨日の夜…カクカクシカジカ…ということがあってね。その時ターナのお父さんを遠めに見かけたわ。
      びっくりしてて私たちに声をかけられなかったみたい。それで多分誤解したのよ」
ディーク 「……お前ってやつはまたそんな悪ふざけを…(ターナウラヤマシス)」
エフラム 「なるほど…それでか…」
サラ   「だから私が一緒に行って誤解を解いてあげる」
エフラム 「ふむ…」
     (サラから誤解を解くのが一番手っ取り早いだろうが…なんだか混ぜ返されてややこしくなる気もする…
      ジャファルの案も手だが…一歩間違えれば危険だな…どうする?)

1 ジャファル案を採用 ス○ーク!潜入工作ミッションだ!
2 サラ案を採用    サラと二人で事情を説明する!当事者の話なら信用してくれるはず!
3 一人で説得に行く  正直不安だ。やっぱり俺一人で説得しよう。

342の方に選択をお願いします。
      
続く