116 :幼女の旗の下に:2010/05/10(月) 13:50:10 ID:zPGv2laJ
72
3 夢に…ターナが出てきた 同志よ…お前がいなければ俺は死んでいたやもしれぬ
包丁でりんごを切ると爪楊枝を添える。
きれいに切り揃えるとなんとなく達成感を感じた。
エフラム 「ふむ、こんなところか」
台所の天井には墨で大きく『幼女』と書かれている。
あれは誰が書いたものだったか…などと首を傾げるが、達筆ぶりを見ると自分の作品だと思い直した。
書いた覚えはないのだがそんな気がする。
エフラム 「はやく持っていってやらんとな」
りんごを皿に盛り付けると台所を出て長い長い廊下を歩いていく。
途中でセリスに出会った。小さなセリスが懸命に背伸びしながら何かしゃべっている。
必死に耳を澄ますと「手伝おうか?」と言ってるようだ。
エフラム 「すまんな。だがお前の体格ではこの皿は持てないだろう」
当然の指摘をするとセリスはがっかりして姿を消した。手のひらサイズのセリスには無理のある仕事だ。
なぜセリスが小さいのかは疑問にならない。
ふと窓から差し込む日が翳ったことに気づいて外を見る。
空を埋め尽くすほどの大勢のミルラが飛んでいる。背中に生えた羽が元気に動いているのを見ると微笑ましい気持ちになった。
エフラム 「俺も頑張らねば」
廊下を進んでいくと目的の部屋に辿り着いた。
部屋の入り口に立てかけてあった槍を取ると扉を壊して歩み入る。
117 :幼女の旗の下に:2010/05/10(月) 13:50:53 ID:zPGv2laJ
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エフラム 「助けに来たぞ。それとおやつだ」
そこは遊具やおもちゃが敷き詰められた託児所のような部屋。
数百人の幼女が毛布に包まってすやすやと眠っている。
その傍らで優しく幼女を見つめているのはペガサスナイトの軽装の鎧の上にエプロンをつけたターナだった。
エプロンに刺繍されたディフォルメサラが愛らしい。
エフラム 「ターナ?」
ターナ 「ここを支配していたロリコンは滅したわ」
ターナが示した方を見ると、ボコボコにされたダノミルが倒れている。
禿げた頭には墨で『天誅』と書かれていた。
エフラム 「それはなによりだ。どれ、幼女が怖がるといかん」
ダノミルを引きずると窓から捨てる。これでもう安心だ。
エフラム 「幼女たちはお昼寝の時間か」
ターナ 「ええ…おやつをもってきてくれたのね。起きたら食べさせてあげましょう」
エフラム 「そうだな…保育園の仕事は慣れたか?」
ターナ 「とてもやりがいのある仕事ね。幼女がブランコに乗って先生押して…ってせがまれた時の幸福感は何者にもかえがたいわ」
エフラム 「そうか…よかった…幼女愛の同胞ターナよ、俺はお前に礼を言わねばならぬ」
ターナ 「同志エフラム。私は貴方を助けたんじゃないわ。貴方が背負っている幼女の未来を助けたのよ。
お礼なんていらないわ」
エフラム 「そうだな…だからこそ…この保育園も完成したのだ」
あれ……なんだか時系列が可笑しい気がする…
ターナに助けられたのが昨日の事のようなのに、10年前のことの気もする…が、そこでそういうものかと受け入れた。
エフラム 「保育園の運営はうまくいっているか?」
ターナ 「補助金が出るから大丈夫、明日を担う美しい幼女たちはすくすくと育ってるわ」
エフラム 「それもお前のおかげだ。ターナは幼女を守る慈母だ」
ターナ 「エフラムと一緒に幼女を守り抜いてきたから保育園があるのよ。
私、幼女大好き!とても暖かい気持ちになるわ!」
その笑顔はまるで太陽のようだ…
暖かく地上の幼女たちを照らしている…
エフラムの瞳にはターナがとても眩しく映った。
感激に頬を涙が伝う…
エフラム 「同志よ…俺たちは同じ目的に向かって邁進する同志なのだ!」
ターナ 「これからも共に愛しい幼女達を守り抜きましょう!」
2人は感激の涙に頬を濡らし、固く手を取り合い誓いを新たにした…
118 :幼女の旗の下に:2010/05/10(月) 13:51:34 ID:zPGv2laJ
74
エフラム 「あ……うーむ……あれ…ターナ…?」
寝ぼけ眼で周囲を見る。
ここは医務室のベッドの上、なぜか先ほどまでの記憶がぼやけ始めている。
ターナ 「あ、お早う」
医務室の扉が開いて朝食のトレイを持ってきたターナが顔を出した。
ターナ 「傷はもう大丈夫みたいね、朝ごはんにしましょ」
ベッドの傍らのサイドテーブルに2人分の朝食を置くと椅子に腰を下ろす。
エフラム 「同志よ!幼女愛の同志よ!」
ターナ 「へ?」
いまだ先ほどの感動覚めやらぬエフラムは熱烈にターナを抱きしめる!
ターナ 「むぎゅあ!?…え、え、え、ええぇえぇぇぇぇっ!?」/////////
エフラム 「共に…これからも共に幼女を守り抜こう…」
抱きしめながらターナの頭を撫でる。
半分癖みたいなものだ。幼女にもエイリークにもよくこうして頭を撫でてやってるものだ。
さすがに抱擁までは中々ないが……
だが今のエフラムはターナの幼女愛に深く感激しており、それを熱烈に表現せずにおれなかった。
ターナ 「あ、あ、あ、あ、あのねあのね……えっとね…そのね」
一方のターナはエフラムの腕の中でうろたえがならどもってしまう。
頬が紅潮するのを抑えることができない。
こうして抱きしめてもらうなんて初めてのことだ。
エフラム 「同志ターナ!」
ターナ 「はひゃい!?」
エフラム 「礼はいらんと言っていたがそれでは俺の気がすまん!
再審が終わったら何か礼をする、楽しみにしててくれ!」
私、そんなこと言ったっけ?
…という疑問がかすかに胸をよぎるが、今のテンパッたターナにその余裕はなく、ただコクコク頷くのが精一杯だった。
119 :幼女の旗の下に:2010/05/10(月) 13:52:28 ID:zPGv2laJ
75
ナーシェン「なぜだ…どうしてこうなった?」
再審の席上…今や弾劾されているのはナーシェン警視である…
周囲から突き刺さる視線が険しい。
ラケシス 「こちらが…被告エフラム及びターナの犯行の証拠とされた物品…証拠写真ですが、
これが捏造である証拠を我々は入手しています」
マンセル 「それはいかなるものか?」
裁判長の声が法廷に響き渡る。
ラケシス 「写真の加工に使われたPCデータがこちらになります。
また画面に映っている被害者幼女は別人の変装でした。証言者どうぞ」
チェイニー「いやーなんつーの?幼女の写真集出すからちょっと化けてくれって頼まれてサラに化けたんだけど…
まさかそれがこんな使い方されるなんて思わなかったぜ」
マンセル 「つまり証言者は騙されて犯行の捏造の片棒を担がされた…と」
チェイニー「そうそう、バイトだって言われてさ」
ナーシェン「嘘を言うな!私はお前など知らないよ!」
チェイニー「でもあんたの部下って人から頼まれたんだぜ?」
ナーシェン(ば…馬鹿な…なんで足がついている?
なぜAKJの連中はチェイニーを使ったとわかったのだ!?)
ナーシェンは預かり知らぬことだが…オリヴァーのリークした情報とAKJ工作員の活動により、
犯行の捏造の全体像はすでに把握されていた。
エフラムとターナを拘束した際に撮影した写真と、チェイニーをサラに化けさせて撮った写真を合成してエフラムらの犯罪を立証してみせたのだ。
なお、こういった証拠品は当然警察で入念にチェックされるものだが、警察幹部であるナーシェンならそれを誤魔化すのはたやすかった。
サラ (惜しむらくはナーシェンが勝手にやったこと…元老党が命令したんなら、
元老党の責任も問えたんだけどね…)
さらには犯行に協力したフレアーを密かに拘束してチェイニーを使ったと口を割らせた。
フレアーはロプトの地下僧院に囚われて公式には行方不明扱いだ。
初めは頑なに口を閉ざしていたが、ベルドに石化の魔法をかけさせてじわじわと足元から石にしてやったら、
石化が胸元まで迫ったところで口を開いた。
サラ (もう少し粘るかと思ったけどね…クスクス)
120 :幼女の旗の下に:2010/05/10(月) 13:53:10 ID:zPGv2laJ
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ラケシス 「さぁ裁判長。判決を」
ナーシェン「嘘だ!これはでっちあげだ!誇り高きベルン署員が罪無き者を陥れるはずがありません!」
マンセル 「判決!先の判決を撤回し、エフラム及びターナを無罪放免としその名誉を回復する!
なお、次回の法廷は犯行の捏造、及び被害者の殺人未遂により、ナーシェン、ダノミル両名を裁く場となろう!」
…こうしてナーシェンは失脚し、エフラムとターナは牢を出た…
逮捕より2ヶ月が過ぎていた。
エフラム 「長かったな…だが…成果はあった。これより再び幼女政権樹立への戦いがはじまるのだ…」
傍らにはサラが来た。
サラ 「しばらくね兄さ……むぎゅっ…」
エフラム 「元気にやってたか? 変わりないか? ご飯は好き嫌いなく食べていたか?
ミルラと喧嘩したりしてはいかんぞ?」
サラ 「もう…いきなり抱きしめることないでしょ」
いつもは自分からしがみつくのに調子が狂う。
ミルラ 「あっずるいです!」
チキ 「チキもー」
ファ 「ファもー」
アメリア 「ししょー!」
たちまち幼女たちが集まってくる。
エフラム 「はっはっはよしよし!今日は思いっきり遊ぼうな!
公園に行くか? 砂遊びも鬼ごっこもなんでもするぞ!」
全員纏めて腕の中で熱烈に抱きしめる。
傍からみると足りなくなった幼女分を補充してるように見えなくもない。
今頃はターナも自宅に帰っているはずだ。ヘイデンやヒーニアスも無罪だったと聞いて喜んでいるだろう。
121 :幼女の旗の下に:2010/05/10(月) 13:53:52 ID:zPGv2laJ
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その夜は政党事務所でささやかながら祝宴が開かれた。
党の面々、幼女、AKJ幹部、兄弟家やグレイル工務店のが集まって、
両者の無罪を祝いあった。
オグマ 「それでは、我らが党首エフラムと同志ターナの無罪を祝って…カンパーイ!」
一同 「カンパーイ!」
エフラム 「皆俺のことで心配をかけた…そしてよく俺の不在時に党を守ってくれた。
オグマとロイドの議員当選のことも嬉しく思うぞ。これからも幼女のために頑張りぬこう!」
一同 「オーッ!」
ミカヤ 「……エフラムが帰ってきて嬉しい…けど…」
エリンシア「ますます…幼女のために戦う決意が固くなってますわね…」
ミカヤ 「やっぱり更生させないと…はぁ…」
アイク 「なに、いっぱしの男が決めた道だ。見守ってやればいい」
ミカヤ 「お姉ちゃんはエフラムに真っ当な結婚をしてほしいの!
あああ…今回は…なにもなかったけど…いつ本当にやらかしてしまうか…」
ロイ (エフラム兄さん信用ないなぁ)
ワユ 「ビール!ビールだヒャッホウ!」
セネリオ 「あまりハメを外さないでくださいよ…」
キルロイ 「異薬はやはりエトルリア製のものがよく効きますね、僕はよく飲んでるんです」
エリウッド「なるほど…参考になります。それと頭痛薬は…」
シャナン 「う~いひぃっく…そきょのひょうじょ!ひみの学校では体育になひをはひているはね?」
アメリア 「え?…短パンですけど…」
シャナン 「いっかーーん!ほれはいかん!ブルマ復活ブルマ復活!わらひが閣僚になっはら
かならふひみの学校の体操着をブルマにもろひてあげよう!楽しみにひててふれ!」
アメリア 「あぅぅ…この人辛み酒?…困った人に捕まっちゃったよ~」
エフラム 「いや、シャナンの言葉には一理あるぞ?体育は大事だ」
アメリア 「そ…そうなんですか?」
ラケシス 「KINSHINばんじゃーい!」
シグルド 「KINSHINは許さんぞー!」
ラケシス 「KINSHINばんじゃーい!」
シグルド 「KINSHINは許さんぞー!」
ラケシス 「KINSHINばんじゃーい!」
シグルド 「KINSHINは許さんぞー!」
クラリーネ「気のせいか…息があってません事?」
ユミナ 「もう!私まで働く羽目になったんだからね!
オグマ!さっさとジュースのお替り!」
オグマ 「ああ、いま注ぐ」
カナス 「現在機関紙は支持者相手に週1で発行してます。
少しですが部数も伸びたんですよ」
ターナ 「ありがとうね。明日から編集の仕事に戻るから」
122 :幼女の旗の下に:2010/05/10(月) 13:56:05 ID:zPGv2laJ
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酒が回ってくると宴会はヒートアップし、気がついたらリーフが死んでいた。
酔っ払ったシャナンがバルムンクを振り回して流星剣をかましたのだがこれも無礼講だ、気にしない。
大騒ぎは深夜遅くまで続いた……
翌朝…2日酔いに苦しむ面々が部屋の片付けを済ませて事務所を出る。
今日は皆仕事になりそうもない。
党首の部屋で不在時の党の活動の記録を眺めながらエフラムは思案していた。
エフラム 「ターナは命の恩人だ…どういった礼がいいだろうか」
やはり礼をするなら相手が喜ぶものでなければ……
エフラムは懸命にターナが喜びそうなものを考えてみた。
続く
1 一緒に公園に行こう 公園で遊ぶ愛らしい幼女に心を癒されよう。きっとターナも喜ぶぞ
2 映画館に誘おう アニメ、魔法幼女マジカルニノたんのロードショーが上映中だったな
3 サラのパンツをあげる そう言えば…バレンタイン(24章>>234-236)にもらったサラのパンツ、
結局返しそびれていたな…女物のパンツを男の俺が持っていても仕方がないしな。