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Last-modified: 2012-08-28 (火) 20:28:52

398 :女性陣の日常:2010/06/08(火) 01:19:40 ID:4HRguRTH

~兄弟家、エリンシアの部屋~

 コン、コン(控え目なノック)

エリンシア「どうぞ?」
エイリーク「……エリンシア姉上、少しよろしいですか?」
エリンシア「ええ、もちろん。待ってて、今紅茶を淹れるから……」

 ~同じく、ミカヤの部屋~

 コンコンコン(軽快なノック)

ミカヤ  「だれ?」
リン   「リンだけど。ちょっとね、相談したいことがあるっていうか……」
ミカヤ  「あらそうなの。いいわ、入って。なんかお菓子出してあげるわね」

――

エリンシア「それで、どうしたの?」
エイリーク「はい。実は今日……『エイリーク先輩ってちょっと近づきがたい雰囲気あるよね』
       ……と、後輩たちが廊下で話しているのを偶然聞いてしまいまして」
エリンシア「あらあら、そうなの。でもそれはエイリークちゃんがとっても頑張ってるから、
       邪魔してはいけないって遠慮してしまうからじゃないかしら? 嫌われているわけではないでしょう」

ミカヤ  「それで、どうしたの?」
リン   「んー……いやね、今日学校で、『リンディス先輩ってちょっとキツイっつーかガサツなとこあるよね』
      ……とかって後輩が廊下で噂してるの聞いちゃって……ちょっと、笑わなくてもいいじゃない!?」
ミカヤ  「ご、ごめんごめん。だって、あんまり真剣な顔で言うもんだから……
      そんなのリンがいつもしっかり後輩たちを指導してる証拠じゃない。嫌われてるわけじゃないと思うわよ?」

エイリーク「はい。ラーチェルたちにもそう言われたのですが……少し、悩んでしまって」
エリンシア「そうなの。どうして?」
エイリーク「……何と申しますか……確かに私、人と話すのが苦手というか……ちょっとずれているところがあるようで」
エリンシア(そうでしょうね……エイリークちゃんは教養があるから、相手も何を話していいのか分からないでしょうし)
エイリーク「それがとっつきにくいというか話しにくいというか親しみにくいというか……そういう風に思われている原因なのかな、と思いまして」

リン   「……ま、フロリーナたちにもそういう風にフォローされたんだけど、どうもね……」
ミカヤ  「どういうこと?」
リン   「何て言うかさー、確かにこう、手が早いっていうか怒鳴って人を動かしがちっていうか、そういうところはあるかなーって思ってたから」
ミカヤ  (ま、そうでしょうね。リンは何て言うか活力に溢れてるし、大人しい子たちからするとちょっと怖く見えるかも)
リン   「それがこう、乱暴でおっかない先輩ってイメージ持たれる原因なのかなーって思うとね……ちょっと悩んじゃって」

エイリーク「はあ……わたしもリンみたいに、誰からも親しまれる気さくな人間になりたいです」
エリンシア「あらあら……そうね。確かにリンちゃんはみんなのお姉さんって感じがするけど。でもねエイリークちゃん」
エイリーク「はい?」
エリンシア「案外、リンちゃんの方でもエイリークちゃんみたいになりたいなあって思ってるかも知れないわよ?」
エイリーク「……姉上」

リン   「はあ……わたしもエイリーク姉さんみたいにお淑やかで優しい人間になりたいなあ」
ミカヤ  「リンもそういう風に思うのね……まあ確かにエイリークはそういう意味で尊敬されてるでしょうけど。でもね、リン」
リン   「なに?」
ミカヤ  「案外、エイリークの方でもリンみたいになりたいなあって思ってるかもしれないわよ?」
リン   「……姉さん」

エイリーク・リン「それは絶対ありません(ないから)」