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Last-modified: 2012-09-03 (月) 19:22:06

184 :幼女の旗の下に:2010/08/29(日) 02:31:36 ID:E1os4ehS

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3 コーマ案を採用する  他の組織と合同で牙と戦おう。
             この機会に悪党をベルン署にすっぱぬくチャンスかもしれないしね…

リーフ  「…他の連中と合流するよ。キュアンさんの方は鉄道を張ってる連中に任せよう。
      貧民街の方はトラバントなら自力でなんとかするだろうしね」
コーマ  「わかった。ならすぐにとっかかろうぜ。どこもかしこもトラキア中でドンパチやってる。
      適当なトコに混ざりゃあいいだろ」
リーフ  「リフィス団としてはそれでいいよ。だけどみんな…わかってると思うけど」
サザ   「緑葉としちゃあ…この機会にゴミ掃除だな」
パティ  「ベルン署が迅速に動いてるからね。他の連中の裏をかくにはいい機会ってわけだね」
リーフ  「ギース…ガルダ…サムシアン…狙うのは特に悪どいあたりだね…
      ダンディライオンや紫竜会…オーガヒルは手出し無用だよ。この辺はそんなに悪くないしおねいさんもいるからね」
デュー  「OKボス。しっかし悪どいなんてよく言うよ。自分自身も追いはぎのクセして」
リーフ  「それがトラキアだからね。そして法が裁けぬ悪を滅ぼすのは僕達悪の役目さ」
サラ   「悪人を知るのは悪人だけってわけね…クスクス」
リーフ  「そういう事、それじゃ行こうか。リフィス。他との折衝はよろしく」
リフィス 「りょーかい。また肝っ玉が冷える時間になるぜ…」

闇の中を盗賊たちが失踪する…
いまやトラキアはどこも戦場だった。
道路のそこかしこにバリケードが築かれ武装勢力が剣や斧を振り回して争っている。
混乱に乗じた盗賊たちの略奪も活発化し、ベルン署員は対応に追われて空を飛び回っている。

ゲイル  「何人だ!何人ひっ捕らえた!」
ツァイス 「牙の下っ端が35人、地元マフィアが41人、どさくさまぎれのコソ泥は数え切れませんよ!」
ゲイル  「吐かせろ!少しくらい手荒にしてもかまわん!幹部級への取っ掛かりを掴め!
      …ああ、取り調べには本部から連れて来た連中を当てとけ。トラキア駐在の警官は小金で逃がしかねない」
ミレディ 「大した情報も証言も期待できないけどね…お勤めして帰ったら幹部になれるんだし口は堅いわよ…
      もう一手あれば…」
ゲイル  「まもなく署長もこっちに到着する。騒乱はそれでどうにかなるだろうが…収まっちまったら奴らは潜伏しちまう。
      それまでに首魁どもの逮捕のとっかかりだけでも掴まないとな…」

考えようによっては紋章町最悪の無法地帯の悪党を一網打尽にする好機なのだ…
ゲイルは焦燥の汗を浮かべる…この機会を逃してはならない。

185 :幼女の旗の下に:2010/08/29(日) 02:32:26 ID:E1os4ehS

228

トラキアの一角…どこか腐臭のする地下室…
ここにはあらゆる悪徳の姿があった。
違法品売買…闇カジノ…人身売買…あらゆる悪を持って財を成した男たち…

その中に座す盗賊の王ギースは葉巻をふかしながら部下達の報告を受けている。
地上の騒乱は一進一退…ベルン署が平定に乗り出した以上…持ちこたえれば牙は手を引かざるをえない。
後は逮捕された連中の問題だが…これも地下に潜伏してしまえばどうということもない。
大した情報は与えていないのだ。
ギース  「牙の連中もバカやったな…何を焦ってたか知らねぇがよ。地の利は我にありってもんよ」
ガッハ  「親分…リフィス団の首領がきてやすぜ」
ギース  「一人か?」
ガッハ  「へい」
ギース  「ここに通せ」

リフィス 「へ、へ、へ、お邪魔しやす」
ギース  「おう」

チンケなチンピラ…ちっぽけな盗賊団の首領…卑屈な小男…
リフィスに対するギースの印象である。

リフィス 「うちの兵隊をあちこちの施設に回しやした。
      みなさんの兵隊と防戦にあたらせてやす」
ギース  「そうか、この件が片付いたら悪いようにはしねぇ。働きによっちゃ杯を交わしてもいいぜ」
リフィス 「光栄でやす大親分」
     (…生きた心地がしねぇよ…頼むぜ皆…)

~ ガルダの海賊の倉庫 ~

ゴメス  「牙はまだこねぇな!?」
ガザック 「おう!港湾前で子分達が抑えてる」
ゴメス  「なら今のうちに船にクスリを移せ!ほとぼりが冷めるまでペラティに身を隠すぞ!」
パティ  「へい親分!な・ん・て・ね?」
ゴメス  「……なんだこのガキ?」
ガザック 「あってめぇはリフィスんとこの?
      他の連中と道を固めろっつっといたろうが!」
パティ  「くっくっく~お前らは終わりだ悪党ども!違法品のなりそこない薬は我が手にあり!」
少女の手には船に積み込むはずだったクスリが一袋握られていた。
デイジー 「こっそり脱出するはずだったのにどーしてそういらないことするのさ!ズラかるよ!」
パティ  「だって~たまの活躍だもん。もっとコケにしたいじゃん。ま、しゃあないか。じゃあね~おっさん達♪」

少女たちは身を翻して裏口から駆け出していく。張っていた海賊が斧を振るったが身軽にかわすと駆け出していく。
ゴメス  「まてこらぁ!?」
斧を振るって後を追う。だが既に遅かった…
裏口から飛び出したゴメスが見たものは…重武装のベルン署機動隊の姿だった。
ツァイス 「タレコミ通りだな…これよりその倉庫を捜査する!神妙にしろ!」
ゴメス  「ま…まってくだせぇ!?あっしらはまっとうな船乗りでして…表で暴れてたチンピラにゃあっしらも迷惑してたんです!
      俺達も被害者…」
ツァイス 「ああ、表にいた下っ端どもはみんな無関係だ…本人達はそう証言してる」
ゴメス  「ならなんの権利があって捜査するってんだ!?」
ツァイス 「この倉庫から逃げ出してきた子供をたった今保護した。その子が倉庫内に集積された違法品を持ち出している。
      これだ。しかもその子たちは誘拐されて売られるところだったそうだな?」
警察官たちに保護された2人がゴメスに向けて舌を出していた。
ゴメス  「ぬがああ!?違う!勝手に罪状増やすな!?そのガキどもが…」
ツァイス 「申し開きは署でするんだな。拘束しろ!」

186 :幼女の旗の下に:2010/08/29(日) 02:34:34 ID:E1os4ehS

229

~ サムシアンのアジト ~

ハイマン 「どうなってんだちくしょぉぉ…なんでここがバレてんだよぉぉ」
ミレディ 「連れて行け!」
警察官A 「はっ!」

リーフ  (タレコミが上手くいってるね…緑葉の名前も出てないし…さすがジュリアンさん。いい仕事するなぁ)
ミレディ 「しかしまさか人身売買まで手を出してるなんてね…大丈夫貴方達?」
デュー  「ありがとうねおねえさん。おかげでオイラたちも家に帰れるよ」
ミレディ 「貴方達が他の子達の脱出を手引きしてくれたからよ。人質に取られてたらこうスムーズには行かなかったわ。
      自分も捕まった身で怖かったでしょうに…勇気あるのね」
リーフ  (うまく被害者に紛れ込めて助かったよ…さてこれからは…)
デュー  「うん…でもオイラも怖かったんだ…うわぁぁ~んおねえさ~ん!」
言うが早いかデューはミレディの胸に飛び込んで泣きじゃくる…その泣き真似を見抜けたのは付き合いの長いリーフだけだった。
リーフ  「あっずるいよ!ボクもおねいさんの胸で甘えたいのに!
      原作でエーディンさんとか年上のおねいさんたちとフラグを立てながらまだ足りないのか~!?」
先を越されて抗議する…がデューはどこ吹く風だ。
ミレディ 「…え?…その声…聞き覚えが…貴方…何度か逮捕されたことない?
      おねいさんへの付きまといとか追いはぎとかで…」
リーフ  「いえいえ気のせいでしょう。僕はルー・ファリス…ただの被害者ですとも」
ちなみに今のリーフは浮浪児に変装している。
     「…ところで…僕も抱きしめてください…おねいさんは僕のおねいさんに似てるんです」
ミレディ 「しょうがないわね…ほら」

サムシアン摘発の手柄に対してささやかな褒美…おねいさんの包容を求めた葉っぱの夢は…破れた…
サラのレスキューによって……
リーフ  「コノヒトデナシー!もうちょっとでミレディさんの甘い包容を受けられるところだったのにー!」
サラ   「あら? かわりに私がご褒美をあげようと思ったのに…」
リーフ  「嘘だ!?きっと僕を甘い言葉で惑わして上げて落とす作戦だ!
      ていうか君に抱きしめてもらっても嬉しくないさ!…あ…嘘嘘そんなこと考えて…アッー!?」
サラ   「………クスクス…残念ね?…それなら別の事をするまでよ」

187 :幼女の旗の下に:2010/08/29(日) 02:35:16 ID:E1os4ehS

230

サムシアンやガルダの海賊だけではない。
コーマとリカードも警察を手引きしてラーマンシーフを壊滅した。

そしてバーサーカーブラザーズもまた…
ヘザー  「うわキモ…同じ顔が…あ~やだやだ…可愛い女の子って希少よねぇ」
サザ   「さあ観念するんよ!お前らはここで終わりなんよ!」
ローズ  「なんだかこの人たち変な事言ってるよマギー」
マギー  「きっと僕達の盗品を横取りする気だねローズ」
サザ   「世間が見逃す悪党を退治する…それがこの俺サザなんよ!」
     (俺がカッコよく奴らを退治するトコをしっかり撮影よろしくなんよ!
      これでミカヤも俺にメロメロなんよ!)
ヘザー  (ま、やるだけやってみれば?)

 ∧_∧
 ( ・ω・)=つ≡つ < ボコボコにしてやんよ
 (っ ≡つ=つ
 /   ) ババババ
 ( / ̄∪
 
        なにをするんよきさまらー
  ∧_∧     .・,'∧_∧;,.     ∧_∧
 (´・ω・)=つ≡つ);;)ω(;;(⊂≡⊂=(・ω・`)
 (っ ≡つ=つ  (っ竺⊂)  ⊂=⊂≡ ⊂)
 /   ) ババババ | ゝ| ババババ (   \
 ( / ̄∪       ∪ ̄ ∪       ∪ ̄\ )
 ローズ        サザ          マギー

ヘザー  「お巡りさーんこっちこっち」
ゲイル  「何をしているか貴様らー!傷害の現行犯で逮捕する!」

こうしてトラキアで捕り物の嵐が吹き荒れる中…一人の男が駅のプラットホームに降り立った。
人影もまばらな寂れた駅舎には活気が感じられない。
キュアン 「…トラバント……いや…今は奴の家に急ごう」
電車から降り立つ数少ない客に混じって2人の少年少女が姿を見せる。
2人は慎重に距離を取りながらキュアンを尾行した。
その動きは自然で周囲に溶け込んでいる。
キャス  (まったくようやくお勤めを終えて休んでたってのに…こんな騒ぎになるなんてねぇ)
チャド  (終えてねぇだろ脱走犯)
キャス  (細かい事はいいのよ子分)
鉄道の監視にあたっていた緑葉の2人は引き続き陰ながらキュアンを護衛していた。
裏路地からその様子を伺いつつ巧みに移動する。
聖戦士といえども不慣れかつ治安の悪い土地で不意打ちを受けたら…という心配があったためだが2人とも戦闘は不得手である。
キャス  (ボスは増援を回してくんないの?)
チャド  (捕り物で手一杯みてぇだな。こっちは俺達だけで…)

???? 「ターゲットの護衛は2人か…楽な仕事だ…」
キャス&チャド「!?」
大きな影が背後にそびえ立っている…とっさに振り向いた先には…筋骨隆々たる大男の姿があった。
ガルザス 「悪く思うなよ…」

緑色の光が煌いた。

188 :幼女の旗の下に:2010/08/29(日) 02:36:00 ID:E1os4ehS

231

研修期間は終わった。
グランベル社内ではシグルドが陽気な笑顔を振りまいている。
今や自分は課長補佐…だがこれは暫定的なポストであり一ヵ月後には課長職が内定している。
シグルド 「いやぁはっはっは!なんだか色んな物が違って見えるなぁ!」
さようなら係長…こんにちは課長…

定年退職予定の課長から引継ぎを受ける日々は充実していた。
アゼル  「どうですシグルドさん。今の仕事は慣れましたか?」
シグルド 「まだ始めたばかりだからね。これからだよ。そうそう次の人事異動ではアレクたちを私の課にもらいたいね」
アゼル  「そう言うと思いましたよ。実はアレクさんノイッシュさんアーダンさん…
      3人ともシグルドさんのところに希望を出してましてね…
      3人とも今の部署は長いですしそろそろ移動の時期になってますから…おそらく希望は通ると思いますよ」
シグルド 「あいつら…そうか…」
無性に嬉しくなる。
近いうちに飲みに誘おう。以前から自分を支えてくれた連中に奢ってやりたい。

シグルド (どこがいいかな?)

続く

1 カリルの酒場     何度か入った事があるがいい店だな
2 涙目グリーンの居酒屋 アーダンの行きつけの店だな。私は入れて貰えない気もするが
3 流星軒        酒はビールくらいしか置いてないが…