214 :対策は常に万能にあらず:2010/08/30(月) 16:10:07 ID:aQ/Ki2rM
良ネタラッシュがきてる最中、こっそりと自分も投下してみる
ミカヤ「よいしょっと…ふー」
ロイ「ん、ミカヤ姉さん玄関で何して…って何コレ?」
エリンシア「ミカヤ姉様、どうしたんですか、それは?」
ミカヤ「物置の整理とかしてたんだけど、その途中懐かしい物が出てきて」
ロイ「それで思わず持ってきてしまったと」
ミカヤ「思い出の物が見つかると、どうしてもね…」
エリンシア「わかりますわ…懐かしい物見つけるとそうしてしまいますわね」
ミカヤ「場所取っちゃってごめんね、すぐ片付けるから」
ガンッ! ギンッ! ヌゥンッ!! アッーコノヒトデナシー!
ロイ「ん、庭でリーフ兄さんとアイク兄さんが手合わせでもしてるのかな」
ミカヤ「ううん、アイクと今日遊びに来てる クリス(♂)のはずだけど」
ロイ「あー…じゃあリーフ兄さんはいつもの、とばっちりか」
エリンシア「あらあら大変、リ…じゃなくて、きずぐすり取ってきましょうか」
ロイ「…なくても大丈夫そうな気もするけど、リーフ兄さんだし」
エリンシア「否定できない所がアレですけど…一応ということで、リビングにあったかしら…」
パカッ
エリンシア「あら、これは…」
クリス♀「どうかしたんですか?」
エリンシア「あ、クリス、今気付いたのですが、棚に有るきずぐすりが少なくなってて」
クリス♀「…確かに、この量だと危ないかもしれませんね、日常が日常なだけに」
エリンシア「買い足す必要がありますわね、今の内に買ってきましょう、支度しなくては…」
クリス♀「よろしければ、私が買ってきましょうか?」
エリンシア「え? そんな、悪いですわ、お客様にそんなこと」
クリス♀「お気になさらないでください、今日はお邪魔させて頂いてるので、これぐらいは」
エリンシア「そうですか…では、ララベルさんの道具屋までお願いできますか?」
クリス♀「はい、お任せください! それでは!」
エリンシア「あ、そういえば場所は知っていますか…って、もう居ませんわ…大丈夫でしょうか」
クリス♀「よし、しっかりお使いしなきゃね」
クリス♂「ふう、アイク殿との訓練は非常に有意義だ」
クリス♀「あ、兄さん」
クリス♂「ん、どうしたんだ靴履いて…今日の訓練は終えたとか言ってなかったか?」
クリス♀「エリンシア殿に頼まれて、ちょっとお使い、ララベル殿の道具屋まで」
クリス♂「そうか…よし、俺も行く、今日は邪魔させてもらってるし、これぐらいはしないとな」
クリス♀「ふふ、私と同じ事言ってる」
クリス♂「まあ、双子だからな…それより、ララベル殿の道具屋がどこか知ってるのか?」
クリス♀「あ…そういえば知らない」
クリス♂「俺も知らん、参ったな、聞きに行くか…ん、なんだこの丸まった紙は…開いてみるか」
クリス♀「あ、ねえ、これ地図じゃない? この町周辺の」
クリス♂「っぽいな、道とか建物らしきものが書いてある、借りるか」
クリス♀「そうね、じゃあ早速いきましょう」
アイク「ん、どうしたんだ二人とも?」
クリス♀「あ、アイク殿、ちょっと出かけてきます」
クリス♂「ララベル殿の道具屋まで、買い物です」
アイク「そうか、気をつけていってこい」
クリス♀「…あ、そうだ…地図お借りします、と伝えていただけますか?」
クリス♂「しまった…黙って持ち出してしまってました、すみません」
アイク「任せろ、それと地図の事なら一々言わなくても構わんと思うぞ、気にするな、じゃあ後でな」
クリス♂「はい、いってきます!」
215 :対策は常に万能にあらず:2010/08/30(月) 16:11:01 ID:aQ/Ki2rM
パタンッ
アイク「ただいま」
マルス「お帰りアイク兄さん、相変わらずだね、リーフが吹き飛んでたよ、いつも通り何事もなかったように笑ってたけど」
アイク「そうか」
マルス「ところで、クリス達はどうしたのかな、ちょっと用があったんだけど」
アイク「ララベルの道具屋まで買い物だそうだ、町に出て行ったぞ」
マルス「ふーん、まあ帰ってきてから…って、ちょっと待って、町に行った?」
アイク「そうだが、どうした?」
マルス「やっばい! あの二人、完璧方向音痴なんだ! 今すぐ止めに…」
アイク「落ち着け、地図を持っていた、大丈夫だ」
マルス「地図…んーなら大丈夫かな…さすがにそこまで酷くはないよね、きっと」
アイク「ああ、信じろ、クリス達は迷ったりは…」
ミカヤ「あら、アイクにマルスじゃない、どうしたの?」
マルス「あ、ミカヤ姉さん、ただクリス達が町に買い物に行ったって話だよ」
ミカヤ「あーエリンシアが頼んだお使いの事ね、快く引き受けてくれたらしいわ」
アイク「そうだったのか、ところでミカヤ姉さん、キョロキョロして、何か探してるのか?」
ミカヤ「そうそう、さっき物置から出した思い出の品なんだけど、数えたら一つ足りないのよ、さっき玄関に広げたからあるとしたらここだと思うんだけど」
マルス「あーロイから聞いたなあ…何がないの?」
ミカヤ「えっとねー」
ミカヤ「(ダキュンッ!)年前の紋章町の地図」
マルス「…すっごい、嫌な予感がするんだけど」
アイク「…そろそろ日が暮れる頃なんだが」
ミカヤ「あれ、二人ともどこいくの?」
マルス「…急用を思い出しました、ちょっといってきます」
アイク「…俺もちょっといってくる」
ミカヤ「へ? うん…いってらっしゃい…あ、聞き損ねた」
リーフ「今日はアイク兄さんのぬぅん、しか喰らわなかったし、なかなか平和な一日だったな、やっほい!」
ミカヤ「あ、リーフ、この辺りで(ダキュンッ!)年前の地図を見なかった?」
リーフ「ほえ? いや、見てないけど…なんでそんなもの探してるの?」
ミカヤ「物置整理してたら懐かしくてね、持ち出したんだけど、消えちゃったのよ」
リーフ「アルバムとかならわかるけど何故に地図」
ミカヤ「え、かつての町並みはこうだったな~とか昔の地図見ながら懐かしく思ったりしない?」
リーフ「しないと思う、とにかく僕は知らないし、他の人に聞いてみたら?」
ミカヤ「そうね~…アイクとマルスは知らなかったのかしら…聞き損ねたけど」
リーフ「アイク兄さんとマルス兄さん?」
ミカヤ「うん、なんかこの話をしたら急いで外出しちゃった、こんな時間なのに」
クリス♀「そういえば、なんかその地図、やけにボロボロね、古そうな感じ」
クリス♂「言われてみればそうだな、特に気にしなかったが」
クリス♀「まあいいか、なんであれ地図だし」
クリス♂「ああ、地図には違いないだろうしな、間違いはないだろう、それに、ここを見てみろ、地図の上の所だ」
クリス♀「あ、なんか『道』って書いてあるわ」
クリス♂「おそらく道具屋の『道』だと思う、ここがそうじゃないか?」
クリス♀「そうね、その解釈でいいと思う…ところで私達この地図上のどこにいるのかしら」
クリス♂「真ん中だろう、でなければ見難いしな」
クリス♀「やっぱりそうよね、うん、これで安心ね!」
クリス♂「ところで俺、地図の情報から北に向かってるつもりなんだが、合ってるだろうか」
クリス♀「大丈夫だと思うわ、こっちが北だと思う」
クリス♂「同じ意見なら、まあ大丈夫か…それにしてもさっきから正面の西日が厳しいな…目が眩む」
クリス♀「もう夕方だものね~…明日は良い天気かな~?」
216 :対策は常に万能にあらず:2010/08/30(月) 16:14:21 ID:aQ/Ki2rM
――数刻後
クリス♂「参ったな、道に迷った」
クリス♀「なんでかしら、地図持ってたのに…おかしいなあ」
クリス♂「しかも周りに木しか見えないんだが、森か山にでも入ったか?」
クリス♀「どうしよう…」
クリス♂「まあ、待て、こんなときもあろうかとロディに道に迷った時の対処法を巻物にしてもらった」
クリス♀「へえ~、便利ね…それで、なんて書いてあるの?」
クリス♂「よし、まずは最初の対処法だな」
ザッ
『その1、道に迷わないためには、まず目印になるものを覚える事』
クリス♀「すでに迷ってたら意味がないんじゃない?」
クリス♂「いや、こうもいっていた、迷った先で更に迷わないようにする事もできると」
クリス♀「なるほど…目印、目印…って周りに木ばかりでそんなもの見つからないわよ」
クリス♂「駄目か…仕方ない、次だ」
ザッ
『その2、迷ったなら躊躇わずに他人に聞く事』
クリス♀「人がいないわよー…」
クリス♂「くっ…まだ先はあるのか…あった!」
ザッ
『その3、…すまない、諦めてくれ by ロディ』
クリス♂「ロディー!!」
クリス♀「他に書ける事なかったのね…」
クリス♂「まずい、本当に八方塞だ」
クリス♀「誰か助けて~…」
???「む、そこの二人、どうしたのだ?」
クリス♀「え、あなたは?」
???「わしの事など良い、それよりお前たち、急に叫びよったな、何かあったのか?」
クリス♂「それが…道に迷ってしまったのです」
???「なんと、それはいかんな」
クリス♂「…そうだ、心得その2が活かせるかもしれん…!」
クリス♀「そうよ、この方に聞きましょう!」
???「む、わしに聞きたい事があるのか?」
クリス♂「すみません、紋章町に帰りたいのです、道をご存知なら教えて頂けませんか!」
???「おお! なんと奇遇な、わしも紋章町に帰る所でな、よかろう、ついてくるがいい!」
クリス♀「あ、ありがとうございます! よろしければお名前をお教えくださいますか?」
クリス♂「俺たちは両方とも、クリス、と言います」
ワレス「クリスにクリスか! わしはワレスと言う者!! よろしく頼むぞ、ぬははははは!!」
――更に数刻後
ザザーン…
クリス♀「…ねえ、紋章町って水没したのかしら」
クリス♂「…潮の香りがするな」
ワレス「なんと、紋章町を水没させるとは! 許せん、わしのこの槍で犯人をとっちめてやるわ! ぬははゴボゴボ…!」
クリス♀「あ、海に入ってっちゃった…あんな鎧姿で…」
クリス♂「…俺たちはどうすればいいんだろう」
その後最終的に二人してレスキューで救出される事となる、そうなるまで二人はただ海を見ながら黄昏ていたという…
――後日
クリス♂「ロディ、お前の巻物の言うとおりにしたら、こういった経緯で更に迷ってしまったんだが」
ロディ「少なくとも私の所為ではないと思う」
終わり、この世界ってマイナスにマイナスかけても
決してプラスにならない法則があるんじゃないかと思うんだ