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Last-modified: 2012-09-07 (金) 20:20:24

131 :幼女の旗の下に:2010/09/24(金) 21:06:11 ID:KcBA+FSX

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1 ライナス案を採用する 義賊集団とやらと組んでみるか。しかし何者だろうな?

エフラム 「よしライナスの案で行こう。裏稼業の者を相手にするには裏稼業の者の協力が必要だろう」
ライナス 「よぅしわかった。そんじゃさっそく繋ぎをとってみるぜ。
      連中に関しては情報が少ないがなんとかやってみる」
ダミアン 「その役目は私がやろう。任せたまえ。この私に」
ロイド  「最終的な目的は…ソーニャ派の排除と牙の建て直しだ…気取られないように注意しろ…」

エフラムらが今後の方針を定めている頃…緑葉の面々はアジトとしている酒場に集結していた。
ギースと行動を共にしているリフィスを除く全員の顔ぶれがそろっている。
リーフ  「概ねの目的は達成したけど…まだギースが残ってるし…それにキュアンさんの行方もしれない…」
チャド  「面目ねぇ…」
リーフ  「いや責めてるわけじゃないよ。僕の采配ミスだしね」
ヘザー  「まぁいいじゃないの。男なんてわざわざ助けてもしょうがないわ。
      小汚い男の悪党連中を随分排除できたんだから今日は祝杯といきましょ」
リーフ  「オーケイ、次の活動に入る前に小休止といこうか。店のアルコールは好きにやっていいよ」
サラ   「あら豪勢ね?」
リーフ  「それなりに成果もあったもの。見てよ。ガルダ海賊やサムシアンのアジトから失敬してきたんだ」

カウンターの上には眩い金銀財宝の姿があった。
コーマ  「へへへ、労働報酬ってわけだぜ」
ヘザー  「ま、悪党退治のご褒美ってとこね」
リカード 「盗賊の上前跳ねるたぁ…お前達人間じゃねぇ!」
デイジー 「義賊ったって慈善事業やボランティアじゃないもん。てか誰の台詞よそれ」

彼らは各々棚から好きな酒瓶を取り出して楽しみ始める。
店主のリフィスがいないのをコレ幸いと秘蔵の品までおかまいなしに封を開けてしまった。
その中で首領のリーフはカウンター席に座って水を飲んでいる。
サラ   「リーフは飲まないの?」
リーフ  「…どうしても値段が気になってね…水の方が落ち着くんだ。リフィスから連絡は?」
サラ   「2回…ギースが拠点を移動するたびにね…内容としては表向きと裏向き」
リーフ  「…聞こうか」
サラ   「表向きはギースからの伝言よ。ほとぼりが冷めるまで潜伏する。ベルン署や牙の動きは逐一連絡しろって」
リーフ  「リフィスが怪しまれないようにするためにもある程度の情報は流しておかないとね。
      事実8:嘘2の割合で情報を流そう。裏向きは?」
サラ   「ベルン署も牙も喉から手が出るほど欲しがってる情報よ…ギースの現在位置…
      定期的に拠点を変えてる…今はトラキア七番街の下水施設下部に隠れ家に潜伏したって」
リーフ  「それだけわかれば充分だね。リフィスにはすまないけど…ギースの信用を得た甲斐があったよ。
      ベルン署にリークしよう。だけど…それだけでは万一がある。僕らも動こうか」

事実リフィス団としての名義でかなり緑葉はギースに便宜を図っている。
リフィスをギースの元に送ったのも首領自ら連絡役という形式の人質となって信用させるためのものだ。
それもこの日のためであった。

リーフ  (キュアンさんの事は心配だけど…今はまずトラキアから悪を一掃しよう)
今後の事を思い描く首領…リーフは充分に組織運営する能力を備えている。
だがリーフもまだ若い。
メンバー全員の心理を把握できていなかった…
多くの仲間たちが成果を上げる中…バーサーカーブラザーズにボコられたサザは陰鬱な気分でいた…
サザ   (俺だけクソの役にもたってないんよ…このままじゃますます緑風(笑)扱いされるんよ…
      こうなったらギースは俺が倒すしかないんよ…)

132 :幼女の旗の下に:2010/09/24(金) 21:06:59 ID:KcBA+FSX

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地下に潜った盗賊王ギースは自慢の太刀を傍らに酒を煽っていた。
隠れ家とはいえここには数千万Gの隠し資産と慎重に選抜した手下たちがいる。
唯一の部外者としてリフィスもいるが…自分に逆らえるような肝を持った男ではない。
万一外部のリフィスの子分たちが不利な行動をとればギースは即座にリフィスの首を跳ねて拠点を変えるつもりでいた。
リフィス 「へへへ…大親分、あっしでよければお酌しやす…」
ギース  「おう…」
恐る恐るといった呈で酌をする姿はギースの自尊心をくすぐる。
ギース  「リフィスよ。緑葉ってなぁ聞いた事あるか?」
リフィス 「緑葉?…聞かねぇ名前ですが…」
ギース  「ガルダ…サムシアン…そいつらをサツにパクらせた連中だ。義賊とか名乗ってる偽善者どもだとよ。
      ようは上前を跳ねてるチンピラどもだ…俺のシマで舐めたマネする糞ガキどもにゃどうしてやったらいいと思う?
      考えを言ってみな」
リフィス 「そそ…そりゃあ勿論…指の一本でも落としてやって…」
ギース  「甘ぇな。だからテメェは小物なんだ。吊るしてもあきたらねぇ…鮫のエサにしてやる…」
リフィス (あああぁぁ…もうやだ…帰りたい…リーフよぉまだ決行のタイミングはこねぇのかよぉ…)
思わず漏らしそうになりながらもリフィスは渾身の演技で知らない振りを決め込んだ。
彼は強者に媚びる術…処世術というものをよく知っている男であり、そのためにトラキアで生き残ってきたのだ…

この日…ベルン署捜査本部にタレ込みが入る…
曰く…国際指名手配犯。大物シンジケートの首領ギースの位置が特定された…と。
捜査の指揮を取るゼフィール署長は慎重に…慎重に体勢を整えた…
わずかでも警察の動きを察知されてはならない…

ツァイス 「ゲイルさん…この情報…信用できるんですかね?」
ゲイル  「今はしらみ潰しにやるしかないからな…これが片付けば次は牙だ。絶対にホシをあげてやるぞ!」
ミレディ 「国外への逃亡は抑えてるけど…慎重にかからないとね…動きがあれば潜伏場所を変えられかねないわ」

133 :幼女の旗の下に:2010/09/24(金) 21:07:48 ID:KcBA+FSX

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トラキア駅にエフラムは降り立つ。
同行するのはロイド、ライナスである。
ターナもエフラムに同行する事を望んだのだがトラキアは女子供が入るような地区ではないと判断して置いてきた。
ヨハネス以上の犯罪都市なのだ。当然の判断だろう。
エフラム 「先発したダミアンが繋ぎをとったと聞いているが…どこで接触できる?」
ライナス 「裏街だ。ついてきな」
ロイド  「それとわかってると思うが…義賊っても裏稼業だ。接触にあたっては牙の名前で当たってる。
      エフラム、お前も牙の若い衆って事にしとくからそのつもりでいてくれ」
エフラム 「わかってる。だからこうしてマフィアらしくサングラスをしているんじゃないか」
ロイド  「なんの映画で影響受けたんだよ…」

人通りもまばらな裏道へと入っていく。
怪しげな風体の者やギラついた瞳の浮浪児が目に付く…
エフラム 「…いかんな…俺が政権を取ったらこの街の立て直しをはからねば…」
ライナス 「義賊と協力して事件解決するのも立て直しの一貫さ。おうここだ」
3人は場末の食堂へと歩み入った…人気の無い店内の片隅にダミアンの姿がある…
その側には…サラの姿があった…
エフラム 「サラ!?お前なんでこんなところにいるんだ?」
ダミアン 「む? 知り合いかね? 彼女は義賊側の代表として来ているのだが…説明したまえ。私に事情を」
エフラム 「いや…こいつは俺の党員なんだが…」
サラ   「細かい事はいいじゃない。兄様たちは事件解決のために来たんでしょ?
      牙としてね…」
エフラム 「いや細かくは無い。この街は女子供が出歩くようなところじゃないぞ。
      心配だから言ってるんだ…というか義賊とやらとどういう関係なんだ?」
サラ   「気になる?気になる?」
エフラム 「当たり前だ。心配だろうが」
サラ   「そういう時は…」
ロイド  「あ~…悪いが本題に入ろうや…サラお前が義賊の首領なのか?」
サラ   「私は代理人よ…それとロイド制裁」
ロイド  「…俺…なんかしたか?」
サラ   「せっかく兄様を弄くり回そうと思ったのに…」
エフラム 「こら、大人を困らせるな…それじゃ首領は誰なんだ?」
サラ   「ルー・ファリス…トラキアではそれで通ってるわ」
     (兄弟には義賊活動は秘密だものね…顔は合わせられないわね…リーフの弱みゲット…クスクス)
ダミアン 「概ねの話は通っている。ルー殿は牙の反ソーニャ派と提携できるなら心強いといっておられた。
      喜びたまえ。交渉は纏まっている」
ライナス 「それなら話は早いぜ」
サラ   「ギース…ソーニャ…その二人を排斥すればいいのよ。それが共同の成果にも利益にもなるものね。
      そのための第一撃としてギースの隠れ家への急襲が準備されているわ」
その時である…
木製の扉が開いた…一人の男が姿を見せる…
ジャファル「もう一人…北トラキア議員のレイドリックもだ…北の党首キュアンが幽閉されている」
エフラム 「ジャファル!?」
ジャファル「トラキアに来てたとはな…報告が遅くなった…」

134 :幼女の旗の下に:2010/09/24(金) 21:08:29 ID:KcBA+FSX

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ジャファルの調査結果は下記のようなものであった。
党内の実権掌握と鉱山利権の拡大、および元老院への接近をはかったレイドリックがそれを拒むキュアンの排除を図った。
そのために牙に依頼して騒乱を起こさせる。トラキアで有事が起こればキュアンの気性からいって現地入りして事態の把握を図るだろう。
牙が警察の注意を引き付けているうちにキュアンを襲撃する…あとは何食わぬ顔で北トラキア党を我が物にしようというわけだ。

ロイド  「なるほどな…ソーニャにしてもレイドリックや元老党とのコネクションは重要だ…
      シマ取りはついで…失敗したらしたで構わないってわけか…」
ライナス 「新参のヴァイダに任せたのもそれならわかるな…いい捨て駒かよ…ソーニャのやりそうなこった…」
エフラム 「…何故だ…」
ダミアン 「どうしたのだ?言ってみたまえ。この私に」
エフラム 「党の権力だの利権だののためにどうしてこれだけの事ができる?
      そもそも権力とはなんのための物だ?それを使って何を成し遂げるかが大事ではないのか?
      手に入れるためだけに手段を選ばんでは道義にもとる…」
ロイド  「いるんだよ。そういう政治家はどこにでもな。だから俺たちが立ち上がったんだろ」
エフラム 「そうだな…全力をもって叩き潰すぞ!」
サラ   「まずはギースから…よ。急襲の配置図はこれ。
      ベルン署の手の及ばない地下に仲間を配置して情報と行動のリークを強化するわ。蟻一匹逃がさないためにね」
エフラム 「それはいいがルー殿には会えないのか?
      今後ソーニャやレイドリックと争う同志となる以上会っておきたいのだが」
サラ   「首領はすでに現地に入ってるわ…今は駄目…後詰めとして配置についてほしいのよ」
ロイド  「トラキアのことならそちらのほうがわかるだろうな。了解」

こうして彼らは"牙"としてまずはギースの摘発に当たる事となる…

135 :幼女の旗の下に:2010/09/24(金) 21:09:13 ID:KcBA+FSX

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ベルン署の活動開始より3時間前…すでに緑葉は配置を完了した。
トラキアの地下に走る下水道や地下道に仲間を配置して監視を強化している。
逃亡を抑えるためだ。

一部の者はベルン署の突入を手引きして同時にギースの蓄えたお宝をかっさらう体勢である。
内部のリフィスもおそらく要領よくやってくれるだろう。
リーフ 「突入には僕とサザと…それにデューでいくよ。後詰めの兄さんたちには地下道の一つを受け持ってもらお」
デュー 「驚いたね。牙の反ソーニャ派の接触もそうだけど…ボスの兄貴がいるなんてねぇ」
リーフ 「まぁ…兄さんはロイドさんたちと仲がいいからね…まったく気を使うよ。
     この際だからその辺までは協力するよ。また牙がトラキアを荒らしたらかなわないからね
     ああ…ソーニャさんとウルスラさんを捕らえるして…僕の愛情こもった説得で更正させてみせるよ!
     そうすれば二人の愛は僕のものさ!」
デュー 「逆に篭絡されて子分にされてるボスが目に浮かぶよ…」
リーフ 「篭絡…ああなんてエロい響き…ブバアアアアアアアアア!!!!」
サザ  「言葉だけでもそんな事にはならない!と否定してほしいとこなんよ」
リーフ 「おっと…そろそろ時間だ。はじめようか」
サザ  (今度こそ活躍して緑風(笑)を返上するんよ…ギース?ボコボコにしてやんよ!)

地下の施設内…爆発音と警報が鳴り響く!
その時リフィスは隠れ家の一角…貴賓室に居た。
地下とは思えない豪奢な部屋だ。
周囲にざわめきがはしる。
リフィス(始まったか…さてモタモタしてらんねぇ。下手したらギースに殺されかねねぇ)

続く

1 脱出を図る  連中が混乱してるうちに…逃げるぞ!
2 ギースを探す 奴の居場所をリーフ達に連絡するか…
3 様子を見る  慌てるな!まだ俺が内偵してたって事はバレてねぇはずだ…