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Last-modified: 2012-08-23 (木) 20:05:00

299 :ママチャリの系譜 第1章:2011/09/07(水) 21:58:03.70 ID:nmYpWI6Z

31

ノイン  「さあ、トップの白銀の戦乙女ワルキューレは、
      間もなく悪魔の棲む体育館裏ヘアピンカーブへと差しかかるっ!!」
セーラ  「道がS字になってるわね。これはキツイわよ」
ドロシー 「スピードを出し過ぎると曲がり切れませんからね」
エルフ  「山岳コース離脱直後のヘアピンはある意味、
      全コース中最難関ポイントと言っても過言ではないかも知れません」
ノイン  「戦雲たなびくグランベル総合運動公園特設サーキットの子連れ狼! ラルゴロー!!」
ラルゴ  「呼んだか?」
エルフ  「呼んでません」
ノイン  「呼ばれもしないでジャジャジャジャンクロードバンダム! ヴァンダミング・レーシング!
      ところで、先程、最難関と仰いましたが、解説のエルフさん?」
エルフ  「はい、グランベル大学自転車部のテストドライブでは、ここでのクラッシュ率が70%を越えましたわ」
ノイン  「クラッシュグラッチェありがとう! どういたしまして!
      それは自転車部員の腕前のせいではないですか?」
エルフ  「ないとは断定しませんが、舗装されてない道を走って、土でタイヤがグリップ力をなくすのですわ。
      下りの連続でブレーキパッドも焼けてますし」
ノイン  「そこらのシビリアンとは違う事を証明出来るか、紋章町の最精鋭達っ!
      まずは一番手、ナンナ・ヴァルキュリア&ヴァナディース・ラケシスペアッ!!」

┌───────────────────
│                      アリ
│          ←ナ
│             
│      ┌──────────────
│      └──────────────

ナンナ  「(ズザザザザッ!!)うそっ!? 滑るっ!!」
ノイン  「何たる事だぁっ!! オーバースピードの転がる女神系女子、ワルキューレ、
      ヘアピンに設置されたクッションに激突寸前!!」
ラケシス 「ストップストップストーーーーーップ!!」
ナンナ  「きゃあああああああっ!!(キキーーッ!!…ピタッ)……はぁ…はぁ、死ぬかと思った…」
ノイン  「辛うじて止まったが、後続、アリオーン機・ダブルドラゴンもオーバースピードだ!!
      しかも、ワルキューレの急停止でコースが塞がれている!!」
トラバント「よし、このまま突っ込め!」
アリオーン「そんな事出来る訳ありません! あくまで私は正攻法で行きますから(ググッ!!)」
ノイン  「うきゃーーーっ!! ワルキューレは避けたが、ダブルドラゴン、スピン(回転)!!
      超高速スピンをしながら、超電磁スピンでクッション目がけてすっ飛んでいくーっ!!」
ナンナ  「良かった…向こうが避けてくれて」
ラケシス 「助かったわ、息子の方は割とまともな人みたいね」
ノイン  「うおっとぉっ!! ここでダブルドラゴンのドライバーズシート、天空の覇者アリオーン選手、
      カウンターステアぁッ!! だが、尚もスピーーーン!!」
エルフ  「カウンターステアと言うのは、後輪の滑り出した方向にハンドルを切ってスピンを防ぐ技です。
      いわゆる逆ハンドルの事ですわ」
アリオーン「ぐっ! まだまだっ!(グルグルグルッ ピタッ!!)」
ノイン  「……なんと! しかし、これまた激突寸前で止まったぁっ!!
      回転してエネルギーを上手く逃がした!! スーパープレイの宝庫だ、二代目ドラゴンヘッド!!」
トラバント「う~、目が回る…」
ノイン  「飛んで飛んで回って回る! 八艘飛びに大回転ブレーキング!
      まさにウルトラテクニックのオンパレード!! …などと言っている間に次のマシンが来る!」

300 :ママチャリの系譜 第1章:2011/09/07(水) 21:59:01.07 ID:nmYpWI6Z

32

マナ   「ア、アルテナさん、速すぎです、ぶつかります、大事故です!」
アルテナ 「妙な三段活用をしない! くっ、思ったよりスピードを抑えきれてなかったみたいね…」
ノイン  「アルテナ機ダブル・エルダーだ! しかし、こちらもオーバースピード! 危険が危ないぞッ!!」
アルテナ 「こうなったら…ツインフットブレーキ!!」
ズザザザザッ!!
ノイン  「アルテナ選手、2本の綺麗な脚をニョッキリと伸ばし、地面に突き出す!
      地面とのランデブーに成功した靴底が断末魔の悲鳴を上げるーーっ!!
      ファーガス海賊団特攻隊長ダーツ! 本名はダン・マツマ!」
ダーツ  「勝手な事言ってんじゃねーっ!」
レベッカ 「やっぱりダンお兄ちゃん…なの?」
ダーツ  「違う!」
ウィル  「隠すなって、お前、本当はダンなんだろ?」
ダーツ  「しつけえぞ! お前らっ!!」
ニノ   「そうだよ、それじゃレベッカだって、レベッカ・マツマになっちゃうじゃない!」
レベッカ 「いや、私の名字、松間。だからレベッカ松間」
ダーツ・ウィル・ニノ「「「マジで!?」」」
レベッカ 「う・そ♪」

マナ   「ふーーーっ! ふーーーっ!」
アルテナ 「…何してるの、マナ?」
マナ   「はいっ、スピードが弱まるように、ふーふーして、逆噴射してます。ふーっ、ふーっ」
ノイン  「空気抵抗の少ない胸の同志・マナ選手が、健気に、お嬢様マウス逆噴射でブレーキングをサポート!!
      しかし、恐らく今よ今だわ効果ゼロ!! ぺたぺたのきのき!」
マナ   「そっ、そんな事ありません!! 
      ふーふーも、おっぱいも空気抵抗ありまくりですっ!! 着やせですっ!!」
ノイン  「……………」
エルフ  「……………」
セーラ  「……………」
ドロシー 「……………」
アルテナ 「……………」
マナ   「ああっ、何ですか、その慈しむような視線は? 風を切るおっぱいなんです!
      セクシーバデーなんですよっ!」
アルテナ 「わかったから、おっぱいとか連呼しないで…」

│.     /
│ナ ./.  ┌─────────
│ /     └─────────
アル ボフッ!!

│        アリ  
└────────────┐

ノイン  「おおっと、ふーふー逆噴射が功を奏したか、
      コースオフしてクッションに軽く当たる程度で損傷を軽微に止めたダブル・エルダー!」
セーラ  「うわ、3チームとも止まっちゃったわね」
ドロシー 「クラッシュ率70%は本当みたいですね」
ノイン  「魔物に喰いちぎられた先行3台がエンジン再起動!
      ダブルドラゴン、ダブル・エルダー、ワルキューレと順位が入れ替わっているっ!!」
エルフ  「ここでのダメージは大きいですわよ」

33

ノイン  「さあ、4位以下のマシンも山を下りきろうかという所だが……こちらも順位が変わっています。
      まず出てきたのは黒獅子エルトシャンのSTEガンマだが…ああっと!」
エルト  「許せ、キュアン…」
キュアン 「すまない…エスリン…」

  ┌──────────────
  │                
  │  / ̄ ̄ ̄             
  │./     オ( ;゚Д゚)アッ!!      
  /      ┌──────────
エルΣ(゚Д゚;)ヤッテモタッ!!

ノイン  「STEガンマ、ヘアピンを曲がりきれなーいっ! ああっ、続いて緑団号もオーバーラーン!!」
オイフェ 「すまぬ、ディムナ…」
ディムナ 「オイフェ先生。謝らなくていいですから、急いで復帰しましょう」
ノイン  「体育館裏ヘアピンには悪魔が潜む! 後続のS・フェアリーズと乙女デスサイズも
      悪魔に食いちぎられるのか!? 悪魔の縫いぐるみ!!」
エルフ  「あ、熊の縫いぐるみ?」
ノイン  「早い、オチが早い! そして、下りのこの2台も速い! このスピードはオーバーランコースか!?
      裸の妖精と死神乙女も悪魔のヘアピンの餌食と化すか!?」
シグルド 「私に策がある。手を貸してくれ、エスリン」
エスリン 「なに? …ふん……ふん…」
ディアドラ「まあ、それはいい手ですね」
アルヴィス「アホだ…シグルド、貴様はアホだ…」
エスリン 「でも、そういうのは嫌いじゃないわ。やりましょう!(ガシッ)」
ノイン  「ん……? マシン達が…??? ああっ、マシンが合体!!
      いや、正しくは後部座席の2人が肩を組んで、運転席のハンドルをドライバーが互い違いに持つ!」
エルフ  「…え? あー。子供ってああ言う乗り方しますよねえ?」
ノイン  「良い子も悪い子も危険なので真似をしないで頂きたい!!
      勝負を捨てたかシグルド、エスリン両選手! 心なしか、肩を抱くディアドラ選手に触れる
      アルヴィス選手の頬が少し赤い! 幕末純情課長…あれ、部長だったっけ?」
エルフ  「確か課長だったはずですわ」
アルヴィス「/////う、うるさいっ!!」
シグルド 「アルヴィス…別にお前の為にこの作戦を思いついた訳じゃないぞ」
ディアドラ「シグルド様はツンデレですのね」
シグルド 「ホントなんだから。特別なんかじゃないんだからねっ!
      別に何とも思ってないんだから、勘違いしないでよねっ!!」
アルヴィス「どやかましいっ!!」
エルフ  「幕末純○伝はともかく、幕末獅○王群像はどこへ行ってしまったんでしょうね?」
ノイン  「その前に、Z○YOとか言う黒歴史がですね……おおっと、そんな事はどうでもよく、
      合体した2台がキングス○イム体勢でコーナーへ差しかかる!!」
セーラ  「ちょっ、マジであの状態で行くの!?」

302 :ママチャリの系譜 第1章:2011/09/07(水) 22:00:59.65 ID:nmYpWI6Z

34

ノイン  「どうする、どうなる、同化自転車キング・スターダスト・デスサイズ!!
      おおおおおお!? 奇跡とまぐれの合体かッ!? 合体チームがそのままヘアピンへ!」
シグルド 「エスリン、行くぞっ!」
エスリン 「はいっ!」

  ┌───────────
  ..| . .┌──シグ&エス
  エル │ ────────┐
   オ └───────┐ │ ズザザザザッ!!
  └────────  | ..│
                    ←┘ │

ノイン  「これは! これは!! これはあああっ!! 4輪ドリフト!!
      2輪+2輪=4輪によるスーパーグリップ力で大地をしっかりグリッピング!!」
ドロシー 「や…やったっ!!」
ノイン  「まさにスクラム合体で、体育館裏の悪魔を粉砕だあああああああッ!!
      粉砕バットか洗浄バット!! 聖戦ドリームチームがヘアピンクリアだッ!!」
エルト  「シグルドか! 流石だな…」
キュアン 「ああ、負けてられん!」
ノイン  「オーバーランから立ち直りきってないSTEガンマと緑山歌劇団号をまとめて抜き去り、
      4位に浮上だぁッ!! まとめて、マリめて、マリア様にメティオ!」
ミシェイル「誰だ! ウチのマリアにメティオを撃った奴は! 串刺しにしてやるっ!!」
マリア  「ミシェイル兄様、落ち着いてください! 私、誰にもそんな事されてませんから!」
エフラム 「幼女にメティオをぶつけるなど言語道断! 我がジークムントの錆にしてくれる!!」
マルス  「シスコン&ロリコンは自重して下さい」

ノイン  「そして、コーナーを曲がりきった所でマシンが分離! 両ペア、2段点火式ロケットの
      噴射ロケットを切り離し、最後の直線、体育館裏ストレートに突入する!!」
リーフ  「シグルド兄さん、技を借りるよ!」
シャルロー「(ガシッ)後列、合体完了っ!」
フィン  「すみません、キュアン様。お先に失礼します!(ガシッ)」
アレス  「よし、行くぞっ!!」
ノイン  「そして、最後方から……ああっ! 何と、青色申告とおねいさんハント号がっ!?」

  ┌───────────
  ..| . .┌──フィン&アレス
  エル │ ────────┐
   オ └───────┐ │ ズザザザザッ!!
  └────────  | ..│
                    ←┘ │

セーラ  「図が前と同じだ…」
ノイン  「これはビックリ! この2チームも合体ドリフトでヘアピンの悪魔を撃破だぁっ!!
      エンジン再起動中の2台を抜き去り、最下位脱出っ!!」
エルフ  「リーフ選手がいつの間にか復活していますね」
ノイン  「第2の同化自転車、青色おねいさん申告号も切り離しに成功! 
      その後ろ、緑山歌劇団号とSTEガンマがリスタートし、舞台は体育館裏ストレートへと移ります!」
セーラ  「来てる! シグルドチームが来てるわよっ!!」
ドロシー 「後は、本命のエルトシャンチームが来てくれれば…」

303 :ママチャリの系譜 第1章:2011/09/07(水) 22:02:22.75 ID:nmYpWI6Z

35

ノイン  「さあ、ここで4位から7位の合体組のヘアピン、ノンブレーキクリアは大きい!
      集団を形成しつつ、一気にトップ3台との差を詰めてきたぞ!
      勢いに乗って、体育館裏をグラウンド入り口前へとひた走る!」
オイフェ 「これ以上、離される訳にはいきません!!」
エルト  「最下位など、獅子王の名が泣く!!」
ノイン  「それに負けじと最後方グループも加速!! トップの方は1周走って巡航速度はやや落ち気味か、
      トップグループと4位グループ、最後方グループの差がぐんぐん縮まるぞ!
      電波ぐんぐんグンジェム隊!!」

─────────────────────────────────────
←       ナ                           シ    アレ       エル
← アリ  アル                              エス   フ       オ
─────────────────────────────────────

マナ   「ア、アルテナさん、後方に4機視認! さらにその後ろに2機確認!」
アルテナ 「次から次へと…忙しいわね」
トラバント(電話中)
アリオーン(父上、また良からぬことを企んでいるな…)
ナンナ  「どうしましょう、お姉様」
ラケシス 「エルト兄様……、あくまで勝負を降りる気はないのね。
      もう少し、痛い目に遭った方がいいみたいだわ」
ナンナ  (ごめんなさい、エルトお兄様。私にお姉様を止める力が無いばかりに…)
ノイン  「お尻に火が付いたトップグループ! お尻から出るガスは引火するそうです! 火気注意っ!
      ……いえ、私は女の子なのでそんなの出ませんが」
エルフ  「……………」
セーラ  「……………」
ドロシー 「……………」
ノイン  「出ませんよね?」
エルフ  「もちろんです」
セーラ  「当たり前でしょ!!」
ドロシー 「ええ、まあ」
ノイン  「ジリジリと差を詰めてくる後方集団! 俺はここだぜ一足お先っ、
      体育館裏をグラウンド前へ抜けるトップグループ! あばよ、ダミアン!」
ダミアン 「私の事はいい。向かいたまえ、君達の目指すゴールへ」
ノイン  「体育館裏ではこれといった大きな戦いは行われていません。嵐の前の静けさがかえって不気味です!
      波瀾を見守るグラウンド前の休憩所を通り過ぎ、トップグループの3チームが帰ってきます!」
エルフ  「ダブルドラゴン、ダブル・エルダー、ワルキューレの3チームですわ」
セーラ  「この3チームが先頭集団なのが意外ね」
ノイン  「そして後方の猛る8ビート、いつの間にか2つの集団が1つになって
      直射日光バリバリ伝説のグラウンド前に差し掛かった!
      これは暑いぞ、目も眩むチャウダー! クラムボンは笑ってやがるっ!」

ノイン  「折り返し地点ではトップから最下位まで30秒近くありましたが、
      手元の時計では約10秒程となっております!
      トップのアドバンテージはほぼ消えたと言っていいでしょうっ!!」
ドロシー 「と言う事は、今後どうなるかはわかりませんね」
セーラ  「面白くなってきたじゃない!」
フュンフ 「俺の出番なしかよ…」
エルフ  「フュンフさんは作者の気まぐれで出てますから仕方ありませんわ」

続く