322 :続・裸のお付き合い:2011/09/09(金) 03:10:06.93 ID:d+TtnSFc
グレイル工務店には最近改築したばかりのお風呂場がある。
この間この浴場でちょっとした騒ぎが起きた。
これは、その少し後の話……
「ふぅ……」
「あー、傷に染みるぅ」
「大丈夫?
後でライブ必要かな?」
浴場で、三人の女性が会話しながら身体を洗っている。
シャワーの音に紛れて、一般家庭よりはるかに広い浴場に楽しげな笑い声が響く。
「全然平気!
この位訓練してればしょっちゅうだしね、痕にならなきゃへっちゃらだよ」
「女の子の肌は大事にしないとね。
特に切り傷はすぐに処置しないと残りやすいから……」
「………」
それきり会話が途切れて、沈黙に包まれる。
そんな重苦しい空気を、今回二人に呼び出された彼女……イレースが破る。
「この間のこと、ですよね……?」
その一言が聞きたかったらしく、二人の女性……ワユとミストが同時に口火を切る。
「隠し事は嫌いだから単刀直入に聞くけど!」
「大将(お兄ちゃん)と一緒にお風呂に入ったって本当!?」」
323 :続・裸のお付き合い2:2011/09/09(金) 03:11:10.03 ID:d+TtnSFc
「……」
数秒の、しかし二人にとっては数十分にも思える沈黙が続き、そして……
「……お風呂には、入ってません」
「裸は見られましたが……//」
「「……え?」」
………………
……………
…………
その後数分の口論が起きるも、毎度のことという結論に落ち着き現在はゆったりとした空気が流れている。
ちょっとした雑談を交えながら、広めの浴槽に三人が身体を横たえている。
「いやーそれにしても、毎回毎回直接的にアプローチするね」
数分程雑談が続いた所で、ワユがさらりとそう口にした。
「駄目……ですか?」
そう答えるイレースの口は重い。
やはり、多少なりとも罪悪感を感じているようだ。
324 :続・裸のお付き合い3:2011/09/09(金) 03:13:31.58 ID:d+TtnSFc
「んー……他の人はどう思ってるか分からないけど……
あたしは一緒に訓練したり、剣選んだりする位しかできないからちょっと羨ましいかな」
ワユの返答に思う所があったのか、大人しく二人の会話を聞いていたミストも会話に加わる。
「私も、流石に一緒にお風呂入るのはちょっと恥ずかしいかな……
小さい頃は一緒に入った事あるんだけどね」
「むむ、じゃあ入った事ないのはあたしだけかぁ……
こりゃ恥ずかしいとか言って負けてられないね」
唇を尖らせながらワユが言う。
「意外とあっさり行けますよ?
アイクさんは背中を流してもらうのには抵抗がないみたいですし」
イレースはそんな表情でも魅力的に映る彼女の整った顔立ちを羨ましく思いながらそう答えた。
「あはは、貴重なアドバイスありがと!
うん、今度訓練の後誘ってみようかな……」
………………
……………
…………
「でも、本当イレースさんはなんていうか……」
「?」
普段から明るいミストにしては珍しく、歯切れが悪い。
それは言い難いという訳ではなく、上手く言葉に出来ないようだ。
325 :続・裸のお付き合い4:2011/09/09(金) 03:15:33.99 ID:d+TtnSFc
「その、すごいですよね」
「……何が、ですか?」
要領を得ない賛辞に、イレースは当然の質問を返す。
口にした本人もよく分かっていないらしく、途切れ途切れに答える。
「お風呂の件もそうだし、行動力あるっていうか……」
「そうそう、普段とのギャップがあるというか、同じ女の子としてはその積極性は羨ましいかな」
思ってもいなかった答えを聞いて、イレースの瞳が大きく揺れる。
普段見せない同僚の表情を見て、ミストとワユはもっとこの女性の事を知りたくなった。
あまり自分のことを語りたがらない彼女だからこそ、自分達の方から歩み寄ろうと思ったのかもしれない。
「そう、ですか。
でも……私はお二人の方が羨ましいです」
「へ?あたし達の方が……?」
そしてその想いをイレースも受け取ったのか、ぽつりと内心を語り始めた……
「はい。
ミストさんは小さい頃からアイクさんを知っていて特別な位置にいます。
ワユさんは毎日のように勝負して、同じ武器だから共通の話題もあって……
どれもこれも、私にはないものですから」
嫉妬、と言えばそこまでだが、それは確かに彼女が普段から二人に対して感じていた事そのものだった。
心情を語り終えたイレースに、ワユが声を掛ける。
それは普段の明るい声調ではなく、優しく励ます、姉のような声だった。
「同じだよ」
「……え?」
326 :続・裸のお付き合い5:2011/09/09(金) 03:16:18.44 ID:d+TtnSFc
「共通の話題っていうなら、大将とイレースさんはよく御飯食べにいくじゃん!
それに魔道士での修行相手は貴重だってこの間大将言ってたよ?」
「うん。それに私だって、お兄ちゃんのこと完全に知ってるわけじゃない。
それどころか、昔から近い位置にいるせいで女性として意識してもらえないこともあるし……」
自分だけではない、そのことに気付いたイレースの口元から自然と笑みが漏れる。
「ふふ、そうなんですか。
そうですね。私達……同じような事で悩んでいたのかもしれませんね」
共有しただけで悩みが消える訳ではない。
しかし、分け合うことはできるのだ。
「……よーし、イレースさん、今度一緒に剣の練習しよ!」
「剣……ですか?」
「うん!剣で戦えるようになれ、とまでは言わないけど……
なんか新しい発見があると思うよ!
あ、そのかわりといっちゃなんだけど、私にもちょっぴし魔道のこととか安い御飯のお店とか教えてね!」
「あ、それいいね!
私もちょっとなら剣教えられるし、料理とかなら最近ちょっと自身あるから教えられるよ。
お兄ちゃんのお肉以外での好きな味付けとか、昔の話とか……」
「……いいんですか?」
「いいのいいの!たまには大将絡み以外で、ね?」
「うん、私達ライバルだけど、同僚でもあるんだから!」
「そうです、ね……それじゃあ、よろしくお願いします」
そう言って、彼女はおずおずと小さな手を差し出した……
327 :続・裸のお付き合い6:2011/09/09(金) 03:17:37.41 ID:d+TtnSFc
ワイワイガヤガヤキャッキャウフフ……
本人達は気付いていないが、着替え処まで賑やかな声が響き渡っている。
そしてそれを聞きながら、入口をうろつく一人の女性の姿があった。
(これは……私が入ってもいいものかしら……)
豆腐「ティアマトさーん、何やってるんすか?覗きはよくありまs」
グシャッ
*2)
終わり
328 :続・裸のお付き合い:2011/09/09(金) 03:23:58.87 ID:d+TtnSFc
ミストもワユも好きな自分としてはこれが限界です……
本当は
「それにしても、お二人とも大きいですよね……」
「何が……って、胸のこと?」
「最近また大きくなったんだよね……ブラが合わな、ひゃう!」
「やっぱり大きい……私の手だとつかみきれません」
「しゃべりながら手を動かさないで……んあぅ!」
「でも、イレースさんもかなり均整のとれた体つきじゃない?
いくら食べても太らないし、二の腕が細くていいなぁ……」
「ワユさんは太ももが健康的でいいですよね……
思わず舐めたくなります(ペロリ」
「ひゃ、ちょっ、ちょっと本当に舐めないでよ!
あ、やだ、そこは誰にも……アッー!」
的な百合ん百合んな展開も入れたかったんだが……作者の技量だとこれが限界だったんだ
すまない……後は、レスの人たちの妄想に任せたっ……!