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Last-modified: 2012-08-24 (金) 19:21:19

369 :ママチャリの系譜 第1章:2011/09/12(月) 21:26:27.77 ID:Gt4/yOtp

フュンフ 「ふう、今回は出番があって良かった…。
      前回は悪魔のヘアピンとラストの直線だったんだが、
      上位チームのミスと下位チームの協力プレイで、その差は大きく縮まった。
      1周目もようやく終わり、今回から2周目に突入するっ! それでは、レディ・ゴーッ!!」

36

ノイン  「さあ、グラウンドの観客スタンドはトップ3台の姿を見てお祭り騒ぎだぁっ!!
      そして、各チームのピット(サーキットの修理所)も慌ただしくなってきたぞ! ピット凛々しく!!
      乙女のポリエステル100%、ツナギを着たピットクルーがスペアタイヤを、
      チェーンオイルスプレーを手に右往左往うおーっ!!」
エルフ  「落ち着いてください? ……あと、あのツナギはポリエステルは65%で綿が35%です」
ノイン  「何でも解説してくれるぞ、エルフ解説員!! そして、何でも実況するこの私、
      ソードマスター・ノイン!! この最強コンビでお送りしております、実況席!!」
セーラ  「ある意味で最強よね…」
ドロシー 「この2人がFETVで働いたらどうなるんでしょう?」
エルフ  「たぶん、視聴者から苦情の嵐ですよ」
ノイン  「さて、この聖戦15周年記念杯2人乗り自転車レース。大会実行委員会のレギュレーションにより、
      各チーム必ず1回はピットストップを行わねばなりません!」
エルフ  「ピットでは各マシンのメンテナンスやドライバーのケアを目的としています。
      ピットクルーはグランベル大学自転車部の皆さんです」
ノイン  「どの周回でピットに入るか、それも戦略上非常に重要なポイントだと言えましょう。
      最低2回のドライバーチェンジもここで行うのが王道であります」
エルフ  「ロスを考えるとできるだけ1ストップで行くのがベストですが、ドリフトやスピンをしたマシンは、
      タイヤの痛みが激しいですからね。1ストップで行けるかどうかはレース展開次第ですわ」
ノイン  「すると、最悪のケースを思えば、2ストップも想定しておいた方が良いという事ですね」
エルフ  「特にトップグループはタフな戦いを強いられますから、
      それだけ余分なマシンメンテを覚悟しておいた方がよろしいでしょう」
ノイン  「自分自身のマシンは自分が一番よく知っている! アリオーン選手、アルテナ選手は
      ピットロードに入って行きます! おっと、ナンナ選手はピットをパス!」
エルフ  「ナンナ選手は車体に負担のかかるバトルを行ってませんからね。
      ここで差を広げておきたい所でしょう」
ノイン  「程なくして4位から9位の集団がやって来ました。S・フェアリーズ、おねいさんハント号、
      緑山歌劇団、STEガンマはピットイン、残る2台はピットをパス!」
エルフ  「フィン選手、エスリン選手もバトルとは無縁でしたから見送りましたね」
エスリン 「あ~、しんどい。ディアドラさん、ここで代わりましょう」
ディアドラ「はい、頑張りますわ」
ノイン  「おっと、ピットに入らなかった乙女デスサイズがここでドライバーチェンジ!
      コース上にマシンが減ったのを見計らった、混乱を避けるナイスタイミング!」
フィン  「ふむ、今のうちに交代した方が良さそうだな」
シャルロー「あー、まあ自信ないですけど、ダイエットだと思って行きます」
エルフ  「それを見て、青色申告号もドライバーが代わるようですわよ」
ノイン  「これでまたレース展開がガラっと変化します!
      ドライバー適性はどうなのか、ディアドラ選手、シャルロー選手!!」
搭乗者交代 エスリン→ディアドラ、フィン→シャルロー

現在の状況
          │ ↑     └────────────────
          │ロングストレート            グラウンドオーバルコース→
─────┘            ナ
                       _______________
┌..ピット内..┐         /
│ アリ、アル.│          │
│. .エル、シ . | ┃ ディ   │
│ アレ、オ. | ┃   シャ   |
└────┘ ┃  本線 │ 

370 :ママチャリの系譜 第1章:2011/09/12(月) 21:27:33.75 ID:Gt4/yOtp

37

ラケシス 「ナンナ、今のうちにタイムを稼ぐわよ!」
ナンナ  「ほいさっ!! ……すみません、ちょっと言ってみたかったんです」
ノイン  「ほーいさっさ、ほいさっさ、お猿の篭屋だホイサイおじさんっ!!
      シレジア民謡にのせて、軽やかに独走態勢に入る戦乙女ナンナ選手っ!!」
セーラ  「シレジアにそんな怪しい民謡があったんだ」
レヴィン 「確か、トーヴェ地方のものだったはずだ」
ドロシー 「ユグドラル地区も少し掘り返すと、変なモノがポンポン出てきますね…」
ノイン  「演奏はグランベル音楽団!! 団長のムーサーさんの趣味はトルネードでスカートめくりっ!!
      実家のシレジア料理店ムーサンのジンギスカンセット100Gは絶品!!
ムーサー 「七三軍団、六男のムーサーだ。私の実家では、常に新鮮な肉を用意して待っているぞ!」
エルフ  「協賛ありがとうございますわ」
アイク  「肉だと!? しかし、初めて聞く店だ、今度…いや、今すぐ行ってみたい!」
ミカヤ  「ダメよ、アイク! 今はシグルドとリーフを応援してあげなきゃ!」

ノイン  「さて、ピット内、すべてのマシンにタイヤ交換を行うピットクルー! そのスピードは練度の証か!
      とにかく早い! ドライバーはその間、傷薬で傷の治療や水分補給を行います」
エルフ  「ここの自転車部は桁外れの練習量で他校にも知れ渡っています。
      彼らは手慣れていますから作業が早いですわよ?」
ノイン  「まさにその通り、まるで魔法の小人のようにテキパキと交換を行います! 
      テキパキテキパキ好き好きー!! ピットワークの早さはもはや神業級だっ!?」
セーラ  「確かに恐ろしいぐらいに早いわね…」
エルト  「整備班長! すぐに出るぞ、補給を急がせろ!」
アルヴィス「こちらはいつでも出られる!」
アルテナ 「マナ、乗れる準備しといてよ!」
ディムナ 「具体的には12頭身ぐらいになっとくんだ!」
マナ   「はいっ…て、急にそんなには伸びませんっ!」
アレス  「しかも伸び過ぎてキモイぞっ!!」
ノイン  「眼前でナンナ・ヴァルキュリアのワンマンショーを目の当たりにした各選手に焦りの色も倍増かっ!?
      焦り倍ジャン共和国っ! 建国者はジャン!!」
エルフ  「……誰?」
ノイン  「観客席スタンドからはナンナコールが鳴り響いております。もはや白銀の女神の独壇場か、
      グランベル総合運動公園特設サーキット!! 女神の舞台に光あれっ!!」
エルフ  「ピットの方に動きがあったようですわ」
ノイン  「おおっ!? 最初にピットロードをリスタートしたのは、ダブル・エルダー!!
      パイロットシートに着くのはアルテナ選手ではありません、マナ選手だっ!!」
マナ   「よいしょ、よいしょ!」
セーラ  「遅ッ!!」
アルテナ 「ほら、マナ。頑張って!」
ノイン  「見た目通りの力と体力、やはりアルテナ選手と比べると大きなパワーダウンは否めない!
      そして、後方から4台、S・フェアリーズ・アルヴィス選手、ダブルドラゴン・トラバント選手、
      緑山歌劇団・ディムナ選手、おねいさんハント号・アレス選手が一斉スタート!!」
エルフ  「おねいさんハント号はアレス選手続投で行きましたわね。
      STEガンマはキュアン選手が何か槍のような物を受け取っていましたから、少し出遅れていますわ」
エルト  「何だこれは?」
キュアン 「そうだな…トラバントを撃退出来る秘密兵器。とでも言っておこうか」
ノイン  「秘密兵器っ!? いったい何を持ち出したのか、キュアン選手!!
      怪しげな武器を後部座席のエルトシャン選手に託し、STEガンマが最下位でリスタート!!
      しかし、ここからの巻き返しはかなり厳しいっ! トップのワルキューレは
      既にグラウンドオーバルコースを抜けて、たんぽぽ小道へ向かおうとしている!
      右手に見えるマナ選手はグラウンド周回遅れ!」
搭乗者交代 アルテナ→マナ、シグルド→アルヴィス、オイフェ→ディムナ、アリオーン→トラバント
      エルトシャン→キュアン

371 :ママチャリの系譜 第1章:2011/09/12(月) 21:28:29.15 ID:Gt4/yOtp

38

現在の状況
│ナ     |  グラウンドオーバルコース
┘      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
     トラ      アルヴ ディム      \
キュ→      マナ      アレ         \
      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ .     |
       |                      |ディア.. ..|
       |                      |      |
      \__________/ .     |
                   シャ  .     /

ラケシス 「エルト兄様がリスタートしたようね…グラウンド周回遅れとは言え、油断はしない方がいいわ」
ナンナ  「(ハァ…ハァ)ええ、わかってます」
エルフ  「ナンナ選手も相当バテていますわ、どこで交代するかがカギですわね」
アルテナ 「ものの見事にやられたわね……」
マナ   「はうぅ~、ごめんなさい…」
ノイン  「STEガンマより先にピットを出た4台の内、トラバント選手を除いた3台が
      マナ選手を既にオーバーテイクしていた! 速いっ! 実に速いですぞっ、殿!!」
エスリン 「うわ~、来ちゃった。ちょっと頑張りすぎなんじゃないの?」
ディアドラ「まあ、どうしましょう?」
リーフ  「あっ、エスリンさ~ん!」
アレス  「(スチャッ)リーフ、この銀の剣の☆になりたくなければ、そこを動くな!」
リーフ  「じょ、冗談だよ…だから首筋に剣を当てるのはやめて…」
ノイン  「グラウンドオーバルコースも半分を過ぎた所でアルヴィス選手、ディムナ選手、アレス選手が
      ディアドラ選手を捉えたぁ!! そして3台が一気に乙女デスサイズをオーバーティィィィクッ!!」
アルヴィス「うっ!?」
ノイン  「ああっと、しかし、確かに3台ともディアドラ選手を追い抜きはしましたが、
      スターダスト・フェアリーズが謎のスローダウンっ!! アルヴィス選手がまさかの脱落だぁっ!!」
エルフ  「何か様子がおかしいですね」
ノイン  「……おおっ!? 何だ、これは!? これは一体、何が起こっているのか!? ここでCMです」
セーラ  「マジでっ!? 最悪じゃないのっ!! 何が起こったのか勿体ぶらずに教えなさいっ!!」
ノイン  「では教えましょう。えーっと、起こっている事を説明するならば、連結自転車2両編成!
      ディアドラ機乙女デスサイズをS・フェアリーズ後部座席のシグルド選手が引っ張っている!」
ドロシー 「何やってるんですか…?」

アルヴィス&シグルド━ディアドラ&エスリン  ガッタイカンリョウ!!

ノイン  「運転手はキミだ、車掌は撲殺! 盗んだ列車で走り出す!
      牽引とでも言うべき微笑ましい光景が繰り広げられているのです……が」
アルヴィス「アホかぁっ! 重いわっ!!」
シグルド 「何を言う、いくら軽いエスリンを乗せているとは言え、あのか弱いディアドラが
      二人乗りをしているんだぞ! 手伝ってやろうとは思わんのかっ!」
アルヴィス「それとこれとは話が違うだろぉっ!!」
ディアドラ「アルヴィス様、頑張って下さいまし」
エスリン 「だって。ほら、彼女にいいとこ見せてみなさいよ」
アルヴィス「ままならんなあっ!!」
ノイン  「天使のような優しさと菩薩のような慈愛。そして、KINSHINとディアドラ選手の事となると
      暴走してしまう残念な一面を併せ持つ!! それが僕らの主人公シグルド選手!!」
シグルド 「いや、私はまともな人間だろう」
エスリン 「ノーコメントで」

372 :ママチャリの系譜 第1章:2011/09/12(月) 21:29:34.36 ID:Gt4/yOtp

39

___________/マナ
           アルヴ-ディア

ノイン  「そして、ヴォーパルバニー・アルヴィス選手の電車2両目後方に、接近する物体アリ!
      サーキットのお嬢様、マナ御前のダブル・エルダーだァッ!!」
エルフ  「首をはねないようにして下さい」
ノイン  「ピットアウトすぐに3台に追い抜かれたものの、健気な努力によって未だにダブルドラゴン、
      STEガンマの2台からオーバーテイクされていませんっ! 大和撫子マナ選手の実力を見誤ったか!?」
マナ   「私だって、平民としての意地があります!」
ノイン  「平民の意地がスポーツ拙者、運動音痴のマナ選手を奮い立たせているっ! 
      その力をもって2両編成列車にスリップストリームにつ……
      おおっと、スリップストリームと見せかけて、更に連結ッ!!」

アルヴィス&シグルド━ディアドラ&エスリン━マナ&アルテナ  ガッタイカンリョウ!!

セーラ  「だから、何やってんのよっ!!」
ノイン  「乙女デスサイズのナビシート、エスリン選手がダブル・エルダーを引っ張る!!
      アルヴィスバニー列車3両編成!! 運転手はキミだ、車掌はボクサー!!」
アルヴィス「だから、重いっつってるだろーがっ!!」
エスリン 「や、何か、私達だけ楽して悪いかな~って思って」
マナ   「はぁ、ちょっと休憩…」
アルテナ 「エスリンさん、すみません」
ディアドラ「アルヴィス様、ファイト!」
アルヴィス「え~い、もうどうにでもなれ!!」
ノイン  「惚れた弱みか、流石にアルヴィス選手も諦めたか、必死にペダルを漕ぐ!! 
      ディアドラ選手とは会社も一緒、ご飯も一緒、レースも一緒、暗殺者も一緒であります!」
ディアドラ「まあ、暗殺ですか…」
アルヴィス「何、私は暗殺されるのか!?」
シグルド 「惨殺や焼殺されるよりはいいだろう?」
エスリン 「3択なんだ」
アルヴィス「何で常にバッドエンドなんだ……?」
ノイン  「自然に男性と仲良しって良いなあ!! …なんて言ってる間にSTEガンマとダブルドラゴンが
      アルヴィスバニー列車をオーバーテイクだぁっ!!」
キュアン 「…何やってるんだ? こいつら…」
トラバント「フン、バカな連中だ。先に行かせてもらう」
ノイン  「グラウンドオーバルコースを3両編成で行く、そんな3台に観客スタンドから微笑ましい拍手が
      送られておりますっ!! ええい、妬ましいっ!! 嫉妬で人が殺せるのなら!!
      あんな奴ら、負けてしまえ! そんな彼らは現在仲良く7・8・9位!! Take a it your ZAMA!!」
エルフ  「あまり私怨を込めないで下さい?」
セーラ  「あいつらこの後どうするつもりよ…?」
ドロシー 「これじゃ本選出場どころじゃありませんよ」

続く