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Last-modified: 2007-07-29 (日) 23:58:41

コネクション~魔道士編~

 

マルス「こんにちは、イレースさん」
イレース「あ……。えっと……確か、アレス……さん……?」
マルス「違います。起源は同じだけどあんな恋人一人守れないヘタレじゃありません。以前好評だった茸を持ってきたんだけど……いりません?」
イレース「…………! 茸……マルスさん……!」
マルス「はい、そうです(どういう覚え方してるんだろ……)。で、どうです?」
イレース「是非……! 私……あんなの初めてでした……。あんなに小さいのに……一つだけで、お腹いっぱいになったなんて……。……お腹……だけじゃなくて、身体中が満たされるようでした……」
マルス「(そりゃ、巨大化してたわけだしね)それじゃ、今度家に送るね」
イレース「……マルスさん……ありがとうございます……。マルスさん……マルスさん……」

 

マルス「餌付け完了。……しっかし、おそるべし茸王国。たった一つで彼女を満足させるとは」

マルス「リオン先輩。調子はどうですかー?」
リオン「ん? ああ、マルス君。君の貸してくれた光のオーブのおかげで、安全に魔石の研究ができるようになったよ。ありがとう」
マルス「それは良かった。効果があったんですね」
リオン「うん。おかげでもう魔王に身体を乗っ取られかけることもなくなったよ」
マルス「そうですか。じゃあ、しっかり恩に着せるんで僕に協力してくださいね」
リオン「……な、内容によるかな」
マルス「ここに魔王に乗っ取られかけたときの赤裸々な台詞を録音したレコーダーがあるんですけど……エフラム兄さんやエイリーク姉さんに聴かせていいんですか?」
リオン「…………。ぜ、全面的に協力させていただきます」

 

リムステラ「マルス」
マルス「……いきなり後ろから声を掛けるのはやめてください。何ですか?」
リムステラ「お父様の研究が終了した。よって、借りていた大地のオーブを返しに来た」
マルス「終わった? じゃあ、僕が言ったような……」
リムステラ「そう。命を奪わずにエーギルのみ抽出する方法が確立した。もう、誰かに危害を加える必要がなくなった」
マルス「そうか。ま、少しエーギルを盗るだけなら献血みたいなものだし、やり過ぎないなら僕も見過ごすよ」
リムステラ「分かっている。血の誓約書の内容通り、私たちはもう人の命を奪わない」
マルス「ならいい。……それさえ守れるなら、相互不干渉でいけるよ」
リムステラ「…………」

 

マルス「ペレアスさん?」
ペレアス「マルス君? 何か用事があったっけ」
マルス「ん、いや、用事じゃなくて……ちょっと感謝しに、ね」
ペレアス「感謝?」
マルス「うん。前にペレアスさんに血の誓約書の原理構成を解明してもらったでしょ? それが早速役に立ったからね。そのお礼に」
ペレアス「役に立てて何よりだよ。……で、これはなに」
マルス「ハーブティー。最近ミカヤ姉さんそれに凝ってるから、あげると喜ぶよ」
ペレアス「へえ……。うん、ありがと。……けど、いいのかい? 僕がミカヤと仲良くして」
マルス「……他の二人よりはマシだ」

 

マリク「マルス様、お待たせしました」
マルス「あ、終わった? ニノちゃんの補習」
マリク「はい。……けど、なぜあの娘には特に気を掛けなければならないんですか?」
マルス「いい娘だろ?」
マリク「それは認めますし、魔道の才能も桁外れですけど……善良過ぎて、マルス様では利用できませんよ」
マルス「分かってるよ。あの娘を利用なんかできない。利用するのは……あんただ」
ジャファル「…………」
マリク(……い、いつの間に……!)
マルス「見ての通り、ニノちゃんの学校生活は僕とマリクでフォローする。だからそのために、僕に利用されろ」
ジャファル「…………。何をさせる気だ」
マルス「コイツに制裁を」(つエルレーンの写真)
ジャファル「……分かった」(影に消える)

 

マルス「これで、君を苛める身の程知らずも自重するよ、マリク」
マリク「は、はあ……(別に気にしてなかったんだけどなあ……)」