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Last-modified: 2007-11-09 (金) 23:34:37

洒落になりませんから

 

ミルラ  「こんにちは」
エリンシア「あらミルラちゃん、いらっしゃい。エフラムちゃんにご……よう……」

 

 玄関先に現れたミルラを見た瞬間、エリンシアは硬直した。
 なんと、彼女のお腹が大きく膨れているではないか!

 

エリンシア「み、ミルラちゃん……! それは、まさか……!」
ミルラ  「はい……」

 

 頬を染めて俯いたミルラが、恥ずかしそうに呟く。

 

ミルラ  「エフラムの、赤ちゃんです……」
ファ   「ファもー」
チキ   「チキもー」

 

 次々にぽっこり膨らんだお腹を見せる幼竜三人娘。

 

エリンシア「な、な、な……!」
  #br
 エリンシアはアミーテ片手に三段飛ばしで階段を駆け上り、エフラムの部屋の扉を蹴り破った。

 

エリンシア「エフラムちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん! あなたって子はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
エフラム 「な、なんだ!? どうした、姉さん!?」
エリンシア「お黙りなさい! 年端もいかない子供相手になんてことを……!
       地獄の果てまで、ぶっ飛ばしてさしあげますわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
エフラム 「何の話だぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 さしものエフラムも怒りの叫喚四連発には成す術もない。
 破壊の嵐が吹き荒れている二階を見上げながら、三人幼女はきゃっきゃと笑う。

 

チキ   「うまくいったねー」
ファ   「いったねー」
ミルラ  「いきました……」

 

 お腹が膨らんだ服の下から、大きなボールを取り出す三人。
 それを見下ろしながら、ミルラは小さく首を傾げた。

 

ミルラ  「でも、どうしてあんなにあっさり引っかかったんでしょう……不思議です……」

 

 世の中、洒落にならないことというのは確かに存在するのであった。