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Last-modified: 2007-11-10 (土) 23:11:38

超天才リオンの大発明!~未来編~

 
 

リオン  「という訳で、成長後の姿を見られる装置を作ってみたよ」
ヘクトル 「仕事早ぇなオイ」
リオン  「グラド大学には地震を予知できるほどの優秀な魔導士がたくさんいますから。
      ああ、こんなものを作ってしまう僕の才能が怖いよ、ノール」
ノール  「さすがリオンさま。このノール、一生ついてゆきます」
ミルラ  「……リオンさん、早く使ってみてください」
リン   (気合入ってるわねー、ミルラ)
ロイ   (やっぱり、自分が大きくなってもエフラム兄さんの心が離れないか心配なんじゃないかな)
リオン  「よし、じゃあ早速……えーと、年代設定は、十年後、ぐらいでいいかな」

 

 リオンが持ってきた水晶玉に手をかざすと、そこに一人の美少女の姿が浮かび上がる。

 

リーフ  「うひょー、これはいいおねいさん」
マルス  「はいはい、いつものことながら自重しようね君は」
リン   (へえ。なんだか、少し影のある美人って感じで、綺麗ね)
ロイ   (いつもちょっと引っ込み思案だから、成長すればそれが儚げな魅力に転化されるのかもね)
ミルラ  「……エフラム、どう思いますか……」
エフラム 「特にどうも思わんな。ミルラならこうなるだろう、というイメージそのままだ」
ミルラ  「……そうではなくて、美人だと思いますか魅力的だと思いますかと聞いているんです」
リン   (お、直球)
ロイ   (さて、エフラム兄さんの答えは?)
エフラム 「そう思う。普段から、ミルラは将来美人になるだろうと予想していたからな」
ミルラ  「……」
リン   (うわ、むっちゃくちゃ嬉しそう!)
ロイ   (でも自分的にどうかってことを言わない辺り、エフラム兄さんも結構計算してるのかも)
エイリーク「……」
リン   「あらどうしたの姉さん、そんな深刻そうな顔で」
エイリーク「……いえ……ミルラも、やはり将来は胸が……」
ロイ   (ああ、やっぱその辺気になるんだ)
リン   (ミルラ、なかなかいいスタイルに成長するみたいだしね)
ファ   「ファもやるーっ!」
チキ   「わたしもーっ!」
リオン  「はいはい、それじゃ順番に……」
ロイ   「んー……ファは相変わらず元気満点な感じ、チキはちょっと落ち着いた、清楚な大人っぽい感じかな」
エイリーク「……ファはいい子ですね(ナデナデ)」
ファ   「?? えへへー、ロイお兄ちゃん、なんかよく分かんないけど褒められたー」
ロイ   「……あはは……良かったね、ファ……」

 
 

ファ   「ねーねーリオンお兄ちゃん、ホントにこうなるの?」
リオン  「まあ、多分ね。的中率はそこそこ高いと思うよ?
      なにより、人間の外見的変化なんて生まれたときからほとんど決まってるようなもんだし」
リン   「……まあ、一部予想だにしない変化を遂げた人もいたけどね」
アイク  「……ん? なんだ?」
ロイ   「いや、別に何も……」
ヘクトル 「しかしおもしれーなこれ」
リオン  「試しに他の人にも……あ、ちょうどいいところにちょうどいい人が」

 

 廊下を通りかかった人影に向かって、また水晶玉を使うリオン。
 ところが、そこに映し出された姿は今のその人と全く変わりなかったりして。

 

リオン  「あれ、おかしいな、故障かな……? じゃ、今度は二十年後……」

 

 再度起動するリオン。しかし、やはりそこに映し出される姿は全く変わらない。

 

リオン  「おかしいなー。念のため君もチェックしてくれるかい、ノール?」
ノール  「……いえ、やはりおかしいところはないようですが……」
リオン  「うーん……すみません皆さん、どうやら故障してしまったようで……」
リン   「……たぶん、故障じゃないと思うわ」
ロイ   「……だよねえ」
ミカヤ  「あら、皆揃って何やってるの?」 

 

 居間に姿を現したミカヤに、全員が無言の視線を注ぐ。

 

ミカヤ  「え、な、なに?」
ヘクトル 「……いや、やっぱり姉貴はいろいろ謎だよなーと思ってよ……」
ミカヤ  「???」
リオン  「五十年後……百年後……うーん、やっぱり変わらないなあ……」
ロイ   「いや、リオンさん、もういいですから。それ以上先にいっちゃうと本格的に怖いし……」