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Last-modified: 2008-03-31 (月) 22:35:00

508 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 10:06:02 ID:QLjpWwkD
ロイ   「そういえばさ…セリス兄さんの部屋がめっちゃ乙女趣味だったり、アイク兄さんの部屋がダンベルとかで
      埋もれてるのは見たことあるけど…僕、リーフ兄さんの部屋だけ見たことが無い。」
ヘクトル「そういえば…俺もリーフの部屋は見たこと無いな。」
ミカヤ  「あ、私も」
リーフ  「へ? そういや見たこと無かったっけ…いや、別に大した物は無いよ。」
ヘクトル「…あやしい。」
ミカヤ  「あやしいわね。」
リン   「もしかして…何か不味いもの隠してるんじゃない…?」

全員  「…………」

ヘクトル「皆、走れ!」
だだだだだだだだだだだだ…
リーフ 「あぁっ! 待って!」

ガチャ!
ヘクトル「さぁて何が出るかな……って…」
ロイ   「これは…」
リン   「嘘…」
ミカヤ  「凄い…」

部屋は驚くほど整然としていた。
壁一面に掛けられた様々な剣・槍、専用のケースに入った弓と矢束、そして斧。
本棚の半分は魔道書で埋まり、部屋の隅には無数の杖が掛けられてる。

リーフ 「はぁ、はぁ…酷いよみんな。」
ロイ   「リーフ兄さん…これは一体?」
ヘクトル「よくもまぁこれだけの量を…お前実は武器マニアだったのか。」
リン   「あ、…これってもしかして」
ミカヤ 「あぁ、そっか。」
リーフ 「姉さんたちは気付いたみたいだね…」
ヘクトル「どういうことだ?」

リーフは無言で部屋の奥に行くと、一本の斧を持って戻ってきた。

リーフ  「これ、見覚えない?」
ヘクトル「へ……まさか…!」
リーフ  「全部じゃないけど、ここの武器、皆兄さんたちのお下がりだよ。」

「「「ええええ!?」」」

リン   「確かに…要らなくなった弓あげた覚えがあるけど…私のほかはリーフしか使えないし。」
ヘクトル「そういや俺も要らなくなった斧を結構ポイポイと…エフラムも槍が余るとエリウッドかリーフにやってたな」
ミカヤ  「私も魔道書を結構…他に使える人いないし。」
リーフ  「はぁ…みんな僕が何でも使えるからってぽんぽんと…嬉しいけどさ。」
ロイ   「そういえば兄さんはマスターナイトだったね。あんまり強そうに思えないけど。」
リーフ  「ひどっ、ってもうこんな時間だ。宿題あるからみんな出てく出てく」
ヘクトル「あ、あぁ…」
509 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 10:06:51 ID:QLjpWwkD


リーフ  「はぁ……強くないからマスターナイトになったんだけどね。」
ロイ   「え? どういう事?」
リーフ  「うわぁ! ロイまだ居たの!?」
ロイ   「いや、剣が切れ掛かってるから貰おうと思ったんだけど…それよりさっきの。」
リーフ  「ああ、いや、たいした事じゃないんだ。……僕はね、はっきり言って兄さんたちにかなわない。
      剣の腕ならアイク兄さんは勿論、アルム兄さんには勝てないし、槍ならエフラム兄さん、斧ならヘクトル兄さんには勝てない。
      魔力で比べたらミカヤ姉さんには全く適わないし、馬術で言ったらシグルド兄さんやエリウッド兄さんには負ける。
      杖ならエリンシア姉さんの方が上で、リン姉さんほどの圧倒的な素早さがあるわけでもない。」
ロイ   「え、でも…」
リーフ  「ロイは封印の剣を持ってるけど…僕はね、何故かそういう武器が絶対に使えないんだ。
      どの武器をどれだけ練習しても、何故か銀製武器よりも上の、特別な武器を使えるようにはならない。
      剣は相当使い込んでるけど、それでもリガルブレイドは使えないんだ。」
ロイ   「……」
リーフ  「だから僕はマスターになった。普通の人間が神器に対抗するには、マスターくらいしか選択肢が無いんだ。
      流星剣でも使えれば別だけどね。これでも結構苦労したんだよ?
      一時期訓練ばっかりしてたし。まぁ、それでも兄さんたちには適わないんだけどね。」
ロイ   「でも僕と、剣の腕なら大して変わらないじゃないか。」
リーフ  「今はね…シグルド兄さんに聞いたけど、エリウッド兄さんもちょうど今のロイくらいから異常に腕前が伸びたらしい。
      ……たぶん、ロイも近いうちに僕じゃ勝てなくなる。」
ロイ   「……」
リーフ  「…剣だったらそこの奴を持ってっていいよ。正直もうそろそろ売ろうかと思ってたんだ。」


アイク  「だッ! てぃッ! でぇりゃッ!」
リーフ  「たぁ! そこだ、トルネードッ!」
アイク  「甘い、天ッ空ッ!」
リーフ  「うわぁ!」
アイク  「ふぅ…俺の勝ちだな。」
リーフ  「あたたた…また負けた…」


ロイ   「そういえばアイク兄さんって時々リーフ兄さんと訓練してるよね。」
アイク 「あぁ、あいつは強いからな。いい訓練になる。」
ロイ   「強いって…リーフ兄さんが?」
アイク 「あぁ。俺のほうが勝ち数は上だが…十本に一本くらい取られる事がある。」
ロイ   「…うそ…アイク兄さんが……?」
アイク 「リーフと戦ってるとちょっとした油断が即命取りになる。剣で挑めば槍で返され、距離をとれば魔法が飛んでくる。
     投げ斧は剣で流されるし、睨み合いになると杖装備で回復される。」
ロイ   「え……」
アイク 「実は俺の天空も、あいつの三角跳びからの攻撃を参考に編み出した。」
ロイ   (…そういえば、リーフ兄さんって訓練の時はアイク兄さん以外には、剣か、相手の武器と同じのしか使ってない…)
アイク 「ん? どうした?」
ロイ   「いや、何でもない。」


リーフ 「あ、ロイか。どうしたんだい?」
ロイ   「え、あぁいや別に・・・(同じ武器同士じゃ誰にも勝てない。だけどある意味唯一アイク兄さんに勝てる可能性がある…か。」
リーフ 「ははは…やっぱアイク兄さんは強いよ。僕じゃ全然適わないや。」
ロイ   (リーフ兄さんは、決して弱くなんか無い。ナンナさんやミランダさんが惚れるのも判る気がするよ。)