スタッフ/【天野喜孝】

Last-modified: 2021-07-09 (金) 16:07:24

FFシリーズのキャラクター・モンスターおよびロゴイラストをデザインする、日本を代表する画家。


FF1~6ではキャラクターやモンスターの原案となるイラストを担当していたが、
FF7以降はイメージイラストレーターという肩書になった。
9ではキャラクター原案に復帰したが、10以降またイメージイラスト専門に。


元タツノコプロダクションに所属していたのデザイナーだったが、共同の大部屋に回されて、
「一人で絵を描きたい」と言って独立してしまった。


FF7から9を除いて殆どFFの仕事が無くなったのは、
旧スクウェアのお偉いさんが氏の絵を怖いからと言ったためとあるが、
実際は3D化への適応性や内部デザイナーによる効率・利便性等を考慮したため。
ちなみに6で完全に引退する予定だったが旧スクウェアにクレームが殺到したため
氏をイメージイラストレーターの肩書きで残す事によりオールドファンを懐柔する事にしたとの事。

  • なお、本人も絵が怖いという意見がある事を自覚しており、自身がキャラデザを手掛けたNHKの児童向けアニメ『やさいのようせい』では「絵が怖いから」という理由でデザインの変更を要求されたとのこと。
  • 氏いわく「リアルに描いている、だからそういう感情を懐く」と語っている。そんな氏のマネージャーにいわせれば「キモカワイイ系の絵」とのこと
  • 「お偉いさんが氏の絵を怖いと言った」というデマが流れるという時点でファンも暗に怖いと思っているのかもしれない。リアルだからこそね
  • 技術的な問題でチープなデザインのモンスターが多かった1980代RPG作品にして、 
    他メーカー作品に対して群を抜いて圧倒的な迫力と美しさを誇っていたのは
    氏とそれを可能な限り忠実に再現したドット絵師の力による賜物であると思う。
  • FF3まではカセットにツインソードなど天野氏のキャラクターイラストが使われていたが、FF4からは使われなくなってしまった。
    これは、子どもが天野氏の絵を怖がるから、という理由だと聞いた。
  • クレームが殺到したという事は、それだけ氏を慕うファン、ユーザーが多かった証でもある。
    実際に氏の絵に惹かれてFFを始めたというユーザーもいるという事がかつてのゲーム雑誌に書かれていた。

過去にFFシリーズのイラスト画集のセットが発売されたが、
値段が値段だけに手が出せなかった人が多いと思われる(数冊セットで60000円くらい)。
現在、氏の作品は版画の複製品でも1つあたり何十万円~何百万円もする。原画であればもっととんでもない額がつく。普段なにげなく目にしているFFシリーズのものも例外ではない。
60000円は、安いと言わざるを得ない。

  • 中村悠一氏が天野氏がてがけたFF11ワールドマップ金屏の複製品を所持しているが、3桁万円したとのこと。

非常に味のある絵を描く方。
特にモンスターなどの人外が秀逸だと思う。
フロントミッション1でも絵を描いていた。

  • 上記でFF11ワールドマップ金屏の複製品を天野氏の個展で入手した中村氏は画商に
    「例えば天野氏が伊達政宗を描くなら、眼帯も三日月の兜もないかもしれないし、モヒカンかもしれないが、
     天野氏の思う伊達政宗ならそれが伊達政宗です」
    と説明されて「なんか詐欺師みたいだな」と思ったとか。

グインサーガには、挿絵で関わっていたが
2009年5月末に作者が他界した。
その他の代表作としては吸血鬼ハンターD、陰陽師など。


タイトルバックの絵は現在でも担当している。それだけでも嬉しい。


FF以外の仕事は現在も精力的にこなしており、年1回/地域くらいのペースで個展も開いている。
興味のある人は見に行ってみるのも良いだろう。


繊細で妖艶・幻想的な絵柄は、欧米でも人気。
日本でも数々の賞を受賞している。


ファミ通のインタビューで、次のようなことを答えている。

■FFの冠を守る役割
――FF7以降は、別の方が描かれたキャラクターを天野さんが描くことが多くなりますが、
それはどう感じられましたか?
天野:“FFである”ということが繋がりかなと思ったんですね。
これがFFでなかったら、僕がやる必要はありませんよね。
だから、FFという流れの中で描くことを望まれているんだろうと思います。
あと、キャラクターデザインをずっと担当することは、時間的にも不可能でした。
シリーズが進むにつれ、CGのテクノロジーの複雑さも進み、作業も細分化していく。
キャラクターもその中のひとつであって、デザインした人が3Dで作るわけではありませんよね。
だから、よりアニメーションのように分業制になり、一人一人の役割ができたんだと思います。
その中で、僕の役割はポスターなどを描くことによってFFという冠を守っていくことかなと。
FFも伝統芸能と同じで、例えば歌舞伎は誰が演じても、題材が変わっても、
引き継ぐ人がいてそれが伝承されていきますよね。
そのようにFFも初代が坂口さんで、2代目、3代目と引き継がれていく中、
僕が変わらず冠を守っているんだと思います。

天野氏がキャラクターデザインを担当する新作FFをプレイしたい人にとっては残念な話である。


個展に行ったら、そこのスタッフによると、拠点を海外に移したとか…。

  • 実際に中国映画「妖魔伝 リザレクション」などでは「コンセプトデザイン」として名を連ねている。海外を主軸にしたというのは事実なのだろう。

これほどの気概を持っている人間が関係者にいるというのはプレイヤー冥利に尽きるというものである。


【視聴覚室】
天野氏の幻想世界へようこそ

このように7以降もあまり雑誌などに載らないだけでイラストはある…実にふつくしい。
あまりFFの絵は描かなくなったようだが、海外ファンから依頼(というか懇願)されることが多くディシディアの際には発売当時までの歴代主人公、歴代ボスキャラクター集合絵などを手がけた。個展などや上記動画等で確認できる。


「オーディン=斬鉄剣」のイメージの定着を決定づけた戦犯人でもある。

  • オーディンの元ネタを知っているならばオーディンの武器は槍(グングニル)と思うのが常識である。
    しかし、その常識すら歯牙にもかけずオーディンの得物に一撃必殺の剣を描いて
    「オーディン=斬鉄剣」というFF独自の設定を確立させたそのへんt…もとい天才的なセンスは凡人には到底真似できるものではなく、まさに見事という他ない。

第37回(2014年)24時間テレビにおいて、チャリTシャツのデザインを担当した。


FF30周年を迎えるに当たり、クリスタルと無数のチョコボの絵を描いているが1匹モーグリがまぎれている。


ティナがお気に入りのようで、圧倒的に枚数が多い。
この人の描くトランスティナには乳首らしきものが描かれてあるのは気のせいだろうか。

  • ついでにレッドソードもお気に入りらしい。確証が無い為、断言出来なくて申し訳ないが、
    原画展での宣伝等に多用されたり、DFFのコスモス陣営のキービジュアルで主役の中の主役を差し置いてフリオニールを真ん中に陣取らせている辺り、まんざらデマでもなさそうである。
  • 暁の四戦士の集合絵をおっさんばかりで描いててあんまり楽しくなかったと語っていたりするので、ご本人はかわいい女の子やカッコいい男キャラを描く方が圧倒的に好きなようだ。

2018年8月放送のスッキリでメインMC3人のイラストを書いたがその中にモーグリがいた。


FF1を担当された際には、最初いつものイラストではなくドット絵を持ち込んでしまい、坂口博信に指摘されてしまったようだ。

  • 確かFFの画集(どのタイトルかは失念)のインタビューコーナーで「ゲームと言えばドット絵なので、そういう書き方をしなければいけないと思い込んでしまい、ドット絵っぽくカクカクに描いて提出したら爆笑と共に「普通に描いて下さっていいんですよ」と言われた」とあった。
  • 余談だが、『ドラゴンクエストシリーズ』に携わっている漫画家「鳥山明」も、DQ製作時に同じミスをしたとのことである。