ストーリー/【FF10のエンディング】

Last-modified: 2023-02-10 (金) 17:31:36

関連:【FF10-2のエンディング】
音楽:Ending Theme素敵だね‐オーケストラ・ヴァージョン‐

FF10

辛い戦いを越え、遂にエボン=ジュを消滅させたティーダ達。
星空のビサイド村では広場で火が焚かれて人々が北の空を見守っていた。
不意に変化に気づいて歓声を上げるオーラカの面々や、空に向かって敬礼をするルチルエルマ生き残った討伐隊員達。メイチェンも離れて見守っている。
その背後のビサイド寺院祈り子の間では祈り子像が人知れず石となっていく。
マカラーニャベベル…。夢見ることをやめた祈り子は輝きを失って眠りにつき、少年の姿も消えてゆく。


ジェクトを送るために舞っていたユウナ幻光虫がこぼれるアーロンの姿にはっとして手を止めてしまう。
「続けろ」
「でも……」
「これでいいさ」
自分の役目を終えた英雄は、若者に未来を託しここで異界へ旅立つことを選び、昇っていった。
飛空艇の甲板に移りユウナは異界送りを舞い、『シン』と召喚獣達を引き連れて船は空高く上昇する。
俄に『シン』の身体がほどけ、夜の闇を切り裂いてナギ平原は光り輝く巨大な幻光の雲に覆われてゆく。
幻想的な雲の上で、バハムートイフリートヴァルファーレ、次々と召喚獣達が、そして『シン』が無数の光になって消えていった。
それと同時にガガゼト山の夥しい祈り子が石化し、召喚が終わったことで立ち上る水柱も泡となって弾ける。その泡には夢のザナルカンドの人々の姿が…そしてその中にはティーダの姿も──


喜び浮き立つワッカリュックを尻目にティーダの身体が一瞬揺らめく。
それを見逃さなかったユウナはかぶりを振る。
「オレ 帰らなくちゃ」
再度かぶりを振るユウナ。
「ザナルカンド 案内できなくてごめんな」
ティーダはわざと明るく振る舞って「じゃあな!」と立ち去ろうとする。
呼び止める仲間の声を振り切って船首に歩いて行くが、
キマリの「ユウナ!」と言う声に振り向き、走り寄ってきた彼女を抱き留めようと手を広げるも身体が透けてしまい、そのままユウナは倒れ込んでしまう。
お互いにもう触れることすらできない…
顔を見合わすこともできずに涙を流す二人。
無情に空へ舞い上がる幻光虫の光。
空が白み始めたとき、ユウナは立ち上がり
「ありがとう」
と背中越しに言った。
ティーダははっとする。しかしユウナは悲しみを堪えて振り向かない。
そんな彼女にティーダは触れられない身で後ろからそっと抱擁する。
しばらく抱きしめた後、そのままユウナの身体をすり抜けてティーダは振り向くことなく幻光の雲に勢いよく飛び込む。
その先にブラスカ、アーロン、そしてジェクトの姿が。
言葉もなく差し出された父親の手に思いきりタッチして、ティーダはスピラの空に溶けて消えた。


カモメの鳴く埠頭。ユウナは一人海に向かって「約束の口笛」を吹き続けていた。
そこにルールーが「そろそろ……」と促しに来る。
大歓声のルカ=スタジアム
『シン』を倒した大召喚士として人々の前に出てユウナは述べる。

多くの……数え切れない犠牲がありました
なにをなくしたのか わからないくらい
たくさん……なくしました
そのかわり……
もう 『シン』はいません
もう 復活もしません
これから……
これからは わたしたちの時代……だよね
不安なこと いっぱいあるけど 時間もいっぱいあるから……
だから だいじょうぶだよね
力を合わせて 一緒に歩けるよね

そして人々に呼びかける。
「ひとつだけお願いがあります
いなくなってしまった人たちのこと、時々でいいから…… 思い出してください


──明るい海の中でティーダは目を覚ます。
大きく伸びをして海面に向かって泳いでゆき…
再会