書籍/【GAME NOVELS ファイナルファンタジーIV ジ・アフター ―月の帰還―】

Last-modified: 2021-03-28 (日) 13:09:40

2009年3月26日に発売されたFF4TAのノベライズ。値段は933円(税抜き)。
原案・監修、著者、イラストは前作と同じ人が手掛けている。
単独巻であることからやむを得ない面もあるが、内容を相当端折っている他
(特に月の民編が顕著で、フースーヤゼロムスマインドの登場する機会が無いくらいである)、
一部の一人称やストーリーを改変しており、原作の魅力を引き出し切れてない。
イラストと文章は前作より多少改善されているが、小学生や読書が苦手な人ならともかくファンにとっては不満の残る出来だったと言える。

  • ゲームではあえて個性を排したためキャラクターが薄かったセオドアが、
    明確に活躍するシーンがあるのでそこは一読の価値あり。
    小説らしく心理描写に重きを置いているため、ゲームでは分かりづらかった部分を補っているので、
    押さえてるところは押さえている印象。カイン、セシルの覚醒イベントなんかはよくできてる。
    逆にストーリー部分はゲームをやってね、といったところか。

バンド技奥義・煉獄鳥降臨以外登場せず、新しいコマンドもセオドアかくせいが出てくるのみである。

  • パロムの「はったり」も出てくる。アビリティとして使うわけではないが…。

とかくゲームのノベライズとは難しいものなのである。

  • さらに今作はショートストーリー化&ややあやふやな時系列の問題もあるという著者泣かせな作品。
    2次メディアのノベライズということを考えれば前作より上手く処理している部分もある。

今作を以っても、4TAにおける各キャラクターの年齢は不明。
ただし、試練の山カインの描写から、本編から10年以上過ぎていることは確定している。

  • ここまで来ると、もはやスクウェアとして確定させる気はないと見るべきであろう。
  • パロムのことについて、反抗期かつ未成年という記述があるので、
    だいたい13年、14年後ぐらいで書いている気がする。

発売時点でギルバート編までしか配信されていなかったソフトバンクユーザー涙目。


著者からのメッセージ


幕開けとシメはカイン、主人公はセオドア、キーパーソンはセシルの感があるので、
バランスは取れている気がする。


この書籍が、本編の共通設定だとすると色々と発見がある。
たとえば
・パロムが反抗期を迎えた未成年であること。このことから、おおよその経過年数が仮定できる。
・ハルが思っていたより若い(大戦の頃、年端の行かない子供だっという本人の言葉がある)。
 また、髪は長く、普段は結っているようだ。
・ポロムの髪がピンクなのは自分らしさを出そうとして染めたため。
 また、ポロムは本編で語られなかった心の内面がかなり掘り下げている。
・リディアのエッジへの想い。最後には彼がいるから地上に留まる決意ができたと断言しており、
 公式の書籍でここまでリディアからの気持ちを表したものは存在しなかった。


その後、著者の手塚氏はFF4CCでインタールードのシナリオを手掛けている。
インタールードの開発室にもいる。