FFT
FFTのストーリーのメインにあたる内乱。PSP版の副題でもある。
病でオムドリア国王が早世した後、王妃ルーヴェリアの実兄で、自身の甥であるオリナス王子を即位させて摂政に就こうとするラーグ公と、それに反発しオリナスよりも年上で国王の妹であるオヴェリア王女こそが正統であると主張する国王の従兄・ゴルターナ公との権力闘争を発端とするイヴァリース国の内戦である。
そこに、この内戦で双方を疲弊させて漁夫の利を狙おうとしたグレバドス教会と、その実行部隊である神殿騎士団の陰謀が蠢く。
北天騎士団を有するラーグ公が白獅子の紋章を、南天騎士団を有するゴルターナ公が黒獅子の紋章をそれぞれ持つため、この戦いは獅子戦争と呼ばれた。
- 土壌としてルーヴェリア王妃と元老院の対立がある。
元老院が二度に渡り生まれたばかりの王子を暗殺、直系の王位継承者不在となった王家に、王妹オヴェリアを王の養女として王位継承者に立てた。
これに対して、ルーヴェリア王妃は種の怪しいオリナス王子を儲け、オヴェリア王女は第2位に転落。さらにルーヴェリア王妃の兄であるラーグ公陣営は、ゴルターナ軍に扮装させた配下の誘拐犯に王女を誘拐・暗殺させる狂言誘拐によってゴルターナ公の失脚と王女排斥を計画した。
しかし教会の暗躍により王女の身柄はゴルターナ公に渡り、ラーグ公の計画とは裏腹に、上洛したゴルターナ公によってルーヴェリア王妃が誘拐の首謀者として捕われ、元老院はオヴェリアを女王として承認。
異を唱えるラーグ公はオリナスを王に即位させ、ルーヴェリア王妃を救出するためベスラ要塞を攻めたことで獅子戦争が勃発した。- 一つ注意するべき点としては「上の2人の王子が暗殺された」と言う事と「オリナス王子は王の種ではない」はあくまで「ヴォルマルフの意見」でしかない事を留意する必要があると思う。勿論この人、実際はアレだし普通の人間が知りえないような事を知っている可能性もあるし実際こいつ(もしくは神殿騎士団か教会自体)が元老院とつながっててその情報をどこかで得た可能性もある。
まぁ、下に書いてあるコメントとかぶるけど淀君は秀吉以外の男性と秀頼をもうけたんじゃないか・・・と言う説のようにオリナスのケースもかなり怪しい状況ではあるけど。 - オヴェリアが偽者ってのもヴォルマルフが言ったことだったな。
- オルランドゥがオヴェリア王女を「正統の後継者」扱いしてるのは、はたしてオリナスを不義の子と思ってるのか、元老院議会の承認があるからなのか、裏切られても主君に準じたのか。どういう理由なのだろうか。
- 一つ注意するべき点としては「上の2人の王子が暗殺された」と言う事と「オリナス王子は王の種ではない」はあくまで「ヴォルマルフの意見」でしかない事を留意する必要があると思う。勿論この人、実際はアレだし普通の人間が知りえないような事を知っている可能性もあるし実際こいつ(もしくは神殿騎士団か教会自体)が元老院とつながっててその情報をどこかで得た可能性もある。
- ラーグ公陣営は余計なことをせずに緊張状態のまま時を待つだけで、オリナス王の政権を立てられたかもしれない。だがラーグ公の軍師ダイスダーグは、オヴェリアを亡き者にした後、ラーグ公がゴルターナ公と争って倒れることで、自分が、そしてベオルブ家が、畏国の歴史の表舞台に立つことを目論んでいたようである。
- 立場的には女王と王子が両方とも「ラーグ派」と言えなくもないんだから幽閉されているオヴェリア王女より遥かに優位に立っている。しかも獅子戦争勃発以前の時点ではラーグ公の台頭を面白く思っていなかった可能性は高いものの、特にゴルターナ公にオヴェリアを担いで挙兵する理由も大義名分も無い。
確かにラーグ公の方から「仕掛ける」必要は特に無かったのである。
ダイスダーグに先に動かなければゴルターナ側に先手を打たれるとでも吹き込まれたのだろうか。元老院は明確に反ラーグ派だったのでそう言う理由があったのかも知れないが・・・? - 王妃の専横に対して貴族の間で不満が高まっていた事が語られている。また、オリナス王子の種の不確かさについては王の体の弱さもあって真実か否かはさておきスキャンダルに仕立て上げることは容易い状態。このためラーグ公の地盤が盤石とはいいがたい。また、Chapter1の時点でエルムドア侯爵の暗殺を目論む等、貴族間で熾烈な政治闘争が繰り広げられていることも容易に想像できる。そのため王の死去が近付いたことで後顧の憂いを絶っておきたかったのだろう。結果はヴォルマルフに利用されるという藪蛇となったが。
- 立場的には女王と王子が両方とも「ラーグ派」と言えなくもないんだから幽閉されているオヴェリア王女より遥かに優位に立っている。しかも獅子戦争勃発以前の時点ではラーグ公の台頭を面白く思っていなかった可能性は高いものの、特にゴルターナ公にオヴェリアを担いで挙兵する理由も大義名分も無い。
その後の展開だが、ラーグ公もゴルターナ公もグレバドス教会の教皇フューネラルも自陣の内部闘争によって謀殺され、彼等に代わって台頭するべきベオルブ家やオルランドゥ伯らの有力貴族、加えて神殿騎士団幹部たちの大多数が戦死や行方不明で力を示せず、イヴァリース王家内でも、ルーヴェリア王妃は監禁されていたベスラ要塞で起こった戦闘の最中に行方不明となり、王妃やベオルブ家らの後ろ盾を失ったオリナス王子たちも隣国ロマンダに亡命したため、オヴェリア王女を擁する黒獅子のゴルターナ陣営が消去法のような勝利を収め、戦争は終結した。
そして、この戦乱を通じて一介の平民から、南天騎士団の団長へと成り上がっていたディリータがオヴェリア王女と結婚することで、英雄王ディリータを頂点とした新しいイヴァリース国の体制が始まるのであった。
- 結局その後ディリータが死んだのか生き延びたのかで大きく話しは変わるはずだが残念ながらその点は明らかになっていない。
もし死んでいたとしたら誰がその後に王になるかで結構揉めたのではないかと思われるが、さすがにゴルターナ派としてはオリナス王子は担ぎたくないだろうし……しかしバリンテンも変に策動して殺されなかったら十分後継者候補になれただろうに(それでこそ消去法的な意味で)。
「急がば回れ」とはこの事かもしれない。……人格的には結構アレな人物なんでどんな王になったかは不明だが。 - いくらゴルターナ派としては担ぎたくないと言ってももしディリータが死んでいたとしたら王家を存続させるためにはオリナス王子しかいないと言うのも多分事実。ストーリーに登場していない遠縁の王族がいる可能性もあるが、あまり血縁関係が薄い人物を後継者に定めるとそれでこそ五十年戦争のように他国の介入を招く可能性がある。
無論、オリナスを担ぐと決めたとしても現在は呂国に亡命しているため呂国にその余力がある場合はオリナスの身柄を武器に畏国の内政に干渉してくる可能性はあるが・・・ - LoV3のラムザとアグリアスの設定文を見る限りでは(多分本編から)5年後、畏国王が鴎国内の紛争解決に協力派兵する噂があるっぽいので、対外的にはその後のイヴァリース国はかなり持ち直してるのかもしれない。
モデルは15世紀のイングランドで勃発した内乱『薔薇戦争』。
- 実際の薔薇戦争はランカスター家(赤薔薇)とヨーク家(白薔薇)が30年近く繰り広げた内戦の事だが、獅子戦争とは違いこちらはランカスター派のヘンリー・テューダーが勝利する事によって明確な決着がついている。しかもその際ヨーク家と和解し、エリザベス・オブ・ヨークと結婚しているためテューダー家の家紋はランカスターの赤薔薇とヨークの白薔薇を合わせたデザインが使われるようになった。
もしゲームの世界でも似たような結末を迎えていたら白獅子と黒獅子を組み合わせた新たな家紋が生まれたんだろうか。- 畏国王家の家紋が「太陽と聖印に護られた双頭の獅子」で、双頭の獅子からの分家が白獅子と黒獅子だから微妙。
- 最終的に統一したのが農家出身の人だったりなど日本の戦国時代とも混じってるような気がする。
- その秀吉の跡を継いだのが本当に秀吉の種かどうか分からない人物だったり、それの母親がかなり強権的だったりと、確かにちょっと混じってるかもしれない。
- ゴルターナ公の最期も本能寺の変の黒幕が秀吉だと仮定すると妙に一致する。後戦国時代では欠かせなかった忍者や鉄砲もあるし。
- ”誰もあんたが将軍になることなんぞ願っちゃいないんだよ…!!”
自分を崇めさせていた信長さんの事、下手をすればそれでこそ「神」かも知れないが。 - 信長は将軍になるのを自ら拒否していたらしいがな…
- シドの停戦提案も明智が信長に波多野家の存続を願ったが拒否された事に似てる。
- シドのページにもあるけど、立花道雪との共通点が多いから戦国時代がモチーフに加わってる可能性は高い。「雷神」「猛将」「主君に疎んじられて発言力を失う」「養子が優秀」とかピッタリ。
- ”誰もあんたが将軍になることなんぞ願っちゃいないんだよ…!!”
- あと戦乱で疲弊しているところも似てるな
- 終結しても上層部が疲弊している点も・・・(中部~近畿の勢力は信長が皆殺しにしてしまった)
- 二つの勢力が争っていたことから応仁の乱もモデル?
- 2家の豪族がそれぞれの王を立てて争うっていう意味では源平合戦とか南北朝時代とかのイメージに近い;
表では獅子の紋章を持つ2人が争っていたが、裏で陰謀を巡らしていた黒幕も獅子宮を司るルカヴィ。まさに獅子尽くしである。
ルカヴィのリーダー格(序列があったかは怪しいが)が獅子宮というのも、おそらく偶然ではないだろう。
- もしかしたらアトカ―シャ王家はルカヴィの思惑により畏国統一を成し遂げさせたのかもしれない。
より多くの血を流させるためにはある程度人が繁栄してもらわなければいけないし……
ラーグ公陣営は実質ほぼベオルブ家と北天騎士団頼み。
一方のゴルターナ側もマトモな人材はエルムドア侯爵とオルランドゥ伯くらい(しかも二人とも戦線離脱)で、後は有能などこぞの馬の骨を除くとこんなのしかいない、とぶっちゃけ五十歩百歩。
五十年戦争のせいで上記以外の有能な貴族はことごとく戦死した末の有様なのだとしたら、獅子戦争が泥沼と化したのも宜なるかな。
恐らく神殿騎士団が横槍を入れなくても、(史実の薔薇戦争と同じように)泥仕合を展開していたものと思われる。
むしろその横槍のおかげで英雄王が爆誕して戦争が早期終結できたんじゃないかとすら思えてしまう。
王家の嫡男であるオリナスが王位を継ぐのはある意味当然のことであり、その正統性を疑うというのは王家に対する重大な背信行為に当たるはずである。にも拘わらず、それを行ったゴルターナ公をあろうことか議会や貴族の大半が支持するというあたり、イヴァリース(というかアトカーシャ王朝)が王国としてとっくに破綻しているのがわかる。
- オリナス誕生時に既に王は弱っており子孫が残せる体力があるのか疑問視されている。そのため事実がどうあれ政治工作次第で出生の真実はどちらに転んでもおかしくない状況にある。なのでゴルターナ公陣営は正当な血筋でないものが王位に着くのは許されないので阻止するための挙兵は王家への忠誠という大義名分が成り立つ。
オルランドゥは「オヴェリアこそが正統なる後継者」と語っており、オリナスに対して反逆はしても王家の血筋そのものへの忠誠は失っていなかった。……が、彼以外のゴルターナ陣営(特に公本人)までがそうであったかというと……。
一方のラーグ陣営も王家を王家として扱っていたのはザルバッグくらい(ラーグ公は実妹でありオリナスに次ぐ主君のはずの王妃を結果として見捨てている)という有様。
そもそも総大将として据えられた王族二人とも、この政争に自分の意思なくただ巻き込まれただけである。
王位継承権を巡る争いのはずなのに、王家の人間が徹底的に蚊帳の外におかれているという状態であり、第三者から見たらもはやこの戦争自体が茶番劇でしかない。
そりゃ王国への人心も離れるってもんである。
ラーグ公陣営 | ゴルターナ公陣営 | バリンテン大公陣営 | グレバドス教会陣営 | |
---|---|---|---|---|
紋章 | 白獅子 | 黒獅子 | 剣と蛇 | 聖印 |
領地 | ガリオンヌ地方 | ゼルテニア地方 ランベリー地方 ※ルザリア地方 | フォボハム地方 | ライオネル地方 ミュロンド島 自治都市ベルベニア |
総大将 | オリナス・アトカーシャ | オヴェリア・アトカーシャ | ― | ― |
指導者 | ベストラルダ・ラーグ ダイスダーグ・ベオルブ | ダクスマルダ・ゴルターナ ディリータ・ハイラル | ゲルカラニス・バリンテン | マリッジ・フューネラルV世 ヴォルマルフ・ティンジェル |
組織 | 北天騎士団 王立魔法院 王立士官アカデミー | 南天騎士団 黒羊騎士団 ランベリー近衛騎士団 ※ルザリア聖近衛騎士団 | リオファネス軍 リオファネス兵士訓練所 傭兵部隊 暗殺集団カミュジャ | 神殿騎士団 ゾディアックブレイブ ライオネル聖印騎士団 バート商会 ルカヴィとその眷属 |
支持層 | 没落した貴族 職を失った騎士 | 王家に仕える有力貴族の大半 王妃の支配を恐れた議会 | 各地の諸侯 | 敬虔な信徒 戦争に疲れた民衆 |
※ルザリア地方は開戦時こそゴルターナ公陣営だが、早い段階でラーグ公陣営に奪取されている。
出来事(時系列順) | 時期 | 詳細 |
---|---|---|
獅子戦争勃発 | 初頭 | ゴルターナ公が王都上洛。王妃ルーヴェリアを王女誘拐の首謀者として捕縛。 ゴルターナ公によりオヴェリア即位。これに対しラーグ公はオリナス王子を擁立。 ラーグ公がベスラ要塞に幽閉された王妃を救出するため北天騎士団を派遣。 |
グロフォビアの戦い | ルザリアとランベリーの境界で行われた第一回会戦。 | |
戦線の拡大 | ~ | 北天騎士団が王都ルザリアを奪取。グローグの丘を越えドグーラ峠まで攻略。 |
ベスラ要塞戦略会議 | 3ヶ月目 | この時点で両軍の総死者数は4万。ゴルターナ軍の負傷者は20万を軽く超える。 |
三割の増税と監視が決定。オルランドゥ伯とゴルターナ公の関係が悪化する。 | ||
ドグーラ峠の突破 | 不明 | 南のベスラにいると思われていたオルランドゥ伯が北のドグーラ峠を突破。 |
オーボンヌ修道院襲撃 | オーボンヌ修道院が襲撃される。シモン院長死去。 | |
フス平原の戦い | エルムドア侯爵が流れ矢に当たり戦死。以降ランベリー城が無人の廃墟になる。 | |
南天騎士団脱走兵 | ドグーラ峠方面からグローグの丘に向かって兵が脱走。追撃部隊が派遣される。 | |
黒羊騎士団再結成 | ディリータがグリムス男爵の跡を継いで黒羊騎士団の団長となる。 | |
リオファネス城の惨劇 | バリンテン大公が城内にいた500人以上の兵士たちとともに怪死。 | |
オルランドゥ伯の投獄 | 教皇の告発により、オルランドゥ伯に謀反の嫌疑がかけられる。 ディリータが南天騎士団を引き継ぎ、さらに聖騎士の称号を与えられる。 | |
ベスラ要塞の戦い | 膠着状態を打破するため両軍が集結。水門が解放されたため衝突回避。 ラーグ公とゴルターナ公が暗殺される。両陣営で下手人が仕立て上げられる。 ゴルターナ公暗殺の共謀者としてオーランが捕らえられる。のちに脱獄。 | |
教皇による調停提案 | 指導者を失った両軍だが、十分な戦力を保持していたため提案を固辞。 | |
ザルバッグの強襲 | ザルバッグがダイスダーグを強襲。両者とも死亡。ベオルブ家断絶。 後ろ盾を失ったオリナス王子は各地を転々とした後ロマンダへ亡命。 | |
教皇の暗殺 | 聖ミュロンド寺院で僧侶が虐殺される。同日に異端者ラムザが来訪していた。 | |
異端者ラムザの失踪 | 末期 | オーボンヌ修道院の地下書庫に向かったのを最後に歴史から名を消す。 |
獅子戦争終結 | 経緯不明。数ヵ月後にオヴェリアとディリータが結婚。ディリータが畏国王に即位。 |
- ラムザ一行の戦いを真実として見たらともかく、そうでないと原因不明の同士討ちや怪事件が多発してることになるなあ…
- ラーグ陣営の方はダイスダーグの主君暗殺を知ったザルバッグが主君の敵討ちの為に反旗を翻した。
ゴルターナ公の方は無実の罪を着せられたオルランドゥ伯が脱獄、主君殺しを敢行した後に自害。
これで両陣営のことは説明できるにしても、教会陣営とバリンテン大公陣営はどうやっても因果関係を説明できないよなぁ……
- ラーグ陣営の方はダイスダーグの主君暗殺を知ったザルバッグが主君の敵討ちの為に反旗を翻した。