→ゲームボーイ用ソフトは【聖剣伝説 ファイナルファンタジー外伝】を参照。
→ニンテンドーDS用ソフトは【光の4戦士 ファイナルファンタジー外伝】を参照。
概要
1993年の学研の「6年の学習」に掲載されたRPG原作風の短編ストーリー。略称「FF外」
執筆は坂口博信。イラストは赤石沢貴士。
坂口氏による後編のさまざまな展開の例のイラストは、みすとかすみ。
4月号で前編を提示して、読者が400字詰め3枚程度の後編を応募するという企画。
賞品
- 大賞(1名) スーパーファミコン内蔵テレビ シャープ 14G-SF1
- 優秀賞(2名) ワープロ タカラ Dear.2
- 優良賞(3名) 1.4型液晶カラーテレビ カシオ CV-1
- アイデア賞(5名) SFCソフト「ファイナルファンタジーV」
- 佳作(20名) 6年の学習オリジナルテレカ
- 特別賞(30名) 記念品
大賞作品や受賞者発表は9月号で行なわれた。
前編
前編あらすじ
暗黒魔王ゾーンダークが復活して聖なるクリスタルが砕け散ってしまう。
クリスタルの欠片から光の戦士に選ばれたプリンセス・メイアは、
クリスタルの声に導かれて他3人の光の戦士と巡り合う。
1人は神官ウォール、1人は剣士ロック、1人は動物使いワート。
しかし光の戦士の力は、星の戦士によって束ねられなくては不完全なのだ。
光の戦士たちは百魔将軍ゴアによってピンチに陥るが
そこに聖なる星の光があらわれてゴアを退散させたのだった 続く
前編の登場キャラクター
- メイア:ザーン王国のプリンセス。剣と盾を使う。クリスタルの欠片が選んだ光の戦士。
- ウォール:クリスタルが安置されていたザーン王国の都ヒメリアの神官。呪文を使う。光の戦士。
- ロック:怪物退治の専門家の剣士。長剣を両手持ちしている。光の戦士。
- ワート:サーカスの動物使い。10歳前後。動物と話せる。光の戦士。
- 暗黒魔王ゾーンダーク:暗黒世界の暗黒魔王。
- 百魔将軍ゴア:ウォールの呪文の何千倍も威力がある稲妻攻撃のキアルの呪文を使う。詠唱はキアルルルーッ!。
メイアがいつものように都の中心の塔でクリスタルにお祈りを捧げていると、突然粉々に砕けたクリスタルから
暗黒魔王が復活して国が暗黒世界の邪悪な闇に支配されたのでただちにこの地を離れるようにと啓示を受け、
急いで塔を駆け下りると、そこにはゾンビの群れが人々を襲う地獄のような光景が広がっていた。
平和だった都が一瞬にしてラクーンシティ状態になってるなか、まったく怯む事なく
ゾンビにやられて倒れてる兵士の剣を拾って、ゾンビの群れに飛び込んで駆け抜けていくという
1ページ目から、割りとハードな展開。
坂口さん直伝 RPGはこう書け!
RPG原作コンクールの後編執筆の参考になるよう坂口氏が書いたアドバイス。
あくまで組み立ての参考にするだけで捉われることなくオリジナルのアイデアで勝負しようとのこと。
- 基本テクニック1 どういう結末にするか考えよう
- 「大ハッピーエンド」
悪い奴を倒すとクリスタルが元通りになって世界も平和になる。 - 「新しい物語が始まる」
暗黒魔王を倒したところで更にすごい敵の存在が判明して、新たな物語が始まるところで作品終了。例 暗黒魔王を倒したとたん、地の底から不気味な声がひびいた。 「わしは、暗黒大魔王だ。暗黒魔王はわしの手先だったのだ。フフフ…。」
- 「あっとおどろく結末」
暗黒魔王は実はメイアの父親だったとか、メイアが暗黒魔王に殺されてしまう、など。
- 「大ハッピーエンド」
- 基本テクニック2 場面をいくつ作るか考えよう
- 「修行でさらなるパワーアップ」
なぞの老人に会って修行するなど。
新しい登場人物を増やし過ぎると書きにくくなる可能性があることも注意されている。例 四人の前に突然、なぞの老人が現れた。 「今のおまえたちの力では、暗黒魔王はたおせない。わしについて来て修行するがいい。」 四人は老人に従い。どうくつの中へと入った。
- 「仲間との悲しい別れ」
剣士ロックが激しい戦いの末に死ぬというような仲間の一人がみんなのために死んでしまう展開など。例 大勢の敵を前に、剣士ロックが叫んだ。 「ここはおれにまかせて、先を急げ!」 メイアたちは、 ウォー! というロックの最後のさけびを背中で聞きながら走った。
- 「意外なアイテムを手に入れる」
剣や鎧ではなく、キノコやトイレットペーパーのような意外なアイテムがあるとおもしろい。例 ワートが宝箱を開けると、なんとワライキノコが入っていた。 …… ワートがワライキノコを魔物の口に投げ入れると、魔物は笑いころげて死んだ。
- 「最後の決戦」
最後の決戦やその直前の盛り上がり。怪物や技や魔法など敵の強さを演出。例 ついに暗黒魔王の神殿をつきとめた。 神殿の入り口には、三本の角と四本のきばをむき出しにしたキラーザウルスが待ち構えていた。 いよいよ決戦だ。戦士たちは身構えた。
- 「修行でさらなるパワーアップ」
- 基本テクニック3 物語になぞを持たせる
- 「星の戦士はだれなのか?」
光の戦士は全部で何人か?星の戦士は光の戦士の中に居るのか?居ないなら星の戦士は何者か?など。例 四人がクリスタルのかけらを合体させてみると、どうしてもかけらが一つ足りない。 「きっと星の戦士がどこかにいるんだ!」
- 「暗黒魔王の正体は?」
まだ一度も登場していない暗黒魔王は何者か?どうしたら倒せるのか?など暗黒魔王に謎を持たせてみる。例 「暗黒魔王の黒猫に注意しろ!」 と、どこからともなく声が聞こえた。 黒猫? 暗黒魔王にとって何なんだ。
- 「星の戦士はだれなのか?」
- 基本テクニック4 アイテムや技にこってみよう
- 「いろいろなアイテムを考えよう」
戦士の力が強くなるアイテム、大きくなるアイテム、若返るアイテム、便利な乗り物など。例 ガリバーのたねを食べたワートは、みるみるうちに体が大きくなった。 巨大化したワートは敵をふみつぶした。
- 「必殺・裏技を考えよう」
動物と会話できるワートが動物たちを呼び寄せて攻撃させるなど光の戦士たちの独自の必殺技・裏技。例 敵に囲まれたワートは、大声で「レマツアヨラト!」とさけぶと、 どこからともなく百匹のトラが現れて敵におそいかかった。
- 「いろいろなアイテムを考えよう」
後編(大賞作品)
坂口氏の執筆ではなく、大賞を受賞した小学6年生の女の子の作品。
後編大賞作品の登場キャラクター
- ミーン:魔の森に住む老人。昔、暗黒魔王を封印した伝説の人物。
- リア:クリスタルの欠片を持つ少女。光の戦士ではない。最終決戦で死んで、星の戦士の力を集める剣になる。
後編あらすじ
光の戦士4人は、暗黒魔王ゾーンダークが封印されていたシャード山に向かった。
その山のふもとに広がる魔の森で、老人と少女と出会う。老人はかつて暗黒魔王を封印した人物ミーンだった。
ミーンの力は衰えていて暗黒魔王を永久に葬り去ることは不可能だが、光の戦士ならその可能性があるという。
そして連れている少女について語った。
その少女の名はリアと言い、クリスタルの欠片をペンダントにして持っていた。
リアは光の戦士ではないが暗黒魔王を倒す勝利のかぎになると、クリスタルの欠片がミーンに語ったという。
5人目の仲間を加えた一行は、魔の森を駆け抜けてゾーンダークの城に通じているらしい巨大な洞窟へと辿り着いた。
まだ星の戦士が見つかっていないという不安を抱えながら一行は洞窟へと入っていった。
洞窟から城のゾーンダークの居る部屋までは、次々と敵が現れ、一度は敗北を喫した百魔将軍ゴアとの戦いも繰り広げられた。
そしてついに、玉座に着いている暗黒魔王ゾーンダークと対峙した。
暗黒魔王ゾーンダークは立ち上がり、天井に達するほどの黒く巨大な威容を現した。
ゾーンダークが一睨みすると5つの眼から光線が放たれ、5人は一撃で吹き飛びぼろぼろになってしまった。
「わたしは、負けないわ・・・・・・。」
メイアだけはぼろぼろになってよろけながらも挫けることなく立ち上がったが、そこにトドメの一撃が放たれた。
その時、リアがメイアの前に立ち塞がって光線を代わりに受けて死亡。
皆がリアの所に集まって4人の涙がリアの頬に零れると、リアの体を青い光が包んで剣へと変えた。
4人一緒にその剣を握って掲げると、4人の光の力は1つの光の束「聖なる星の光」になり、
青い光がゾーンダークを葬った。
光の戦士を率いて完全な力を引き出すと言われている「星の戦士」とは、4人が想いを一つにした心のことだった。
そして5つ目のクリスタルの欠片が語った通り、リアの存在によって「星の戦士」が現れて暗黒魔王は倒された。
しかしそれはリアの犠牲によるものだった。
「いくら平和になったって、リアはもう・・・・・・。」
メイアはぽろぽろと涙を流し、他の3人も同じ気持ちだった。その心は再び奇跡を起こし、
4人のクリスタルの欠片から飛び出した光が剣に集まって、リアを蘇えらせたのだった。
リアの死を代償に「星の戦士」が発現すると見越して、クリスタルがミーンに預言してるのが何気にひどい。
最後に光の戦士の心がクリスタルの力を引き出してリアを復活させるのも予見してたんだとは思うけど。