■ 第3節<2つの道> 第3節 第1小節 瑠璃色の川-流転
ウルミアは、サンドリア大聖堂に向かったようだ。彼女を追ってみよう。
■ 北サンドリア・大聖堂
Arnau:どうしました、冒険者の方。
人生に迷いがありましたら、ぜひ私たちの
お話をお聞きになっていきませんか?
Arnau:……なんです?
30年前の調査隊のことをお知りになりたい?
楽園の扉を北方に求めたという話の……?
Arnau:そういえば先ほど、
ウルミアという方も、楽園の扉について
聞かせてほしいといらっしゃいましたが。
もしや、お知り合いですか?
・ウルミアと知り合いか?
はい
いいえ
(はいを選択)
Arnau:そうですか。
あの方も、楽園の扉についてのお話を
お聞きになりたいとおっしゃいますので、
講話会にご参加になるようにお勧めいたしました。
(いいえを選択)
Arnau:そうですか。
その方も、楽園の扉についてのお話を
お聞きになりたいとおっしゃいますので、
講話会にご参加になるようにお勧めいたしました。
Arnau:ええ、そうです。
あなたさまも、同じく総長講話会に
ご参加なさるのがよろしいかと存じます。
(総長講話会に参列するPCとウルミア)
Arnau:……私利私欲を捨て、神に帰依する。
それこそが「奉仕する心」なのでございます。
Arnau:それでは本日の講話会は
これにて終了したいと存じます。
(散会後、Arnauに歩み寄るウルミア)
Ulmia:総長さま。
私は、ウルミアという者です。
楽園の話、ありがたく聞かせていただきました。
Ulmia:けれども、
今のお話について質問がございます。
お時間をいただいてもよろしでしょうか?
Arnau:はい、なんでございましょう。
Ulmia:楽園のお話は、
私も幼少の頃より聞いて育ちました。
Ulmia:神々が眠るという伝説の楽園。
古代の民が見出した、楽園への扉……。
Ulmia:しかし、私が知る伝説では、
楽園の扉のために男神の怒りを買い、
人は男神の呪いを受けたといわれています。
Ulmia:そのように恐ろしい伝説があると
いうのに、ここサンドリア大聖堂が楽園の扉を
開こうと人々に説くのは何故なのでしょう?
Ulmia:あなたさま方は
とうとう男神の怒りをしずめる方法を
見出されたのでしょうか?
Arnau:……。
失礼ですが、あなたはサンドリアの方では
ないようですね?
Ulmia:はい、
私は、タブナジア侯国にて生まれた者です。
タブナジア大聖堂にて洗礼を受けました。
Ulmia:タブナジアで、
楽園の伝説は語られますが、楽園の扉は
人の越えてはならぬ禁忌として語られます。
Ulmia:それなのに、
ここサンドリアでは……
Arnau:この20年の間に、
私たちは、楽園への扉を目指して
絶え間なく歩を進ませて参りました。
Arnau:そして私たちは
私利私欲を捨て、神に帰依する事が
男神の怒りをしずめるのだという結論に
達したのです。
Ulmia:それは……
Arnau:申し訳ありません。
私は次の講話の準備をしなければなりません。
詳しいことがお知りになりたいようでしたら、
高僧たちにお聞きください。
Arnau:高僧の間にて学びにつく伝道師たちが、
導きを示しましょう。では……
■ 北サンドリア大聖堂・高僧の間
Chasalvige:ようこそいらっしゃいました。
総長講話会をお聞きになって、なお
楽園についての質問がおありだとか?
Chasalvige:タブナジア大聖堂の
洗礼を受けたお嬢さん、冒険者の方、
どうぞこちらへ……
■ 北サンドリア大聖堂地下・聖遺物堂
Chasalvige:ここは、聖遺物堂。
サンドリア大聖堂の前教皇ムシャヴァット
枢機卿様を偲んで造られたものでございます。
Chasalvige:ムシャヴァット枢機卿様は、
大戦によって民が負った、深く痛ましい傷痕を
癒すがために、身も心もお尽くしになりました。
Chasalvige:そのご様子を、暁の女神アルタナ様は、
見守ってくださっていたのでしょう。
Chasalvige:その労苦がたたり
お倒れになってしまったその夜、
枢機卿様は楽園への道を悟られましたのです。
Ulmia:楽園への道を……?
Chasalvige:はい。
ムシャヴァット枢機卿様は「私利私欲を捨て、
神に帰依せよ」とおっしゃいました。それこそが
楽園へ通じる道なのでございます。
Chasalvige:私たちは永い間、楽園への道、
楽園への扉は、目に見えるものだとばかり
思っておりました。
Chasalvige:サンドリア大聖堂に残された
古文書をあさましく漁り、他国の砦を攻め落とし……
Chasalvige:タブナジア侯国にある
大聖堂と争うこともありました……。
Chasalvige:死も怖れもない楽園を望みながら、
私たちは死と恐れを自ら求め、楽園を遠ざけて
いたのです。
Chasalvige:その悪夢より
目覚めることができた私たちは、同じく
私たちの友や隣人を目覚めさせなければ
なりません。
Chasalvige:どうでしょう、
お二方とも、おわかりになりましたか?
Ulmia:……ええ、
だいたいのことはわかりました。
Ulmia:しかし、
男神が人にかけたといわれる呪いは
どのようにして解かれるのでしょう?
Chasalvige:それは……。
Chasalvige:……それについては、
軽率に語ることを許されてはおりません。
Chasalvige:なにしろ
忌むべき神のことですからね……。
その意味についてはあなたもよく
おわかりでしょう?
Ulmia:……。
Chasalvige:お嬢さん、冒険者の方、
なにも心配することはないのですよ。
Chasalvige:私たちは、
あまねく人々に祝福を与えるがために、
女神アルタナ様に勤め上げております。
Chasalvige:女神アルタナ様のお言葉に従って、
清く正しく生きていれば、必ず悪神は退けられ、
楽園の扉は等しく開かれるのですから。
Ulmia:……ええ。
おっしゃること、よくわかります。
ご親切に、ありがとうございます……。
Chasalvige:いえいえ、
お礼などおっしゃる必要はございません。
楽園のことをわかっていただいてだけで
私はこのうえのない幸せを感じております。
Chasalvige:ああ、そういえば……
Chasalvige:冒険者の方は、
王立騎士フランマージュ・M・ミスタルさまを
お探しなのでしたね。
Chasalvige:私の記憶が確かでしたら、
ジャグナー森林の奥、ギルド桟橋付近が、
今はなきミスタル伯爵家の領地だったと思います。
Chasalvige:そこに行かれては
いかがでしょうか? お屋敷には近づけませんが、
使用人のひとりやふたりが、薪でも集めていること
でしょう。
End