プロマシアの呪縛/第1章~第4章/神を名乗りて

Last-modified: 2012-06-17 (日) 15:43:39

■  第5節<神を名乗りて>

 突然倒れ、医者のところに運ばれたというプリッシュ。
 彼女の病とはいったいなんなのか、そしてそれを治すためには?


■ ジュノ上層・モンブロー医院

Monberaux:さきほど運ばれた
 患者の知り合いですか? あ、あなたは確か……。

 (Ulmiaが駆け込んで来る)

Ulmia:ここに運ばれた女性の知り合いです!
 彼女は!?

Monberaux:ああ、あなたもあのお嬢さんの
 お知り合いなのですか。ではご一緒にどうぞ。

Monberaux:ただ……ひどい状態なんです。
 意識があるのかないのか、ひどく苦しまれていて……

Ulmia:プリッシュ!

Tenzen:おぬしは!

Monberaux:お知り合いですか?
 こちらのご武人は、昏倒したお嬢さんを
 ここまで運んできてくださった方です。

Monberaux:こちらの冒険者の方は、
 お嬢さんのお知り合いの方のようで……

Ulmia:プリッシュ?
 なにがあったのです、プリッシュ?

Prishe:……世界の……

Ulmia:え?

Prishe:……終わりに……
 ……来る……者……

Ulmia:世界の、終わりにくる者……?
 それは……?

Tenzen:!?

 (鳳凰丸が鍔鳴りを起こす)

Prishe:呼んで……いる……
 ……だまれ……

Prishe:……や、やめろ……

Ulmia:アミュレットがない!

Ulmia:アミュレットはどうしたのですか!?
 彼女がいつも身につけているアミュレットです!

Tenzen:そのようなものは、
 最初からなかったでござるが?

Ulmia:そんな!

Ulmia:そうだわ、PCさん、
 あなたの持っているアミュレットをください。

Ulmia:きっとそれが同じ役割を……。
 お願いです、プリッシュを助けるために!

Monberaux:一応は、落ち着いて
 眠りについていますが、今度は目覚める気配が
 一向にありません。いったい、どうしたことか……。

Monberaux:さん、
 あのアミュレットのせいなのでしょうか?

Monberaux:あれはあのとき、
 ここを逃げ出した少年から渡されたものですよね。
 あの不思議な少年ならこの原因を……

Tenzen:その少年とは、もしやあの少年で
 ござるか!? ジュノ政府が追っている!?

Monberaux:ええ、
 あなたもご存知なのですか?

Tenzen:うむ、ジュノ大公宮にて、
 その危険な少年の話を小耳にはさんだでござる。

Tenzen:……なるほど、その少年と同じ
 アミュレットを、あのおなごは持っていたので
 ござるか。となると、そのために狙われた……?

Ulmia:そんな……。
 あのアミュレットは、大聖堂のミルドリオン枢機卿
 さまからいただいたものだときいております。
 罪人に関係があるものではございません!

Tenzen:ミルドリオン枢機卿……?

Ulmia:はい、プリッシュが小さい頃に
 ある事故で大きな怪我を負ったとき、ミルドリオン
 枢機卿さまがお守りとしてくださったものだとか。

Ulmia:プリッシュはあれを
 肌身離さず持っていないといけないのです。
 それなのに、だれがあのアミュレットを……。

Monberaux:やはり、あの少年が
 自分のアミュレットを取り戻しにきたのでしょうか。
 しかし、あの少年を北方の遺跡「ソ・ジヤ」で
 見かけたという話をきいたばかりなのですが……。

Tenzen:なに!? それは本当か!?

Monberaux:……え、ええ。
 凍傷の手当てをしたジュノの兵士が
 こぼしてましたよ。その知らせを受けて、
 親衛隊がボスディン氷河に向けて旅立つとか。

Tenzen:なるほど、
 ボスディン氷河にある遺跡「ソ・ジヤ」とやらに
 第4の石が!? 早速向かわねばならぬでござる!

Monberaux:あ、お待ちを……!

Monberauq:……「ソ・ジヤ」は、
 天晶堂が管理しているはずです。ご出立の前に
 許可をいただいたほうがいいかもしれません。

Tenzen:そうでござったか!
 かたじけないでござる! ではごめん!
 
 
*この後、天晶堂での立ち入り認可を経てソ・ジヤ、異界の口へ。

<BC戦突入>
Tenzen : ……PC殿!

Tenzen : どうでござる!?
 ここらで見かけられたという、
 あの少年は見つかったでござるか!?

Tenzen : 我輩、この中央塔付近をも
 くまなく捜索したものの、少年とやらを
 見つけることかなわなかったでござる。

Tenzen : 残ったのは、この先……
 !?

Tenzen : これは……この寒気は……

Tenzen : ここは、いったい?
 なにかの儀式が行われた場所でござろうか?

Tenzen : ……あれは!?

Tenzen : あのおなごは、
 ジュノで休んでいるはずでは!?

Tenzen : ……少年!?

Prishe : おまえ、俺を助けてくれたのか?

Prishe : これを……? あいつに……?

Tenzen : 待て!
 おまえがあの少年とやらでござるな!?

Diabolos : 裏切りモノメ!
 私からハ 逃げられヌゾ!

Tenzen : 夢の霊獣ディアボロス!?

Tenzen : まさか、既にここは、
 彼の夢の中なのでござるか!?
 
 

>
Diabolos : いくラ 戦ってモ 無駄ダ。
 これモマタ 夢のひとツニ 過ぎなイ。

 (倒したはずのディアボロスが何体も現れる。)

Diabolos : 私は 夢を 司るモノ。
 どんナ 夢モ 私の夢ト ナル。
 さァ 私の夢の世界デ 静かニ 眠れ……

Tenzen : そうはいかぬ!

 (テンゼンが刀を抜くと刀身が炎に包まれる。)

Diabolos : ……!?
 その炎、フェニックス!?

Tenzen : いかにも、この刀「鳳凰丸」に
 宿るは、命の霊獣フェニックスの息吹!
 そして我輩は、武士テンゼンと申すもの!

Tenzen : 我輩、そなたたち霊獣の放った警告
 「世界の終わりに来る者」が現れんとの言葉を
 きき……

Tenzen : 我輩も共に戦わんと、
 ひんがしの国から参った次第!

Tenzen : 既に5つの母なる
 クリスタルのうち、3つものクリスタルが
 「虚ろなる闇」に取り囲まれている……。

Tenzen : さぁ、母なるクリスタルを守る
 霊獣として、「虚ろなる闇」を滅するがために、
 共に戦おうではないか!

Diabolos : なニ?
 虚ろト 戦うダト?

Diabolos : なるホド。
 フェニックスは いまダ 半身を 失ってイルノカ。

Diabolos : だからコソ
 1万年前の 戦いを忘レ 人ニ
 無意味ナ ことヲ させるのカ。

Tenzen : 無意味!?
 無意味とはどういうことでござるか!?

Diabolos : 教えて やロウ。
 「虚ろなる闇」とハ あるベキ
 理に 従って 永遠に あるモノ。

Diabolos : あるベキ 理とハ 魂の理。
 「虚ろなる闇」ハ おまえタチ 人の魂ノ
 奥底にモ あるモノ なのダ。

Prishe : 俺たちの……?

Diabolos : だからコソ 人は
 「虚ろなる闇」かラ 逃れるコトハ できなイ。

Diabolos : 「虚ろなる闇」ノ
 傍らニテ おもえにモ 聞こエタ はずダ。

Diabolos : 「虚ろなる闇」ガ 呼ぶ声。
 それニ 答えル 自らノ 「虚ろなる闇」ノ声。

Tenzen : あの声が……?

Diabolos : 人よ しかシ
 絶望すル 必要ハ なイ。

Diabolos : 1万年前 クリューの民モ
 同ジ 絶望に 落とサレ そのたメニ
 ここ クリューの街デ 私は 生まレタ。

Diabolos : 私は 夢を 司るモノ。
 人は 私の 夢の世界デュナミス にテ
 生き続ケル ことガ デキル。

Diabolos : 虚ろニ 体を食わレ それヲ 失ってモ
 その心ハ 私ノ 夢の中デ 永遠と 生き続けル。

Diabolos : 「世界ノ終ワリニ来ル者」ガ
 現れ もはヤ 人が 滅びニ 抗う術ハ
 残されてハ いナイ。

Diabolos : ……さァ 私の夢ヲ 受け入レル のダ。
 既に 多くノ 人ガ デュナミスにテ 生きてイル。

Diabolos : そこハ 満ち足りてイテ
 争いのなイ 世界ダヨ。

Prishe : だまれ、ばけもの!
 誰が夢の中で生き続ける道なんか選ぶか!

Prishe : 勝てない戦いだって!?
 そんなのやってみなきゃわかんねぇじゃねぇか!

Diabolos : 女……
 おまえモ 「虚ろなる闇」ノ 声ヲ
 きいたかラコソ 我が夢ヲ みたはズ。

Diabolos : あの声ヲ 聞いたト いうノニ
 「虚ろなる闇」ヲ 恐れぬト いうノカ?

Prishe : へへんだ!
 「虚ろなる闇」なんかぜんぜん怖くねぇよ!

Prishe : 俺はダブナジアの戦いでも生き残った!
 あきらめさえしなきゃ、人にはいくらでも
 生き残るチャンスはあるんだ!

Prishe そうだろ、PC!?
 
 

  • 「はい」を選択

Diabolos : なんだト?
 なゼ 夢ガ 目覚めていク? 私の夢ガ……!?

Diabolos : ……そうカ、なるほド……
 我が夢ニ そなたヲ 招いたワケデハ なク
 そなたノ 夢ニ 私ガ 招かレタ のカ。

Diabolos : ……となるト
 まさカ そノ女 あのトキノ……?

Diabolos : いや しかシ この輝キ……、
 この輝キハ……、クリスタルノ……

 (画面が白くなり場面が切り替わる。)

 (テンゼンが気が付き起き上がる。)

Tenzen : PC殿、大丈夫でござるか?

Tenzen : あの少年は……、
 逃げられてしまったでござる……。

Tenzen : あの少年がなぜ、ここにいたのか、
 それにディアボロスの言っていたこと……。

Tenzen : ううむ。
 わからぬことだらけでござるな。
 あのおなごに会いにもう一度、ジュノに戻るでござる。
 
 
■ ジュノ上層・モンブロー医院

Monberaux:あの娘さんでしたら、
 意識を取り戻しましたよ。

Prishe:いや、そうじゃない。
 きっとミルドリオン様は、俺に託したんだ。

Ulmia:託した……? なにを……?

Ulmia:あぁ、PCさん。
 プリッシュを助けていただいて本当に
 ありがとうございました。

Ulmia:なにが起こったのか、
 プリッシュからだいたいの話を聞きました。

Ulmia:彼女は夢の中で、
 得体のしれない化け物に捕われていたとか?

Ulmia:あなたとテンゼンさんのおかげで、
 プリッシュは意識を取り戻すことができましたが、
 彼女のアミュレットは見つからなかった
 そうですね……。

Ulmia:アミュレットのことといい、
 夢のことといい、私たちの預かり知らないところで
 いったいなにが起こっているのでしょう?

Ulmia:PCさん、
 あなたはなにかご存知なのではありませんか?

Tenzen:それはこちらが知りたいことでござる!

Tenzen:そなたと共に現れた少年は、
 我輩、ジュノ政府、そして殿も
 追っている危険な罪人。

Tenzen:あの後、少年は再び姿をくらまし、
 いまだジュノ親衛隊もその身を捕らえること
 できぬ様子。

Tenzen:プリッシュ殿、答えていただきたい。
 何故、あの場所にあの少年がいたのでござる?
 あの少年はどこへ行ったのでござる!?

Prishe:……さぁな。俺にだってよくわからねぇ。
 とにかくわかったのは、あいつがおっちゃんの
 言うような危険な罪人だろうがなんだろうが、
 俺はあいつに助けられたってことだけだ。

Prishe:それより俺にとって問題なのは、
 あいつよりも、あの化け物の方だぜ! おっちゃん、
 あの化け物のこと知ってるみたいだったな?

Prishe:ありゃなんなんだ!?
 なんで俺があんな目にあわなきゃなんねぇんだ!?

Tenzen:うむむ……。
 ディアボロスは、夢の霊獣でござる。

Ulmia:霊獣、ですか?

Tenzen:霊獣とは、大いなる力を持つ
 生ける神々。ここヴァナ・ディールには「5霊獣」
 と呼ばれる、5体の生ける神々がいるでござる。

Tenzen:彼らははるかな昔、
 ヴァナ・ディールを包み込もうとしていた
 悪しき意志からヴァナ・ディールを守るために
 戦ったそうでござる。

Tenzen:その5霊獣のひとつは、
 我輩の刀「鳳凰丸」に祝福を与えてくださった
 再生の鳥フェニックス。

Tenzen:そして、夢の使者ディアボロス、
 星月の導きフェンリル、虹の子カーバンクル、
 空の覇者バハムート……。

Prishe:バハムートだって!?

Tenzen:バハムートを知っているでござるか?
 我輩は「世界の終わりに来る者」を止めるため、
 中の国に現れたというバハムートに会わんと、
 ひんがしの国より海を渡ってきたでござる。

Ulmia:!

Prishe:そういえば……、
 リヴェーヌ岬んとこに登ったとき、
 バハムートが「世界の終わりにくる者」が
 どーのこーのって喋ってたな。

Ulmia:それにプリッシュ、
 あなたも眠りのうちにそう口走っていました。
 いったい、「世界の終わりにくる者」とは
 なんなのです?

Prishe:……さぁ、俺にもわからねぇ。
 でも、おまえたちが来る前に、ディアボロスが
 その話をしてた。どうやら、「石の記憶」って
 歌に関係してるらしいんだ。

Ulmia:石の記憶……

Prishe:ディアボロスは
 「世界の終わりにくる者が現れるとき、
 おまえたちが交わした契約が果たされる」
 って言ってた。

Prishe:だからあいつに、
 バハムートに一刻も早く会えって……。

Tenzen:契約!?
 その契約というのは、いったいなんでござる!?

Prishe:残念だけど、
 それも俺にはさっぱりわかんねぇよ。

Prishe:ただ、契約のこともあいつのことも、
 きっとバハムートが知ってるはずだ。
 タブナジアに帰ればきっと……。

Tenzen:タブナジアへ帰れば?
 もしや、そなたたちはタブナジアの者でござるか?

Ulmia:ええ。私たちはタブナジアから来たのです。
 それも、タブナジアに突然現れたバハムートに
 会おうとして、タブナジアからこちらの大陸に
 転移させられてしまったのです。

Tenzen:そうでござったか!
 しかしそれはまた、なんという幸運か。

Tenzen:我輩、天晶堂のアルドどのに、
 タブナジアへわたる船を願い出ていたのでござる。
 お二方にはぜひとも、バハムートの元へ道案内を
 頼みたいでござる!

Prishe:そうか、アルドが言ってた
 客ってのはおまえのことだったのか?

Prishe:よし、じゃあさっそく
 タブナジアへの船を出してもらおうぜ!

Tenzen:うむ、そうしようでござる!

Prishe:……そうだ、
 それと!

Prishe:言いにくいんだけどよ、このアミュレット
 俺にしばらく貸してくれ。

Prishe:タブナジアまで逃げてこれたら、
 おまえのこと、かくまってやるからさ?

Prishe:……じゃあな!

End


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