ジャッジスコア

Last-modified: 2015-01-17 (土) 14:00:17

ジャッジスコア

大会、あるいは種目終了後、各スケーターの得点詳細が公表される。

ISU主催大会であればISUのサイト(ソチオリンピックならhttp://www.isuresults.com/results/owg2014/index.htm)、国内大会であれば各連盟のサイト(2014全日本ならhttp://www.jsfresults.com/National/2014-2015/fs_j/national/index.htm)にて閲覧が出来る。

ISU主催大会であれば各種目終了後速やかに(速ければ5分程度)公表されるが、国内大会の場合は全日程終了後に公表される場合が多い。

記載内容とその見方

見慣れないうちは、記載のほとんどが英語や記号なので、暗号のごとく戸惑うかもしれないが、見方さえ分かってしまえば簡潔に記載されているため逆に読み取りやすい。下に解説動画を載せてあるのでそちらも参照して欲しい。

各選手ごとに、大きく分けて4つのセクションに分けると捉えやすい

  1. 選手情報
  2. 得点概要
  3. TES 詳細
  4. PCS 詳細

judge_score_01_0.png

1)選手情報

基本的な選手の情報。順位、名前、所属国、滑走順。

2)得点概要

  • Total Segment Score: その種目での合計得点
  • Total Element Score: TESの得点。下記参照。
  • Total Program Component Score: PCSの得点。下記参照。
  • Total Deduction Score: 減点

一番上の Total Segment Score が下の3つの合算になる。

3)TES 詳細

実施されたエレメンツごとに基礎点、GOEによる加減点、ジャッジにより付与されたGOE、得点が記載されている。若干わかりにくいため、例を上げて説明する。

judge_score_02-TES.png

この例だと、実施された要素がトリプルルッツ(3Lz)、基礎点が6.0、GOEによる加点が 1.6 で、この要素での得点は 7.60 となる。ここまでは単純な足し算なので分かりやすいが、問題は各ジャッジパネルが出したGOE(1, 2, 2, ....2)からどのように 1.60 という加点が算出されるか、である。

上下カットと価値尺度を用いての変換

まず、9人のジャッジが出したGOEのうち、一番高いもの(3)と一番低いもの(1)が除外される。

GOEは-3 から +3 「グレード」であるため、実際に適用される加減点に変換する必要がある。その変換が規定されているのが「価値尺度(SOV:Scale Of Values)」だ。

というのは、GOEはあくまで要素の出来栄えを段階化したものであり、高難度の4T であっても低何度の 1T であっても、付与されるのは同じように -3 から +3 の範囲である。難度に関わらずそのまま得点として加減点してしまっては整合性が取れないため、難度の高いものほど得点への影響を大きく、低いものほど小さくする変換を行う。具体的には、 4T の GOE+1 に対しては得点も +1 となり、1T のGOE+1 に対しては得点は +0.2 となる。要素ごとの変換は ISU Communications に規定されている。

上記の例の 3Lz では GOE+1: 0.7, +2: 1.4, +3: 2.1 となっており、これに従いGOEから実得点に変換し、その平均を取ると、+1.60 となる。

後は基礎点6.0と当該加点1.60を加えたものがその要素の得点 7.60となるだけだ。

同様のことを全要素について行い、合計したものが Total Technical Score となる。

4)PCS 詳細

それぞれのコンポーネンツごとに、(GOEの時と同様に)まず上下カット行う。この例だと最高点の 9.25 と最低点の8.75が除外される。その後平均を取ると9.07 となる。

PCSの場合これに「Factor(掛け値)」がかけられる。男子の場合ショート:1.0、フリー:2.0、女子ならショート:0.8、フリー:1.6だ。これは、おおよそ要素技術点と演技構成点が同程度になるよう調節するためだ。

各コンポーネンツの平均に掛け値をかけたもの、それを合算すると Total Program Component Score となる。

judge_score_03-PCS.png

解説動画

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