!!!ここに書いてある情報はゲーム用であり、実機の操縦には使えません!!!
はじめに
このページには初心者向け基礎知識の補完情報を記載します。そのため、現在は体系立てられていません。
全くの初心者向けという程ではないが、飛行のために役立つ知識はここに記載してください。
操縦関連
航空機の速度
- 対気速度(Airspeed)とは大気に対する航空機の相対速度。大気自体の速度(つまり風速)が影響してくる。
- 対地速度(Ground Speed; GS)とは地面に対する航空機の速度。自動車のスピードメーターと同じ。
対気速度にはいくつか種類があるが、ゲーム上概念的に重要なのは指示対気速度(IAS)と真対気速度(TAS)。
| 真対気速度 | True Airspeed | TAS | 大気に対する航空機の(本当の)速さ。大気が無風状態であれば、対地速度と一致する。これを直接計測することはできない |
| 指示対気速度 | Indicated Airspeed | IAS | 対気速度計が表示する対気速度。機首に取り付けられた「ピトー管」と呼ばれる管から取り入れた空気の圧力を計測し、そのまま表示したもの。海面高度では真対気速度と同じだが、高度が高くなるにつれて気圧が低くなる(大気が薄くなる)と、真対気速度よりも小さい値を示す。 |
| 軟正対気速度 | Calibrated Airspeed | CAS | 指示対気速度(IAS)とほぼ同じだが、飛行機の姿勢やピトーヒート等による誤差を補正したもの。 |
| 等価対気速度 | Equivalent Airspeed | EAS | 空気の圧縮性を考慮してCASを補正したもの。主にエンジニアが用いる |
- 大雑把には、以下のことを覚えておくとよいだろう。ISA(国際標準大気)状態のとき、
- 海面高度(0ft MSL)でTAS=IAS
- TASはIASに対して高度1000ftにつき約2%増加する
- IAS=100kt, 高度=10,000ftなら、TAS=約120kt
- 操縦には指示対気速度(IAS)を用いる。
- IASが力学的な状態を表すから。簡単に言えば、揚力はTASではなくIASに左右される。
- (コンピュータの力を借りなければ)通常、パイロットが得ることができるのはIASだから。
- 航法の計算では真対気速度(TAS)を用いる。目的の地点まで後何nmだから、TASで割れば何分で着く、という具合。
航空機はあくまでも地面ではなく空気の中を飛ぶからである。- 一定方向に流れるプールで泳ぐ水泳選手を考えれば分かる。
この水泳選手は、プールの流速が0であるとき100mを60秒で泳ぎ切る能力があるとする。つまり秒速1.67mという訳だ。
では流速が泳ぐ方向とは逆向きに1m/sで流れていたらどうだろうか。
プールの長さ自体は100mで変わらず、選手も同じ能力で泳いでいるはずなのに、何故かクロールで水を掻く回数がいつもより多い...しかもまだ着かない...
水に対する速度は1.67m/sのままだが、地面に対する速度は1.67-1=0.67m/sまで低下しているので、プールサイドの端まではいつもの倍以上かかる。 - 例えば、巡航高度でのTASを480ktで飛行することを考える。
- 巡行高度での向かい風が50ktである場合、巡航高度でのTASは480+50=530ktとなる。
1時間飛んだ場合、空気を搔きながら一生懸命530nmも泳いだつもりでも、地面に対しては480nmしか進んでいないことになる。 - 巡行高度での追い風が50ktである場合、が50ktである場合、巡航高度でのTASは480-50=430ktとなる。
飛行機としてはパワーを絞って430ktのTASで空気中を1時間飛んだら、追い風のおかげで地面に対しては480nmも進んだ、という訳だ。
- 巡行高度での向かい風が50ktである場合、巡航高度でのTASは480+50=530ktとなる。
- 一定方向に流れるプールで泳ぐ水泳選手を考えれば分かる。
- 軟正対気速度(CAS)は、IASに対して飛行機の姿勢やピトーヒート等による誤差を修正したもの。
- IASの計測には誤差がある。例えば迎え角が大きいと、ピトー管に入る空気の流量が減ってしまうだろう。
また、ピトー管の凍結を防ぐためにピトーヒートをONにすると、空気が温められて密度に影響し、誤差に繋がる。 - とは言ってもほぼCAS≒IASなので、航法においては単にIASでの指示が用いられる。
- IASを補正してCASにする方法は航空機によって異なる。軽飛行機の場合は、大抵POHに換算表が記載されている。
離着陸の計算ではCASが必要になる。絶対的な速度が遅いため・また迎え角が大きいため誤差の影響が大きいからである。
(が、ゲームを楽しむというレベルではそこまで気にすることは無いだろう。)
- IASの計測には誤差がある。例えば迎え角が大きいと、ピトー管に入る空気の流量が減ってしまうだろう。
飛行機の安定性
- 普通、主翼・尾翼は重心より後ろに置かれています。
このタイプの飛行機では、操縦に対して「飛行機が元の状態に戻ろうとする力(静安定性)」が働くため、飛行が安定します。
例えばピッチ角を上げると、飛行機にはピッチ下げの力が働くので、ピッチが上がり過ぎるということが少なくなります。
- 主翼は大きい上向きの揚力を発生させ、重心の近くにあります。ピッチ下げモーメントを発生します。
尾翼は小さい下向きの揚力を発生させ、重心の遠くにあります。ピッチ上げモーメントを発生します。 - これにより、重心周りのピッチ角モーメントが大体釣り合う(和が0になる)とき、飛行機はピッチ角を保てます。
ピッチ角モーメント = 主翼の揚力×主翼と重心との距離 - 尾翼の揚力×尾翼と重心との距離
不安定な飛行機
主翼を重心より前に置く設計の航空機では、操縦が鋭敏になり飛行が不安定になります。
- 主翼によるピッチ角モーメントを打ち消すために、尾翼は上向きの揚力を発生させています。
- 例えばピッチ角が上がると、航空機には更なるピッチ上げの力が働き、失速しそうになります。
- この手の航空機はコンピューターの補正無しでは操縦が困難ですが、
運動能力を向上させるため、戦闘機等において敢えてこの設計を採用する場合があります。
具体的にはF-16等。詳しくはこちらを参照。
飛行機の傾向(テンデンシー)
トルク効果
C172などの単発プロペラ機では、プロペラ回転の反作用として機体が少しずつロールしていきます。
P-ファクター
プロペラ後流
プロペラは回転して推進力を作り出す関係上、必ずその推進力は螺旋状になっています。
もう少し簡単に言うと『プロペラの後ろに渦巻きが出来ている』と想像して下さい。
その渦巻き空気はプロペラの後ろ、特に機体の中で重心より後ろ側、かつ縦にいちばん大きい垂直尾翼に斜めにぶつかることになり、コレが原因でプロペラ機は飛行中、勝手に斜めになろうとする力が常に発生します。
この力の源をプロペラ後流と言います。
飛行機が斜め飛びをするのは上記のように『正常な物理法則』ですが、斜め状態を放置すると進路が斜めにズレたり勝手に高度が変わったり、はたまた機体がロールを始めてしまうなど様々な不具合が発生することも多いので、基本的にはラダー操作で向きを修正することになります。
なお、強風時の着陸で、故意に斜め飛びして風上に機首を向け機体安定性を得る高等着陸技術『クラブ進入』とは異なります。
旋回
標準旋回
2分で360度旋回する旋回率のことを標準旋回と呼び、計器飛行で使用することがあります。
調和旋回、横滑り、ラダー
旋回するときは、旋回方向と機首の向きが一致するように飛ぶのが理想です。
この状態を「調和旋回(Coordinated Turn)」と呼びます。
逆に、(旋回操作が原因で)旋回方向と機首の向きにズレが生じている状態のことを「横滑り」状態と呼びます。*1
飛行機が「横滑り」と呼ばれる状態になった時、ラダーを踏んで機首の向きを旋回方向に一致するよう修正する必要があります。*2
- 横滑りには二種類あります。
横滑り現象 状態 修正に必要な動作 スリップ(Slip) 旋回方向より機首が内側を向いている 旋回方向に(踏んでいる)ラダーを弱める スキッド(Skid) 旋回方向より機首が外側を向いている 旋回方向にラダーを踏む - 横滑りの確認方法
シミュレーターでは、旋回釣り合い計(Turn Coordinator)の黒いボールを見ることで調和旋回/横滑りの状態を確認します。
ボールが計器の真ん中に来ている時は調和旋回、ボールが左右にズレているときは横滑り状態を表します。
調和旋回時:( |●| )
横滑り状態:(● | | ) または( | | ●)
- 横滑りの修正方法
旋回釣り合い系の黒いボールが、計器の真ん中に来るようにラダーペダルを踏みます。
ボールが左にずれている時は左にラダーペダルを踏み、右にずれているときは右に踏みます。
ラダーペダルを踏みすぎてバンク方向とは逆方向にボールがずれた場合、踏む力を弱めます。
旅客機などの高級な機体には「ヨーダンパー(Yaw Damper)」という装置が装備されており、有効にすると飛行中は自動でラダーを操舵してくれます(但し、主な目的はダッチロールの防止)。操縦者がラダーペダルを踏むとオーバーライドされます。
旋回とアドバースヨー
アドバースヨー(Adverse yaw)とは、ロール時に旋回方向とは逆向きのヨーイングが発生する現象。
例えば右にロールしようとしたら、機首は一瞬左を向いてしまう。これはスキッドであるため、良くない現象である。
これを防ぐため、エルロンの作動中は旋回方向にラダーを踏むべきである。
ヨーダンパーが装備されている高級な機体では、自動で修正される。
アドバースヨーは旋回の副作用とも呼べるもので、これ起こる原因は左右のエルロンの抗力の不均衡にある。
例えば右にロールしようとして操縦桿を右に倒すと、右翼のエルロンは上向きになり右翼全体では迎え角(AoA)が小さくなり、揚力・抗力が減少する。
反対に左翼のエルロンは下向きになり左翼全体では迎え角が大きくなり、揚力・抗力が増大する。
その結果ロール方向では右翼より左翼の揚力の方が大きくなるので、モーメントが生じて機体は右にロールする。
しかしヨー方向においても右翼の抗力より左翼の抗力の方が大きくなるので、モーメントが生じて機体は左にヨーイングしてしまう。
このようにアドバースヨーは操縦翼面による基本的な作用なのだが、驚くべきことにFS2020ではSU5(Sim Update 5)までは存在しなかった。
当然FSXなど旧作では実装されていた。FS2020が批判の対象になっているのはこの辺もある。
日本語による解説
FS2020でどう見えるか
横滑りが好ましくない理由
横滑りでは、飛行方向に対して飛行機がヨーイングしていることになります。これが好ましくない理由は以下のようなものがあります。
- ズレが大きくなりすぎるとスピン等に陥る可能性があり、危険
- 機体の斜め方向から空気が当たるため、余計な空気抵抗が増える
- 乗員の体にドリフトしているような遠心力が掛かり不快な上、軍用機では機銃がまっすぐ飛ばない
固定翼機の装置
フラップ
フラップ設定
多くのフラップには展開の「段数(フラップ設定)」があり、以下のような名前で表されることが多いです。
どんなフラップ設定があるか、いつそれを使うかは航空機によって異なります。
- FLAPS UP(格納), FLAPS T/O(離陸用), FLAPS LAND(着陸用; 軽飛行機に多い)
- FLAPS 0°(格納)、FLAPS 10°、FLAPS 20°、FLAPS 30°...(角度で表す; ボーイング等)
- FLAPS 0(格納), FLAPS 1+F, FLAPS 2, FLAPS 3, FLAPS FULL(段数で表す; エアバス等)
フラップの展開には速度制限があります。対気速度が速すぎる時に展開するとフラップを損傷させます。
フラップの目的
フラップは、固定の主翼だけでは解決できない以下のジレンマを解決してくれます。
| 離陸・着陸 | 低速。揚力が不十分 | 速度を遅くしつつ揚力を確保し、失速を防ぎたい | フラップを展開 |
| 巡航 | 高速。揚力は十分 | 速度を上げ、燃費を良くしたい | フラップを格納 |
フラップの原理
フラップは主翼の翼面積を増大させたり、主翼の迎え角を増大させることで揚力(と抗力)を増加させます。
フラップの種類
フラップの仲間にスラット(=隙間)がありますが、多くの飛行機ではフラップ設定の一部となっているはずです。
トリム
トリムの実現方法は飛行機によって異なります。操縦舵面とは別の舵面を調整するものであったり、操縦舵面を器械的に固定するものであったりします。
オートパイロットでは、操縦舵面ではなくトリムを調整することで機体を制御する場合もあります。
ランディングギア
ギアの配置には二種類あります。
| 前輪式 | 飛行機の前側に前輪(Nose Wheel)が一つと、後ろ側に主輪(Main Wheels)が二つ以上 | 現在一般的な方式。 |
| 尾輪式(Tail Dragger) | 飛行機の前側に主輪(Main Wheels)が二つ、後ろ側に一つ(Tail Wheel) | 昔のプロペラ機に多い方式。離着陸が難しい |
- 前輪式の軽飛行機の場合、ラダーペダルを左右にずらすと連動して前輪も左右を向き、滑走中やタキシング中に方向転換することができます。
大型の飛行機の場合は、ラダーペダルによる前輪の回転角はかなり制限されています。タキシング中の方向転換には「ティラーハンドル」を使います。
PC用シミュレーターでは、軽飛行機の動作に合わせてあることが多いです。
- その他、前輪の向きをロックする機能があります。何故かラダーペダルを踏んでも前輪の向きが変わらない場合はロックを解除してみてください。
スポイラーとスピードブレーキ
翼面を用いた減速装置です。抵抗となる翼面を「展開」することで減速します。
ジェット機に搭載されていることが多く、軽飛行機には搭載されていないことが殆どです。
- 使用するシチュエーション
- 地上での減速時(つまり着陸時と離陸中止時)
- 飛行中、主に降下時
- 一部の軍用機の場合、着陸時
(速度を抑えつつエンジン出力を高く保つためです。特に昔のジェット機は出力が上がるのが遅いので、着陸中は安全のため出力を上げておきます)
- 飛行中にこれらを展開するということは、飛行計画に燃費上の非効率が発生しているということでもあります。
- スポイラーやスピードブレーキを使わないと降りられないなら、もっと早いタイミングで降下しておけば良かったということです。
- スポイラーやスピードブレーキを使わないと減速できないなら、今までのエンジン出力を下げておけば良かったということです。
厳密に言えばスポイラーとスピードブレーキは違うものですが、ゲームではあまり気にすることもないでしょう。
スピードブレーキ(エアブレーキ):
- 抗力を増加させる装置です。
- 大抵は胴体に装備され、動作時は機体自体を後ろに引っ張るような効果をもたらします。
- 旋回性への影響が限りなく少なくなるように設計されています。
- 旋回性を最重視する軍用機に採用事例が多いです。
スポイラー:
- 揚力を減少させる装置です。
- 結局のところ、揚力を補うために迎角を大きくすると抗力が増加します。
- 大抵は主翼に搭載されており、作動させると主翼上に抵抗板のように左右同時に立ち上がって空気の流れを乱します。
- 着陸時に頻用される性格の機能であることから直進安定性に影響が少なくなるように設計されています。
- 高級旅客機および大型旅客機に採用事例が多いです。
防氷装置
アイスプロテクション(Ice-Protection)、アンタイアイス(ANTI-ICE)とも。
また、これら装置を使って溶かすことをデアイシング(De-Icing)という。
翼面への着氷
翼面に着氷すると揚力が有意に減少し失速・墜落の原因となる。
着氷が見込まれるときは、予めウィング・アンタイアイスをONにして防氷すること。
ピトーヒート
ピトー管の凍結を防止する装置。
ONにすると気圧の関係でIASの誤差が若干大きくなるが、凍結が見込まれる場合はONにするしかない。
飛行中に突然速度が0になった場合はピトー管の凍結が疑われる。
ウィンドウヒート
防氷ブーツ
ショボいタイプのウィング・アンタイアイスの一種。
主翼前縁が黒くなっている機体はコレを搭載している可能性が高い。
ONにするとゴムが膨らんで着氷を落とす。
エンジンアンチアイス
ナセルアンチアイス
プロペラ機のデアイシング
プロペラを雨や雪、雲の中で高速で回し続けると「プロペラの表面がまじくそ冷えすぎる」ので空気中の水分が表面で凍って着氷します。
高速の流体が正面からぶつかる翼や動翼(ヘリコプターのメインローターのこと)も同様です。
着氷するとどうなるか、というと当然ながら部品は着氷しない状態で最大効率が生まれるように作られているので推進力効率が落ちますし、予定外重量なのでプロペラが破損することも有り得ます。
なので、ある程度の高度や速度以上になるとプロペラや機体を温めるためにヒーターを入れる必要が出てきます。
高度1000m(約3300ft)以上を飛べる機体にこれらの機構スイッチがあることが多いです。
ただ、FS2020の場合「ディスプレイ前のあなたが温度を感じるわけがない」ので、ガラスや窓に霜がついたり、不自然にエンジン効率が落ちたり急に機体が重くなったり、といった着氷の兆候サインを見つける必要があります。
もちろん人間の暖房も重要なんですが、「ばっちり燃費に響く」ので、お財布に余裕がないパイロットさんは割と気合で耐えることが多いらしいですね。
エンジン
各エンジン共通
スロットルレバー
スロットルレバーは、エンジンの出力(と推力)を調整するためのレバーです。コックピットでは黒いレバーで表されることが多いです。
単にスロットルと呼ばれることもあります。
自動車のアクセルに相当しますが、踏まなければ戻るアクセルとは違い、航空機のスロットルレバーは定位置に固定されます。
| 操作 | エンジン出力 | 結果 |
| スロットルレバーを奥に押し込む | エンジン出力が増大 | 推力が増大 |
| スロットルレバーを手前に引っ張る | エンジン出力が減少 | 推力が減少 |
ピストンエンジン機の場合、スロットルを開くと吸気圧(Manifold Pressure; MP)が増加し、エンジン出力が増大します。
自然吸気(NA)エンジンの場合は、フルスロットル時の吸気圧=その高度での大気圧、ということです
(高度が上がるに連れて吸気圧とエンジン出力が有意に減少していきます)。
ターボチャージャーなどの過給機付きエンジンの場合は、高高度でも出力が下がりにくいです。
レシプロエンジン(ピストンエンジン)
ミクスチャー
エンジン空燃比の調節装置。コックピットでは赤いレバーで表されることが多いです。
空燃比とは、エンジンに送り込む燃料と空気との割合のことです。
奥へ押し込むと燃料が濃くなり(リッチバーン)、手前に引っ張ると燃料が薄くなります(リーンバーン)。
一般的なレシプロ機では、高度によってミクスチャーで燃料の流量を調節しなければなりません。
エンジンの理想的な空燃比は一定ですが、高度を上げるにつれて空気が薄くなり、燃料の割合が大きくなってしまうためです。
- エンジンの騒音や排ガス温度(Exhaust Gas Temperature; EGT)や回転数が最大になるとき、理想的な空燃比です。*3
- 逆に言えば、理想的な空燃比からズレるとエンジンのパワーが下がります。更に、リーンになりすぎるとエンジンが高温になり危険です。
- 海面高度(特に離着陸時)では、レバーを奥に押し込んでFULL RICH(フルリッチ、最大流量)の状態にしておきます。
- FULL RICHのままだと高度3000ft~4000ftくらいからエンジンパワーが有意に減っていくので、レバーを少し手前に引っ張りましょう。
- エンジンを切るときは、まずミクスチャーを最大まで手前に引っ張り、燃料を完全にカットするようにします。マグネトーを切るのはその後です。
- なお、リアルではミクスチャーレバーを調整しないままほっとくと、点火プラグがカブってエンジン停止、再始動不能でそのまま墜落することがあります。
プロペラピッチ
プロペラブレードの角度のこと。
- プロペラピッチが固定の場合は固定ピッチ(Fixed Pitch)プロペラ、ピッチ角を変更できる場合は可変ピッチプロペラと呼ばれます。
可変ピッチプロペラのほとんどは、「定速プロペラ」と呼ばれるタイプです。
「定速プロペラ」ではプロペラの回転数をレバーで指示することになります。
コックピットでは青いレバーで表されることが多いです。
レバーを遠くへ押し込むと回転数を上げ、手前に引っ張ると回転数を下げます。
定速プロペラでは、プロペラの調速機構(Governor)がプロペラの回転数を一定に保とうとします。
- エンジン出力を上げると、プロペラの回転数が上がるのではなく、プロペラピッチ(プロペラブレードのピッチ角)が増します。
すると、プロペラが掻く空気量が増加して機体の推力が向上しますが、プロペラを回すときの抵抗も増すので、回転数自体は上がらないという訳です。 - 但し、エンジン出力が低いせいで、ピッチ角を最大まで浅くしても目的の回転数まで上がらない状態のときは、エンジン出力を上げると単に回転数が上がります。
巡航速度や巡航高度によってピッチ角を変えることで、燃費を改善させることができます。
離着陸など最大パワーを必要とする場合は、ピッチ角を最大まで浅くしてエンジン回転数を上げます(PROPS FULL)。
キャブレターヒート
キャブレター式のエンジンに存在します。
燃料噴射式のエンジンにはありません。
要加筆
カウルフラップ
エンジンの覆い(Cowl)にある冷却口を開けたり閉めたりする機構のこと。フラップというのは冷却口カバーのことで、これを開閉してエンジン温度が最適な出力効率になるように調整します。
| 離着陸時には全開 | 高度が低く最大出力が必要→エンジンが熱くなるので、冷やす必要がある |
| 巡行時には閉める | 高度が高く出力もそこそこ→エンジンが冷たくなるので冷やす必要が無い |
ターボファンエンジン
現代的な飛行機が積んだ、いわゆる普通のジェットエンジン*4
N1, N2, EPR
エンジンの計器に表示される数値の説明。
- N1はファン回転数の比率。だいたいの推進力を表すエンジン出力の指標として使われる。100%の基準はエンジンメーカーが定めたものなので、100%を超えることもある。
- N2は高圧圧縮機の回転数。
- EPRはエンジン圧力比。N1ではなくEPRを出力の指標とする機体もある。
スラストリバーサー
逆噴射装置。すべてのエンジンがこれを装備しているわけではないです。
着陸時の減速の補助に使い、だいたい60ktまで減速したら逆噴射を止めます。
FSではコントローラ設定でDECREASE THROTTLEにボタンやキーを割り当てをし、押し続けると発動します。
- なお、コントローラーの設定次第では「飛行中にいきなり逆噴射する」といった荒技が使えます
ターボプロップエンジン
構造はほぼジェットエンジンだが、ジェット(排気)ではなくプロペラで推進力を得るようにしたもの。
ジェットエンジンの最前面、一段目の羽根を巨大にして段差軸で本体に繋げた構造をしているため、基本的には下方向にアゴが突き出た形になっています。
なお、完全にプロペラのみで推進力を得ているのではなく、ジェット排気も少し推進力に貢献しています。ほんとにちょびっとだけ。
トルク
コンディションレバー
アルファ
ベータ
オートフェザー
主に大出力の双発機以上に装備されている機構。
何らかの理由で片方のエンジン出力が下がった(まあ、大抵は故障)状態に際し、エンジン装備位置の関係で片発状態でエンジン出力を最大にしても逆側のプロペラが抵抗を生じて半分の出力すら得られないマイナス状態になってしまうし、悪くすると(例えば、離陸直後のエネルギー不足状況でこれに陥った緊急事態)即座にスピンに陥って墜落する危険がある。
このため、これを回避する目的で片発になった時点でそのエンジンに装備されているプロペラを自動でフェザリング状態にすることで、プロペラ抵抗を最小にする自動安全装置。