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ヘルプ第四話：空対地浸透襲撃 
まずは情報が何より大事。
敵艦より機銃掃射来ます。
ﾀﾀﾀﾀ……
敵は空中空母だったか。
はい。我々は実用化できていない技術ですね。損害なし、深度そのまま。
ﾀﾀﾀﾀ……
水中発射対空ミサイル、撃ち方始め。
VLS対空ミサイル、撃ち方始め。イヤーッ！
ファルケンハイム「グワーッ！」
強行偵察をしかけたら戦力増強のために移動中だった艦隊が全部追いかけてくるとはな。
まあ、とにかくこれで全てしのぎ切ったわけだ。
新艦艇建造
それで、この後はどうなさるんです？期せずして威力偵察と敵戦力への打撃もできてしまいましたが。
ああ、本国に要請しておいた設計図が到着した。
これまでに溜まった資源でそいつを一隻建造する。
たったの一隻ですか？
ああ、一隻分しか資源はないし、俺の作戦ならば一隻あれば実行可能だ。では建造に取り掛かる。
建造中・・・
できたぞ。本国で主力として活躍している辛飯型5番艦、利頭飯だ。
これが新艦艇ですか。随分と乾舷の低い巡洋艦ですね。砲も小口径ですし、魚雷も甲板上には積んでいない。もしかして潜水艦でしょうか？
U-F01、俺はコレを巡洋艦と言った覚えはないぞ、こいつはだな……。
飛んだ！？
その通り。乾舷の低い巡洋艦とはエンジンを切った仮の姿、これこそ辛飯型巡空艦の真の姿だ。
主砲は下面配置された1000mmCRAM砲3基6門。上面には88mm対空砲3基6門が配置され、下部艦橋周辺には40mm4連装対空機関砲が4基装備されている。
魚雷は装備していないが、まあ海賊ごときにまともな潜水能力を持つ潜水艦など作れんだろう。
防御システムはLMDとフレアですね。シールドも強度1で張っているようですが、まあ高速弾に対するお守りにはなるでしょう。
作戦説明
それで、用意している作戦とは？
簡単にいうなら、コイツを単艦で突っ込ませる。
脳筋ですか？
ちげーよ。まず前提として、Neterにはこの海賊以外にも様々な勢力が存在しており、
俺たちはそれを出し抜き領海を手に入れなければならない。
そのためには実効支配のための艦艇が不可欠だ。しかしそんな資源はない。
つまり？
強行偵察で得られた情報をもとに、飛行艦の高速を生かして敵の中枢拠点まで一直線に進撃。
補給線及び退路に必要な最低限の海域のみ余った資源で建造した艦艇で維持しつつ、敵の戦力補充機能を粉砕するんだ。
そうしたら海賊どもは今持っている海域を死守するので精一杯、解放した海域はどんな船でも維持しておける。
そうなれば現在の戦力でも塗り絵を始められるというわけだ。
ああ、なるほど。つまり公国が建国前に属していた帝国が得意としていた電撃戦ですか。
金床たる戦線がないから電撃戦とも言い難いがな。とにかくそういう理由だ、威力偵察も済ませているし問題なかろう？
はい、現状では辛飯級に追いつける輸送艦が存在しないため、燃料の補給ができないという点が気がかりですが。
辛飯級はそこそこ大きな燃料タンクを搭載しているから、最短ルートならば敵本拠地の制圧までもつはずだ。他に質問はないか？ないな。
では、東方浸透襲撃作戦を開始する！
空対地浸透襲撃
いいか、この作戦は速度が命だ。
敵が後方を遮断したり、戦力を集めたりする前に一気に叩きつぶさなければならん。
だが艦隊に追跡されたままだと本拠地で完全に包囲されることになるから、道中立ち塞がった艦艇は全て撃沈しろ。
了解しました。
ｽﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ
ｽﾞﾄﾞｰﾝ
！ 提督、敵艦から呼びかけです。自分たちをキャプテン・サルと名乗っています。
騎士のつもりか？まあいい、お望みとあらば叩き潰せ。
ああ、こっちは名乗らなくていいぞ。こいつらとの和平の可能性などないからな。
はっ。
ﾄﾞｫﾝ
ﾒｷﾒｷﾒｷ……
圧倒的ではないか我が軍は。いくら海賊とはいえちょっとがっかりだよ。
利頭飯、進撃を続行します。
敵の飛行艦を発見！
駄目だ！じゃない、高度は？装甲は厚そうか？主砲の砲門数は？
確認するまえに撃墜してしまいました。
ええ……。
東の沿岸部にあった砲台と同型のものが設置されていましたが、
特に見どころもなく主砲弾で木端微塵になりましたね。
最初に出会ったときは結構脅威だったのに、哀れな……。
進撃を継続します。
ｺﾞｫｫｫ……
んん？おい、あのドックにあるのはなんだ？
あれは……あれも飛行艦でしょうか。こちらの本拠地東の沿岸にあったのとはまた違う形でずっと強そうです。
しかし建造途中で、まだ離陸はできそうにありませんね。上空から砲撃して破壊してしまいましょう。
敵本拠地攻撃
提督、敵本拠地に到着しました。
いよいよか……これまで雑魚ばかりだったとはいえ油断はするなよ、砲戦用意！
ｽﾞﾄﾞｰﾝ･･･ｽﾞﾄﾞｰﾝ･･････
海域の防衛艦隊が接近中。時間がありません。
ええい頑丈さだけは褒めてやる、急いで破壊しろ！
それにしても提督、よくこんな艦の建造許可をもらえましたね？
ん？ああ、まあな。仮にも元空軍将校だ、特に飛行艦の関係だとそれなりのコネがあるんだよ。ちょっと意欲をアピールしすぎて今回の任務に付けられたがね。
では、この先も飛行艦が中心になるのでしょうね。……と、そんなことを言っているうちに本拠地の破壊に成功しました。
よし、作戦は成功だ！
あとは海域支配のための艦を建造しつつ、残党を海の藻屑にするだけですね。
まあ、そうなるな。
俺は本国で中間報告をしてくるから、その間に塗り絵を適当にやっといてくれ。
了解しました。
（けれどこれだけ派手に一つの勢力を叩き潰したら、確実に周りの勢力から警戒されると思うんですけど、大丈夫なのでしょうか……？）
次回予告
浸透襲撃によりDWGの息の根を止めた提督率いるNeter侵略艦隊。いい気分の提督だが、Neter侵略の任務はまだ始まったばかりである。
提督の次の目標は？このままNeter全てを我が物とするのか？
次回 第五話「第二章の始まり」
