AARパーツ考察/自作エンジンを作ろう

Last-modified: 2017-03-26 (日) 02:27:39

要求仕様を決める

エンジンを作成するにあたって、おおまかにでも達成したい性能の目安を設定しておくと方向性が決まって見通しが立ちやすい。
エンジン仕様の要素は

  • (Bounding Box の) サイズ
  • 出力
  • 燃費 (PPF)
  • 体積あたり出力 (PPB)

等が主である。
これらをすべて決める必要はないが、優先順位と目標値くらいを設定しておくと良い。
例えば、

(1): 出力 4000 以上
(2): PPF 1288 (2 ターボ)
(3): 5 x 5 x n (出来れば小さく)

等のようにである。 上記 (3) のようにふんわりとした目標でもかまわない。 逆に全ての性能をガチガチに決めてしまうと実現不能なこともままある。

性能目安を知る

PPF と PPB はトレードオフであるから、知られている範囲での限界性能を知っておけば実現不能な性能要求をすることもない。
逆に以下の数値を超えるものが出来たら大いに自慢すべきである。

タイプPPFPPB
1 ターボ 1 コア326~32848 程度
1 ターボ 2 コア326~32850 台中盤
1 ターボ多コア326~32850 台後半
2 ターボ1288~35
3 ターボ5066~26

これはサイズに制限を設けず、繰り返し部分を延ばした場合の値であり、繰り返しを減らすと PPB は微減、
また小型エンジンでは初期排気を集めきれずに PPF が低下することも多い。

1 ターボエンジン (キャブレター 1 個あたりターボを 1 個接続する) は現時点で研究が進んでいることもあり、大きなブレイクスルーがなければ PPB 60 の壁の突破は難しい。 (多コアの繰り返し部分で熱損失を無視して PPB 60)

2 ターボ、3 ターボについては筆者の知る限りでの最大 PPB に過ぎず、更新の余地は大いにあると思われる。

エンジン性能を上げるための Tips

特に PPF と PPB をバランス良く高めるための Tips である。

(PPF) キャブレターに接続するターボの数は、全て揃えるかまたは差を 1 にする

つまり 1 ターボのキャブレターと 3 ターボのキャブレターが 1 個づつというのは効率が悪く、それよりも 2 ターボのキャブレターが 2 個の方が効率が良いということである。

 

これは PPF の逆数の FPP (Fuel Per Power) を考えると理解しやすい。
いま 1 ターボのキャブレターと 2 ターボのキャブレターが 1 個づつあり、どちらかにターボを追加することを考えよう。
2 ターボのキャブレターに追加すれば上記の前者 (1 ターボと 3 ターボ) であり、1 ターボのキャブレターに追加すれば後者 (2 ターボが 2 個) である。
最大効率のターボは接続したキャブレターの PPF を 3.93 倍する効果を持つ。 つまり FPP で考えれば出力 100 を生み出すために消費する燃料は 1/3.93 倍になる。
どちらのキャブレターの燃料消費を減らすのが良いだろうか? 当然燃料を多く消費している方にターボをつけるべきである。
従って 1 ターボのキャブレターに追加するべきという結論になる。

(PPB) キャブレターに 2 個以上のターボを接続する場合、可能な限り多くのシリンダーと接続させる

キャブレター型のエンジンの出力は、シリンダーとキャブレターの接続 1 ヶ所毎に 100 である。
これは、「シリンダーに注目して、それにキャブレターが接続していると考える」 でも 「キャブレターに注目して、それにシリンダーが接続していると考える」 でも本質的な違いはないが、ここでは後者の見方をしてほしい。
そしてキャブレターだけでなく、それに接続したターボも一緒に考えるのである。

 

例えば 2 ターボのキャブレターを考えよう。キャブレターとターボ 2 個で 5 ブロックである。
これにシリンダーを 1 個しか接続しなかったら、シリンダーと合わせて 6 ブロックでたったの 100 出力である。
シリンダーが他のキャブレターと共用できるから割り引いて考えても 5 ブロックで 100 出力、PPB 20 というのは 2 ターボとしてはお世辞にも高いとはいえない。
キャブレターの周囲 6 面のうち 2 面がターボとの接続に使われているから、シリンダーは最大 4 個接続できる。 こうするとキャブレター、ターボ、シリンダーで 9 ブロック 400 出力、PPB 44.4 になる。
クランクシャフトや配管で体積は増えるからもう少し下がるが、これを基に組めばそこそこの PPB が達成できるだろう。

 

同じ考えで、3 ターボのエンジンで PPB を可能な限り高めたいなら、必ずキャブレターに 3 個のシリンダーを接続させる。 4 ターボならシリンダー 2 個となる。
1 ターボはシリンダー 5 個が不可能 (キャブレターは異なるジェネレータ由来のシリンダーとは同時に接続できない) なのでシリンダー 4 個、よく知られているコア配置に落ち着く。

キャブレターに 2 個以上のターボを接続する場合、シリンダーから排気を取らなくてもオーバーヒートしない

シリンダーの発熱量は燃料消費によって決まり、低燃費エンジンでは燃料消費が少ないため発熱量も少なくなる。
2 ターボのエンジンで排気をとらない場合、オーバーヒートこそしないが熱損失が無視できない温度になるため、可能なら排気を取ったほうが高性能になる。
3 ターボ以上のエンジンでは排気を取らなくとも 10℃ 未満で熱損失もほとんどなく、初期排気を集めるときとシリンダーの隣接を配管が通るとき以外は排気を取らなくてよい。
(ただし初期排気が 30 ギリギリの場合、出力が 100% を割ったときに排気を取っていないシリンダーの性能低下が大きくなる)
特に 3 ターボ以上のエンジンで、ターボがシリンダーの排気面をふさいでしまっても大丈夫ということは知っておくべきだろう。