単位は百万円
http://www.aeria.jp/aeria/ir/
http://jp.moneycentral.msn.com/investor/invsub/results/statemnt.aspx?symbol=JP%3a3758
MSN
2009 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | |
決算年月日 | 2009/12/31 | 2008/12/31 | 2007/12/31 | 2006/12/31 | 2005/12/31 |
決算月数 | 12 か月 | 12 か月 | 12 か月 | 12 か月 | 12 か月 |
決算発表日 | 2010/3/30 | 2009/3/30 | 2008/3/28 | 2007/3/29 | 2006/3/30 |
収益 | 8,209 | 11,931 | 7,377 | 3,573 | 2,075 |
売上高合計 | 8,209 | 11,931 | 7,377 | 3,573 | 2,075 |
売上原価合計 | 3,077 | 8,411 | 3,203 | 1,847 | 917 |
売上総利益 | 5,132 | 3,520 | 4,175 | 1,726 | 1,158 |
販売費及び一般管理費 (合計) | 6,030 | 5,724 | 3,707 | 1,126 | 546 |
研究開発費 | 186 | 251 | 68 | 12 | 14 |
固定資産償却費 | -580 | -609 | -267 | 0 | 0 |
利息純額(営業) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
特別損失(利益) | 2,141 | 3,013 | 953 | 119 | 0 |
その他営業費用合計 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
営業利益 | -2,645 | -4,859 | -287 | 469 | 598 |
---|---|---|---|---|---|
利息純額(営業外) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
固定資産売却損益 | 8 | -14 | 0 | 0 | 0 |
その他収益費用(純額) | 55 | 53 | 2 | -7 | -16 |
税金等調整前当期純利益 | -1,839 | -1,958 | 1,860 | 3,558 | 736 |
法人税合計 | 64 | 146 | 1,020 | 1,212 | 433 |
税引後利益 | -1,902 | -2,104 | 840 | 2,346 | 303 |
少数株主利益 | 718 | 924 | 89 | -98 | -5 |
持分法による投資損益 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
アメリカ会計基準調整額 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
異常項目前の当期純利益 | -1,184 | -1,180 | 930 | 2,249 | 298 |
異常損益項目合計 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
当期純利益 | -1,184 | -1,180 | 930 | 2,249 | 298 |
調整額合計 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
配当金(優先株式) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
無限責任社員への配分 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
基本的期中平均株式数 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
異常損益項目を除く 一株当たり当期純利益金額 | -19,642 | -19,532 | 14,852 | 35,084 | 5,483 |
異常損益項目を含む 一株当たり当期純利益金額 | -19,642 | -19,532 | 14,852 | 35,084 | 5,483 |
潜在株式調整後期中平均株式数 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
異常項目を除く潜在株式調整後1株当たり利益 | -19,642 | -19,532 | 14,206 | 32,896 | 4,801 |
異常項目を含む潜在株式調整後1株当たり利益 | -19,642 | -19,532 | 14,206 | 32,896 | 4,801 |
一株あたり配当金 | 2,200 | 2,000 | 2,000 | 1,000 | 333 |
配当金(普通株式) | 130 | 124 | 120 | 64 | 209 |
支払利息(補足的情報) | 44 | 77 | 51 | 3 | 1 |
減価償却費(補足的情報) | 274 | 339 | 527 | 147 | 50 |
正規化されたEBITDA | -732 | -2,037 | 933 | 776 | 663 |
正規化されたEBIT | -504 | -1,846 | 666 | 588 | 598 |
正規化した税引前利益 | -207 | 538 | 2,553 | 3,718 | 751 |
正規化した税引後利益 | -1,017 | -667 | 1,011 | 2,466 | 319 |
普通株式に係る正規化した利益 | -299 | 257 | 1,100 | 2,368 | 314 |
正規化した一株当たり当期純利益金額 | -4,959 | 4,251 | 17,568 | 36,948 | 5,763 |
正規化した潜在株式調整後一株当たり当期純利益金額 | -4,959 | 4,251 | 16,851 | 34,654 | 5,056 |
連結調整勘定償却額 | -502 | -530 | -260 | 41 | 15 |
四半期
2010年 | 2010年 | 2009年 | 2009年 | 2009年 | |
第2四半期 | 第1四半期 | 第4四半期 | 第3四半期 | 第2四半期 | |
決算年月日 | 2010/6/30 | 2010/3/31 | 2009/12/31 | 2009/9/30 | 2009/6/30 |
決算月数 | 6 か月 | 3 か月 | 6 か月 | 9 か月 | 6 か月 |
決算発表日 | 2010/8/13 | 2010/5/14 | 2010/3/30 | 2009/11/13 | 2009/8/13 |
収益 | 2,954 | 1,510 | 4,342 | 5,942 | 3,867 |
---|---|---|---|---|---|
売上高合計 | 2,954 | 1,510 | 4,342 | 5,942 | 3,867 |
売上原価合計 | 1,755 | 898 | 1,684 | 2,271 | 1,393 |
売上総利益 | 1,199 | 611 | 2,658 | 3,671 | 2,474 |
販売費及び一般管理費 (合計) | 1,288 | 664 | 3,445 | 4,520 | 2,771 |
研究開発費 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
固定資産償却費 | -18 | -9 | -278 | -454 | -303 |
利息純額(営業) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
特別損失(利益) | 125 | 47 | 1,576 | 543 | 564 |
その他営業費用合計 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
営業利益 | -196 | -91 | -2,086 | -937 | -559 |
利息純額(営業外) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
固定資産売却損益 | 0 | 0 | -77 | 8 | 85 |
その他収益費用(純額) | 20 | 17 | 50 | 11 | 5 |
税金等調整前当期純利益 | -198 | -78 | -1,720 | -480 | -118 |
法人税合計 | 8 | 2 | -43 | 32 | 107 |
税引後利益 | -205 | -80 | -1,677 | -511 | -225 |
少数株主利益 | 53 | 28 | 323 | 570 | 395 |
持分法による投資損益 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
アメリカ会計基準調整額 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
異常項目前の当期純利益 | -152 | -53 | -1,354 | 59 | 170 |
異常損益項目合計 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
当期純利益 | -152 | -53 | -1,354 | 59 | 170 |
10年間
売上 | 金利税引前利益 | 減価償却 | 純利益 | 1 株益 | 税率 (%) | |
Dec-09 | 8,209 | -1,839 | -227 | -1,184 | -19,642.26 | 0 |
Dec-08 | 11,931 | -1,958 | -191 | -1,180 | -19,532.05 | 0 |
Dec-07 | 7,377 | 1,860 | 267 | 930 | 14,206.13 | 54.82 |
Dec-06 | 3,573 | 3,558 | 188 | 2,249 | 32,896.16 | 34.06 |
Dec-05 | 2,075 | 736 | 65 | 298 | 4,801.25 | 58.77 |
Dec-04 | 874 | 380 | 27 | 208 | 3,309.86 | 42.83 |
Dec-03 | 425 | 102 | 11 | 70 | 1,116.70 | 34.91 |
Dec-02 | 56 | -28 | 17 | -29 | -455.22 | 0 |
部門別
単位:千円
決算詳細
アエリア決算2004?
アエリア決算2005?
アエリア決算2006?
アエリア決算2007?
アエリア決算2008?
アエリア決算2009?
アエリア決算2010?
アエリア決算2011?
NEWS
2010
「達成感」「目標」「コミュニティ」そして「サプライズ」を提供する。「黄金のアレグリア」開発元のトップに中国・台湾におけるヒットの要因を聞いた2010/10/16
http://www.4gamer.net/games/117/G011771/20101016002/
アエリアは,この10月14日に,ブラウザシミュレーション「黄金のアレグリア」の征s期サービスを開始した。それに先駆けて,開発元である中国GIANT INTRACTIVE GROUP(巨人網絡集団有限公司,以下GIANT)のPresidentを務めるVivian Liu氏が来日した。
GIANTの主力タイトルである「征途 Online
」は,市場規模の大きな中国においても突出した人気タイトルとなっている。一般にはユーザー数世界一とされるWoWをも軽く超えるMMORPGと言ってよいだろう。4Gamerでも何度かは紹介したことがあるのだが,どの部分がそんなに受けているのかなどは,なかなか見えてこなかった。中国最大のゲームを抱える謎の企業といった感じだろうか。
そんなGIANTの送り出したブラウザゲームが「黄金のアレグリア」である。4Gamerでは,黄金のアレグリアに関する話や,同社の日本進出を含むグローバル展開の構想などを聞いた。
- MMORPGの運営・開発で培ったコミュニティのノウハウをブラウザゲームに投入
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,黄金のアレグリアを開発するに至った経緯などを教えてください。
Vivian Liu氏:
GIANTは2004年の設立以来,MMORPGの開発に重点を置いており,また自社開発タイトルの運営に携わってきました。
しかし,2008年頃,中国のオンラインゲーム市場に変化が起きました。それは,ゲームに,より多くのお金を使うプレイヤー層──つまり社会人層のMMORPG離れです。つまり,仕事や生活があるので,もうMMORPGのように時間を取られるゲームには手が出せなくなったわけですね。
そこで,社会人でも遊べるブラウザゲームに注目したのです。それまでに培ったオンラインゲームのノウハウを投入してブラウザゲームの開発を進め,2009年に「黄金国度」として中国でのサービスを開始しました。
4Gamer:
開発規模や期間などを教えてもらえますか?
Vivian Liu氏:
人数でいえば,開発に携わったのは30人前後です。期間は1年くらいで,通常のブラウザゲームより長めになっています。
4Gamer:
中国におけるサービスは好調ということですが,プレイヤーの反響はどうでしょう?
Vivian Liu氏:
非常に大きな反響をいただきました。開発するうえで重視した部分は,“きちんと遊べるブラウザゲーム”でした。現在,中国市場でもそういう位置付けになっています。
4Gamer:
なるほど。海外展開では,台湾でも大きなヒットを記録しましたよね?
Vivian Liu氏:
ええ。台湾では,2010年5月にサービスを開始しました。おかげさまで台湾の有名ゲームサイトの人気ランキングで,3か月連続トップを獲得できました。
4Gamer:
台湾ではクライアント型のオンラインゲームが主流で,ブラウザゲームはそれほど人気がないと聞きますが。
Vivian Liu氏:
今までブラウザゲームでそういった業績を残すタイトルはなかったので,台湾のパブリッシャもビックリしています。
とはいえ,台湾における成功の規模は,中国と比較すると,それほど大きいわけではありません。売り上げで見ると,中の上程度のMMORPGと同じくらいになっています。
4Gamer:
台湾でヒットした理由をどう分析していますか?
Vivian Liu氏:
グラフィックスとゲーム自体の内容が,クライアント型に見劣りしないものになっていたからでしょう。とくにグラフィックスに対する反響が大きいですね。
ゲームの内容も,既存のブラウザゲームとは異なったものになるよう力を入れました。中でも,戦争の部分には新しい要素──いわば,イノベーションを加えようと考え,企画・開発を進めたのです。全体を振り返っても,戦争システムの開発には,かなりの時間と労力を割いています。
4Gamer:
とにもかくにも,ゲームとしてのクオリティを重視して開発を進めたわけですね。
Vivian Liu氏:
ええ。また,コミュニティ形成も重要な部分ですから,これまでのMMORPGの運営・開発で培ったノウハウを投入しました。最も分かりやすいのは,横スクロールタイプのロビーを導入したことでしょう。これによってプレイヤー同士が会話をしたり,一緒にクエストを受けたりといったコミュニケーションを取りやすくなったのではないでしょうか。
また,中国では,携帯電話を介してゲーム内の様子をチェックしたり,簡単な操作を行ったりできる仕様を取り入れています。それも人気の要因ですね。
4Gamer:
そうしたモバイル関連の仕様は,いつ頃から企画していたのですか?
Vivian Liu氏:
サービスがスタートしてからです。企画の発端は,弊社のモバイル関連部門からの提案でした。そこで,ブラウザゲームをもっと手軽に遊べるようにという意図をもって採用したんです。
4Gamer:
なるほど。
黄金のアレグリアは,GIANTでは初の日本進出タイトルですよね。そのパブリッシャに,アエリアを選んだ理由を教えてください。
Vivian Liu氏:
まず日本市場における実績です。アエリアは,2009年にはサービスしているMMORPGで表彰されていますし,ブラウザゲーム運営の経験もあります。
もう一つは,熱意です。アプローチのあった企業は何社かあるのですが,それぞれと交渉した中で,アエリアからはゲームに関する熱意と顧客に対する熱意を最も強く感じました。
実は台湾でパブリッシャを決めたときも,熱意を重視したんです。当時はそれほど実績を上げていない会社だったのですが,熱意を持って黄金国度を運営した結果,先ほどお話したような大きなヒットに繋がりました。
- 同接200万人を記録した「征途 Online」。企画・開発に欠かせない4大ポイントとは?
4Gamer:
それでは,あらためてGIANTについて教えてください。設立は2004年というお話でしたが。
Vivian Liu氏:
さらに遡るなら,そもそもの始まりは,1989年に今の会長が事業を起こしたことです。当時はゲームではなく,一般のソフトや生活用品を扱う会社でした。そして2004年,オンラインゲーム市場に目を付けた会長が,専門のゲーム会社としてGIANTを設立したんです。
それからずっとMMORPGの開発を続け,2006年に初タイトルとして「征途 Online」のサービスを中国で開始しました。また,このタイトルは中国初のアイテム課金制MMORPGで,2007年にはGIANTがニューヨーク証券取引所に上場できるほどの売上となりました。さらに2008年には,最高同時接続者数200万人を記録しています。
そして2008年には「巨人 Online」,2009年には各種のブラウザゲームやカジュアルゲームのサービスを開始しました。
全般に,GIANTは開発に注力しており,中国全体を見渡しても最も実力があるのではないかと自負しています。
4Gamer:
今,名前の挙がった征途 Onlineですが,同接200万人という数字は日本ではちょっと考えられない数字なんですよね。
Vivian Liu氏:
私の記憶では,中国でも,この記録を達成したのは2タイトルだけです。同接100万人超のタイトルも,おそらく5タイトルくらいでしょう。征途 Onlineは,中国の2D MMORPGの歴史に名を残すタイトルになるんじゃないかと考えています。
:
中国における人気のポイントは,何だったんでしょう?
Vivian Liu氏:
まず,当時開発を全面的に手がけた現会長のゲームと市場に関する理解が非常に深かったことです。
そしてゲームの企画・開発には,留意すべき4つのポイントがありました。それは「達成感」「目標」「コミュニティ」「サプライズ」です。
4Gamer:
それぞれ,詳しく教えてもらえますか?
Vivian Liu氏:
達成感と目標に関しては,例えば,男性プレイヤーから女性プレイヤーにプレゼントを贈ると,画面上に華やかな演出がなされるんです。また,プレゼントを贈られた回数などを競うランキングもあります。
また,PKのランキングもそうですね。自分よりランクが上のプレイヤーを倒したら,ゲーム内にアナウンスが流れたりするなど,ゲームの随所に目標があり,それを成し遂げると達成感を得られるようにしています。
また,PKやプレゼントといった要素の基盤となるのがコミュニティです。ゲームとはいってもAIを相手に遊ぶのではなく,“人と人が遊んでいる場”を提供することが重要です。今となっては当たり前の要素ですが,国や同盟,あるいは家族といったシステムを導入し,それぞれで戦ったり競いあったりすることを重視しました。
4Gamer:
なるほど。
Vivian Liu氏:
そしてサプライズですが,麻雀の配牌やトランプの配カードを想像してみてください。いい牌やカードがくることもあれば,もの凄く悪いときもありますよね。そのように,毎回同じではなく,「今度は凄くいいモノがくるかもしれない」という期待感を抱かせるんです。期待を超えるものがくれば,それはサプライズとなるわけです。
4Gamer:
具体的に,どのようなサプライズを用意するのですか?
Vivian Liu氏:
例えば,何かの部品を輸送するクエストだとすると,目的地にたどり着くまでに,敵の国を通らなければならないような設定にするんです。そうすることによって,前回は敵国のプレイヤーに攻撃された,しかし今回は何ごともなく無事にクリアできたといったように,毎回予測できない違った経験を得られます。
あるいは同じクエストであっても,クリア時の経験値を1万から10万までランダムに設定します。もし10万が当たったら,やはりサプライズになるでしょう。
4Gamer:
さまざまな形で,偶然が発生するように仕込むわけですか。
Vivian Liu氏:
こうした4つのポイントは,顧客が何を求めているかをきちんと把握し,さらにイノベーションを加えることで実現できます。弊社では自社で運営も開発も行っていますから,理念として,日々顧客の要望をリサーチし,それをもとに新しいサービスやコンテンツを作り出すということを行っています。
もちろん黄金のアレグリアも,ほかと同じようなものではなく,多くの新要素を追加したブラウザゲームにしています。
4Gamer:
そうやって企画・開発してきた中で,GIANTとしての一押しは,やはり看板タイトルの征途 Onlineですか?
Vivian Liu氏:
各国でゲームに求めるものが違いますから,一概にそうとはいい切れません。日本向けという話であれば,これから黄金のアレグリアのサービスを通じて,学ばなければならないことがたくさんあります。正直な話,日本市場で何が求められているのか,まだまだ把握できていないんです。ここ数日,いろんな方とお話したのですが,中国で人気のコンテンツでも,日本の皆さんには違和感があることが分かりました。
4Gamer:
征途 Onlineでは,かなり大規模な戦争ができると聞いているんですけれども。
Vivian Liu氏:
国家戦は,1サーバーで1万人以上が参加します。1サーバーは,10か国に分かれており,およそ週1回の頻度でそうした大規模な戦争が発生します。
4Gamer:
日本だと,100人対100人で大規模といわれますからケタが全然違いますね。
- 中国トップクラスの実力を基盤にアジア地域から世界へと展開
4Gamer:
それでは,中国のオンラインゲーム市場について教えてください。オンラインゲーム市場全体の動向は,どんな感じなのでしょう?
Vivian Liu氏:
中国のオンラインゲーム市場は,10年ほど前に形成されました。最初の5年間は韓国を中心とした他国製のタイトルが多かったのですが,ここ5年は中国国内で開発されたタイトルの比率が上がっています。今後,その傾向は強まり,加えて海外に進出する企業が増えていくでしょう。とはいえ,多くの企業が同じようなことを考えていますから,ゲーム自体のクオリティを高めることが極めて重要だと捉えています。
4Gamer:
今後も中国市場は,成長していくとお考えですか?
Vivian Liu氏:
はい。やはり人口が多いですから,どんどん成長していくと捉えています。というのも現在,インターネットの利用人口は3億人,モバイルユーザーは7億人にも上っています。単純に考えて,モバイルでカジュアルゲームやソーシャルゲームを展開すれば,ゲーム人口はどんどん増えていくはずです。それに伴って,ARPPU(課金ユーザーの平均課金額)も増えていきますので,売り上げも増加していくでしょう。
4Gamer:
先ほど話の出た大規模戦争のほかに,中国ならではのオンラインゲームユーザーの傾向はどんな感じなのでしょう?
Vivian Liu氏:
中国では,弊社の登録ユーザーだけで見ても7000万人のオンラインゲームユーザーがいますので,それぞれが好むジャンルは大きくバラついています。それでも主流はMMORPGで,やはりコミュニティ性が強く,ゲームとして深みのあるものが好まれています。
またプレイ時間は,1日平均4~5時間です。中には,自分が眠っている時間は代行業者に依頼してプレイしてもらうという人もいますね。
そして全般に成功に対する執着が強いですね。現実でも成功している人は,ゲーム内でも多額のお金を使って成功しようとします。いわゆる庶民的な人も,現実とは異なる人生を成功させたいと頑張る傾向にあります。
おそらく,どこをとっても日本市場とは違う傾向なんじゃないでしょうか。
4Gamer:
そうした状況の中で,GIANTの今後の戦略はどのようになっているのでしょうか?
Vivian Liu氏:
開発に関しては,今まで通り,ほかにないものを細かいところまできちんと作り込んでいくという基本の部分は変わりません。今後は,より優れた人材を集めて,お話ししてきた理念を実現した,よりよいゲームを作っていくことになります。
市場に関しては,これまでは中国国内が対象でしたが,今後は台湾,日本,韓国,東南アジアへと順次進出していきます。そのあとは,もちろんグローバル展開を目標にしています。
4Gamer:
それでは最後に,日本で黄金のアレグリアに期待している人に向けてメッセージをお願いします。
Vivian Liu氏:
ぜひ一度,黄金のアレグリアをプレイしてみてください。また,GIANTはこれを皮切りに日本進出していきますので,ぜひ注目してください。
4Gamer:
ありがとうございました。
少々語弊が生じるかもしれないが,ブラウザゲーム/ソーシャルゲームというと,企画・開発に関しては「競合タイトルのヒットした要因を,いかに早く自社タイトルに取り入れるか」という議論が盛んに交わされている。そこで必要とされているのは「今,何がヒットしているのか」を把握し「何が求められているのか」を迅速に分析する能力だ。
ところが中国で同接200万人という途方もない数字を叩き出すMMORPGを運営・開発し,ブラウザゲームでも成功を収めるGIANTでは,“ほかにないもの”を“きちんと作る”ことに重点を置いているとVivian Liu氏は述べる。そこには,中国市場を的確に分析し,何が求められているかを随時把握したうえで,さらに“ほかとは違うきちんとしたコンテンツ”を作るという意味が言外に含まれているのだ。「他社と同じことをしたうえで,さらにもう一つ二つ頭を捻り確実にヒットを狙う」という,文字にすると当たり前だが,なかなか実現が難しいことを積み重ねた結果が,実績に結びついているというわけだ。
GIANTは,黄金のアレグリア以降,アエリアをはじめとするパブリッシャと組んで,日本展開を試みるという。その展開がどういった成果を収めるのか,楽しみなところだ。