参考:( 用語集 | 七国まとめ | キャラ・一族・団体 | 年表 | 神の目 | 言語 | ヒルチャール語 | 料理元ネタ考察 | 崩壊ネタ関連 | メインストーリー要約 | 中国語・英語まとめ | 誤訳 | 暗号解読 | 命ノ星座 | 考察総合 )
概要
この項ではゲーム内に存在する翻訳テキストのうち、誤訳や原文とニュアンスの異なるものをバージョンごとに整理していく。
原語である中国語版をベースとし有志で検証していく。また、英訳も参考として用いる。
誤訳
Ver.4.8
学校じゃあるまいし…それとも監獄なのかな?
这里是学校还是监狱?
イベント「陽夏!悪龍?童話の王国!」で配置された放浪者のセリフ。日本語では教令院が学校ではないことになっているが、原文では「ここは学校か?それとも監獄か?」と言っている。
(シムランカのドゥリンを救った今、笠っちは現実のドゥリンにも同情するようになってるのかも…)
(拯救了希穆兰卡的杜林之后,他会不会同情起现实中的杜林呢…)
(Now that he's saved Simulanka's Durin, maybe he'll be sympathetic to the Durin of our world...?)
同上イベントのセリフ。「笠っちは~」の部分に関しては、旅人は心の声*1では基本的に本名、第三者との会話中は「笠っち」呼びと意識的に使い分けているため、意味としては同じだが適切なローカライズではない。日本語以外では「笠っち」ではなく彼と呼んでいる。直前のセリフで本名呼びをしているため違和感のあるセリフになっている。
また「現実のドゥリンにも同情するようになってるのかも…」の部分も本来は疑問形であり、現在彼が現実のドゥリンに同情している可能性があると言っているわけではない。
正しく訳すなら「(シムランカのドゥリンを救った今、彼は現実のドゥリンにも同情するのだろうか…?)」となる。
Ver.4.6
「ワシがルタワヒスト学院に勤めておった頃には、こんなことなかった」
我在任的时候梨多梵谛学院可没出过这种事
~but we never had problems like this at Rtawahist back when I was still teaching
セノ伝説任務第二幕におけるジュライセンの台詞。
ジュライセンは素論派(スパンタマッド学院)の賢者であるため、日本語の「ルタワヒスト学院(明論派)に勤めて~」というのはおかしい。
原文および英語では「ワシが教えてた時、ルタワヒスト学院ではこんな問題なかった」という意味になっている。
「今は妹も使っている」
家傳的,传给妹妹了
~and it's become something of a family tradition now
セノ伝説任務第二幕におけるセノの台詞。
日本語では「妹」と訳されているが、原文中国語の「妹妹」は必ずしも同じ親から生まれた年下の女性を指す言葉ではない。
ここでは、自分の親類縁者の中で親しい年下の女性(この場合はコレイ)に対する言葉として「妹妹」が使われている。
英語では「今では家族の伝統のようなものになっている(からコレイにも伝わった)」と翻訳されており、こちらでも「妹(sister)」という文言はない。*2
Ver.4.4
「香り高い水草である」
名香莙
its name is Xiangjun
世界任務「仙人遊荘」終了後に、翹英荘北東の家の裏庭に出現する「草堂拾遺」の中の一文。
原文の「名香莙」の「香莙」とは、世界任務に登場するNPC少女のシャンジュンの中国語表記である。
日本語の文章では本来訳すべきではない固有名詞の「香莙」を「香り高い水草」と普通名詞として翻訳してしまったことで、世界任務における事の真相*3を推測することがほぼ不可能となっている。
Ver.4.5にて「香莙である」と翻訳が修正された。
Ver.4.0
「グロシ」
魔神任務序盤でフリーナのセリフ「富める者も貧しき者も、グロシを持つ者も持たざる者も、杯を掲げよう!グロシがない者は代わりに腕を」で出ていた謎の単語。
「グラス」の誤訳であり、Ver.4.0アップデート数日後の2023/8/18に「グラス」に修正されることが告知された*4。
さらにVer.4.2にてボイスも「グロシ」から「グラス」へ修正された*5。
Ver.3.4
「傲慢と偏見」
傲慢偏见
Pride and Prejudice
アルハイゼンの伝説任務の任務タイトル。
元ネタはおそらくジェイン・オースティンの小説『高慢と偏見』で、英語版は原著のタイトルそのまま。
中国語版は日本語の「と」にあたる「与」が抜けているものの、同小説の中国語タイトルに即しているが、日本語版は中国語からそのまま訳してしまったのか小説のタイトルとズレてしまっている。
一種のパロディと考えれば必ずしも誤訳とは言い切れないのかもしれないが。
Ver.3.3
伽藍に落ちて
倾落伽蓝
中国語では「慈悲の心を持って他人に接し、自身に対しても慈悲の心を持つ」という仏教精神の意味*6のであり、なおかつ「傾(奇者)が伽藍に落ちる」という意味とも取れるタイトルになっている。放浪者の「傾落効果」もここから取られている。
日本語では「倾落」を単に「落ちて」と訳しているため上記の意味は失われている。
なお英語ではタイトルの翻訳が全く異なり、Inversion of Genesis(起源の反転)となっている。
いい刀だ! 本当にうれしく思うよ
好刀!真为长正大人高兴啊
What a fine blade! Nagamasa will be thrilled
魔神任務「伽藍に落ちて」のムービー中のセリフ。
本来は「いい刀だ!長正様も喜ぶだろう」と言っている。
Ver.3.1
「チーム全員の元素タイプが草元素と水元素であり、かつ草元素と水元素のキャラクターが少なくとも一人ずついる時」
When all characters in the party are either Dendro or Hydro, and there is at least one Dendro character and one Hydro character
ニィロウの固有天賦の発動条件。よく読めば読むほど何が言いたいのかわからなくなる不思議な文章。
詳細な条件はキャラクターページに譲るが、英語を直訳して「チーム全員の元素タイプが草元素または水元素であり、かつ水元素と草元素のキャラクターが双方最低一名ずついる時」とすればすんなりと理解できるだろう。
なお、Ver.4.3で実装されたシュヴルーズにもほぼ同様の特定の元素キャラの編成を求める天賦があるが、「草元素と水元素」が「炎元素と雷元素」に変わっただけで訳文は全く同じである。
Ver.3.0
「旅団の戦車」*7
旅团的征轮(旅団の遠征車両)
The Eremites' Odyssey(エルマイト(旅団)の長い冒険・遠征紀)
Ver.3.0で追加された調度品。
誤訳ではなく中・日・英版全てでニュアンスが異なっていることから記載する。
そもそも原神内に出てくる「戦車*8」は『熔鉄の孤砦』の説明にある『戦車(chariot)』と宵宮のストーリーに出てくる『オニカブトムシ戦車(Onikabuto Chariot)』、そして収蔵品である本の内容に出てくる単語も全てChariotであることから古代戦車(馬等に引いてもらいその上で弓や槍などを持って戦う荷車)であることが分かる。*9
日本語版のみ「」で囲われていることから他の調度品と同じく固有名詞もしくは様々な意味を込めた語彙の強調で表現されていると思われる、後者と考えると「旅団にとっては戦車のように重要(強力)な荷車である」と解釈することができる。あるいは説明文のとある黒と金色の二色の長髪の傭兵の話を『タンク(戦車)』として表現したのかもしれない。
一方中国版では単純に『旅団の遠征車両』としてシンプルに訳すことが可能で(作品等が元ネタの場合もあるが見つけられず。)、英語版の『The Eremites' Odyssey』は「エルマイト旅団と長い冒険(を共にしてきた歴史を持つ車両)」と解釈することも可能で名前自体が詩的である、もし日本語訳を「」を使わずに訳すのであれば中国版に則り『旅団の遠征車』『旅団の荷車』辺りのさみしい訳となってしまうだろう。
「」を使った固有名詞や強調表現は基本的に他言語でも同様の表現がなされている為、フレーバーを重視した絶妙な訳と言える。
カシャッ!
咔嚓嚓!
Clickety Click!
スメールのランダム世界任務。
稲妻の「カシャッ!」と全く同じ名前になっているが、原文では「咔嚓!/咔嚓嚓!」なので「カシャカシャッ!」のように連写音になるのが正しい。
ちなみに英語ではClick!/Clickety Click!
Ver.2.5
「幼いヴィシャップはもう助けたぞ。」
有一些年幼的龙蜥已经被救走了。(幼いヴィシャップの一部はもう救出されていたぞ。)
Some baby vishaps were rescued before we got there.(幼いヴィシャップの一部はオイラたちが着く前にもう救出されていたぞ。)
イベント「三界道饗祭」におけるパイモンの台詞。
日本語訳では以下のように、旅人がいつの間にか幼いヴィシャップを助けたことになっており、にもかかわらずその後つみが怒りだすという意味不明な会話になっているが、
つみ:「戻られたのですね、どうですか、救出は成功しましたか?」
パイモン:「幼いヴィシャップはもう助けたぞ。でも歳をとって弱ってたヴィシャップはオイラたちが精鋭を倒した後に水の中に隠れちゃったから…」
パイモン:「つみ、おまえ本当にヴィシャップなのか?」
つみ:「余計な説明をする気はありません。私はあなたたちと会話できますが、これで理解しました。人との繋がりは必ず裏切りで終わってしまうことを。」
原文では以下のように旅人が精鋭ヴィシャップを倒したせいでつみが裏で進めていたヴィシャップ救出作戦が失敗に終わったことがわかる会話になっている。
つみ:「戻られたのですね、聞かせてください。私たちの(精鋭ヴィシャップによる、大日神輿の地下に囚われた捕虜ヴィシャップの)救出は成功したのでしょうか?」
パイモン:「幼いヴィシャップの一部はもう救出されていたぞ。でも歳をとって弱ってたヴィシャップはオイラたちが精鋭を倒した後に水の中に隠れちゃったから…」
また、このシーンにおける日本語版のつみは優しい声で「戻られたのですね」と喋っているが、中国語版のつみは心の距離を感じさせる冷たい声で喋っているなどの違いがある。
「御使い一族は海祇の民に恩があります。」
御使一族对海祇民恩重如山。(御使い一族は海祇の民にとても親切にしてくださいました。)
The people of Watatsumi owe a great debt of gratitude to the Vassals of Watatsumi.(海祇の民は御使い一族にとても感謝しています。)
イベント「三界道饗祭」における心海の台詞。
日本語訳では旅人が幼いヴィシャップを助けたことになっているからだろうか、
以下のように心海曰く海祇の民(珊瑚宮)が御使い一族(つみ)に対して親切にしてやった・貸しを作ったということになっており、まるで心海が不遜な振る舞いをしているかのような会話になっているが、
心海:「御使い一族は海祇の民に恩があります。(中略)その人が帰るべき場所を見つけられることを心から祈るばかりです。」
原文は逆であり、海祇の民(珊瑚宮)が御使い一族(つみ)に対して感謝していると言っているのだとわかる。
心海:「御使い一族は海祇の民にとても親切にしてくださいました。(中略)その人が帰るべき場所を見つけられることを心から祈るばかりです。」
Ver.2.4
アビサルヴィシャップ
深海龍蜥(深海のドラゴンリザード)
Bathysmal Vishap
深海に住む原初の元素生物。
下記のアビサルドラゴエアと同じ対象を示す語であり、同様に日本語版ではいかにもアビス(深淵)と関連のありそうな名前になっているが、原文では深海、英訳版ではBashysmal(深海潜水)となっておりアビスに関するニュアンスは含まれていない。
加えて、本Ver.から追加された新マップである淵下宮に関わる世界任務及びイベント任務では、ヴィシャップとアビスは互いに相容れない存在であることが明言された。
それを受けてか、Ver.2.5で開催されたイベント「三界道饗祭」では、この元素生物たちの呼び名は「深海ヴィシャップ」という訳が採用された。
しかし、図鑑や追跡のテキストは変更されず、その後「深海ヴィシャップ」という訳は使用されていない。
Ver.2.3
華館夢醒形骸記
「かしこまりました。直属護衛たちに準備をするように!」
人形にも、心臓を欲しがっていた。
のように、原文と意味は同じだが日本語としての文法がおかしなことになっていた。数バージョンかけて修正され、Ver.3.3でやっと正しい翻訳になった。
Ver.2.2
「世界はこんなにも広大…」
世界如此宽广(世界は広大だわ)
鶴観の世界任務クリア後にモンドの図書館を訪れている墨田とカマの台詞。前後の会話に出てくる「浄瑠璃機動隊」から察するに押井守監督の映画「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」の登場人物である草薙素子の台詞「さてどこへ行こうかしらね、ネットは広大だわ(网络无限宽广)」のパロディであると思われるが、ニュアンスが反映されていない。
Ver.2.1
アビサルドラゴエア
深海龙嗣(深海の龍の継承者)
Dragonheir of the Depths
日本語版ではAbyssal Dragonheirと、いかにもアビス(深淵)と関連のありそうな名前になっているが、原文では深海、英訳版ではDepthsとなっておりアビスに関するニュアンスはここには含まれていない。
アビスも”深い”というニュアンスがあるので全くの間違いではないが、アビスという語句に明確に特定の意味を持たせている原神では誤解を招きかねない表現である。
Ver.2.0
祠よ、もう一度姿を現してください!
神龛啊,再次显灵吧!
神龕啊,再次顯靈吧!
O Shrine, Show Your Power Once Again!(祠よ、再びその力を示せ!)
稲妻のNPC依頼任務の任務名。
「灵(靈)」を「霊験、御利益」ではなく「霊魂(=目に見える姿)」と解釈して訳してしまったのだろうか。
日本語訳でも「神の姿を現し(降臨して)、神の力を行使してください」というように、解釈しようと思えばできないわけではないが苦しい。
訳すとすれば「祠よ、もう一度霊験を示してください!」となる。
ただしこの任務名は子供の依頼者の言葉遣いを模しているため、意訳ではあるが「(願いを)叶えて」、あるいは関連任務を踏まえて「応えて」などの易しい語が適当か。
Ver.1.6
「親子揃って自由なエルフだぜ」
母女俩都是自由自在的精灵啊(母娘二人とも自由奔放な精霊だぜ)
イベント「真夏!島?大冒険!」におけるガイアの台詞。誤訳ではなく、中国語と日本語のニュアンスの違い上、狭義の意味で訳さざるを得なかったもの。中国語の「精灵」(日本語の新字体では「精霊」)は(無害な)幽霊・元素精霊・海外のフェアリーのような小妖精から、トールキンの小説に由来する西欧ファンタジー作品的な人間大のエルフまで幅広い概念を指す。実際、純水精霊やウェンティの元の姿の精霊も原文では同じく「精灵」である。一方、日本語の「精霊」は、ファンタジー的な人間大のサイズの実体を持つ神秘的種族はあまり指さないことが多いので、ここでは話の流れ的に日本語としてはやや唐突だが、アリス・クレー親子を「エルフ」と狭義の意味で訳す他なかったのだと思われる。
ちなみに「精灵」は形容詞としては「賢い」「機知に富む」という意味があり、英語版や韓国語版ではこちらの解釈で訳されている。しかし、中国語の「的」の後は基本的には名詞または名詞的表現が続くので、エルフと解釈した日本語版の方が自然な訳だと思われる。実際、中国語のwiki「萌娘百科」の「可莉」(クレー)でも西欧風ファンタジーのエルフとしての精灵と解釈されている。
「はい。」
鍾離の伝説任務第二章における台詞。普段の口調と違うシュールな返答だが、摩耗したことによるものではないようだ。
音声は元々頷くような息遣いだったが、Ver.1.6?でそれに合わせて「ふむ…」と修正された。
Ver.1.4
メイド、大地に屹立する
女仆屹立于大地之上(メイド大地に立つ!!)
ノエルのデートイベントのエンディングタイトル。機動戦士ガンダムの第1話タイトル「高达屹立于大地之上(ガンダム大地に立つ!!)」のパロディだが、ニュアンスが反映されていない。
また、「…ただの石ころですね。」も同じく、機動戦士ガンダム 逆襲のシャアの台詞「たかが石ころ1つ、ガンダムで押し出してやる!」のパロディである。
Ver.1.3
「お触り禁止!」
禁止接触。(接触禁止)
No touching!(触らないで!)
甘雨の台詞。中国語の「禁止○○」は日本語で「通行禁止」と言うときのような事務的な言い回し。
お触りという語感から一般的に想像されるようなえちえちなニュアンスは無いと思われる。
「この仕事は排除するべきですね!」
这项工作,该划掉了。(そろそろ終いにしましょう)
This is long overdue(期限は済んでいます)
甘雨の台詞。原文、英訳はともに「そろそろ戦闘を終わらせましょう」というようなニュアンスであると思われる。
Ver.1.1
「隙を見せるのはほんの一瞬だ!」
破绽,稍纵即逝!(隙は一瞬で過ぎ去る)
Shouldn't let your guard down!(油断禁物だよ!)
タルタリヤの台詞。1.1のPVでも使われていた台詞だが、タルタリヤ自身が舐めプによって隙を見せることを意味しているわけではないようだ。
原文によると「(敵が)隙を見せるのはほんの一瞬だ!」と解釈するのが正しいと思われる。
「さあ、早く届けに行ってくれ。冷めると美味しくなる。」
イベント「グルメは冷めないうちに」における万民堂の卯師匠の台詞。
Ver.1.0
フレアの止まり
閃焰的駐足(フレアが立ち止まる)
クレーのイベント祈願のタイトル。原文はクレーがやってきてプレイヤーの前で立ち止まった!というようなニュアンスであると思われる。1.6で復刻された際に「フレアの訪れ」と修正された。
「岩の重さは安心できます!」
岩石的重量,令人安心(岩の重さは人の心を落ち着かせます)
Steady as stone.(岩の如き安定感を)
ノエルの台詞。日本語版だとノエル本人がほっとしたような印象を受けるが、原文は《岩石的重量,令人安心》で、「岩の重さは人の心を落ち着かせます」という一般論を述べている。
「安心」という漢語には「心配がなくなってほっとしたような状態」と「落ち着いて集中できる状態」という意味があり、
日本語ではどちらかといえば前者の比重が大きいが、中国語ではどちらかといえば後者の比重が大きく、ニュアンスに若干の差がある。
「試合をしよ~」
来比赛吧!(競走しよう!)
I'll race you there!(競走しよう!)
アンバーのダッシュ時の台詞。日本語版ではアンバーが唐突に試合をしたがる不自然な台詞になっているが、原文は競い合おうという意味であり競走したがっているのだとわかる。
ちなみに、香菱のダッシュ時のセリフは英語で「Race you!」日本語で「駆けっこしましょ~!」であり、こちらの英語と日本語の対応は正しい。(中国語は「跑起來跑起來!」で意味が違う?)
「皇女であるわたくしの精力は高いわよ。」
本皇女的精力,可是很寶貴的,不值得浪費在你們這種人身上(皇女であるわたくしのエネルギーは貴重なものよ。)
My time is most precious, and I shall not waste it on the likes of you...(わたしの時間は最も貴重なものよ。)
フィッシュルの「夜巡りの翼」のフレーバーテキスト。
「精力」を訳さず「寶貴的」を「高い」と訳したために14歳のフィッシュルが絶倫であることを誇っているかのようなキケンな文章になってしまった。
現在は「皇女であるわたくしの時間は高いわよ。あなたたちのような者に使うなんて…」と修正されている。
師匠にはモンド在住の「敵にして友」の故人がいる。
师父在蒙德有一位亦敌亦友的故人(師匠にはモンド在住の敵でもあり味方でもある旧友がいる。)
Her teacher has an erstwhile rival-friend in Mondstadt(彼女の師匠にはモンド在住の古いライバル/友がいる。)
モナのキャラクターストーリー1のテキスト。
日本語と中国語で意味の異なる「故人」を訳さずにおいた結果、モナの師匠の旧友アリスが亡くなったことになってしまった。
最強と謳われた魔神は倒された。
不可一世的魔神也会被击败(当代に並ぶものがないとうぬぼれた魔神も倒された)
the self-serving god was defeated(独りよがりな神は倒された)
冒険者ロアルドの日誌第8巻の一文。
中国語で「不可一世」とは「当代に並ぶものがないとうぬぼれること⇒傲慢」を意味する言葉だが、直訳された結果、真逆の意味になってしまった。
夕暮れの色と特殊な香りが特徴。
有着奇异的香甜气味,能让人精神百倍。
It has a curious, sweet aroma and is able to energize an individual.
夕暮れの実の説明文。「能让人精神百倍」(人を元気にさせる)の部分が抜けている。
時間軸関連
「千年前」
ゲーム内で「千年前」の歴史が語られることがあるが、この「千年」は具体的な年数を指すとは限らない。中国語の「千年」には「非常に長い年月」「永久」といった用法もあり、原神ではこの意味で使われることが多い。
日本語で考えるなら、「千歳」「千代」といった言葉を連想するとわかりやすい。
問題は上記のような意味は現代日本語の「千年」という単語からはほぼ失われているにもかかわらず、中国語のまま「千年」と訳されてしまっていること。これにより「1000年前」と理解すると時系列が噛み合わないため、混乱する場面がいくつか発生してしまっている。
他言語版と照らし合わせても正確に意味を読み取ることが難しく、文脈から判断する必要がある。
キングデシェレト文明が滅んだのはいつ?
あれは千年も前の出来事——あの愚かな神王が、砂嵐で滅んだ後の時代に起きたこと。
那是千年前的旧事,发生于愚妄神王消堙沙暴之后的时代,
This story takes place thousands of years ago, in an era after the foolish God-King was buried by the sandstorms.
武器「サイフォスの月明り」
太威儀盤が作られたのはいつ?
千年前、仙人は悪獣を封印するため法宝を作った。後に人間の友を作ると、法器に用いるため法宝をその者に譲った。
千年前,仙家制作法宝以封印恶兽,后结交凡人知己,便将法宝交由知己,作法器用。
Millennia ago, an adeptus made a magic device to seal away evil monsters. Later, he made good friends with a human, and gave the device to him to use as a catalyst.
魔神任務間章第二幕険路怪跡
500年前、鳴海栖霞真君は夜蘭の先祖に太威儀盤を譲った。その際に上記の逸話が書かれた古書を参照しているため、太威儀盤が作られたのは500年以上前。
古書には、山に大きな災いが降りかかった時に、人間と仙人が太威儀盤を使って妖魔を退治したことも書かれている。
帰離原に集落が作られたのはいつ?
千年前 人々は平野に集落を作り
千年前古人扩建城市
イベント「韶光撫月」のムービー「世にある至味」
帰離原が滅んだのは魔神戦争中。
螭が討伐されたのはいつ?
長老曰く、千年前にモラクスが璃月に害をもたらした螭を鎮めたらしい。
长老说,千年以前,摩拉克斯镇服为害璃月的螭兽,
An elder said that thousands of years ago, Morax defeated the sea serpent and brought peace back to Liyue.
書籍「冒険者ロアルドの日誌」
古き時代に、軽策荘は螭に侵された。それが鎮められてから既に数千年も経っている。
古时,轻策庄曾受到螭的侵扰,平定至今已有数千年。
イベント「華々しき流年」の鍾離の台詞
海外版との比較
英語版の独自設定
原神の日本語訳はこのテキストの分量のゲームとしては相当に精度が高く、また中国語版の設定に即した翻訳になっている。誤訳かそうではないか、という程度のレベルで翻訳を論じることができるのはそのためである。一方で、原神の英語訳は日本語訳・韓国語訳に比べて独特な翻訳ルールを用いており、「魔神」「天理」「摩耗」といったストーリーの根幹に関わる設定の部分からして、原文の中国語版との間に大きな違いが生じている。そのため、英語訳のテキストはもはや誤訳というよりは独自の設定として解釈した方が適切と思われる用語体系となっている。
以下は原典の中国語版(および日本語版・韓国語版)には存在するが、英語版には存在しない、もしくは目立たない用語である。
- 魔神
- 日本語版(および原文)では神を指す用語が3種類存在する。
- 魔神:おおよそ魔神戦争中に活躍し、17世紀の魔術書『ゴエティア』に記載される72柱の大悪魔の名前を持つ神に使われる。
- 神:おおよそゴエティアの悪魔の名前以外の神や、魔神戦争終結後に七神として俗世を治める元魔神に対して使われるが、魔神と同義語として使われることもある。
- 執政:七神の言い換えとして「俗世の七執政」(原文では「尘世七执政」(塵世七執政))という用語がある。
- これが英語版では魔神に相当する語が消されて、archonとgodの2種類しか存在せず、またこれらの訳語も中国語版の概念と一対一で対応しない。
- archon:アーコン。魔神戦争後にテイワットを治める七神のこと。古代ギリシアのアルコーンに由来し、「執政官」を意味する語。グノーシス主義の用語「アルコーン」としては、真の神々であるアイオーンたちに代わり俗世を執政として治める偽の神々を指す。archon=執政は前述の通り中国語版・日本語版でも一応存在はする表現だが、これらの言語版では使用例がかなり稀なのに対し、英語版では七神を指すときに積極的に用いられる。風神=Anemo Archon(「風元素の執政」)等。
- god:七神を含めた神・魔神全般。
- ちなみに魔神戦争は英語版では"Archon War"つまり「執政戦争」だが、執政はあくまでこの戦争の勝利者である七神に限られるので、「執政同士の戦い」ではなく「執政の地位をかけた戦い」という意味だと思われる。
- バージョン1.3以前は、魔神戦争終結前の神にもarchonという言葉が使われることがあったが、1.3以降のテキスト修正でそれらはおおむねgodに変更された。ただし例外は存在し、現バージョンでもデカラビアン(ウェンティ以前にモンドを治めていた魔神)の称号「風神」がAnemo Archonのままになっている。これを考えると、七国を統治している神というより、七つの元素の支配権を得た神をarchonと表現している可能性もある。
- 上記のほか、英語版では「魔神」が位の高い称号で訳されることもある。オセルの異名「漩涡之魔神」(渦の魔神)→Overlord of the Vortex(渦の大君主)、帰終の異名「尘王魔神」(塵王魔神)→Lord of Dust(塵の君)など。
- 日本語版(および原文)では神を指す用語が3種類存在する。
- 天理:中国語原文では「天理」と括弧付きで書かれることが多く、固有名詞であることが日本語訳よりも強調されている。一方、英語版でもthe Heavenly Principles(天の原理)という訳語は存在するものの、サービスイン後しばらくはthe Sustainer of Heavenly Principles(天の原理を保つ者、日本語訳では天理の調停者)などの一部を除き、divine(神)・natural order(自然の摂理)・heaven(天)・destiny(運命)などと基本的に普通名詞で訳されていた。
- この影響で、原文や日本語版では旅人の双子は「天理」なる存在を滅ぼすという具体的な目標を持ってアビス教団を率いているが、英語版の双子は運命に抗う戦い(war with destiny)をしているという印象を与え、また中国語等を理解しない限り「天理」という具体的な存在に気付けないため、英語圏の考察勢を大いに困惑させていた。
- 一方スメール以降、魔神任務等で「天理」の存在が本格的に言及されだしたあたりからはさすがに問題があると判断されたのか、the Heavenly Principlesで統一されつつある。
- 摩耗(中国語版:磨损):原文および日本語訳では括弧でくくられており、テイワット世界に固有の事象を指す用語であることが明確にされているが、英語版では普通名詞として扱われており、特に焦点があたっていない。
- 一例として、鍾離の伝説任務第二章における台詞「或许这就是「天理」加诸我身的「磨损」」(日本語版はほぼ直訳で「もしかするとこれが、「天理」が俺にかけた「摩耗」なのかもな」)が、英語版では"Perhaps this is the erosion imposed on me by the natural order of this world"(「もしかするとこれが、自然の摂理によって俺に課された摩耗なのかもな」)と、あたかも寿命の一般論を述べたかのような台詞になっている。
- 神の○:「神之眼」(神の眼)が"Vision"(視力、洞察力、幻視、予見)、「神之心」(神の心)が"Gnosis"(智慧、神智)と訳されており、この二つのアイテムの関連性が原語よりも明確ではない。
- 原神:英語版でもallogenes(アロジーンズ、グノーシス主義の用語アロゲネース(「異邦人」)から)として用語自体は存在する。ただし、原文や日本語訳では作品のタイトルと用語が一致しているので重要性がわかりやすいのだが、英語版のゲームタイトルはAllogenesではなくGenshin Impactなため、重要性や関連性がわかりにくい。
以下は原典の中国語版(および日本語・韓国語版)には存在しないが、英語版には存在する用語である。
- グノーシス主義:前述のアルコーンやアロゲネースを含め、1世紀~4世紀に地中海諸国で流行した宗教・哲学であるグノーシス主義の用語を用いて翻訳されることが多い。なお、『PASH!』2021年5月号のインタビューで開発スタッフが原神の設定はグノーシス主義に影響を受けていると明言しているため、英語版のグノーシス用語は本社の意向を反映したものであるようだ。
- Irminsul(イルミンスル):古ザクセン語で「偉大なる柱」を意味し、ゲルマン神話で聖樹や世界樹、およびそれを象ったモニュメントなどを指す語。英語版の原神内では世界樹やテイワット各地の秘境にある白い樹、ドラゴンスパインにある冬忍びの樹、地脈の花を咲かせる地中の樹などを指す。日本語訳(や原文)では「銀白の樹」「古樹」などまちまちに言われ、決まった用語が存在しない。
- Kitsune:稲妻のフィールドにいる動物の狐や、狐斎宮・八重神子などの狐娘を包括的に指す英語版の用語で、逆に赤狐(モンドなどにいるリスやフェレットに似ている動物)は指さない。一見変わった用語には見えないのだが、実は英語のkitsuneは日本語の狐と違い、動物のキツネではなく日本的な狐の精霊・妖怪・神のことを指す。日本語では「妖狐」が比較的近い。フィールドにいる動物の中国語版は「狐狸精」(妖狐)ではなく普通に「狐」(中国語ではキツネを指すのは「狐狸」の方が一般的だが、「狐」も日本語とおおよそ意味は同じ)なので、フィールドの狐もkitsune(妖狐)とした英語版はかなりの意訳である。ただし、稲妻の動物のキツネは超常の力を持つ狐斎宮や八重神子らともともと同族だったという言い伝えがあるので、英語版は設定から取った訳語とも言える。
- 日本の魚:釣りで取れる魚が、なぜか日本に多く棲息する魚の日本語そのままになっていることが多い。花鳉(「グッピー」の意味、日本語版でも「グッピー」)→Medaka(メダカ)など。釣りが稲妻と同時実装であることが理由かもしれない。
その他、翻訳による差異
特定の言語において訳や表現が異なる内容
- 任務タイトル
一部任務の英語タイトルが全く異なる場合がある。基本的に日本語は中国語と同じ訳。- 久遠の体との別れ(辞行久远之躯):Farewell, Archaic Lord(古き主との別れ)
- 中国語ではモラクス視点であるのに対し、英語では璃月人の視点になっている。
- 無念無想、泡影を滅す(无念无想,泡影断灭):Stillness, the Sublimation of Shadow(影の理想、静寂)
- 英語では「理想」とされており、また「無念無想」という部分もない。なお英語での影はバアルゼブルを指すEiではなくShadowだが、第三幕のムービーで自身を影(かげ、英訳はShadow)といっているためここでのShadowはバアルゼブルを指していると思われる。
- 千手百目の浮世:千手百眼,天下人间:Omnipresence Over Mortals
- 「伽藍に落ちて(倾落伽蓝)」:Inversion of Genesis(起源の反転)
- 中国語の意味が漢字を使ったダブルミーニングになっており、英訳がほぼ不可能なためか翻訳になっている。(日本語はこの部分が抜けている。詳しくはVer.3.3の誤訳欄。)
- 「千零一杯のコーヒー」:1,001 Cups of Coffee,一千零一杯咖啡(中国語)
- スメールのデイリー任務。千夜一夜物語がネタ元。これの、中国語題は「一千零一夜」。中国語では位の間に0があると零をいれるが、日本語では零はいれない。ニュアンス通りにするなら、千杯一杯のコーヒーが正確と考える。
- 久遠の体との別れ(辞行久远之躯):Farewell, Archaic Lord(古き主との別れ)
- アチーブメントタイトル
- 「それはただの永遠の奴役!」: It's only an eternity of servitude.(ずっとしもべでいるだけさ)(意訳)(いいさ。人に仕えるのは慣れてる。)(吹替版の訳)
- 映画「アラジン」内のジーニーのセリフがネタ元。英語のアチーブメントをそのまんま直訳してしまった。和訳において、普通、It'sは訳さない。奴役(どえき)もまず現代日本で使わない。
- 燃えるダダウパ
- 原題「赫炎的达达乌帕」(赫炎のダダウパ)。日本のアダルトゲーム「赫炎のインガノック」より。原神のすべてのアチーブメントはネタ元があるようにつくられている。したがって、赫炎のダダウパとすべき。
- 名もなき城の過去
- 名もなき城の呼び声
- 中国語で都市を表す城を城と訳してしまったため、ネタ元が完全にわからなくなってしまった。アメリカの作家ラブクラフトの「無名都市」より。無名都市の過去とか無名都市の呼び声としなければならない。
- 「それはただの永遠の奴役!」: It's only an eternity of servitude.(ずっとしもべでいるだけさ)(意訳)(いいさ。人に仕えるのは慣れてる。)(吹替版の訳)
- ディオナの種族
- このゲームでは中国語にも日本語にも存在する単語は翻訳時にそのまま使用されることが多いが、ディオナの紹介文(中国語原文)の「遗传了稀薄的「非人」血统的少女,「猫尾酒馆」的超人气调酒师。」は
実装当時は日本語版でも『稀な「非人」の血統を引いている少女』と表記されていたが、その後「非人類」に変更された経緯がある。
これは日本語の「非人」(ひにん)がいわゆる被差別部落の人々に対し歴史的に用いられた差別語であるからだと思われる。
(ゲーム中ではほとんど「非人類」となっているが、実装前に公開された紹介動画などでは「非人」のままになっている)
日本においてディオナのような(身体的特徴のほとんどを人間のそれと共通している)キャラクターを形容するとき、横断的に「亜人」が多く用いられる。また、特に人間以外の動物の特徴を備えている場合は「獣人」という表現も存在する。中国語の表現に囚われずディオナを見たまま形容するのであれば、日本人にとってはこれらの表現がもっともわかりやすいだろう。
- このゲームでは中国語にも日本語にも存在する単語は翻訳時にそのまま使用されることが多いが、ディオナの紹介文(中国語原文)の「遗传了稀薄的「非人」血统的少女,「猫尾酒馆」的超人气调酒师。」は
- アビス教団と深境螺旋について
- 日:「アビス教団」中:「深淵教團」英:「Abyss Order」
日:「深境螺旋」中:「深境螺旋」英:「Spiral Abyss」 - 日本語版では関係あるのかないのかわからないが、英語版ではハッキリAbyssだと言っている。後者は単なる「深淵」という意味の英単語として使っていると思われるが、こういった紛らわしい単語は通常避けるものである。単なるうっかりかわざとかは不明。
- 日:「アビス教団」中:「深淵教團」英:「Abyss Order」
- タルタリヤの名前
- 日本語版では、魔神任務での初登場時に「タルタリヤだ。『公子』と呼んでいいよ」と名乗っているが、オリジナルの中国語や英語では「公子(Childe)とでも呼んでくれ」としか言っていない。その直後のパイモンとのやり取りが少々不自然なのは、「いきなり出てきたうえに名前も名乗らず変なコードネームで呼ばせようとした」という文脈が失われているのを意訳で取り繕おうとしたからと思われる。
- なぜこのような扱いにしたのかは不明。「タルタリヤ」という名前は本来、伝説任務の終盤で自ら「このタルタリヤが強くなる理由」と話している箇所が初出。したがって、「タルタリヤ、どうする?」といった選択肢もこの時点では旅人は名前を知りようがないため、日本語版にしかない。
- 一方第四章以降はタルタリヤと呼ばれる機会が増えており、原則「公子」と呼んでいたパイモンもタルタリヤ呼びとなっている。一方ヌヴィレットは言語に関わらず「タルタリヤ殿」と名前で呼んでいる。
- スカラマシュ
- 英語版では「散兵」の翻訳がBalladeerになっている。基本的に執行官のコードネームの英訳は中国語に近いものやそれを連想させる単語が多いが、これは全く関係ない
- スカラマシュは第二章、第三章で旅人とパイモンから「散兵」と呼ばれているが、なぜか日本語のみ間章第三幕の序盤では「スカラマシュ」と呼ばれている。(中国語は散兵、英語も散兵に当たるBalladeer呼び)
そもそも執行官が名前で呼ばれる場面自体がほぼ無く、上記のタルタリヤなどわずかな例外があるのみ。劇中でもスカラマシュと名乗ったことは無いため、旅人らがどこで知り得たかは不明。
この幕ではナヒーダは「散兵」呼びで一貫しているが、パイモンはまばらに両方呼んでいる。またパイモンの発音がおかしい。
- 西風の鷹
- モンド初代西風騎士団団長ヴァネッサの称号の一つ。実際漫画版でも、明言はされていないものの、ヴァネッサが天空の島に昇り、鷹の神もしくはそれに近い存在になったかのような描写がある。ところが、神殿などに飾られている「西風の鷹」は外見上は「鷲」である。これは中国語の鷹(簡体字:鹰)は、日本語における鷹も鷲も区別せずタカ科全般の鳥を指すので(ちなみに日本語の鷲は大型のタカ科の鳥、日本語の鷹は小型のタカ科の鳥を指すことが多い)、中国語の語感としては同じ鳥だからであろう。
- 余談だが、英語版では鷹がfalcon(ハヤブサ)と訳されている。中国語の鷹はハヤブサを指すこともあるので字面上は間違いとも言えないが、漫画版の描写や神殿の鳥の彫刻などを見る限り、英語版はどちらかといえば誤訳に近いだろう。
- 11人のファトゥス 第十一位
- タルタリヤのボス戦で名前が出る際の序列表記は、中国語では単に末席と表記される。ただしプロフィール画面での説明文はファデュイ執行官第十一位と表記されている。
- なぜ中国語かつここのみそう表記するのか不明だが、愚人众十一执行官/第十一席となり「十一」の部分が縦に並ぶため、単に見栄えの悪さからこう表記した可能性もある。
- 児姿優風
优风倾姿
放浪者の元素スキル状態名。
「児姿幽風」という言葉を捩ったものだが、原文では児(子供)が傾(傾奇者)になっている。
英語版ではタイトル自体に原文の意味がなく、効果名は単にDescent effect(降下効果)となっている。
文化の違いで訳や表現が異なる内容
- 「凡人」
- 中国語の「凡人」には「神仙に対する世俗の人」という意味合いがあり、神や仙人が多数登場するこのゲームではその用法で使われているシーンが多い。
一方で日本語の凡人は「優れたところのない(どちらかというと劣っている)人」くらいの意味が大きく、全くの誤訳ではないが意味を伝えきれていない。 - 英語では「凡人」は「Mortal」と訳されている。ギリシャ神話などに対ししばしば用いられ、不死の神に対する、「死すべき運命の存在」くらいの意味で、一般に「死すべき人間」などと訳される。中国語の「凡人」とニュアンスが近い。
原神とは直接関係ないが、他のゲームでは「Mortal」を日本語訳するのに「定命者」などの造語が使われることもある。それくらい日本語の「凡人」とは意味がズレている。
- 中国語の「凡人」には「神仙に対する世俗の人」という意味合いがあり、神や仙人が多数登場するこのゲームではその用法で使われているシーンが多い。
- 「璃月城内/城外」
- 中国語の「城」には日本語で言う「城」の他に「都会、町」という意味が含まれている。
城のない璃月では「市内/市外」とでも訳すべきところだが、璃月が中国文化モチーフということもあり、城内と書かれてもそれとなく意味が伝わっているところがあるので、現在のところ修正はされていない。
- 中国語の「城」には日本語で言う「城」の他に「都会、町」という意味が含まれている。
- 妾の後に繰り返すんじゃ。ほれ早く、あーん
第二章第三幕の八重神子のセリフ- 原文:「一ニ三、三二一、啊ー啊ー」
- 「起きて、もう朝だよ」(放浪者のプロフィールボイス)
- 原文:「快醒醒——太阳要晒屁股咯——」*10
- 英語:Rise and shine, sleepyhead, the sun's already in your eyes!
- 韓国語:「얼른 일어나. 해가 중천이야」
- 日本語では優しく起こしている感じだが、中国語では子供を起こすお母さんのようなセリフになっている。声の喋り方も日本語は特別優しくなっているが、他の言語ではそうではない。
- 英語でもことわざになっているが、こちらは中国語と似たような考え方の英語圏のことわざを使う、レベルの高い意訳となっている。
- 韓国語では単に「起きて、太陽が昇っているよ。」のみである。
- 「べーっ」(放浪者の待機ボイス)
- 日本語、中国語、韓国語は煽るようなあっかんべー
- 英語のみ舌を出しながら唾を飛ばしている
- これは翻訳というより文化的な違いからくる差である。ただし共通して小学生ぐらいの子供がやるようなことであり、かなり失礼であることは変わらない。
- 「行ってらっしゃい」(リオセスリの元素爆発使用時の台詞)
- 原文(一路顺风)、英語(Have a safe trip)共に意味は「良い旅を」「道中ご安全に」。長い旅路に出かける人への安全を祈願するための言葉である。軽い挨拶として使う場合の「行ってらっしゃい」とはニュアンスがやや異なるか。
なお、日本語の「行ってらっしゃい」は中国語・英語共に適訳が存在せず、シチュエーションごとに言い方を分ける。 - ちなみに胡桃の元素爆発使用時の台詞「いってらっしゃい!」は原文では「吃饱喝饱, 一路走好(たくさん飲んで食べて、無事にあの世に辿り着いてね」という全く異なる意味である。
- 原文(一路顺风)、英語(Have a safe trip)共に意味は「良い旅を」「道中ご安全に」。長い旅路に出かける人への安全を祈願するための言葉である。軽い挨拶として使う場合の「行ってらっしゃい」とはニュアンスがやや異なるか。
- 猫にモラ(伝説任務「頌歌者の章」のフリーナのセリフ)
- 原文:对牛弹琴→牛に向かって琴を弾く*11
- 英語:pearls before swine→豚に真珠(を投げ入れる)
- パイモンに煽られたフリーナが反撃に使ったことわざ、どれもほぼ同じ意味で文化の違いを感じられる。ただし日本語版だけは「猫に小判」をもじったことわざとなっている。
- ほぼ全ての言語においてその国の同様のことわざや比喩表現が用いられているため興味が有れば調べてみると良い。
- それに対して日本語版パイモンは「猫じゃなくて、パイモンだぞ!」と返しているがそれも言語ごとに例えられた動物(物)に置き換えられた内容となっている。
言語による表示の差
- 執行官の登場カット
中国語と日本語では漢字2文字のコードネームが大きく表示されるが、他の言語ではカタカナ表記に当たる表記が大きく表示されている。また中国語、日本語、韓国語はカタカナ表記に当たる部分が上に表示されるのに対し、それ以外の言語では原則下に表示される。
中国語と韓国語ではカタカナ表記にあたる部分を英語表記している。韓国語は稲妻まで省略していたがスメール以降で英語表記が追加された。
翻訳の変更
- 愚人衆→ファデュイ
Ver1.1頃まで中国語同様に愚人衆と書いてファデュイと読んでいたが、カタカナのファデュイに変更された。
魔神任務序章などは修正されているが、公式漫画や当時のツイート、一部の初期実装任務にはこの表記が残っている。 - 丘丘人→ヒルチャール
ファデュイ同様に中国語の漢字を使っていたものが英語読みのカタカナに変更された。基本的にCBT期間中に実装・公開された範囲がこの訳。 - 道化ペドロリーノ→ピエロ
- スネージナヤの執行官。
Ver.1.1実装のタルタリヤストーリー内では「ペドロリーノ」と呼称されていたが、Ver.1.5時点で「『道化』」に直され、その後出た他の記述では「ピエロ」表記になっていた。
- スネージナヤの執行官。
- スメール固有名詞に長音符の追加
- Ver.3.0で登場した「マハールッカデヴァタ」「ガンダルヴァ村」がそれぞれVer.3.1で「マハールッカデヴァータ」「ガンダルヴァー村」に変更された。
- スカーレットキング→キングデシェレト
- 中国語の「赤王」に対応。Ver.3.0の時点で「キングデシェレト」という表記は一切無く、「スカーレットキング」のみであったが、Ver.3.1の予告動画でキングデシェレト(スカーレットキング)という表記が登場。
そのままVer.3.1でゲーム内でも全てのテキストが「キングデシェレト」に変更され統一されたが、ボイス付きのセリフは「キングデシェレト」とルビが付き、「スカーレットキング」と読まれている。
Ver.3.2以降では全ての文章とボイスが「キングデシェレト」に修正・統一された。世界が…スカーレットキングを…忘れて… - 雑談掲示板での投稿では、中国語の「赤」に込められたニュアンスを各国語版で表現し直すためだったのではないかと考察されている。
現代の中国語において赤色を表す文字は「紅」であり、「赤」の文字はむしろ日本でいう「赤の他人」「赤裸々」といった「何もない」という意味で使われる文字である。
そのため、中国国内では「赤王」が「何もない不毛の土地(=砂漠)の王」の意味合いが伝わるネーミングとなっている。
一方で日本語や英語の「スカーレット」は元を辿ればペルシア語由来の言葉ではあるものの、肝心の「砂漠の王」としての意味合いがかなり弱いものになってしまっていた。
変更後の「デシェレト」は古代エジプト語で「赤の大地(砂漠)」を意味する言葉であり、よりモチーフ元を反映した訳になった、というわけである。
- 中国語の「赤王」に対応。Ver.3.0の時点で「キングデシェレト」という表記は一切無く、「スカーレットキング」のみであったが、Ver.3.1の予告動画でキングデシェレト(スカーレットキング)という表記が登場。
- 流浪者→放浪者
- 華館夢醒形骸記のテキスト。Ver.2.3実装当時は流浪者という代名詞だったが、放浪者の実装に合わせて全て放浪者に変更された。(中国語ではキャラ名も原文も流浪者)
- 執行官の名前表示
- タルタリヤ、スカラマシュはそれぞれダイアログ上の表示がカタカナ表記、「淑女」、「博士」は漢字表記となっていたが、Ver.4.0で修正され全員漢字表記となった。中国語版は元々漢字表記だが、英語版も日本語と同様の表記から修正された。
- 「シュナイツェビッチ」「シュナイツェフナ」→「スネージヴィッチ」「スネージヴナ」
- 壁炉の家出身者の姓。
男性はシュナイツェビッチ(Snezhevich)、女性はシュナイツェフナ(Snezhevna)だったが、
Ver.4.2で魔神任務に「グルント・スネージヴィッチ」というキャラが登場し、既存の文章も「スネージヴィッチ」「スネージヴナ」に変更された。
ちなみに英訳も変更されており、Ver.2.4の初登場時はそれぞれ「Schneitzevich」「Schneitzevna」だったが、Ver.2.6で現在の表記になった。
- 壁炉の家出身者の姓。
- 宝石アイテム説明文の口調
- 宝石アイテムの説明文は七神の口調に合わせたものになっているが、雷以降は各国実装の直前にテキスト修正が行われている。同時に口調もその神に合わせたものに変更されている。
例:吾→僕(澄明なラピスラズリ)
- 宝石アイテムの説明文は七神の口調に合わせたものになっているが、雷以降は各国実装の直前にテキスト修正が行われている。同時に口調もその神に合わせたものに変更されている。
誤訳と間違われがちな要素
- 「純潔な人形」
- 原文: 纯洁的人偶(純潔な人形)
- 魔神任務間章第三幕の博士のセリフ。インパクトのある発言のため誤訳と思われがちだが、原文でも一言一句違わず純潔な人形と言っている。
なお「純潔」という言葉には①心に穢れがなく清らかなこと。邪念や欲念がなく、心の潔白なこと。②性的に無垢なこと。の二つの意味があり、博士の発言は①の意味であることが話の流れから読み取れる。
- ヒステリック
- 原文:歇斯底里(ヒステリー)
- ナヒーダの立ち絵でのヌヴィレットによるフリーナの評価。実際の性格と異なるため暫し誤訳と言われるが誤訳ではない。
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