各話メモ/ハニーウィッチ・ユーフォリア

Last-modified: 2021-07-25 (日) 23:55:52

第1話「私のものになりなさい」

  • 「封印完了。遺物の再定義を実行。命名、『邪石の槍』、『孤犬の爪』、『天糸の鎌』、『翼王の大剣』」
    元となった魔獣の性質を残した武器になっている
    「遺物の再定義」ということは・・・?
  • 聖神ユネクティア
    ユネクティアは、『幻想再帰のアリュージョニスト』(以下『幻ア』)の登場人物
    そちらでも神格化もされていたので、ほぼ神のようなものだった
  • 世界の存亡を巡って争う生物種は大きく分けて四つ。
    魔人(ロマンカインド)』と『魔獣(ビースト)』の関係と『貴族(ブルーブラッド)』と『亜人(デミヒューマン)』の関係が酷似している
  • 文明社会を滅ぼさんとする邪悪の化身『魔人(ロマンカインド)
    ロマンカインドは『幻ア』での人類、知的種族だと認められている種族の総称
  • 頼りない盾ひとつを持たされて矢面に立たされていた『自走障壁』は魔獣の爪に引き裂かれて屍の山を築いている。
  • 爆薬を持たされて突撃を命じられた『突撃爆雷』たちは大した成果も上げられずに焼け焦げた姿で捨て置かれている。
    • それらの耳は、棺の少女と同じように長かった。

Wikipedia>刺突爆雷
Wikipedia>鉄血勤皇隊
Wikipedia>特別攻撃隊
Wikipedia>自爆テロ
電撃文庫>書籍情報>86―エイティシックス―
Wikipedia>被差別民

第2話「悲願なんですよ、私たちにとって」

  • 呪われたハウレン・レルム
    『祈る神の名を知らず。願う心の形も見えず、それでも月は夜空に昇る』(以下『いの月』)のヒロインの一人が、ミード・ハウレン・リーヴァリオン
  • 邪悪な妖魔(ダークエルフ)め、一族に伝わる名剣フウィルドスリングの一撃を喰らうがいい!
    Wikipedia>ダークエルフ
  • 五本指のイチジクの葉
    イチジクの葉は、禁忌を犯して楽園を追放されたアダムとイヴが、初めて作った服の素材でもある
    Wikipedia>イチジク
  • 『イヴァルアートの守り宮を目指せ。『根』に隠された茸の環を潜り抜けた先、封じられた『神々の墓所』に私たちの求める希望がある。命なき地の底にて待つ』
  • 貴族と亜人。魔人という共通の敵に立ち向かう仲間でありながら、その立場は対等ではない。
  • そして亜人の中でさえ、格差は厳然として存在する。
  • このサイクルにおいて大いなる聖樹から生まれた最後の王族は私。
    サイクル=一巡りする周期
    エルフの暦において、一年もしくはそれ以上の単位だと思われる
  • 矮人たちの反乱と魔獣の襲撃。
  • ありえないはずの異変が全く無関係に、同時に発生するなどあり得るのだろうか。

第3話「私のこと、嫌いになった?」

  • 当初から妖精との戦いを繰り広げていた『スペアミントの旗』の横に紋章の異なる五つの旗が並ぶようになってから数百年の歳月が流れている。
  • だってあいつ、『咎人』と同じ血に塗れた呪いの子なんだから。
    『いの月』に登場する生徒会執行部二年、副会長ミード・ハウレン・リーヴァリオンのこと
    彼女は、妖精たちにとっての史上最悪の悪人『咎人』と同じく貴族と妖精のハーフであるため、嫌われている
  • 末っ子は偉大なる聖樹、森神リーヴァリオンに祝福された命。
    『幻ア』にて暗躍している超越者、神のような存在もリーヴァリオン
    ちなみに、『いの月』に登場するドーパ・プロタゴニストは、ミードの「弟」を自称しているので……
  • 調停者の娘だかなんだか知らないけど、栄えある六方家の後妻に貴族女なんかを迎え入れて!
    貴族と亜人の結婚も行われている
  • 『祝福の末妹姫』として愛されるのはメリッサ。そのはずだった。
    『幻ア』でその座が争われている「キュトスの末妹」を想起させる称号
    ゆらぎの神話百科>未知なる末妹
  • 血脈の流れはそれぞれ違えど、聖樹に選ばれ魂を果実に宿して生まれてきた兄弟姉妹。
    メリッサたちは、植物から果実として産まれてくる種族であるということ
    『十二国記』などにも同様の誕生の設定がある
    ピクシブ百科事典>十二国記
  • 『誓いの両翼』となった者たちが森に祈り、聞き届けられた生誕の願いは『魂の果実(リーヴ)』として聖樹の枝に実る。
    Wikipedia>リーヴ
  • 「でもね、だからといって捨て鉢になってはいけない。絶望は毒。諦めは病。邪悪とは、『正しくなくても構わない』という妥協から生まれる。私たちには理性と知恵がある。排除と攻撃から始めるのは獣の行い。あなたは違う。そうでしょうメリッサ?」
  • 『わずかな差があるとはいえ年齢は同じなのだから二人とも末っ子と言える』という主張を認めさせ、相互不干渉という名の仲直りを果たした。
  • それ以来、『横並びの末っ子』とは会っていない。
  • にもかかわらずメリッサは一方的に相手側の近況をうっすらと把握していた。
    • 知らぬ間に母親同士が仲良くなっていて、遠方から送られてくる手紙の内容を何かにつけて話していくせいだ。
      母親同士、貴族と妖精の交友関係の成立
      それは、価値観や文化の伝播をも意味していた・・・・・・・・
  • 古い神秘の大半は忘却され、亜人はかつての力を失った。
  • しかし妖精族だけは神秘の力が満ちた森から直接生まれることで魔女の秘儀を継承し続けてきた。
    • 穢れなき乙女の戦士団『魔女の軍勢』が妖精郷の滅びをすんでのところで食い止め、曲がりなりにも六大国との休戦協定が成立しているのは、貴族たちが総力戦で勝利したとしても失うものの方が多いからである。
  • 森の神の祝福と親和性のあるロスプ・レルムを離れれば、彼女の力は半減してしまう。
  • 森の木々などを集めて祭具を作り、儀式を行ってじっくりと『場を染める』ことができれば一時的にメリッサが全力で戦えるレルムを構築できるが、今そんな余裕はない。
  • 私の指輪に隠れてればいいよ。
  • 知ってるでしょ、古い『贈り物(ギフト)』だから、エンブラくらいの大きさなら中に隠せるんだよ
    遺物ではないが、まるで遺物のように不思議な力を持つアイテムが存在する

第4話「貴族を殺せる力を与えてやる」

  • 汎暦1000年、人類は緩やかに衰退していた。
  • かつて人の手にあった古き神秘は失われつつあり、千年前に敗北を喫したはずの邪神の軍勢は
    邪神への勝利から、汎歴の暦は始まっている
    Wikipedia>斜陽
  • 毒針部隊(イエロージャケット)
    ザンスカール帝国の部隊やMARVELコミックの登場人物『アントマン』の別名義でもあるが、たぶん元ネタは蜂の体色とアメリカ陸軍特殊部隊群(グリーンベレー)
    Wikipedia>アメリカ陸軍特殊部隊群
  • 青肌族(ブルージーンズッ)
    『幻想再帰のアリュージョニスト』では、海底人とも揶揄される青肌の新人類(遺伝子改造済み)のこと
    gene(ジーン)=遺伝子と jeans=ジーンズをかけている
    ジーンズは労働着の象徴でもあり、ときにアメリカの労働者や反抗的な若者の代名詞とされることもあるので、そちらのイメージもあるかも?
    Wikipedia>ジーンズ>米国
  • そうして、貴族の息がかかった従卒亜人たちはロスプ領の治安を守る名目で実質的な支配者として振る舞うことになるだろう。
  • 安全のためにロスプ家の王族たちにはしばらく避難生活を送ってもらう必要があるが、それは必要な措置なのだ。
    実質的な領地の乗っ取りである
  • あの、お願いなのですが、この森の枝をお守りがわりに持って行ってもいいでしょうか? あとできれば学院に到着してから儀式を行うことを許可して欲しいです。
    前話で危惧していたように、メリッサは故郷の森から遠ざかると力が弱まる
    そのため、少しでも衰弱を抑えるために儀式や森の枝が必要なのである
  • 他者間の認識上の合意を起点に、言葉で切り分けた『具象化した魂の呪縛』
    おそらく、アリュージョニストで言うところの異獣化と同じ仕組み
    メカニズムというより、カースニズム
    『いの月』で言うところの『名付け』を集団で行って、対象とした魂の性質を決定するものだと思われる
    魔獣がユング心理学のイデアで分類されるのも、おそらく同様の仕組みであり、分かりやすい形にすることで戦いやすくしている
    Wikipedia>命名
    Wikipedia>社会的スティグマ
    Wikipedia>ラベリング理論
  • 鉄床(アンビル)である
    • 幾つかの穴があるタイプで、蜂の巣にたとえられることもある道具だ。
      Wikipedia>金床
  • 『鍛鉄の工廠』
    Weblio辞書>工廠
  • ワインレッドのドレスを身にまとった妖艶な女だった。
    • ユーネクタの好みではないが、男であれば誰もが涎を垂らすであろう豊満な肉体が湿った色気を醸し出している。
      「豊満な」女性はユーネクタのタイプではない
  • 位置関係が逆であれば濃密な血の匂いがしたはずだ。
    ユーネクタは女性の風上にいるので、匂いが飛んで来ないのである
  • 人類の敵、その名は&rubyロマンカインド){魔人族};。
    『幻ア』では、人類と書いて「ロマンカインド」とルビが振られていた(四章、幕間『死人の森の父』など)
  • その魂が内包する邪神の魔力によって汚染されたが最後、人は『従僕』と成り果てる
    • ああなってはもう手遅れだ
      こちらの仕組みも、魔獣を従える人類側の契約術と酷似している
  • 「解放、『爽快感』」
    • 背後から投射した槍は二本。スキー板のように足を乗せて飛翔する。
      すっきり
  • 「解放っ、『思いやり』!」
    重い槍
  • 心を惑わし、魂を汚染するために『心の深層』を反映した『魅力的な恋人』を演じるのだ。
  • 「あははっ、やだ~おねーさんってば恥ずかしい~。こーんなちっちゃな子にいじめられたいんだ~? 
  • ざーこざーこ!
    ピクシブ百科事典>メスガキ
    なお、『小説家になろう』の感想欄にて、作者よりサキュバスについての裏設定が開示されている(夢を壊されたくない人は見ないこと)
  • 「やだ~、必死になっちゃってウケる~。深層意識では負けたいって思ってるくせに~。よわよわでドマゾなおねーさんは、嫌いなはずの魔人族に屈服したい変態貴族~!」
  • 「言いがかりです。顔はともかく、品が無くて好みじゃありません。あなたの心理探査が下手なだけでしょう」
  • 「唸れ、『探索猟犬(バドバラム)』」
    バドバラムは、『いの月』にも少しだけ登場する神
    「墓掘りの痩せ犬」と呼ばれる
    Wikipedia>パラベラム
    「バド」は、『フランダースの犬』のパトラッシュから?
    Wikipedia>フランダースの犬
  • 大丈夫ですよ、と軽く肩に手を置いて先ほどの夢魔を思い出す。
    • 「やはり言いがかりでしたね」
      つまりユーネクタの好みのタイプは・・・
  • 顔面を強打されたジュネが猛烈な勢いで外に放り出されていった。

第5話「魔人になるくらいなら、貴族の奴隷にでもなった方がまだまし!」

  • 「どの道、拒否権はない。これはあの方とお前に与えられた宿命なのだ」
  • 否、自分は既にこの匂いを嗅いだことで、形のない邪悪な力によって既に魂を鷲掴みにされているのだ。
  • 光に焦がれて腕を伸ばし、全てを闇に引きずり込まんとする盲目の暗黒神。
  • 邪神レザが司る『忌まわしき夢想』が実体化した『闇の遺物』。
  • 「離して! いや、やめてよ! 誰か助けて、お姉さま、お姉さま!」
  • 必死に叫ぶメリッサに、何がおかしいのか人狼は大笑いする。とうとう捕まえておくことさえ忘れた獣の魔人は腹を抱えて身を捩り始めた。
  • 「おいおい、ちょ、ちょっと待ってくれ。ツボに入っちまった。お前、それはいくらなんでも面白すぎてズルいぜ」
  • 通常、封術とは数人がかりで『方呪』と呼ばれる陣形を作ってから行われる。
  • 本来なら神秘とはとらえがたいもの。
  • 曖昧で、儚く、その定義すら見る者によって千差万別に分かれる幻想の力である。
  • それを複数人の『視座と認識』によって固定化するのが『方呪』であり、そうやって『名付けられた神秘』を定義してはじめて封印が可能になる。
  • しかし方呪によって神秘を固定・封印し、新たな遺物として再定義するのには膨大な精神力と繊細な集中力が求められる。
  • それを瞬時に、それも戦闘中に高速で実行し続けることが果たしてできるものだろうか?
  • ユーネクタの後ろの地面から生えてきたのは並みの大樹よりも遥かに太く、見上げるように巨大な石の柱だった。
    • その周囲にはおびただしい数の文字が刻まれており、その数は時間の経過と共に増大し続けているように見えた。
    • 『墓』とは本来なら理解できない死というものを分かりやすく象った標だ。
    • だとすれば、あれはいったい何の墓標で、何の死だというのだろう。
  • 私は死なない。私は死なない。私は死なない!
    水瀬葉月『ぼくと魔女式アポカリプス』のオマージュ?
  • 「妖精郷が隠している不老長寿の秘薬。王族のみが口にすることを許された特別な神秘について教えなさい」
  • 森の『深域』に神話の時代から存在し続けている伝説の大魔女、『蜂蜜六方呪(ハニカム)の魔女』というのは『不死の蜂蜜』を手にした亜神たちなんでしょう?
    コトバンク>ハニカム
  • 秘薬の場所は? 製法は? 『深域』への道は? 
  • ロスプ家の地下に隠していたものをどこに移動させたの?
  • 人狼の一撃はジュネの顔に致命的な打撃を与えているように見えた。
  • あれで死んでいないのはおかしくないだろうか?
  • あるいは、死についての常識が通用しないユーネクタと同じようにジュネにも何か常識外の部分があるのかもしれない。

第6話「私があなたに求めるのは、従属だけです」

  • スペアミント家の人間にだけは悟られてはならない。
    • 妖精郷の危うい均衡は、『古き神秘を操る魔女』の存在によって保たれている。
    • だから油断してはならない。
    • この女に気を許すこと事態が間違っている。
  • 私たち貴族もあなたたち亜人も、すべての人類は未来のために魔人族と戦う使命があります。この戦いの構図は千年以上も前から続いてきました。しかし、本当にこれからもそうなのでしょうか。私
    ユーネクタは、将来的に、「魔人VS人類」の対立構造が、本格的に「貴族VS亜人」に変化することを警戒している
  • ユーネクタは、メリッサが知るどの妖精よりも『妖精的な容姿』だった。
    • 屈辱的なことに。
  • 「私、夢でも見ているのかしら? 『花穂(かすい)の君』がどうして下の層に?」
    有名人が優雅なイメージの二つ名で呼ばれるのは、女子校もの定番の風習
  • それ以上に目を引くのは制服の上の青い羽織だ。
  • 東大陸の最前線、コンティーニュ共和国
    フランスの正式名称もフランス共和国であるし、フランスをモデルにした国であるのは間違いなさそう
    Wikipedia>フランス
  • 『祝祭』
  • 『花束の祝福』
    女子校ものでは、『姉妹』の関係が構築されることが儀式的に扱われることはよくある
    この『花園』では、『祝祭』という祭典の時期に『姉妹』が産まれることが一般的であり、その際に周囲の人々から『花束の祝福』というものを受けてその関係が公認される慣習となっているようだ
  • 共同開拓国という歪な政体は元からこの地に根ざしていた軍閥貴族(ウォーロード)スペアミント家と、その救援という形で送り込まれた同盟五国の『総督』たちによる合議で成立している。
    コトバンク>軍閥
  • セリンは大陸北端で覇を唱える黎明帝国の『副王』たる指揮公の娘だった。
  • ユネクト聖教の祈りと共に交わされる『姉妹』の契りは神聖なもの
    • 『聖教の祝福を受けた姉妹』になれば政治的・宗教的な意味が生まれてしまう
  • 倭黒猩々(パン)と呼ばれるこの奇妙な魔獣が遺物を無効化する特殊な魔獣たちの群れを引き連れて『投降』してきたのは昨日のことだった。
  • 「地下の住人。まさかこんな所で会えるなんて」
  • 鉄格子の隙間から手を差し伸べ、小さく何かを呟いて指先に神秘の光を灯した。
  • 「リリー、私は大丈夫。それより、あの子を助けないと」
  • 「私の不用意な行動が原因です。彼に敵意はありません」
    メリッサにも冷たいユーネクタが、なぜか倭黒猩々には優しい

第7話「妖精の生死を定めるのは私であってあなたではない。これは私のものです」

  • 今日のメリッサは様子がおかしい。
    • 薄い毛布をはだけて身を起こし、何故か一枚の葉っぱを眺めていた。
      2話で出てきた姉からのメッセージが書いてあるというイチジクの葉
  • 「エンブラ、聞こえないように返事して? あの昔話、白雪の竜と七つの罪のことだけど」
  • 父に、母に、墓碑に刻まれた無数の名前たちへの罪悪感が募る
  • 「お姉さま。その真実を、ずっと知っていたの? お父様たちも?」
  • 「『北』で何か動きでもあるのか、ここしばらく変異精霊の暴走も頻発しています。『接合体』が絡む異変であれば詳細な調査が必要です。封術士としては精霊の封印を優先したいところですが、魔獣の方に出動要請がかかれば無視もできません」
  • 国の英雄となるべき人間としての振る舞いをユーネクタが捨て去ることはない。
  • たとえそれが、無意味に終わるとしても。
  • 去年の月光祭とかすごかったじゃないですか。
    • ほら、あの空を落とす人とか地面壊す人とか増えまくる人とか、相手の猛攻を全部凌いだ上で華麗に反撃!
      おそらく戦闘する体育祭的なイベント
      あとの記述をみるに、複数の学園の共催によるトーナメント?
      『いの月』には、例に挙げられているうちの一人、増えまくる人が登場する
  • 先輩方は封術院に行ってしまったけれど
    封術士用の上級学校が存在する
  • ユーネクタにとって、約束は自分を自分足らしめる命令だった。
  • 主席の『熊騎士』様からして『己の格に見合わぬ敵とは戦いたくない』と公言して憚らないそうですし
  • そのかわりに勇名を馳せているのが『妖精狩人』である。 
    • 魔獣使い、封術士と並ぶ『三大兵科』のひとつ。
    • 反乱亜人の鎮圧訓練をカリキュラムに組み込んでいる本科の中でも、特に優秀な生徒は『侵攻』『制圧』『殲滅』を目的とした『対妖精戦闘の専門家』として育成される。
  • 血の純度が高ければ接合体に売れるもの
  • こないだの副王会議でも接合体と共和国からの提言を却下してアレの維持を強硬に主張したんでしょ? 突撃爆雷と自走障壁って、悪趣味非効率の極み
  • もっと残酷に苦しめた方がいいのだろうか。
  • スペアミント家の人間としてはそれが正しい行動のはずだが、気が進まない。
    • 嫌悪も憎悪も、自分のことだという実感がない。
  • 憤怒や憎悪は大切な誰かの痛みを想うからこそ大きく膨れ上がる。
  • メリッサの感情の強さは彼女の優しさや思いやりといった人間性の発露なのだろう。
  • 自分は違う。
  • ユーネクタは失望が胸に広がるのを感じた
  • 「妖精郷との協定はあくまでも魔人族との戦いに備えた『休戦』の取り決め。状況が変わればいつでも敵との戦争を再開できます。少なくとも、スペアミント家はそのつもりです。妖精は敵。いずれ必ず根絶やしにする。ただ、その時が今ではないというだけです」
  • 焦がれるだけのアデルには絶対にわからない。ユーネクタに向けられたその熱が、まるで足りていないのだということが。

第8話「泣いてるよ。こんなの、泣かないとダメだよ」

  • 『花園』の最下層にある『開かずの門』の先には神話時代の遺物が眠る。
  • しかしその先に進む方法は誰も知らない。
    • 厳密には、ある時期を境に『鍵』が失われてしまったのだ。
  • かつて、この『花園』で国を割るような内乱が起きたのだという。
    • 亜人の復権を目論む世界最大規模の組織『星幽教団』。
    • その支部はあろうことか封術士の本拠地、その中心に根を張り勢力を広げていた
    • 『園丁』と呼ばれる教団の幹部はイヴァルアートと呼ばれる貴族家の当主で、遡れば古くからこの地に根ざしていた『王家』の血を引いていた。
      メリッサが、姉のアカシアから受け取ったというイチジクの葉のメッセージ
      『イヴァルアートの守り宮を目指せ。『根』に隠された茸の環を潜り抜けた先、封じられた『神々の墓所』に私たちの求める希望がある。命なき地の底にて待つ』(第2話)
      『星幽教団』も『いの月』に出てくる組織
  • 『封術の女王』が星幽教団の幹部であるという事実は世界を震撼させた。
  • 教団と妖精族、それらと手を結んだ王家が何を目論んでいたのかは明らかにされていない。
    • 貴族社会を揺るがすような巨大な陰謀であったということだけが伝えられている。
  • 激戦の果て、盟友であるスペアミントと共にかつての主君の首級を上げたのはフォルクロアだった。
  • 以来、『花園』の管理をフォルクロアが、共同開拓国の調整役にして舵取りである筆頭総督をスペアミントが担うようになった。
  • 王がスペアミントとフォルクロアにも開示していなかった秘密のひとつこそ、『花園』の最奥に存在する『開かずの門』なのである。
  • 誰も訪れない『開かずの門』、閉ざされた大きな扉には巨大な樹が描かれている。
    • 天空を覆うような翼を広げた大樹に、果実と蜂の巣がぶら下がっていた。
  • 貴族にとっての正義とは、『貴族は亜人に優越する支配者である』というユネクト聖教の教えに基づいた信念のことだ。
    • 『劣った亜人を従属させるべし』という教義は世界に秩序をもたらし優れた貴族による善導によって未来は切り開かれる。
  • 認めることは痛みだった。
    • リリーフォリアは、メリッサがそうありたかった姿だ。 
  • 遺物のアイデアだって未発表のものが一杯あって、空飛ぶ遊覧船とか、夢を渡る雲の鳥とか、他の人と身体を交換できる腕輪とか、小さい頃は楽しそうなことばかり話してくれました
  • だってお姉さまの『従属の墓碑』は欠陥遺物だから。
  • 「第一等級遺物『従属の墓碑』。その力は『死という神秘の支配』なんです。死体の軍勢を操り、霊の記憶を読み取る、持ち主を最上の屍操術士ネクロマンサーにする遺物。けれど、問題が二つあったんです」
  • 「千年前に『海の賢者』が創始した『骸の想起』。『死せる神秘』『原初の秘術』『根源主への祈り』、呼び名は多いですけど、いずれも『あの世』と交信する儀式です。共同開拓国ではスペアミント家が得意としています」
    『海の賢者』は、『幻ア』のウルトラマリンを思わせる
    Wikipedia>メメント・モリ
  • 「『貴族式』だよね? 水晶王国の『調停者』とかっていう大貴族が興した流派。精霊を媒介にするんだっけ。ああいう、遺体を動かして兵隊として使うやり方は苦手」
  • 「『魔女式』は違うんですよね?」
    • 「うん。『場』に残留した情報を読み込んで記憶の再生を行うの。『万象の魔女』が妖精郷にもたらした『魂への命令』で『幽霊の構築』をするのが『魔女式』。お葬式で亡くなった人と最後のお話をしたり、人殺しの犯人を見つけたり、自律的に動けるように複雑な『命令』を組み込んで先生役とか職人たちのお手本とかになってもらったりもできるよ」
      『魔女式』は、人工幽霊を作る手法
  • 優れた魔女になるべく修行を積み重ねてきたメリッサの一番の得意分野と言っても過言ではない。
    • 幽霊に自然な会話を行わせる技術はちょっとしたものだという自負があった。
  • 「かつてスペアミント家は『従属の墓碑』で死者の軍勢を率いて妖精郷との決戦に赴き大敗しました。投入した大量の死者が魔女式屍操術によって制御を奪われ、スペアミント家の軍団は内側から崩壊。切り札が致命的な脆弱性を抱えた欠陥品であることが判明した時には既に戦いの趨勢は決していました」
    • 「制御を奪われたって、ああ、遺体に幽霊を憑依させて? そっか。理論上は確かに」
  • ユーネクタは『死』と親和し過ぎている。
  • 歴代の『従属の墓碑』所有者たちもああだったのだろうか。
  • 果たして本当に? 
  • あんな存在がそう何度も生まれるのか?
  • 『爆雷牧場』
    • スペアミント家は『魂の果実(リーヴ)』が実る聖なる樹を保有しています。
    • とても古い時代に盗み出したからか不完全な樹で、生まれてくる妖精には脳がありません。
    • 空洞に爆薬を詰めて突撃を『命令』する
      コトバンク>無脳症
      Wikipedia>無脳症
      無脳症は、脳死と並んで「ヒトの条件とは何か」「その生死を選択するべきか」といった難題の対象
      無脳児の臓器を医療資源として扱おうという動きもある
      また、プリンストン大学のリー・M・シルヴァーなど、脳(前頭葉)を持たない臓器移植用のヒトクローンを作れる可能性を提唱する者もおり、こちらも生命倫理問題の議論の対象となっている
  • 「やめて。それってただの怪談じゃない
    • メリッサの心は恐怖を拒否した。
    • 反射的な忌避感情。この現実を直視してはならない。
    • 死の絶望を間近に感じながら正常でいることなどできない。
  • それがスペアミントの憎悪。
    • 底の見えない恨みと怒り。
  • イヴァルアート王家を上回る武力を誇っていたスペアミント指揮公家は歴史的大敗によって他国に付け入る隙を与えてしまった。
  • 人類連合の名のもとに救援に訪れた諸外国は瞬く間に巨大な城砦都市を築き、共同開拓国という多頭の怪物と成り果てたのだ。
  • 「スペアミント家が屈辱を晴らし汚名を返上するためには、家が衰退する原因になった欠陥遺物がそうではないと証明する必要がある。おじさまはそう考えて、発想を変えたんです。欠陥遺物を使いこなせる人間を育て上げればいいんだと」
  • 「『魔女の軍勢』が一斉に干渉してきたら? 『従属の墓碑』という遺物そのものが屍操術に対して脆弱性を持ってしまっているんです。最初は勝てるかもしれない。けど、屍操術に精通した魔人族と遭遇して、万が一取り逃がして対策を練られたら? 北の帝国や接合体と戦争になったら?」
  • メリッサにはこの少女が好きなのか嫌いなのかがもう判断できない。
    • 彼女を見ていると、色々なことを思い出してしまうし、自分と重ねてしまう。
    • 冷静な判断なんて、とっくに不可能だった
  • 辛く苦しい状況だけど、エンブラとリリーフォリアがいることで救われている。
  • 前向きな話をしたつもりだったのに、どうしてそんなに悲しそうなんだろう。
  • 「泣いてるよ。こんなの、泣かないとダメだよ」

第9話「愛。幸福。友情。絆。未来」

  • 浮遊する光の球体、封術士たちが神秘であると定義し、己の想像力の赴くままに彫り込んでいく前の未分化な『素体』だった
  • 「ええ。採取した毛髪と血液の解析結果が出ました。『開かずの門』は共鳴を示し、より多くの古き神秘を求めている。今こそ『彼方』を目指す時です」
  • 「亜人の王族。こんな単純な鍵で良かったなんて」
  • 聖神ユネクティア。貴族に祝福を与える神。
  • それは、ユーネクタの神などではない。
  • 「私の言っていることが的外れならそう言ってくれ。だがその場合も魔人族の呪い、さもなくば怪しげな妖精魔女がもたらす災いあたりなのだろう?
  • 「本科の主席、アデルは接合体の走狗です。気付いていましたか。彼女は『皮剥ぎの王』で魔獣を纏うのと同時に、何らかの遺物で私たちの反応速度を上回っていました。無声での神秘解放に並列操作。あれは恐らく、ローディッシュの二刀流です」
    ローディッシュアカデミーは、神地接合体の学院
    亜人との混血を良しとする混血派の勢力でもある
  • 純血思想の強い貴族の筆頭であるテジアが力強く頷いたのを認めて、ユーネクタはよりいっそう決意を硬くした。
  • 彼女を信頼している。
  • だからこそ絶対に秘密は明かせない。
  • 友が望む理想的な純血主義者として振る舞うだけだ。
  • たとえそれが、偽りの姿であったとしても。
  • 最後まで貫き通せば、嘘は真実と見分けがつかない。
  • 「近頃は水晶王国でも亜人の尊重と再評価なんていう動きがあってね。
    『いの月』では、その動きの中心人物が登場する
  • 暗黒の王政期を乗り越えた共和国は亜人を重要な『人材』と見なして重用し、功績を上げた者には貴族と同等の地位を与えている。
    天衣を纏い、賛歌と共に舞う亜人たちを偶像騎士(アイドルナイト)と持て囃す軽薄な文化。
  • こういう時のために自動で肉体を操縦する遺物を設定している。
    『アリュージョニスト』における肉体操作アプリ【残心プリセット】を思わせる
  • 花園で過ごす日々の多幸感はユーネクタに人生の意味を与えてくれた。
    多幸感=ユーフォリア
  • 歩き続けた先、いつかの未来で死は待ち構えている。
    • それは約束された結末で、それでも形が無いからこそどうにか人はやっていけている。
  • けれど、ユーネクタにはずっと死が見えていた。
    • 墓碑が、見える。
    • 形ある死。象られた死。ユーネクタにとっての道しるべ。
    • そこには無数の名前が刻まれている。
    • これは『名前』を支配し、従属させる遺物。
    • そして『名前』に支配され、従属させられる遺物だ。
  • 忌まわしい墓碑の頂点に刻まれた名。
  • 『ユーネクタ』という死者の名前が、少女はたまらなく嫌いだった。
    • 誇りある正しい貴族。聖教の教えを体現する命。
    • 墓碑に刻まれた『ユーネクタ』という名前は、そんなふうにして自分の一生を総括するのだろうか。
    • それを思うだけで頭がどうかしそうだった。
  • ちくりと胸を刺す痛みから目をそらして、メリッサは輝かしい未来に辿り着くための計画を練り始めた。

第10話「遅くなってごめんね。すぐに迎えに行くから」

  • 畜産科に潜伏していた獣化者(セリアン)たちによる汚染の拡大。
  • スペアミント家に従っていた矮人(ドワーフ)たちの一斉蜂起。
  • ポーレ家の人食い樹でも狩ったの?」
    三話で名前だけ出てきた『洞窟』のポーレ家
  • 妖精の矢(マジックミサイル)は惰性型魔女の得意技だ。
    惰性型は、神秘特性の一つ
    神秘特性というのは、この世界の人類の根底に刻まれた本質的な気性
    個人ごとの苦痛への対処法を三つに分類したもの
    『いの月』に詳しい解説がある
    たとえその歩みに痛みや代償が伴おうとも、狂気にも似た屍の道が途切れることはない
    要するに我慢しがちで忍耐強い人

神秘特性の元ネタは、おそらくゆらぎの神話掲示板の流転世界【     】スレッドにおける触手の三派
ゆらぎの神話掲示板>流転世界【     】

  • 光矢として放出していた意志力を全て肉体に集中させ、自らの体そのものを一条の矢と化したのだ。
    『幻ア』の四章でも使われた戦法
  • 温室育ちのお嬢様たちを守れないのであれば、本科生がここにいる意味がない。
    本科生が『花園』の周囲にいたのは護衛目的だった
  • 「並列宣名? 初めて見た、ローディッシュの二刀流」
  • ここは妖精郷のレルムでもないのに、神秘の出力が高すぎる。
  • 「出ました! 元型・死せる乙女コレー! え、何? 初めて見た」
    コレー=ペルセポネ=冥界の女王
    ペルセポネは、嫁ぎ先の冥界と実家の現世を行き来する女神であり、死から復活する存在であるとも言える
    Wikipedia>コレー

第11話「罪はね、私たちの心の中にあるんです」

  • スノーホワイト様
    スノーホワイト=白雪姫
  • 天罰ばっかの四つ首の雷竜(クロウサー)とか、世界を真っ二つにしちゃう聖域の白竜(ヒムセプト)
    『幻ア』クロウサーの4つの稲妻『失明』『隷属』『再生』『自由』の4つ?
    『いの月』のヒロインの一人が、レイミア・ゼム・ヒムセプトであり、白竜本人も『いの月』で重要なポジションを占めている
  • 「妖精郷の伝説は嫌い。死ぬの恐いし、六人の不死守りはがっかりだし、蜜蜂の女王はずるっこだし、万象の魔女なんて悪者なんだもん。こんなにダメダメなのに、みんなは私に『立派な蜂蜜の魔女(ハニーウィッチ)を目指して修行しなさい』って言うんだよ? 馬鹿みたい。そんなのどこにもいないし誰もなれないのに!
  • 異邦の神から盗み出した牙や鱗を組み上げて創造したとされる『見立て竜』
    『幻ア』のアレッテを思わせる
  • 「矮人の始まりなら知ってる。山の神様でしょ? 見上げるようなおっきな巨人、星空まで届くディスケイム! 土をこねてエンブラたちを作ったんだよね?」
    ディスケイムも『幻ア』で話題にされる
    Wikipedia>ディスケイム
  • 大陸で一番の技術力によって七王国が栄えるようになったのは、『凍てつく血の雪竜』が山の災いの化身である火竜を鎮めてくれたからなのです」
  • 「私たちの父の父、ずうっと遡った最初の父たちはあるとき夜空から降り注いだ『星』を手に入れました。それは願いを叶える『顕界の火』
    特級遺物『流れ星』、『いの月』に名前が紹介されている
  • 最も力を持っていた赤髭族(ファイアビアド)の『大親方』は巨人や神霊さえ滅ぼすという凄まじい武具を作り上げ、雷鳴の竜の子である晴れの竜と雨の竜を打ち倒し、その血を浴びて真っ赤な火の竜になってしまったのです
    『赤髭族』の環境汚染エピソード?
  • 白雪の竜(スノーホワイト)様は火竜の子供でした。
  • 炎の帝王を名乗る暴君がまだ人であった頃、優れた赤髭族の王として雷竜(クロウサー)白竜(ヒムセプト)から天気を操る角と世界を浄化する鱗を盗み出した彼は、それらを組み合わせて白い雪のような『見立て竜』を作った。彼はその竜を自分の娘として育てました
    Wikipedia>雪だるま
  • スノーホワイト様は私たちを救うため、大きな氷に全ての『顕界の火』を閉じ込めることを決めました。
  • 矮人の救世主は行き過ぎた文明が生み出した罪を背負って長い眠りについたのです。
  • 地の底で火を閉じ込めた氷と共に眠っているだけです。ずうっと私たちを見守ってくれているんですよ。夢の中でだけ、私たちは女王陛下にお会いできるのです」
    『幻ア』のコルセスカを思わせるエピソード
  • 偉大なる『罪の女王』の尊い犠牲に胸を打たれた七氏族の始祖たちは、七つの王国と氏族名に大罪の意味を重ねて戒めとしました。
    新しい七つの大罪
    Wikipedia>七つの大罪>新しい七つの大罪

青肌族→遺伝子改造
硝棺族→人体実験
赤髭族→環境汚染?
黒鎚族→人権侵害?
長歯族→貧困(押し付け)?
鉄貨族→金持ち?
土壺族→薬物?

  • 「一方、変わっていく祖国に馴染めぬ罪深い矮人たちは栄光の七王国を去りました。それが私の祖先。妖精郷まで逃げてきた『古き知恵者』の末裔なのです」
    • 早い話が主流のグラスコフィンから追放されたのだ。
  • パンを取り上げる晴れの竜はもういないし、悪い万象の魔女は封印されてるもん! 
  • 貴族の遺物だって通用しない強い魔獣に、古い神秘を操ったり遺物を使ったりできる魔獣。人と区別がつかない美しい魔獣だっているかもしれません」
  • 罪なんて怖くない。それは妖精郷を守るために仕方なくやったことだ。そうすることで利益があるのなら、誰だって積極的に踏み越えるだろう。
  • 「メリッサ様。罪はね、私たちの心の中にあるんです」
  • 妖精(エルフ)の王女はその意味を理解できなかった。
    • その時は、まだ何もわかっていなかったのだ。

第12話「お姉さまをよろしくね、メリッサ」

  • 「あなたは恐れている。心に作り出した部屋の扉は閉ざされ、鍵は三重にかけられているようだ。自分でも気づかないほど深い所に不安を抱えている。利き手が重いと感じたことがあるんじゃないかな。違うかい? じゃあ背中、それか左足だね」
    Wikipedia>コールドリーディング
  • 第四等級の魔導書『戦奴の秘録』は物理的な破壊力を一切持たないが、先人が積み上げた膨大な数の戦闘経験から敵対する相手の行動を予測するという機能を持っていた
    『幻ア』のサイバーカラテを思わせる機能
  • 書記伯(カンツラー)の令嬢である生徒は真っ赤になりながら混乱したように首を傾げた。それから自分より位の高い貴族が下級貴族(ナイト)を気取って手の甲に口づけている状況に妙な倒錯でも感じたのか、ぞくぞくとした表情になってテジアを熱っぽく見つめる。
  • でもあの猿の魔獣、おかしかったんです。まるで貴族がそうするみたいに、遺物を使っていて。
  • 「魔人や魔獣は『悪夢』と呼ばれる闇の遺物を使いますが、人間社会に潜伏する獣化者も通常の遺物を使います。
    • 負の神秘性、すなわち痛み、病、死、破壊、戦争、災いといった力を宿した『苦痛型』の遺物は彼ら闇の住人と親和性を持つのです。
    • 魔の力を封じて作り出したものですから当然と言えば当然なのですが」
  • 「魔獣との相性の良さから、調教用や支援用に魔獣使いが愛用することが多い遺物でもあります。本科主席が持つ『皮剥ぎの王』を始めとして『懲罰の鞭』や『激痛の荒縄』、わたくしの『苦痛の弓』などが代表的ですわね。非殺傷兵器でもあるので、流血を好まない性格の方が制圧用に使うことも多い遺物です」
  • 「ユーネクタ。まずいかもしれない。おそらくあれは多頭蛇(ヒュドラ)だ」
  • 背後からゆっくりと浮かび上がる葉の玉座と、そこに座す猿の魔獣
  • 蓮華座に座す仏のパロディ
    Wikipedia>蓮華座
  • 親愛なる友よ、血の双子よ、思い出せ。
    • 大いなる我らの主、墓の下で眠る白き獣、夢見る骸の爪と牙を。
    • その唸り声を聞け、そして探せ!
    • 『神々の墓所』にこそ我らの未来がある。
    • 今こそ目覚めの時。
    • 同胞よ、微睡みと倦怠を打ち払い、まことの希望を手にするために立ち上がるのだ。
  • 「ユーネクタ、ユーネクタ! しっかりするんだ! 汚染の波を乗せただけの無意味な鳴き声に耳を貸すな、このままではまずい!」
    テジアには、猿の歌の歌詞が分からない
  • 妖精に攫われる。妖精郷の近くに住む幼子はそう脅されながら育つという。
    単なる偏見なのか、それとも歴史的事実だったのだろうか?
  • スペアミント家に生まれたユーネクタにとって、それは誰より切実な恐怖だった。

第13話「それは愛情じゃない」

  • あは、その感じ、前にあの猿と接触した時と同じ。やっぱりそういうことなんだ。ね、エンブラ」
  • だってさ、心で事象を切り分けるのは人の特権だよ。貴族に限らず亜人にだってできる。『名付け』に独自の解釈も固有の視座もないっておかしくない?
    『幻ア』のトリシューラを思わせる問題提起
  • 「ねえ、猿真似しかできないの? 教えてよ。それとも、祈りの名前もわからない? おかしいね。聖なる神の名を貰っているくらい敬虔な信徒で模範的な貴族なんでしょ?」
    『いの月』のタイトルを思わせるセリフ
  • ある種のお猿さんってね、緊張を緩和して平和な社会を築くために、やらしいことをするんだって
    ボノボは、個体間で緊張が高まると擬似的な交尾行動(マウンティング)、オス同士で尻をつけあう(尻つけ)、メス同士で性皮をこすりつけあう(ホカホカ)などの行動により緊張をほぐす[
    けれど樹木に果実として「なる」一族であるメリッサには、基本的に他人事な行為である
    なので、いくらでも残酷になれる
  • 「パンっていうのはつまり、戦闘用の魔獣としての荒々しい側面と、妖精の奉仕者としての温和な側面、双方を最適なバランスで制御するための改造魔獣の試作品なんだ。より優れた完成品、『罪の仔』を生み出すための準備に過ぎなかった」
  • 「これだけの性能に仕上げるのにどれだけのコストを費やしたの? 色々と犠牲にしたものがあったんじゃない? エンブラが言ってたよ。戦闘向きに神秘適性を高く調整すればするほど寿命が短くなるんだって。ねえ、あとどのくらい余裕があるの? そろそ

ろ限界が近いんじゃない? ちゃんと卒業はできそう、優等生さん?」

  • しかし、マウントポジションを取られているというのにメリッサの表情は余裕のままだ。
  • 「満足? 知ってるかな。それも猿の習性なんだよ? 私よりも優位だって示して支配したいんだ。可愛くて従順なリリーを侍らせて支配しているみたいに」
    Weblio辞書>マウンティング法
  • 敵に対しては冷酷に。味方に対しては温和に。それがロスプ家が仕組んだ遠い昔に定めた絶対の命令
    「あなたはリリーたち貴族とは根本的に違う。品種改良よりもなお罪深く、猿の魔獣を綺麗な形に整えた人もどき。従属するために生まれた改造魔獣。それがスペアミント」
  • それは模造品。集めた記憶と魂の残滓を素材に、屍操術で構築したかりそめのお人形。あなたが命令して喋らせているんですよ、独りで寂しく妄想に閉じこもって!」
  • 「誰のせいでこうなったと思ってる! お前たちが青肌族(ブルージーンズ)を操って硝棺族(グラスコフィン)を扇動した! お前たちさえいなければエンブラは!」

第14話「ざまあみろ」

  • 「第一命令は『突撃爆雷』です。敵陣に突撃し、力尽きるまで戦った後は魂が内包する神秘を暴走させることで自爆します。第二命令は『自走障壁』です。ロスプ家のご主人様の身に危険が迫ればその身を挺して壁となり、命尽きるまでお守りします」
    メリッサが憎んだ「暴虐」な戦法の元祖は、メリッサ自身の祖先だった
  • その性質を考えれば、当初のスペアミント家はイヴァルアート家の使役する戦闘用の使い魔として便利に使われていただけなのだろう。
    • 戦闘に秀でたスペアミント家を矢面に立たせ、封術の秘密を伝承するイヴァルアート家は背後で暗躍するという構図だ。
    • 何のことはない、盗まれた番犬が新たな飼い主に尻尾を振っていたに過ぎない。
  • ところが、ある時イヴァルアート家は亜人との繋がりを暴かれてあっさりと滅ぼされてしまった。後釜にはフォルクロア家が据えられたが、飼い主を失ったスペアミント家の立場は宙に浮いた。
    • フォルクロア家を新たな主人にする道もあったはずだが、リリーフォリアとの関係性を見る限りどうやらそうなってはいないようだ。
  • そもそも私たちの計画は、青肌族の方から持ちかけてきたものでした
  • そんな時、ロスプ家の地下に隠されているという改造魔獣の情報をもたらしたのが青肌族です。一族の命運を賭け、ロスプ家との因縁を終わらせるべく父が青肌族と共同で作り上げた決戦用の個体が私です
  • 「私たちは基本的に貴族や亜人との交配ができません。そのため当時のロスプ家が『品種改良』した聖なる樹によって子供を作ります。元の機能は損なわれていますが、不完全な妖精を産み落とすことも可能です」
  • 「最大で残り一年。あるいは、明日にでも生命活動を停止する可能性があります」
  • 「ねえ。あなた、上にいる猿の魔獣と番つがわされるために生きてきたの?」
  • 「はい。それがお父様の希望。死んでいった同胞たちの悲願。『従属の墓碑』に刻まれた全ての名前たちが叫び続ける生存と幸福を望む意思です」
  • もう片方の歪な形にぶれた輝点はジュネの愛犬だろう。使い魔になると光が歪むのかもしれない。
  • 封術の『種』は常時ユーネクタの体内に保持されている。
  • 深域の不死なる魔女なんていない。『蜂蜜六方呪(ハニカム)の魔女』っていうのは虚構。これが王族だけが知る秘密のみすぼらしい正体ってわけ」
    Wikipedia>欺瞞作戦
  • 「かつて一人の『咎人』が魔女たちの神秘を掠め取り、あなたたち貴族に封術を与えてしまった。千年前には実在していた不死守りの大魔女様たちを一人残らず彼方の世界に封じてしまったのはその裏切者。だからいないの。森の神様と同じように、この世界のどこにも」
    • 「『遺物の父』が、封じた? なら」
      『咎人』または『遺物の父』ドーパ・ハウレンのこと
      彼のより詳しい情報は『いの月』にある
  • 妖魔の崩れた右手は真っ白な骨となって細剣を握り続けている。
  • 屍の手。それは不自然な歪さで妖魔の腕と繋がっていた。すらりとした本人の体躯と比べると少し小さい、別人の骨のようにも見えた。
    『幻ア』のシナモリアキラとルウテトを思わせる特徴
  • 「おねえ、さま。すき、だいすき」
    新しい妹登場!
    (後に超年上だと判明。妹とは)
  • スペアミント家に接触し、ユーネクタに従ってロスプ家を手中に収めんとした矮人たち。彼らが死者だったとでも言うのか。
  • 伝説的な『海の賢者』や『調停者』でさえ
    第8話でのリリーとの会話で出てきた名前
    『海の賢者は』『屍操術』の創始者
    『調停者』は、水晶王国の大貴族で『貴族式』を興した
  • 最盛期には九種ほど存在していたとされる魔人族には、それぞれの大本となった『汚染源流』が存在していた。
    九は『幻ア』など、ゆらぎの神話で重要とされる数
    『いの月』では、「始まりの九柱」あるいは「九柱神」と呼ばれる神も出てくる
  • 『憤怒の妖魔』
    七つの大罪の憤怒相当?

第15話「お姉ちゃんと子供を作りましょう?」

  • 「スペアミント家に取り入った青肌族がいるでしょう? あれはお父さまが送り込んだの」
  • 「あれはロスプ家の策謀。宿敵であるスペアミント家との決着をつけるため、青肌族を使って餌をちらつかせたの。そこの人型魔獣、ユーネクタを創造させたのも計画の一部」
  • 「お父さまは妖精ゲリラから提供された古代魔獣、倭黒猩々(パン)を使ってユーネクタを捕縛し、繁殖させた『量産ユーネクタ』の軍勢で貴族を撃滅する夢を見ていた。ロスプ家の汚点と共に封じられた秘密、長いことがらんどうだった使途不明の地下室の正体を知ったお父さまは大喜び。これで恐るべき仇敵スペアミント家を倒せるぞ、なんて。妖精ゲリラの背後に潜伏魔人の勢力、獣人族がいるとも知らずに」

ロスプ家←(青肌族)←スペアミント家←(妖精ゲリラ)←獣人族(潜伏魔人)の順で謀略を仕掛けていた

  • 「イーディクト様と出会った私は、ある切っ掛けから獣人族と共闘することになったの。そして再誕派の夢魔や奴隷獣人と戦い
    魔人族の中でも、獣人族 VS 夢魔の勢力争いがある
  • たとえ親の愚かしさに絶望していたとしても。私は家族を愛しているから。正しい魔女、善き支配者の血を引く者として、どんな形になろうとも少しでも家族と領民たちを守りたかったの」
    アカシアは、善意で襲撃を計画していた
  • けれどね、どういうわけかお母さまは外の価値観に染まってしまったみたい。
    三話で語られていたミードの母との交流のせい?
  • 「身を隠しながら考えていた。お母さまに使われただけとはいえ、青肌族がロスプ王族に抱く叛意は本物だった。私にずっと付き従ってくれていた忠実な友人は心から私を憎み、殺そうとした。その時こう思ったの。メリッサは、エンブラにとても懐いていたなって。
    メリッサが陥ったのと同じ状況
  • 「メリッサ。愛してる。私の可愛い妹、大事な片割れ。あなたに同じ運命を感じて欲しかった。同じ苦痛を味わってほしかった。同じ絶望で嘆いてほしかった。
  • 追放された罪人たち、居場所のない彼らはそういうふうに生きることしかできなかった。
    ユーネクタとメリッサも居場所がないと感じていた
  • 死者を支配し、従属させる神秘。それは妖魔の世界観を端的に示している。
    『幻ア』の『邪視』では、現実改変は術者の世界観にそって行われる
  • 飛来した刃は鳥のように羽ばたき、宙を渡って鬼火を断ち切る。
    • 弧を描くようにして持ち主の手に戻った自在の刃。
    • それは、何の変哲もない木の枝だった。

      「これなるは『妖精族に伝わる名剣フウィルドスリング』。振れば鉄を砕き、投げれば邪悪を裂いて持ち主の手に戻る。(第二話においてメリッサが放ったキャッチフレーズ)

  • 同じ魂を持つ姉妹は共に支配を望んだ。
  • それが本性なのだと自覚して、死者たちの上に立った。
  • エンブラやユーネクタが抱く憎しみを否定して愛で満たされるために。

第16話「私の嫌いは、間違ってない!」

  • 「誰も現実を直視しない。都合のいい夢ばかり見て、必然の悪夢を忘れようとしてしまう。たとえ苦痛でも、人は与えられた選択肢の中からできることをするしかないのに」
    『いの月』でも同様の対立がある
  • 「それは勘違い。私たちは世界を滅ぼそうとなんてしていない。だってこの世界、もうとっくに終わってるもの。
  • 「誤解よ。私は地表のレルムを一掃して顕界を再誕させるなんて夢魔(ロマンチスト)たちの妄想を否定する。播種派の君主となって魔人勢力を統一し、より現実的な未来を選ぶ」
  • スペアミント家の秘密はずっと忘れられていた。関連する知識が封印されていたからだ。
  • イーディクト・ロスプ・リーヴァリオン。
  • 君主の名前が意味している事実とは、つまり。
  • 万民が協調し富と権力が均衡を保つように再分配されていく。そうできたなら幸福は最大化されるよね? 
    Wikipedia>共産主義
  • 「そこに森の神リーヴァリオンが封じられている! あまたの神話、六方呪の不死守り、取り上げられた不死の蜂蜜(ネクター)さえもが! 絶対の力を手にした私たちは棄族を打倒し、再誕派の夢魔どもを押しのけ、塵世界を捨てて広大な外宇宙に未来を託す!」
    「棄」族というのは貴族の蔑称?
  • 「それだけが私たち夢見人に選べるたったひとつの現実的な道。屍の上に立つ虚構の命は、覚醒して苦痛を直視しなければならない! 悪夢から目を逸らさないで、わからないふりをしようとしないで! この世界は、もう終わってるの!」
  • 現実を見ろと叫ぶアカシアと、そんな現実は見たくないと拒絶するメリッサ。
  • 「妖魔の従僕になり下がるくらいなら、妖精の奴隷にでもなった方がまだましです」
    第5話のタイトルでもあるメリッサのセリフの流用
  • 「ああ、そう。お母さま、これがそうなんだ」
    アカシアは、娘に嫉妬して殺そうとした母の気持ちが、このとき初めて理解できた
  • アカシアがこの場所に現れるよりも前から徐々に染め続けていた闇のレルムが妖魔を利する空間を構築していく。
    アカシアが、やたらと強かった理由
  • 魔女の願いと封術士の認識が重なる。
    • 元を辿ればその起源は同じものだ。
    • 封術士と魔女。封術と屍操術。死を見つめ、生を想う感情の発露。
    • 形のないもの、触れられぬものを象る力。
  • 屹立する巨大な墓碑に新しく名が刻まれる。
    • 『エンブラ』という死の刻印。
    • その記憶と封じた想いを遺物として作り変えていく。
      秘されていた遺物の作成方法
  • 遺物とは墓碑だ。メリッサはそう感じた。
    • 死を象った、生の足跡。
    • 幸福が閉じ込められた檻。透明な壁を隔てて届かない彼方の理想郷。
    • 骸の想起。
      『骸の想起』は、第8話で出てきた屍操術の異称
  • はじめての口づけは死の味がした。
    以下、第1話冒頭部分
  • ユーネクタの胸で輝く烙印に、凄まじい勢いで流れ込んでいく生命力。
  • 契約によってより深くつながった二人だからできることだった。
  • メリッサの命が、死にかけのユーネクタを蘇らせる。
  • 祈る神の名を知らぬ哀れな獣に、願う心の形を示すことができる。
    『いの月』のタイトル
  • 「『善なる命脈(ユーネクタ)』、私はあなたを忘れない!」
    • それは棺の名前。それは死者の墓碑銘。それは眠れる命を呼び覚ます呼びかけ。
    • ロスプ家の魔女にとっての忌避すべき罪。
    • そして、死者を忘れないためにある二人の遺物、その名前。
    • いま、メリッサとユーネクタが支配しているのは死ではない。
    • 名前だ。墓碑に刻まれた、生の証。死を記憶する意思。
      第9話におけるユーネクタの精神的な負荷が、そのまま反転してその生を支える基盤となっている
  • 「あなたは知らなかったのかもしれませんが。クジラに角は生えていませんし、足が四つあったりもしないんですよ?」
    『幻ア』のカッサリオを思わせる姿

第17話「エピローグ」

  • 「価値と意味ですか。神話というより、寓話のようですね」
    最近/品森晶先生が衝動買いした本が、ラリーン・ポールのディストピア小説『蜂の物語』
    amazon>蜂の物語kindle版
    そのものズバリ『蜂の寓話』という本もある
    Wikipeia>蜂の寓話
  • 「二人の時にその呼び方をしないように。極めて不快です」
    つまり、人前ではお姉さまと呼ばせている
  • そして資料に基づいた分析から魔女と封術士が扱う技術の親和性を語った。
    • 二つの力が同質同根のものなら、学ぶための敷居は多少なりとも低くなる、という理屈だ。
  • 「『遺物の父』を除けば『穢れなき乙女のみが使える』という点も一緒です。
  • 『転移門』の方呪は、遠く離れた二点間を繋げる大がかりな神秘であり、遠い昔に失われた技術だ。
    『転移門』は、『幻ア』では、ごく一般的な技術
  • ざーこ
    第4話での夢魔の発言を思わせる悪口
  • かつてイヴァルアート王家が学院を管理していた時代。
    • 妖精の血を鍵として用いた彼らは学生たちを中心に『神秘研究部』と呼ばれる組織を立ち上げて神々が封じられた地を守っていたという。
      『神秘研究部』略して神研は、『いの月』の舞台であるクリスティアル王立大学付属学院にもある
      彼女たちは他校の神研と連携を取りたがっているが、事情があって連携出来ていない
  • そして枝葉の翼を悠々と広げて自由に飛翔する森。
    メリッサたちエルフの神は、『歪み羽の大樹リーヴァリオン』と呼ばれる
  • 「間違いない。雰囲気が『月光祭』の決闘場にそっくり。いえ、そのものです」
    • 「なにそれ。もしかして、同じ『咎人』の仕掛けだからってこと?」
    • 「おそらく。封術士の祖には謎が多いですが、『月光』を異界の門として利用し、ここではないどこかと繋がる大儀式はこの神秘的な世界と通じるものがあります」
  • 「んん、そうなると祭司のハウレン家が何か知ってたりするのかな? 
  • 「何言ってるの。『遺物の父』、っていうか『咎人ドーパ』のやった大罪は神秘の流出や神々の封印じゃないよ。それだってもちろん悪いことだけど、そのあたりは他の『六偉人』だって同じだし。
  • 「妖精郷の六方家はそれぞれが『異界の門』を守る秘密の使命を担っているの。ロスプ(うち)の場合は『森という境界』だけど、ハウレンは『月という境界』だった。よりにもよって、一番遠くの『彼方』に繋がりやすい、世界を歪めかねない方位」
    ドーパ・ハウレンが初めて作り出した遺物の名前が『彼方の枝』
  • 「ドーパは祭司の立場を悪用して、私欲のままに異界から『切り分けられていない未分化の力』を呼び出して好き放題したの。神々すら封じることができたのもその万能の力のおかげ。言い伝えでは、それは九百九十九にも及ぶ『大地と闇の王子』たち。やがて成長して神に至る『巨大な赤子の魂』だって話だよ」
    『いの月』に登場する『落とし子』
    第二の邪神に成長する可能性を持つヤバい赤ちゃん神
    ゆらぎの神話百科事典>大地の中心の九十九騎士
  • 「ドーパは姉のネクターと穢れた肉欲の果てにそれらの子供たちを創造し、最後の千柱目、『呪われた末子』を『新たな主神』として育てようと目論んだ。
    • 下手をすればこの世界全てが書き換えられて滅亡する。
    • 妖精郷は最後の赤子が誕生することだけは阻止できたけど、逃亡したドーパは貴族たちと組んで神々に牙を剥き、全てを封じた。
    • あいつが本当に罪深いのは、魔人族と同じように世界の滅亡と再誕を目指したことだよ」
      第3話で語られた祝福された末子の性質逆転
      goo辞書>再誕
  • 多分、この広い世界に封じられてるのは古い神々だけじゃない。至る所で、ドーパが呼び寄せた『神の雛型』が成長して色々な神秘を育ててるんだよ」
  • 既知の神話。未知の伝承。夢と無意識から漏れ出たイメージは地底から遺跡へと伝わり、遺物という形となって現世に溢れ出る。
  • 剣洗いの精、アストが雌雄一対で愛の舞踏の合間に巨大な枝の剣を浄化する。
    ゆらぎの神話百科事典>剣を洗う者アスト
    アストは『いの月』にも別の姿で登場する
    どうやら、各遺跡の地下でそれぞれルーツを同じくする別個の神が成長しているらしい
  • 墓掘りの痩せ犬、バドバラム
    ジュネの愛犬の名前の出典元
     

第18話「一流の条件は『好き』ってこと」

  • 『貴公子』や『王子様』を求めてくるまなざし
    最近/品森晶先生が大ファンな『少女革命ウテナ』では、王子様になるというのは、大変な重荷を背負う救世主になるというのと同じ意味である
  • ほとんど同い年も同然の、腹違いの弟。
    クリスティアル王立大学附属学院(以下『学院』)の生徒会長、メシス・アト・シプトツェルムのこと
  • その手で器用に握っている棒のような遺物は『召喚術』の行使を助ける祭具。
    アデルは、『二刀流』以外にも『召喚術』も使える(着込んでいる「きぐるみ」の矮黒猩々の技能)
    テジアと密談するために、あえて魔獣を召喚した?
  • 「祝福してよ、友人代表として。私とユーネクタが結婚する時はあっちで挙式したいの。私たちの魂と本能が求める先。獣たちの楽園、魔獣の真なる王国で」
  • 「歌が聞こえるの。死を超えた運命は墓の下。死せる原初神の加護は姿を変えた。大いなる主から分かたれた爪と牙は骨の塔に。私たちの名も知らぬ神を探せって」
  • 「名も知らぬ神?」
  • 「それはもうひとつの夢見る骸。『獣の想起』を知る竜。無限の貌を持つ獣。そして死を追い立てる猟犬。私の『皮剥ぎの王』が共鳴してるの。わたしたちの神霊遺物は同じ神から分かたれた封印の鍵だから」
    『いの月』の主人公、「プロタゴニスト」のこと
  • 「『従属の墓碑』と『皮剥ぎの王』。生と死。境界と流転を統べる神の権能。私たちは一対の運命。はじめからひとつに戻ることを求めてた」
  • 「弟くんのお姉ちゃんは、私だけだよ?」
    『いの月』に登場するミード・ハウレン・・・だったものからのメッセージだと思われる
    メシスの姉であるということは、つまりドーパ・プロタゴニストの姉であるということである
    そうなってしまった

第19話「獣めいた方が『好き』ですわ」

  • タイトル:前話のタイトル=アデルのセリフに対応
  • それから持ってきていた柘榴(ざくろ)を無造作に齧り
    ペルセポネ(コレー)の神話におけるエピソードの再現
  • 我が悪夢は『目覚めの弔鐘』から分かたれた『残響』だ!
    『目覚めの弔鐘』は特級遺物に相当する秘宝であり、魔人勢力が現実を悪夢に変えるために用いるものらしい(『いの月』177P)
  • 「堕ちたとはいえ、『夜空』との境界が近づけば身体は古き血の脈動を思い出す。
  • 「おねえさま、どこ? さみしいよ、セルエナおねえさま」
    セルエナ・マール・フィーリィーは『星幽教団』の教主
    『いの月』に少しだけ登場
  • 二人は仲睦まじい姉妹のように抱き合った。
  • 互いが呼ぶ名前は、当然のように噛み合っていなかったけれど。
  • 苦痛因子の本体は『あちら側』に封印されたまま
  • 厳しく指南する時は心を鬼人(オーガ)にしなければならない
    Wikipedia>オーガ
  • 奪われた聖地バイゴスタール
    アデルの異名が「バイゴスタールの人攫い」
    彼女が率いる『妖精狩人』の精鋭部隊は『バイゴスタールの狩猟隊』と呼ばれる
  • それに、わたくしが討つと決めているのは最初から『あの女』ひとりだけです
    まず間違いなくアデルのこと
  • 獣人としての力を剥がし、皮の遺物として生き物の形に整える。
    皮を被って獣に近付くアデルとは真逆のプロセス
  • あなたは別の経路から『向こう側』に干渉する手段を探しなさい。封印は六つ。確実にあると言えるのは接合体ですが、フォルクロアや妖精郷の深域も怪しいとわたくしは睨んでいますわ
  • 偉大なる神の名は雪の中に埋もれ、聖なる神の名を唱える者たちによって上書きされた。
  • 千年前、ジュネの父が君臨していた王国は聖教徒たちの総本山となっている。
  • 哀れな、けれど誇り高い従属を選択したユーネクタ。
  • 彼女が歩む道を、共に歩みたいと思ってしまった。
    • 大切な仲間として。いつか互いの全てを打ち明けられる魔獣種の同胞として。
    • 呪われた雑草の娘。女王となるジュネの庇護すべき民。
    • いつかきっと、冥界の女王に変えられた悲しい運命から救い出してみせる。
      ユーネクタを中心とし多角関係の成立
      みんなユーネクタとメリッサの関係を引き裂こうとしている
  • だから必ず辿り着く。
  • ジュネとユーネクタが祈るべき本当の神の名に。
  • その願いの形は同じだと、ユーネクタもじきに気付くだろう。
    『いの月』タイトル
  • 哀れな魔獣種に希望をもたらす存在。『神々の墓所』に眠る今はまだ名もなき希望をジュネが再定義し、この世界に蘇らせる。それこそが彼女の願いだった。
  • 幼い日に抱いた願い。希望を信じ、諦めない姫君(ヒロイン)の前には、英雄譚の主人公(プロタゴニスト)が現れてくれるのがお約束だ
    『いの月』には、ちょっと狼入った白い犬のプロタゴニストが登場する
    Wikipedia>プロタゴニスト

第20話「私の好きは、間違ってない」

  • タイトル:16話のタイトル=メリッサのセリフに対応
  • この焦がれに『恋』という名前を付けて、リリーフォリアという人間の芯にしよう。
    『名付け』は、この世界における神秘の基本である
  • 屍の上で、手の届かない楽園に焦がれながら。
  • 失われたもののために、誰よりも強く祈ったのだ。

    これは屍の上に立つ少女たちの、支配と従属の物語だ。(第1話)
    18話からの番外編も、全て死体の上の少女たちの話だった

  • この『先祖返りの魔獣』たちは遺物を無効化しているのではない。
  • 神秘を無効化しているのだ。
  • 頑丈な遺物による物理攻撃は通じるし、帝国式の錬金術であれば有効なはずだった。
  • 「『獣の想起』。私たちの『摂理(ルール)』である祈りを否定し、上書きする異なる『摂理』。かわいそうに。願いを捻じ曲げられ、祈るべき神の名を奪われるなんて」
    『いの月』のタイトルを思わせるセリフ
  • 「これが本来の魔獣。この世界に定着して神霊種から堕ちる前の、異邦人としての本質を取り戻した姿。天空世界から飛来してくるよりずっとずっと古い、獣の記憶。外側には現れずとも受け継がれてきた形質、あるいは『神の設計図』。ねえセリンさま。こ

ういうの、錬金術ではなんて呼ぶんでしょう?」

  • 「遺伝子、っすかね。上手に編集することがウチの国では『美徳』とされてるっす。建国の祖が色々試して以来、伝統的に」

    地の底から『顕界の火』の一部を盗み出した『罪人』ゾルハインが七王国のひとつを滅ぼし、『黎明帝国』を築くまでは。(第11話)
    帝国は、追放された青肌族とは別ルートで、ドワーフの遺伝子操作技術を獲得している

  • 「あなたたちはこの世界を成り立たせる神秘の全てを否定してるわけじゃない。
    この世界は神秘で成り立っている

 リリーフォリアが描いたのはネクターガイドと呼ばれる『精霊呼びの光』
農研機構>野生種の花の模様

  • 神話によれば。世界のはじまり、大地には刃があった。
  • 理を切り分ける『根源的な差異』。九柱の神々が司る九つの剣。
  • その誕生と同時に、摂理の管理者が発生した。切り分けられた神秘が異常を来した際に修復する役割を与えられた精霊にして亜神。『剣洗いの精』と呼ばれる小さな神。
  • 「古き盟約に従い来たれ、『純想剣精(アストレッサ)』!」
    アストレッサは、最近/品森晶先生作品で常連になりつつある神である
    ゆらぎの神話百科事典>アストレッサ
  • あらゆる神秘を『純化』させるこの力は、複雑化した事象を単純で根源的な『この世界を最初に形作った九つの言葉』に回帰させることができる。
  • リリーフォリアが召喚した『アストレッサ』という上位精霊が司るのは原初的な感情だ。
    • それこそが森神リーヴァリオンが守護する枝葉の剣。
    • 取るに足らない『愛憎』の摂理である。
  • フォルクロア家に受け継がれる第一等級遺物、『麗蝶(れいちょう)蜜標(みつひょう)』にはそのための神霊遺物だ。
  • 妖精たちが求める森神リーヴァリオンの力が封じられた『剣の主』。
  • 『愛憎』の刃で世界を切り分ける摂理の源流
    メリッサたちが探そうとしている神の力は、実はこんなに近くにあった
  • 襲い掛かってきた黒妖犬を素手で絞め殺した瞬間の興奮と嫌悪感。
  • 助けようとしたもう一匹から向けられた怯えと憎しみ。
    生前のパドベラムとジュネ?
  • 「神の名を知らず、郷愁に身を焦がすかわいそうな魔獣たち
    『いの月』タイトル要素のリフレイン
  • かつて主神は邪神によって殺され、邪神もまた英雄たちによって倒された。
  • 大いなる獣はあらゆる命の汚濁を漂白した姿、死せる骨の色を纏って現れたという。
  • それは白き犬の神。
    『白妖犬』(19話)
  • 実際には無数の獣たちが折り重なって『怪物のように見えていた』のだ。
  • 獣が獣の上に乗った『影』を見て、勝手に『異形の怪物』だと恐怖していただけ。
    Wikipedia>ブレーメンの音楽隊
  • 他のお仲間もいい感じに改造魔獣と再誕派の皆さんが処理してくれてるっす。
  • 「ではお勉強の時間です。今しがた私が封じた改造魔獣。あなたが使役していたものですが
    改造魔獣は、セリンが放ったうえに、魔人の再誕派(メリッサの姉のアカシアと対立している派閥)と協力関係にあった
  • 頭をちょっと開いていじって埋め込んで閉じるだけの簡単な作業っすから
    『帝国』には、機械による洗脳技術があるようだ
  • 彼女の肉体。それ自体が罪深い叡智の産物であると、リリーフォリアは既に知っている。
    遺伝子改造人間
    それ以外にも機械的な改造などが施されているかもしれない
  • 『ユーネクタさまが何より大好きなセリンさん』。少し勉強と確認をしましょうか。
    『名付け』
    同時にこうして名を呼ぶことが、催眠状態に陥らせるためのキーワードを兼ねているのだろう
  • 「魔獣とは『堕ちた神霊種』にして『邪神の仔ら』。あれは神話の時代、大いなる主が骸となるより前に『獣の想起』によって堕ちて来た外世界の神なんす。邪神レザの(はら)である夜空の彼方より飛来した神の群れ、『来訪者(ヴィジター)』たち」
  • 『邪神』とは、魔人たちの崇める第二神『盲目の鐘楼守レザ』のことであり、同時にこの世界の外側に存在するという『獣たちの異界』のことでもある。
  • 異邦人(エイリアン)。この世界を侵略しようとしてる、人未満の気味悪い連中っす」
  • 人の想念が紡ぐ願いと祈りが『異邦人』を伝承に語られる怪物という枠に押し込めた
    『幻ア』の舞台であるゼオーティアの異獣に似た成り立ち
    Weblio英和辞書>alien
    Wikipedia>エイリアン(映画)
  • 罪深い矮人ドワーフの古き知恵。その起源もまた『夜空』から飛来したものだ。

    星が与えてくれる天上の知恵、『顕界の火』が照らす技術は私たちを傲慢にしてしまいました。(第11話)

  • 「『森の想起』もそう。妖精たちもまた被害者です。いにしえの蜜蜂たちが戦うための奴隷を求めて召喚した戦闘種族。月の向こう、遥かな故郷に帰ることもできず、この世界の都合に振り回されている
    『アリス・イン・カレイドスピア』の妖精たちと同じ種族?
    マイケル・ムアコックの『エターナル・チャンピオンシリーズ』でも、エルリックやコルムなど妖精のような特徴を持った種族が、異世界召喚されたり異世界転移して戦うので、それが元ネタ?
    Wikipedia>エターナル・チャンピオン・シリーズ
  • 『獣の想起』によって出現した魔獣たちの『異界の力』だけをこの世界から退去させ、『あるべき姿』を与えて封じ込める。そうすれば歪みは消えるはず
  • 忌避するのは自分の醜い心だけでいい。
    リリーフォリアは忌避型
  • 本当はとっくに教えられていた。
    リリーの家であるフォルクロアはスペアミントの古くからの同盟家系である
    ユーネクタたちの正体について、知らないはずがない
  • これは優しい嘘。愛する人の喪失を直視させないための配慮なのだ。
    『幻ア』第二話におけるアズーリアの「死者の代弁」を思わせる配慮
  • それはかつて忘れ去られ、今再び蘇ろうとしている『魔獣の神』を封印すること。それによって全ての魔獣を力と知恵を持たぬ『動物』にして無害化するんです
  • 何も知らずに全ての魔獣を封じて、純粋な『好き』だけでユーネクタを『救済』する。
  • 祖母は笑顔のままそれを祝福するのだろう。
    ユーネクタも改造魔獣なので、単に封印するだけだと彼女も『動物』になってしまう
    リリーフォリアの祖母の計画では、何も知らないリリーがユーネクタを『動物』に変えてしまうことになっていた
  • 動物愛護を主張しても誰からも非難されない、愛玩動物(ペット)として共に歩んで行く未来が理想だった。
    ペットにされる側から見れば、かなり上から目線な考え方である
    リリーフォリアとジュネ、動物愛護活動家とみなされる二人は、実は宿命の敵同士だった
  • 「セリン様は実例をよくご存じのはずですよ。それが成功したからこそ、この森は妖精郷と呼ばれ、私たちは甘い蜂蜜を口にできる。方呪が蜂の巣を思わせる正六角形であるのも、それが蜜蜂を囲むための最適な形だからです」
  • 「最初の伝承封術はその名を『蜂蜜六方呪(ハニカム)』と言います。
    • 遠い時代、支配種族である蜜蜂(メリフェラ)の呪縛から解き放たれるため、『働き蜂』と名付けられた異邦の奴隷種族たちの中から六人の魔女が立ち上がりました。
    • それこそが『養蜂の起源神話』を作り上げた妖精たちの始祖ハニカムウィッチ。妖精たちが養蜂を行っている現在の状況そのものが『伝承に封じる』という神秘の成功を物語っているのです」
  • 「じゃあ本当のリーヴァリオンの民は、蜜蜂? あのちっちゃな虫が?!」
    伝承の裏に隠されていた「真実」
    Wikipedia>セイヨウミツバチ
  • 「この世界は、本当はとても危うくて不確かなんです。古い神秘は世界の形を簡単に変えてしまう。過去の歴史や現在の認識さえ。だからこそ、絶望の未来を変えることもできる」
  • 蜂蜜の魔女が得た幸福は、屍の上に築かれた罪深い幻想でしかない。
  • 祖母が願い、フォルクロア家が望む理想の後継者のまま、伝承封術をどう使いこなすかが問題だった。
  • 「題名は、『心集めの旅』」
    • どんな悪意にも奪われない、リリーフォリアだけの正しい『ユーネクタ』を心に描く。
    • 大切な仲間たちが思い描く理想、多くの人たちが見る憧れ、それらが交錯する位置に生じるであろう『至高の封術士』の伝承。
    • フォルクロアの操り人形、『いい子のリリー』は全ての思惑を回避して目的を達成しなければならない。
    • これは神々を封じ、世界を救う封術士の物語。
    • 主人公はユーネクタだ。
    • リリーフォリアは主役たちの隣で伝説を目撃し、記録する語り部だ
    • これは物語。彼女が世界に刻みつける傷。
    • 残酷な世界を焼き尽くし、灰にしてから蘇らせる。
  • 黒い犬の屍。憎悪のまなざし。逃げていく赤茶の犬。届かない手。
    ジュネの髪は赤茶(第6話)
  • 決めるのは人の心。祈りと願いだけが希望を導く
    『いの月』タイトル最後の繰り返し
  • 理想像であり、目指すべき規範であり、自分の心を知るための画布(カンバス)でもある
    Wikipedia>キャンバス
  • 封術士。それは蜂蜜の魔女の罪と幸福を受け継いだ神秘の担い手。 
    一話と同じ締め方