数年数ヶ月どれだけ戦っていたのかどうでもよくなる、戦いの中に流竜馬はいた。
「ゲッタァァートゥマ――」
『たすけて。お願い、たすけて――』
「何だ、てめ――」
返事をする前に、竜馬の存在が別の宇宙にとんだ。
「な、なんだ?海?」
目の前に広がるのは、海だった、さっきまでの戦場と全く違う場所
そして、何かの違和感、それは,海の方角からしていた。
佐渡島ハイヴから現れた旅団規模のBETAは人間の軍隊と交戦し、圧倒的な物量で優位に立っていた。
そんな時、何か巨大なものが信じられない速度で現れた。
「何だアレは?」
「鬼……?」
「新兵器?」
目に映ったのは二つ、人間の使う兵器と、見慣れぬ化け物。
「新種の鬼か?なら、ゲッタァッビィィィイーーーム」
謎の巨大鉄像の腹部から、凄まじい光が流れ出る、BETAのレーザーが懐中電灯に思えてくる、その光は,数百ものBETAを飲み込んでも、衰えずに地平線のかなたに飛んでいってしまった。
同時刻
「……わしは,ゲッターエネルギーを開放して、死んだはずでは無かったのか?」
浅間から見知らぬところで、この老人の新しい役目が始まる。
「鬼神だ……」
誰かが誰にも聞こえないくらい小さい声でつぶやいた。
「トマホーク、ブゥーメラン」
巨大な斧が空を舞い、ダイヤモンドより硬いはずのてきを叩き切っていく。
「オラァァ」
あまりにも素早すぎて、敵が狙いを定められないどころか、その巨体が起こす、衝撃波で、あるものは,吹き飛び、あるものは、ズタズタに引き裂かれていった。
「武蔵指令」
「次の任務は別世界のゲッター回収、ついでにゴミ掃除だ」
巨大な戦艦が新たな任務を得て動き出す。
一つの小さく、禍々しい歯車も、因果という、糸に引かれ動き始める。
やがて、それはすべてを巻き込んでいく。