不死鳥の騎士団/20~22章

Last-modified: 2023-12-23 (土) 09:37:43
 

21章

訳ぬけ

■日本語版 21章 p.69
「ところで、その小説、誰に書いてるんだ?」ロンがハーマイオニーに問いかけた。
「ビクトール」

■UK版 p.407(※原文の改行は最後のみ)
‘Who're you writing the novel to, anyway?’
Ron asked Hermione, trying to read the bit of parchment now
trailing on the floor. Hermione hitched it up out of sight.
‘Viktor.’

■試訳
「ところで、その小説みたいに長い手紙、誰に書いてるんだ?」
ロンはハーマイオニーに、床に落ちた羊皮紙の断片を盗み見しようとしながら尋ねた。
ハーマイオニーは羊皮紙の断片を見えないところに置いた。
「ビクトール」

■備考

  • ロンはハーマイオニーが書いてる長ったらしい手紙を見て、皮肉を込めてnovelという言葉を使ってるけど
    それをそのまま「小説」って訳したら彼女が本当にクラムの為に小説書いてるみたい。
    「その長ったらしい手紙」とか「その小説みたいに長い手紙」位にして欲しかった。
  • ロンが盗み見ようとし、ハーマイオニーが隠す部分が邦訳には無い。
    たった二行の他愛無い文章だが、殆ど隠し事がなかった3人の間に男女の距離が出来始めた事を示唆しているのでは無いのだろうか?

22章

■日本語版 22章 p.98
ハリーは手伝おうと(かまど)のほうに急いだ。
■日本語版 23章 p.135
(かまど)のところに立って

■UK版 p.424
Harry harried over to the stove to help
■UK版 p.445
She was standing at the stove

■備考

  • stoveは調理台。幾らブラック家が古いとは言え、90年代のロンドンに竈は似合わない。
  • 竈という漢字も他では滅多に見かけない。
    (くりや)文机(ふづくえ)と同様、今では日本人でも使わない様な古臭い言葉を現代のイギリスに持ってきているのは激しく違和感。

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  • この直喩は別に構わないと思いますが。 -- 2020-10-28 (水) 19:33:56
    • 私もこの『小説』はこのままの方がロンの皮肉がよく活きていていいと思います。訳が抜けてるのは困りますが。 -- 五十鈴 2023-11-17 (金) 23:52:55
  • わかりにくい -- 2022-02-13 (日) 21:35:41
  • 竈は今だと鬼滅の主人公を連想しそうな漢字だが、鬼滅も大正時代の日本が舞台という -- 2023-11-17 (金) 22:27:27
  • 20章p.6の「凸凹した妖精帽子」の文章からイメージがわかない -- 2023-12-22 (金) 22:49:46
    • 原文だと「knobbly elf hats」で、knobblyは「こぶ状の」という意味らしいです。 -- op2chスレ主 2023-12-23 (土) 03:42:18
      • 「凸凹 帽子」で検索すると、「凸凹」は、「凸凹した生地」、「生地の凸凹質感」、「凸凹エンボス生地」といった生地への修飾が多いですね。「凸凹したボーダーラインのような凹凸のある模様編み」という表現を見つけましたので、ハーマイオニーの手編みの帽子の模様が、凸凹しているのかと想像します。ファッションに詳しい方のコメントをお待ちします。 -- 2023-12-23 (土) 09:37:43