不死鳥の騎士団/31~34章

Last-modified: 2022-06-01 (水) 10:00:32
 

31章

知識じゃないんだよ

■日本語版 31章 p.448
「もちろん、知識じゃないんだよ」(略)
「誰を知っているかなんだ。ところで、父上は魔法試験局の局長とは長年の友人でね――(略)」

■UK版 p.623
‘Of course, it's not what you know,’
‘it's who you know. Now, Father's been friendly with the head of the Wizarding Examinations Authority for years ― (略)’

■試訳
「もちろん、大事なのは何を知ってるかじゃない」
「誰を知ってるかってことさ。ところで、うちの父は魔法試験局の局長と長年の友達なんだ――(略)」

■備考

  • マルフォイが試験についてしゃべっているシーン。
  • 「知識じゃないんだよ」の部分に違和感。
    ここは次の言葉と対になっていて「何を知ってるかじゃない、誰を知ってるかなんだ」だと思う。
  • こういうのは「大事なのは~」などとフォロー入れて、対比であることを明確に訳すものだね。
  • 対比が全然生きていないから、マルフォイが言いたいことが伝わらない。
  • このNowは話を切り替えるときのNowで場合によって「さて」「ところで」などと訳される。
    ドラコは話を切り替える風を装って、実は切り替えていないという微妙な言い方をしてる。
    これが読み手に伝わるかどうかは他の部分の自然さにかかってる。


今日の試験官は~

■日本語版 31章 p.463(※原文は改行なし)
今日の試験官はぽっちゃりした小柄な魔女だったが、ハリーに微笑みかけて、もう行ってよろしいと言ったとき、
ハリーは城に戻る前に、ハグリットに向かって「大丈夫」と親指をさっと上げて見せた。

■UK版 p.632(※原文は改行なし)
When Harry's examiner, a plump little witch this time, smiled at him and told him he could leave,
Harry gave Hagrid a fleeting thumbs-up before heading back to the castle.

■試訳
今日の試験官だった小太りで背の低い魔女が、ほほえみながら試験の終わりを告げた。
ハリーはハグリッドに向かって素早く親指を立てて「OK」のサインを送り、それから城の方に戻った。

■備考

  • どの巻にもみつかるねじれた訳文のひとつ。
  • 「見せた」という述語に対して、タイミングを表わす副詞節をふたつ(言ったとき/戻る前に)重ねているため文が破綻している。
    二つに分ければもっと訳しやすいだろうにと思われる。


32章

後生だから

■日本語版 32章 p.490
「ハリー、後生だから!」ハーマイオニーが必死で言った。

■UK版 p.648
‘Harry, I'm begging you, please!’ said Hermione desperately.

■試訳
「ハリー、お願いだから!」ハーマイオニーが必死で言った。

■備考

  • 詰まるのはその一昔の表現方法だ。現代の女の子がそんなこといわねーって思っただけで物語から締め出される。


ポッター坊主

■日本語版 32章 p.497
「ポッター坊主の頭が暖炉にあります」

■UK版 p.652
‘It's the Potter boy's head in the fire,’

■備考

  • そんなに無理やり訳さないでもいいと思う。


33章


34章

じゅげむじゅげむ

■日本語版 13章 p.413-414(※原文は発言者表記なし・ルーナのセリフの改行と最後の改行もなし)
(ルーナ)※1「だけど、ブリバリング・ハムディンガーとか、しわしわ角スノーカックがいるなんて、
昔は誰も信じていなかったんだから!」
(ハー)「でも、いないでしょう?」(省略)
(ハー)「ブリバリング・ハムディンガーとか、しわしわ角スノーカックなんて、いなかったのよ

■日本語版 34章 p.551(※原文は発言者表記なし・最後の改行もなし)
(ルーナ)※2「あの部屋に入ってたかもしれない物、なんだかわかる?」(省略)
(ハー)「どうせまた、じゅげむじゅげむでしょうよ」ハーマイオニーがこっそり言った。
ネビルが怖さを隠すように小さく笑った。

■UK版 p.236(※原文は発言者表記なし・ルーナのセリフの改行と最後の改行もなし)
(Luna)‘but people used to believe there were no such things
as the Blibbering Humdinger or the Crumple-Horned Snorkack!’
(Her)‘Well, they were right, weren't they?’(省略)
(Her)‘There weren't any such things as the Blibbering Humdinger or the Crumple-Horned Snorkack.’

■UK版 p.684(※原文は発言者表記なし・最後の改行もなし)
(Luna)"You know what could be in there?"(省略)
(Her)"Something blibbering, no doubt,"said Hermione under her breath
and Neville gave a nervous little laugh.

■備考

  • ※1ルーナとハーのブリバリング・ハムディンガーは存在する、しないという遣り取り。
  • ※2それからしばらくしてからルーナがいつもの調子で謎の生物について話そうとするのをハーマイオニーが茶化して、それを聞いたネビルが笑った、というシーン。
    ※1から考えるとSomething blibberingというのはBlibbering Humdingerの事。
    だったら訳も、「あのブリバリング何とかに間違いないわね」みたいな感じで繋がりをわかるようにしてほしかった。じゅげむじゅげむではなんのことか分からない(生き物ですらないし)。
  • nervousに「怖さを隠す」という意味はないのでは?




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  • じゅげむじゅげむは落語を連想する... -- 2022-03-31 (木) 02:40:48