炎のゴブレット/21~24章

Last-modified: 2021-11-12 (金) 15:34:14
 

21章

無傷で対決

■日本語版 21章 p.6
シリウスに手紙を送り、ハリーが、無傷で対決したドラゴンを出し抜いたことを 知らせるためだった。

■UK版 p.317
…so that Harry could send Sirius a letter, telling him that he had managed to get past his dragon unscathed.

■試訳
シリウスに手紙を送り、ハリーがドラゴンの攻撃をなんとかすり抜け、痛手を受けずにすんだことを知らせるためだった。

■備考

  • 邦訳の「無傷で」は「出し抜いた」にかかっているのだろうが、 この位置では「対決した」にかかっているようにも読めるのでわかりにくい。
    またハリーは完全に無傷でドラゴンの攻撃をかわしたわけではないので、
    unscathedの訳は「痛手(重傷)を受けずに」とした方がよいのでは。
  • さらに、この場面を始め19章~22章くらいで「ドラゴンを出し抜く」という表現が たくさん使われているが、「出し抜く」は「他人の油断につけこんだり、
    相手をだましたりして、人より先に物事をする」という意味の言葉。
    ハリーが切り抜けた第一の課題はドラゴンをうまくだましてかわすのが目的の試合ではあったが、何か「先に物事をする」わけではないので「出し抜く」というのはふさわしくないのでは。
    get pastの訳なら「すり抜ける」「攻撃をかわす」などとした方がよいのではないか。
  • さらにこの部分、get past の前にmanage to(何とか成し遂げる)が入っているので、試訳のようにした方が原文の感じが伝わったと思うがどうだろう。


がっぽり宿題

■日本語版 21章 p.20
「ベクトル先生がハーマイオニーに、がっぽり宿題を出してるといいな。」

■UK版 p.325
‘I hope Hermione got loads off Professor Vector,’

■試訳
「ベクトル先生がハーマイオニーにどっさり宿題を出してるといいのに。」

■備考

  • ロンの台詞。
  • 「がっぽり」は一度にたくさんの金が手に入ったり、または出たりするさまを表す俗語なので、この場合は「どっさり」「たっぷり」などの方がいいのでは。


いつか

■日本語版 21章 p.37
「ハリー・ポッター……ドビーがいつかあなたさまをお訪ねしてもよろしいでしょうか?」

■UK版 p.419
"Harry Potter... can Dobby come and see you sometimes, sir?"

■備考

  • sometimesは時々、いつかはsomedayですよね?


22章

おたおたするタマ

■日本語版 22章 p.50
――自分が死んでも授業を続ける妨げにならなかったビンズ先生のことだ。
たかがクリスマスごときでおたおたするタマではないと、みんなそう思った。

■UK版 p.342-343
― as Binns hadn't let his own death stand in the way of continuing to teach,
they supposed a small thing like Christmas wasn't going to put him off.

■試訳
――自分の死さえ授業を続ける妨げにならなかったビンズ先生のことだ。
クリスマスのようなささいなことで自分を見失う人ではないと思われた。

■備考

  • 「おたおたするタマ」ってすごく下品な言い方だと思う。
    原文は普通の英語みたいだし。
  • 教授のことなのに「おたおたするタマじゃない」とかはひどいな。
    魔法の学校じゃなくてヤクザの学校みたいだ。
  • 前半部分も日本語としてちょっと変じゃないですか?


23章

重すぎまーす

■日本語版 23章 p.68
「オグワーツのたべもーのは、重すぎまーす」

■UK版 p.441
‘It is too 'eavy, all zis 'Ogwarts food,’

■試訳
「ボリュームありすぎマス」

■備考

  • 「heavy=重い」は直訳しすぎという意見と、調理法含めての脂っこくてカロリーが高そうな感じが出ていていいという二つの意見に割れている。


コムサ!

■日本語版 23章 p.91
「もしーも、ポルターガイストがボーバトンに紛れ込むようなことがあーれば、追い出されまーす。コムサ(こんなふうに)!」

■UK版 p.364
‘and eef a poltergeist ever entaired into Beauxbatons, 'e would be expelled like zat.’

■備考

  • ダンスパーティーの場面でのフラーのセリフ。
  • 原文では‘like zat’なのに、わざわざ(こんなふうに)とルビをつけて「コムサ!」というフランス語になっている。
    (!も勝手に付けている)
  • またこれに答えるロジャー・デイビースの‘Like that. Yeah.’(同ページ)というセリフも「コムサ!うん」となっている。
    どちらも余計な脚色ではないか。


24章

混血

■日本語版 24章 p.129
「混血の仲良しがいなくて寂しいのか?」

■UK版 p.385
‘Missing your half-breed pal?’

■試訳
「雑種の仲良しがいなくて寂しいのかい?」

■備考

  • ドラコからハリーへのセリフ。ハリーは混血(half-blood)で、half-breed pal=ハグリッドなので、ここは誤訳だと思われる。




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