炎のゴブレット/25~28章

Last-modified: 2021-11-12 (金) 15:41:35
 

25章

たまたま

■日本語版 25章 p.174
「そのダンブルドアは、たまたま我輩を信頼なさっているのですがね」

■UK版 p.514
‘Dumbledore happens to trust me,’

■試訳
「ダンブルドアはあいにく私を信用しているんだ」

■備考

  • 偽ムーディーの言いがかりに対してスネイプが言い返すシーン。
  • 邦訳版は'happen to V'はもれなく「偶然~する」「たまたま~する」と訳すことにしているらしいが、
    ここでは'S happen to be'(「Sはあいにく....なんだぞ」と相手が述べたことに対し怒って言う)が用いられていて、
    スネイプは「ダンブルドアは私を信頼しているんだ」と強く切り返したかったんだと思われる。

同じパターン
原文:And he also happened to be a wizard.
邦訳:その上、ハリー・ポッターはたまたま魔法使いだった。


26章


27章

赤むけ その3

■日本語版 27章 p.232-233(※原文は改行無し)
三月に入ると、天気はからっとしてきたが、
校庭に出ると風が情け容赦なく手や顔を赤むけにした。

■UK版 p.442(※原文は改行無し)
As they entered March the weather became drier, but cruel winds skinned
their hands and faces every time they went out into the grounds.

■試訳
三月に入ると天気はからっとしてきたが、風はまだ身を切るように冷たく、
校庭に出るたびに手や顔がひりひりと痛んだ。

■備考

  • 赤剥け=皮膚などが擦りむけて赤くなっていること。また、その部分。
  • 「赤むけにした」になっているのはskinned。
    クィディッチのようなスポーツの試合ではskinは「敵の間をすり抜ける」 「接触しかかる」みたいな意味でよかったと思うが、ここではたぶん 冷たい風に擦られて手や顔が痛めつけられるということでいいと思う。
    それでもやっぱり「赤むけ」という言葉は変な感じが否めない。
  • カラッとした天気っておかしいと思う。空気が乾燥してるという意味?晴れの日が多くなったのかな?


緋色のおべべ

■日本語版 27章 p.236
緋色のおべべ

■UK版 p.445
scarlet woman

■備考

  • ハーマイオニーに関する雑誌記事を読んだ後にロンが言った言葉。
  • scarlet womanは「身持ちの悪い女、売春婦」といった意味で、どうやら聖書に由来する言葉みたいだね。
  • 「悪女」とか「男好き」とかでいいんじゃないかな?
  • 小さい子には「働いてる女かな」ぐらいしか思われないが、大人が読んだら意味分かる「商売女」でもいいかも。


デッカチ頭

■日本語版 27章 p.240
「マスコミに注目されてお前のデッカチ頭がさらに膨れ上がったようだな。ポッター」

■UK版 p.447
“All this press attention seems to have inflated your already overlarge head, Potter,”

■備考

  • 「デッカチ頭」ってどういう意味?
  • 頭デッカチっていうのは聞くけど、デッカチ頭ってのは初めてだな。


ヒソヒソ!

■日本語版 27章 p.242
スネイプのヒソヒソ声が続いた。

■UK版 p.448
Snape hissed.

■試訳
スネイプは声をひそめて凄んだ。

■備考

  • ハリーが鰓昆布を盗んだと思い、スネイプが怒るシーン。続くセリフは「わかっているぞ、ポッター!(中略)おまえの行動を許さん!~」
    ヒソヒソ声のはずなのにその後に続くセリフには各文最後に「!」がついてるので不自然。
  • 原文のhiss というのは、猫やへびなどが敵を威嚇する時などの「シュッ!」「シーっ」という音を表すときにも使われる単語。
    大きな声(音)ではないが、声を殺しながらも力の入った発声音なので「ヒソヒソ声」と訳すのはふさわしくないだろう。


鳥の足

■日本語版 27章 p.246
鳥の足を十二本

■UK版 p.451
a dozen of chicken legs

■備考

  • シリウスに持ってく差し入れ用の食べ物をハリーが用意してるところ。
  • いくら犬の餌(違う)だからって…せめて「鶏の足」とか「鶏の骨付きモモ肉十二本」とか「チキン」とか…。


28章

盗聴

■日本語版 28章 p.292-293
「もしかして君に虫をつけたんじゃないかな」

■UK版 p.475
‘Maybe she had you bagged,’

■試訳
「もしかしたら小さい盗聴器を虫みたいに飛ばしたのかも」
(ロン「トーチョーキってどんな虫?蚤かなんかついてたってこと?」)

■備考

  • bag=小さな虫、俗語として盗聴器・盗聴する。
  • ロンとの会話(蚤かなんかつけたってこと?)やリータがコガネムシのアニメーガスだと気づくエピソードにつなげるために「虫」を使わなければいけない。
    日本語に相当する言葉はないので難しいが、「虫と呼ばれる盗聴マイクや録音装置(P293・虫と呼ばれるの部分は原文になし)」と説明させるのはいささか無理があるのではないか?
    「虫みたいな何か」などと例えたほうが良かったのではないか?
    『偵察する習性がありカナブンくらいの大きさの誰でも知ってる飛べる虫』に例えるなら蜂とかかな。まぁ虫の名のついた盗聴装置や、盗聴器=昆虫名を暗号として使ってる盗聴マニアグループはいそうな気がするが、それを普通に知ってる14歳なんて嫌だ。


校長先生様

■日本語版 28章 p.318
「俺は、ここにいたほうがいいんではねえでしょうか、校長先生様……」
(略)
「ファングを残していきますだ。校長先生様」

■UK版 p.488
“Maybe I’d better stay here, Headmaster. . . .”
(略)
“I’ll leave Fang with yeh, Headmaster,”

■備考

  • 「校長先生様」は変だし、なんか卑屈っぽい感じだね。
    「教授先生」「校長先生」等で十分。




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