炎のゴブレット/25~28章

Last-modified: 2024-02-16 (金) 17:49:01
 

25章

たまたま

■日本語版 25章 p.174
「そのダンブルドアは、たまたま我輩を信頼なさっているのですがね」

■UK版 p.514
‘Dumbledore happens to trust me,’

■試訳
「ダンブルドアはあいにく私を信用しているんだ」

■備考

  • 偽ムーディーの言いがかりに対してスネイプが言い返すシーン。
  • 邦訳版は'happen to V'はもれなく「偶然~する」「たまたま~する」と訳す事にしているらしいが、
    ここでは'S happen to be'(「Sはあいにく....なんだぞ」と相手が述べた事に対し怒って言う)が用いられていて、
    スネイプは「ダンブルドアは私を信頼しているんだ」と強く切り返したかったんだと思われる。

同じパターン
原文:And he also happened to be a wizard.
邦訳:その上、ハリー・ポッターはたまたま魔法使いだった。

27章

赤むけ その3

■日本語版 27章 p.232-233(※原文は改行無し)
三月に入ると、天気はからっとしてきたが、
校庭に出ると風が情け容赦なく手や顔を赤むけにした。

■UK版 p.442(※原文は改行無し)
As they entered March the weather became drier, but cruel winds skinned
their hands and faces every time they went out into the grounds.

■試訳
三月に入ると天気はからっとしてきたが、風はまだ身を切るように冷たく、
校庭に出るたびに手や顔がひりひりと痛んだ。

■備考

  • 赤剥け=皮膚などが擦りむけて赤くなっていること。また、その部分。
  • 「赤むけにした」になっているのはskinned。
    クィディッチの様なスポーツの試合ではskinは「敵の間をすり抜ける」 「接触しかかる」みたいな意味で良かったと思うが、
    ここでは多分冷たい風に擦られて手や顔が痛め付けられるという事で良いと思う。
    それでもやっぱり「赤むけ」という言葉は変な感じが否めない。
  • カラッとした天気って可笑しいと思う。空気が乾燥してるという意味?晴れの日が多くなったのかな?

緋色のおべべ

■日本語版 27章 p.236
緋色のおべべ

■UK版 p.445
scarlet woman

■備考

  • ハーマイオニーに関する雑誌記事を読んだ後にロンが言ったセリフ。
  • scarlet womanは「身持ちの悪い女、売春婦」と言った意味で、どうやら聖書に由来する言葉みたいだね。
  • 「悪女」とか「男好き」とかで良いんじゃないかな?
  • 小さい子には「働いてる女かな」位しか思われないが、大人が読んだら意味分かる「商売女」でも良いかも。

デッカチ頭

■日本語版 27章 p.240
「マスコミに注目されてお前のデッカチ頭がさらに膨れ上がったようだな。ポッター」

■UK版 p.447
“All this press attention seems to have inflated your already overlarge head, Potter,”

■備考

  • 「デッカチ頭」ってどう言う意味?
  • 頭デッカチって言うのは聞くけど、デッカチ頭ってのは初めてだな。

ヒソヒソ声

■日本語版 27章 p.242
スネイプのヒソヒソ声が続いた。

■UK版 p.448
Snape hissed.

■試訳
スネイプは声をひそめて凄んだ。

■備考

  • ハリーが鰓昆布を盗んだと思い、スネイプが怒るシーン。
    続くセリフは「わかっているぞ、ポッター!(中略)おまえの行動を許さん!~」
    ヒソヒソ声のはずなのにその後に続くセリフには各文最後に「!」が付いてるので不自然。
  • 原文のhissと言うのは、猫や蛇等が敵を威嚇する時等の「シュッ!」「シーっ」という音を表す時にも使われる単語。
    大きな声(音)では無いが、声を殺しながらも力の入った発声音なので「ヒソヒソ声」と訳すのは相応しくないだろう。

鳥の足

■日本語版 27章 p.246
鳥の足を十二本

■UK版 p.451
a dozen of chicken legs

■備考

  • シリウスに持ってく差し入れ用の食べ物をハリーが用意してるシーン。
  • 幾ら犬の餌(違う)だからって…せめて「鶏の足」とか「鶏の骨付きモモ肉十二本」とか「チキン」とか…。

まだ小さかったから

■日本語版 27章 p.257
「(略)……いや、君たちにはわかるまい…あのときは、まだ小さかったから…」

■UK版 p.456
‘(略)...well, you wouldn't understand ... you're too young ...’

■試訳
「お前らには話してもわからんだろうな。まだガキだから」

■備考

  • シリウスが「闇の陣営に反対を唱えていた多くの者が...」と語るシーン。
  • 邦訳ではセリフの後半が過去形になっているが、原文は現在形である。
  • 電子版では「……いや、わかるまい。若い君たちには……」に修正されている。

僕たちを試してくれないかな?

■日本語版 27章 p.257
「僕たちを試してくれないかな?」

■UK版 p.456
‘Try us, why don't you?’

■試訳
「そんなに子ども扱いしないで試しに話してみてくれよ」

■備考

  • シリウスに子供扱いされてイライラしているロンのセリフ。
  • 「ぼくたちを試してくれないかな?」は、直訳過ぎて分かり辛い。
  • 電子版では「わかるかもしれないじゃないか。言ってみてよ」に修正されている。

28章

不幸になる権利

■日本語版 28章 p.277
不幸になる権利

■UK版 p.585
right to be unhappy

■試訳
悲しむ権利

■備考

  • 悲しむ権利とかではダメでしょうか。

下りてきたいくせに

■日本語版 28章 p.279
「食べ物に釣られてここに下りてきたいくせに!」

■UK版 p.586
'You only like coming down here for the food!'

■備考

  • 意味は何とか分かりますがこんな言い回ししませんよね。

盗聴

■日本語版 28章 p.292-293
「もしかして君に虫をつけたんじゃないかな」

■UK版 p.475
‘Maybe she had you bagged,’

■試訳
「もしかしたら小さい盗聴器を虫みたいに飛ばしたのかも」
(ロン「トーチョーキってどんな虫?蚤かなんかついてたってこと?」)

■備考

  • bag=小さな虫、俗語として盗聴器・盗聴する。
  • ロンとの会話(蚤か何か付けたって事?)やリータがコガネムシのアニメーガスだと気付くエピソードに
    繋げる為に「虫」を使わなければいけない。
    日本語に相当する言葉はないので難しいが、
    「虫と呼ばれる盗聴マイクや録音装置(P293・虫と呼ばれるの部分は原文に無し)」と説明させるのは聊か無理が有るのではないか?
    「虫みたいな何か」等と例えた方が良かったのではないか?
    『偵察する習性がありカナブンくらいの大きさの誰でも知ってる飛べる虫』に例えるなら蜂とかかな。まぁ虫の名のついた盗聴装置や盗聴器=昆虫名を暗号として使ってる盗聴マニアグループはいそうな気がするが、それを普通に知ってる14歳なんて嫌だ。

校長先生様

■日本語版 28章 p.318
「俺は、ここにいたほうがいいんではねえでしょうか、校長先生様……」
(略)
「ファングを残していきますだ。校長先生様」

■UK版 p.488
“Maybe I’d better stay here, Headmaster. . . .”
(略)
“I’ll leave Fang with yeh, Headmaster,”

■備考

  • 「校長先生様」は変だし、何か卑屈っぽい感じだね。
    「教授先生」「校長先生」等で十分。

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  • 分かりやすかったです。 -- 2021-10-15 (金) 21:58:41
  • 26章アンブリッジができることについては、炎のゴブレットではなく不死鳥の騎士団かと思います -- 2022-07-13 (水) 00:46:02
    • 修正しました。 -- op2chスレ主 2022-07-16 (土) 06:48:30
      • 乙 -- 2023-12-05 (火) 20:46:03
  • 探せばもっと見つかりそう -- 2024-02-16 (金) 17:49:01