10章 
11章 
灰色に凍りつき 
■日本語版 11章 p.264
学校を囲む山々は灰色に凍りつき、
■UK版 p.133
The mountains around the school became icy gray
■試訳
学校の周りの山は氷のように白くなり、
■備考
- 灰色よりも白の方が日本語として自然。
- 国によって色の見え方・感じ方が違う事を考慮しなかった結果か?
どでかいブーツ 
■日本語版 11章 p.264
丈長のモールスキン・コートにくるまり、うさぎの毛の手袋をはめ、ビーバー皮のどでかいブーツをはいていた。
■UK版 p.133
(略)bundled up in a long moleskin overcoat, rabbit-fur gloves and enormous beaverskin boots.
■備考
- 「どでかい」が地の文としては口語的でくだけすぎている。
「巨大な」などとするべきでは。
一人で大丈夫? 
■日本語版 11章 p.266
「一人で大丈夫?」
■UK版 p.136
‘Rather you than me,’
■試訳
- 「それはかわいそう」
- 「がんばって」
■備考
- ハリーがスネイプに没収された本を返してもらいに行くとロンとハーマイオニーに言うシーン。
- ‘Rather you than me,’の訳が「一人で大丈夫?」になってるけどこれどういうこと?
rather you than meは調べたところ自分がそれをする立場になくて良かった、可哀想にっていうちょっと冷たい表現のはずなんだけど
12章 
クリスマスプレゼント 
■日本語版 12章 p.292
「ねえ、これ見てくれる?プレゼントがある」
「ほかに何があるっていうの。大根なんて置いてあったってしょうがないだろ」
■UK版 p.147
"Will you look at this? I've got some presents!"
"What did you expect, turnips?"
■試訳
- 「これ見てくれよ。僕プレゼントをもらっちゃったんだ!」
「当たり前じゃないか。カブなんかもらってもしょうがないからな」 - 「これ見てくれよ。僕プレゼントをもらっちゃったんだ!」
「他に何があるっていうんだ、カブかよ?」
■備考
- なぜカブ→大根?というのはおいといて。
- 原書ではまともにクリスマスプレゼントなんかもらったことがないので感激しているハリーと、冷めてるロンの対比がすごくおもしろい場面。
ハリーのセリフの最後の「!」をとってしまったのはなぜだろう?
原文にあふれているハリーの気持ち、はじめてまともなクリスマスプレゼントをもらったハリーの感激がまったく表現できていない。 - turnipには俗語でばかという意味がある。(参考
)
モッコリした包み 
■日本語版 12章 p.293
ロンが少し顔を赤らめて、大きなモッコリした包みを指さした。
■UK版 p.147
said Ron, going a bit pink and pointing to a very lumpy parcel.
■試訳
- ひどくかさばった包み
- でこぼこした包み
- いびつな形の包み
- 不格好な包み
■備考
- クリスマスの朝の出来事。
a very lumpy parcelはウィーズリー夫人が送ってくれたクリスマスプレゼントのセーターの事。
- lumpy parcel=でこぼこの包み なのにわざわざ「モッコリ」にしてる。
顔も赤らめてるのでよけいに変な笑いを誘うし。 - 箱に入れずに、直接包装紙にセーターをおいて包んだから形がきちっとしていない、
でこぼこのプレゼントになってる訳で。
もっこり膨らんでいるわけじゃないのにな。
辞書のままで正しい時に限って変な脚色をする。
- 「ひどくかさばった包み」や「でこぼこした包み」が適切だと思われる。
- 全年齢を対象にするなら「いびつな形の包み」、子供向けなら「不格好な包み」でどうだろう?
13章 
ぬぐいさる 
■日本語版 13章 p.321
「(略)僕たちが勝って、連中の顔から笑いを拭い去ってやる」
「グラウンドに落ちたあなたを、わたしたちが拭い去るようなハメにならなければね」
■UK版 p.162
"(略)it'll really wipe the smiles off their faces if we win."
"Just as long as we're not wiping you off the pitch,"
■試訳
- 「(略)僕たちが勝って、連中を落ち込ませてやる」
「あなたがピッチに落ちなきゃね」
■備考
- クィディッチの試合についての3人の会話。
- ハリーをグラウンドから拭い去るというのは日本語として不自然。
両者の会話にwipe offが使われていて訳すのが難しいとこだがもう少し自然な日本語にしてほしい。 - 「wipe the smile off one's face」は悔しがらせる、落ち込ませるみたいな意味の慣用句(らしい)。
ヒョコヒョコ歩き 
1巻における代表的な誤訳を参照。
14章 
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- ハーマイオニーが取り残されていることに気付いた際の「ロンが唇を噛んだ」p253 について。唇を噛むという日本語の意味は悔しがる、怒りをこらえる、なのですが場面に合っていないように思います。 -- 2020-10-28 (水) 20:07:39
- US版で原文を確認したら「Ron bit his lip.」だった -- 2020-10-30 (金) 23:22:13
- 調べたらbite one's lip で怒りや感情を抑えるという意味があるようですね。ここで抑えているのは怒りではなく焦りとか不安とかいった類の気持ちだと思うのですが。 -- 2021-11-30 (火) 08:34:54
- 日本人でもマズいことがあったときに下唇を噛む人はいる。アチャー…ってときとか、マズったな…ってときとかにやってるのを見たことある。向こうの人はなおさらめんたまグルングルンやったりくちをアオアオやったり顔面ジェスチャー?豊富だからこういうのは別に気にしなくていいんじゃないかな? -- 2021-11-30 (火) 08:53:57
- US版で原文を確認したら「Ron bit his lip.」だった -- 2020-10-30 (金) 23:22:13
- さすがにモッコリはないわ -- 2022-04-28 (木) 16:24:07
- もうちょい上手く訳してほしかったわ -- 2023-02-25 (土) 12:22:46