日本史×スポーツ風実況 後半の台本

Last-modified: 2020-04-29 (水) 13:45:13

さあ後半が始まりました、第2094回ジャパンヒストリカルオープン。
日本の実権を握るのは、果たしてどの一族なのか。

 

さて、前半からプレーに安定感を欠く室町幕府。
ここで下部組織の鎌倉府が2チームに分離、そして本家京都でも
畠山氏、将軍家などの内紛が続く、
しかし将軍義政、ダンスにお茶会飲み会三昧だ、若者の政治的無関心!

 

ついに日本が真っ二つ、応仁の乱、
足軽が放火・略奪の限りを尽くす。京都はたちまち焼け野原!

 

ここで一瞬小康状態か、しかし未だにケンカを続ける畠山、
キレた地元のアマチュア連合、彼らを追い出した、山城国一揆!
そして加賀では一向一揆が守護を殺す!前代未聞の下剋上。

 

さらに幕府で明応の政変、将軍はもはやお飾りだ。
今までの実績は関係ない!戦国高校野球の予選が開幕だ!

 

さあ東海予選1回戦でさっそく番狂わせ、名門堀越高校を破った無名の小田原早雲高校。
だがやはり名門シード校は強い、今川高校圧倒的強さで東海予選を突破、
中国予選は大内高校、九州予選は大友学園や島津学院が順当に突破。

 

そして仏教系の高校も驚異の選手層で躍進、
ここで天文法華高校、山科一向校を破るも直後に屈指の名門に及ばず。

 

甲信越予選では名門・風林武田学園の信虎監督パワハラで解任、信玄が急遽監督に。
だが順当に勝ち上がっていく。一方逆の山、上杉毘沙門学園も謙信新監督のもと躍進。

 

そしてセンゴク甲子園開幕、武田上杉がいきなり川中島球場で激突、延長18回引き分け!
他の勝ち上がりは、2度の番狂わせで中国大会を制した毛利三矢学園、
四国大会を制した長宗学園、そして16世紀枠による出場の美濃蝮高校です。

 

そして、東海予選をギリギリで突破した尾張大うつけ高校
驚異の人材発掘で打線を強化!なんと本命の今川高校を、10点差を跳ね返し撃破!
そして昨年優勝校、三好監督の室町学園も難なく破りました。
勢いが止まらない!浅井朝倉学園、風鈴武田、さらには本願寺大学石山も破って決勝進出だ!
安土に校舎を移転して、いざ優勝へ!

 

しかし大スクープ!ここで大うつけ高校に不祥事との報道、
数年前の比叡山の火災、あれは部員の喫煙によるものと発覚しました!
信長監督に 、高野山から処分が下ります。
だが大会中ということも考慮し、学校名を黄金禿鼠高校と改名する代わりに
決勝への出場は認められました。そして見事、太閤秀吉監督のもと全国制覇!

 

さあ色々ありましたが久々の天下統一です、検地や刀狩を進める秀吉監督。
だが野心が止まらない、疲労が残る中、東アジア大会への出場を決行!
1回戦の相手は古豪・明朝高校、だが乱打戦で決着つかず、疲労困憊の末途中棄権だ。

 

そして宙に浮いた天下餅、座りしままに食うは徳川!
天下分け目の戦いに勝利、江戸幕府を築いた家康と秀忠、厳格な規律で全国をまとめあげる。
大名・朝廷・大寺社、みな幕府のコントロール下に入ります。
豊臣家も滅ぼして、これは安定政権の予感がするぞ。

 

さらに3代家光は参勤交代も開始、唯一手に負えないのはキリシタンか、
ここで島原の乱3万7000人の蜂起!
ついに幕府、ポルトガルの入港を禁止、鎖国体制を確立だ。ここに太平の眠りにつく!

 

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さあ200年ほどのオフシーズンを迎えました日本代表、
ここからは新シーズンへ向けたキャンプの様子を取材します。
さまざまな監督やコーチの取り組みを、
ここは元代表監督・東照大権現さんに解説・評価して頂きます。
よろしくお願いします。

 

<よろしく。>

 

まず今の徳川家綱監督はいかがですか。

 

<うん、今までの監督は縛りが強すぎたんからね
さっき由井選手や丸橋選手が監督に噛みついてたんだよ、
だからここは優しい理解ある指導者を演じてますね。
でも何でも「いいよ」って言いすぎだね、ちょっとナメられてますね。>

 

続いて徳川綱吉監督。

 

<この人もチームの意識改革に熱心だね。
もう人を殺す時代は終わったんだと、これからは犬も殺すな、蚊も潰すなとおっしゃってるけど、
ちょっとやりすぎじゃないですか。あと金も使いすぎだね。>

 

続いて新井・間部コーチ。

 

<真面目で真摯なチーム作りだけど、ちょっと自分の哲学に固執しすぎかもしれんね。>

 

そして徳川吉宗監督。

 

<いやエネルギッシュな人だね。ちょっと古臭いオヤジの雰囲気もあるけどね。
ただ監督自ら汗をかこうという姿勢がね、選手たちの共感を呼んでるんだよね。
選手以上に自分がトレーニングしてるしね、1日2食とはストイックだね。
まあ体作りの観点からはもっと食べた方が良いけどね。タイの天ぷらとかオススメですよ。>

 

続いて田沼意次コーチ。

 

<いや斬新ですね。この人のチーム戦術は…これ100年は先を行っているかもしれませんよ。
ただイマイチ理解されてないですね、選手たちに。これだと信者とアンチに分かれちゃうんですよね。
なんか裏金でスタメン決めるらしいって噂まで流されちゃってますね。>

 

そして松平定信・信明コーチ。

 

<厳しいけど真面目な指導者ですね。私服を肥やしたりしない安心感はあるけど
ただあまりにも基本に忠実すぎてね。福島県内とかローカルでは無敵だったけど、
全国レベルだとプラスαの戦術が欲しいところですね。>

 

終盤に入って徳川家斉監督・水野忠成コーチ。

 

<これは自由放任、選手たちのやりたいように任せる監督だね。文化は発展しますよこれで。
でも監督自身が欲に忠実すぎるよね。子供と金を作りすぎだよ。
真面目な選手は怒ってますよ。大塩選手や生田選手なんか暴れてるもんね。>

 

最後は水野忠邦コーチ。

 

<強引にチームを引き締めようとしてるけど、新しい戦術もないし、
そもそももうチーム状態がどうしようもないね。>

 

さあオフシーズンが明けて選手たちは成長した一方、指導者の力が失われてきています。
しかし先ほどからロシア、イギリス、フランス代表などが容赦なく親善試合を申し込んできます。
まだオフシーズンだと拒否する幕府、
しかしついに、アメリカ代表ペリーが黒いナイフをつきつけてきた!
阿部正弘これはびっくり、ついに親善試合を許可。

 

さらには5か国と貿易開始、国内は大混乱、高まる攘夷運動。
反対派を一斉処罰の井伊直弼は凶弾に倒れます。幕府の指導力は限界だ。

 

立ち上がる各地の有力チームと朝廷、その中からひときわ目立っている
薩摩ユナイテッドとレノファ長州の選手たち。
明治天皇を総監督にひとまとまり、王政復古の大号令、明治新政府の始まりだ!    

 

さあ大久保利通らを先頭に、驚異のスピードで進む中央集権政策と富国強兵。
だが外交をめぐって内部分裂だ。高知勢・佐賀勢などが政府を離脱、
そして政府を攻撃だ、反乱を起こすもすべて失敗。
剣がだめならペンで立ち上がれ、自由民権運動だ!

 

この番組は 侍の本気を見せてやる 士族の商法たちの提供で お送りします
鳥士族  刀剣断髪  斬捨呉綿  牛鍋の吉田屋

 

ついに政府が折れた、国会開設の勅諭。板垣大隈、さっそく政党を結成。
だが政府も10年の時間稼ぎ、松方財政で財政を強化、
伊藤博文は自らドイツを視察し憲法を制定だ。
そしてついに、初の選挙と帝国議会!

 

さあ大日本帝国、満を持してワールドカップに出場だ!
まずはグループリーグ第1戦、朝鮮半島をめぐって中国代表との対決だ。
東洋の眠れる獅子に、4トライで快勝勝ち点5、これが近代化の成果だ!

 

さあ領土と賠償金を得て産業革命も進む。
一方弱体化を露呈した中国には列強が殺到する。その中から大国ロシアが満州韓国に迫ってきた。
日本は対決を避けるのか?いやイギリスに背中を押され、真正面からロシア代表と激突だ!
これは死闘、多大な犠牲者を出しつつも、見事バルチック艦隊を撃破、勝ち点4を獲得2連勝! 

 

さあ満州南部への優先権を確保しつつ、韓国を併合しました。
しかし賠償金は得られず不景気に苦しみます。ここで天の恵み!第一次世界大戦だ。
友好国イギリスの敵、ドイツ代表との第3戦!中国や太平洋の領土をまんまと獲得、
3連勝で世界ベスト5に進出だ!さらに国内は大正デモクラシーと政党の躍進、
そして大戦景気に沸きあがる。お札を燃やす船成金、どうだ、明るくなったろう!

 

だが目立ちすぎたか、世界から警戒され、研究対策されていく日本代表。
朝鮮では三一独立運動の衝撃。シベリア出兵も成果なく失敗、
ワシントン会議では,太平洋や中国における動きも封じられていく、
さらに国内では戦後恐慌に関東大震災。大蔵大臣口が滑った金融恐慌。
止まらない銀行へのスクラム。ここは田中、積極的な財政と外交で乗り切るか。

 

一方で濱口、未来のためには今苦しもう、金解禁と協調外交、
しかし最悪のタイミングでブラックサーズデー、世界恐慌が広がっていく、
たちまち金の大流出、数百万の失業者、大学は出たけれど!

 

そしてしびれを切らす関東軍、独断で満州の占領を開始。
国内でも軍国主義の台頭だ、政党内閣は終わりを告げた。
今度は中国全体に戦線拡大、強まる諸外国の警戒、泥沼化する戦線。

 

一方欧州ではナチスドイツの躍進、バスに乗り遅れるな、日独伊三国同盟!
だが資源を絶たれつつある日本、ついに東南アジアに矛先を伸ばす。
フランス領へ進駐、さらにイギリス、アメリカ、オランダ領を支配していきます。

 

怒涛の進撃だ、だが世界ランク1位アメリカが目の色を変える。
世界の工場が火を噴いた!ミッドウェーを皮切りに、急速に押し返される日本。
ついにサイパンの陥落、空襲が日本を襲う、さらには沖縄戦、原子爆弾の投下など
さまざまな悲劇を経験した日本。ついに昭和天皇の聖断により降伏を決断しました。

 

さあ、アメリカ人コーチによるチーム再建。非軍事化と民主化が進む。
しかしついにワールドカップ決勝、アメリカ対ソ連が開幕だ。
日本はアメリカ代表の戦力として強化指定入り。
いざ、基地の駐留と再軍備、アメリカの傘の下で独立と成長へ。
55年体制によって政治的にも安定、そして高度経済成長が進む、もはや戦後ではない!
その成果を象徴する所得倍増、東京オリンピックと東海道新幹線。

 

だがアメリカの指導力に陰りが見える、オイルショックもあり経済が混乱、
それでも日本、ハイテク産業などが活躍、確立した安定成長、ジャパンアズナンバーワン!
だが貿易摩擦、やむなくプラザ合意だ、
そして訪れる円高不況、慌てて戦術を切り替えた金融緩和、
っと今度は地価が高騰バブル景気だ、そして一気に弾けた、あっという間の出来事でした。

 

そして10年が、20年が失われていく。取り戻せない成長率、留まるところを知らない国債残高と増税。
日本はどう立ち向かうのか。っとここで新型ウイルスの流行により自宅待機の要請。
ジャパンヒストリカルオープンもいったん試合を中断、選手たちはstay home。
我々もstay homeをお許しください。またいつかの再開を心待ちに、お別れしましょう。
第2094回ジャパンヒストリカルオープンでした。