113スレ/どちらが可愛いか論争

Last-modified: 2014-12-25 (木) 07:23:51
730 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2014/11/02(日) 03:27:11.74 ID:eiS9OtNF0
(ほむらちゃん…今忙しいのかな?)
携帯電話を片手に、まどかは心の中で呟いた
園芸部の活動が思っていた以上に長引いてしまったので生徒は殆ど帰宅してしまっており、校内は普段の喧噪からは想像出来ない程、静まり返っている
赤々と燃えるような夕日に照らされた教室に座っていると、なんだか早く家に帰れと急かされているような気分になってしまう
(…そうだよね、いくらなんでもこんな時間まで校舎に残ってる訳ないよね)
暁美ほむらはまどかと違い特に部活に入っていない、いわゆる帰宅部だ
学校に残ってしなければならない用事が無ければ通常はHRが終わり次第すぐさま家に帰る…
若しくは友達と寄り道をして、笑い合いながら帰路につくのが健全な帰宅部としての活動内容だろう
2コール、3コール………
(今日は…無理…かな)
園芸部の活動もいつもならこんなに長引く事は無いのだ、そう、いつもならもう少し早く終わって暁美ほむらと一緒に帰れていたはずなのに
(ほむらちゃん、今日も待っててくれたのかな…)
(悪いことしちゃったなぁ…)
コール音が途切れ、そして留守番電話サービスのアナウンスが流れ始めた
「ピー…という、発信音の後に、ご用件を…」
仕方ない、今日はもう帰ろう
謝りのメールを送って、明日学校に来た時にちゃんと謝ろう
「まどか、どうかしたの?」
「ひゃうっ!?」
突然背後から声がしたので、まどかは体をビクリと跳ねさせた
危うく携帯電話を落とす所だったが、なんとか落とさずに済んだ
「ほ…ほむらちゃん!?なんでまだ学校に…?」
「まどかが電話をくれたから駆けつけただけよ」
「え、えっと…ちなみに今までどこに居たの?」
「家に居たわ」
あのマンションから学校まで?電話の呼び出し待ちの時間…ほんの一分足らずでこの距離を?
「先日、電話料金が高くなりすぎてご両親から叱られてしまったと言っていたでしょう?」
「だからまたそうならない様に来たのよ、直接目の前で会話すれば通話料なんて0円で済むでしょう?」
そう得意げに語る少女、暁美ほむら
多少ズレている所はあるが自分の為を思ってしてくれた事なのだと思うと、まどかは無性にこの少女の事が愛おしく感じられた
「もう…あれは私がほむらちゃんと沢山お喋りしたくて毎日ほむらちゃんに電話し続けちゃったからだよ、だからほむらちゃんは気にしなくてもいいんだよ」
「それじゃあ一緒に帰ろう、早く帰らないともう暗くなっちゃうよ!」
「そうね…家まで送るわ、まどか…最近は何かと物騒だもの、でも心配しないで…何かあれば必ず私が守ってみせるわ」
「ほむらちゃん…えへへ、ありがとう!とっても嬉しいけど…でもね?ほむらちゃんも気をつけないと」
「私は大丈夫よ、わざわざ私を襲おうなんて物好きは居ないわ、今までだってそうだったもの」
「…ほむらちゃんのそういう所が心配だよ…ほむらちゃんだって一人の女の子なんだから」
「それに凄く美人さんなんだもん、同じ女の子の私が見てもうっとりするくらい綺麗で…だからちゃんと気をつけないと…ねっ?」
「…そ、そんな事ないわ…まどかの方が可愛くて…綺麗で…」
「えー?ほむらちゃんの方が…」
この“どちらが可愛いか論争”は二人が家に着くまで続いたが、とうとう結論は出なかった…お互いの心の中ではもう既にその答えは決まりきっているので
後はそれを相手に認めさせるだけなのだが、それが何より容易ではない
いつか絶対に貴女の可愛らしさを貴女自身に認めさせてみせる、と決意する二人であった

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