7スレ/314-317

Last-modified: 2014-04-06 (日) 03:24:37

※編集者注:>>151,>>187-190はこちら

314 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/10/01(土) 19:00:10.70
まだだ、まだわからんよ!ほむまど派には切り札の天然攻めほむがあるっ!誰もやらないから自家発電!
一応>>151とか>>187-190の続きかな
「あ、誰も居ないみたいだよほむらちゃん」
昼休み、ほむらを昼食に誘ったまどかは屋上の扉をくぐると、後から続くほむらに楽しそうに呼びかけた
貸切の屋上にはまだ初春の肌寒い空気が流れているものの、暖かな日差しが降り注いでいた
(ここなら静かだしゆっくりほむらちゃんと・・・二人っきりで楽しくご飯が食べられそう)
上機嫌なまどかが入り口から一番近くのベンチに腰掛けようとしたその時、すがすがしい空気を運ぶ一陣の風が吹き抜けた
「きゃっ!?」
咄嗟に空いている左手でスカートの裾を押さえるまどかと、そんな彼女を庇って風上に立つほむら
「まどか、まだ屋上は時期が早いのではないかしら。静かなのは良いけれど」
「でもほむらちゃん、お日様の光が温かくて・・・」
その時、一際強い風が吹き、まどかを庇ってやや広めに構えて立っていたほむらのスカートの裾が舞い上がり、ストッキング越しの下着が顔を覗かせる
本来スカートに隠されているはずの、すらりと伸びた脚の付け根に釘付けになるまどかと、その事に気付かずに話を進めるほむら
(う、女の子の下着を見て照れちゃってる私って変な子なのかな・・・でもほむらちゃん色っぽすぎるよ・・・って言うか、黒なの!?)
「寒いわね。やっぱり屋上はまだ早いわ、教室に戻りましょうまどか」
冷静に言い放ったほむらが踵を返したところで、我に返ったまどかが慌てて呼び止める
「待ってほむらちゃん!私、どうしてもここでほむらちゃんとお弁当を食べたいの!」
「そう・・・仕方がないわね。じゃあここに座って、まどか」
ベンチにハンカチを広げて着席を促す
「え、そんな、そこまでしなくて良いよ!」
「気にしないで。さぁ」
「・・・ありがとうほむらちゃん。・・・あれ?猫さんの絵が描いてあるね。ほむらちゃんもこういう可愛い小物使うんだ。ちょっと意外かも」
「・・・小さい頃に買ったまま殆ど使ってなくて、捨てるのももったいないから・・・もし気に入ったのなら、まどかに上げるわ」
(よく見るとちょっとほっぺが赤いかも。えへ、照れてるほむらちゃん可愛いな)
「ううん、さすがにそこまでしてもらえないよ。綺麗に洗ってアイロンをかけて返すね。それじゃあ猫さんごめんね」
スカートの裾を気にしながら、女の子らしく上品に座るまどか
その肩に自分が羽織っていた学校指定のカーディガンをかけ、ベンチの風上に座るほむら
「また風邪を引いてはいけないわ、これを着てまどか」
「だ、だめだよほむらちゃん!それはほむらちゃんが使って!」
「いいえ、またまどかに風邪を引かせてはおじ様に合わせる顔がないもの」
「あはは・・・でもそれじゃあほむらちゃんが・・・」
「私のことは心配しないで。魔法少女は風邪なんて引いたりしないわ」
「ありがとうほむらちゃん・・・でもそれならこうすれば、えいっ」
肩にかけられたカーディガンの袖を持ち、片方をほむらの反対の肩までかけて寄り添い、はにかんだ笑みを浮べるまどか
「えへへ、これなら二人とも温かいよ」
「ありがとうまどか。そうね、とっても温かいわ」
そのはにかみに釣られるように、ほむらも相好を崩す


315 : 2/4 : 2011/10/01(土) 19:03:43.44
(ちょ、ちょっと大胆だったかな・・・でも別に不自然じゃないよね?それにしてもほむらちゃん優しいなぁ。
  転校してきてまだ間が無いのに、どうしてこんなに私に優しいんだろ・・・嬉しいけどなんだか胸が苦しいよ・・・)
そんなまどかの胸の内も知らずに、普段と変わらぬ声色で話を進めるほむら
「それじゃあ昼食にしましょう」
ポケットから取り出されたのは、果実味の小さな二本の携帯栄養食
「・・・えぇ!?ほむらちゃんのお昼、それだけなの?」
「こう見えても必要な栄養素は充分含まれているわ。それに携帯に便利で食事にかかる時間も少なくて済む」
「そんなの絶対だめだよ!ほむらちゃん、ただでさえ細いのに!」
「平気よ、もう慣れたもの」
「あ、あのねほむらちゃん!私、ほむらちゃんの為にお弁当を持ってきたの。・・・ママのお弁当のついでだけど、もし良かったら食べてもらえないかな?」
「・・・私に?そう・・・頂くわ。ありがとうまどか」
「えへへ、ほむらちゃんのお口に合うと良いんだけど」
包みを開いて可愛らしいピンクの二つの弁当箱を取り出すと、片方をほむらの膝元に、もう片方をほむらが居る右手とは逆のベンチの上に隠すように置く
「これは大したものね。お肉や野菜の栄養バランスも考えられているし、色合いも綺麗だわ」
「パパに手伝ってもらったから・・・どうぞ召し上がれ?」
ほむらが箸をつける様を固唾を呑んで見守る
「うん、塩加減も丁度いいし、美味しいわまどか」
「良かったぁ・・・」
「可愛らしくて優しい上に、気立ても良くてお料理まで出来るなんて。まどかはきっと良いお嫁さんになれるわね」
「えぇ!?な、何言ってるのほむらちゃん・・・そんなの褒めすぎだよ!」
自分の弁当に箸をつけようとしていたまどかは、驚いてほむらの顔を見つめる
「いいえ、事実よ。まどかは可愛らしくて魅力的だわ・・・(だからお願い、貴女は鹿目まどかのままで良い。魔法少女になろうだなんて思わないで・・・)」
「!?ほ、ほむらちゃん・・・(キューン!これってどう考えても告白だよね・・・どうしよう、ほむらちゃんは女の子なのに・・・嬉しくて頭が爆発しそうだよ・・・)」
寄り添ったほむらに顔を覗きこまれながらそう言われ、途端に真っ赤になって俯くまどか
そんな様子に気がつかず、感慨に耽りながら黙々と箸を進めるほむら
(思えば今までこうしてまどかとお弁当を食べる機会なんてなかったわね・・・)
その隣でネジを巻かれたブリキ人形のようなたどたどしい動きで、なんとか弁当に箸をつけ始めるまどか
遠くから聞こえるかすかな昼休みの喧騒だけが広がる静かな空間で、黙々と昼食を摂る二人
「・・・まどか、じっとしてて」
そんな時、不意にまどかのあごに手を伸ばし、顔を近づける
(!?もしかしてキスされちゃうの!?こ、心の準備が・・・うわぁああああ!?)
驚きつつも咄嗟に目を瞑り、固まるまどか。しかし・・・
「もう良いわ。頬にご飯粒がついていたわよ」
摘み取った米粒をそのまま口に入れるほむら
「ふぇ!?そうなの?あ、ありがとうほむらちゃん・・・(そうだよね、いきなりキスだなんて・・・って言うか今のでも充分恥ずかしいよ!?)」
焦ってほむらから距離を取ろうとしたまどかは、思わず箸を地面に落としてしまうのであった


316 : 3/4 : 2011/10/01(土) 19:05:05.03
「あ・・・どうしよう。まだお弁当残ってるのに」
「私はもう殆ど食べ終わったから。こっちのお箸を使うと良いわ」
「え!?そ、そんなこと・・・だめだよほむらちゃん!」
もう半ばパニック状態のまどか
「・・・そうね。私の使った箸なんて気持ち悪くて使えないわよね。馬鹿なことを言ったわ。今のは忘れて。その落ちた箸、洗ってくる」
「そ、そうじゃないのほむらちゃん!・・・もうどうにでもしてっ!」
気がつくと、ほむらの手にした箸で食べさせられていた
「もうちょっと良く噛んだ方が良いわまどか。はい次、あーん」
「あーん・・・(ほむらちゃんと間接キスだよ・・・一緒にお弁当を食べるだけのつもりだったのに、もう滅茶苦茶だよ・・・)」
「ふふ、それにしてもなんだかこうしてると・・・」
(ラブラブの新婚夫婦みたいだよね・・・)
「鳥の雛にエサをやっているみたいだわ」
「えぇー!?わ、私は鳥じゃないよ?っていうかこのシチュエーションでその例えはどうなのほむらちゃん!」
「? 気を悪くしたなら謝るわ。ごめんなさいまどか」
小首をかしげながら謝罪を口にするほむらを見ながら、冷や水を浴びせられた思いのまどかは少し冷静になって今までを振り返るのであった
(こ、これはもう天然ってレベルじゃないよほむらちゃん・・・じゃあさっきのももしかして・・・)
「あ、あのねほむらちゃん。さっきほむらちゃん、私のこと『良いお嫁さんになれる』とか『可愛くて魅力的』とか言ってくれたよね?それってその・・・」
「? お世辞なんかじゃないわ。まどかはどこに出しても恥ずかしくない良いお嫁さんになれるわ。自信を持って?」
「・・・はぁ。だよね~・・・ほむらちゃんの馬鹿っ!」
「? ・・・褒めたのに怒るだなんて、まどかはワガママね」
「はぁ・・・ごちそうさま」
大きなため息をついたまどかは、食事を終えて緊張の糸が解けると軽い眠気に襲われ、小さくあくびをかみ殺す
「ご馳走様まどか。とても美味しかったわ。・・・眠くなったのね?それなら私にもたれ掛かると良いわ」
まどかの肩を引き寄せるほむら
(う~・・・真顔でこういうことを平気でするんだもん。悪魔だよほむらちゃん・・・)
「寝苦しいようなら膝枕でもかまわないけれど。どうするまどか?」
「さ、さすがにそこまでは悪いかな・・・」
断りつつも、ちらりとほむらのスカートから伸びた脚に目をやり、頬を染める
(・・・心臓に悪いよほむらちゃん。それにしても、やっぱり天然なほむらちゃんは他の子にもこんなことしてるんじゃ・・・)
そんな場面を想像して少し拗ねたまどかは、ほむらの身体に大きく寄りかかり、胸元に顔を埋めるのであった
(もう知らない・・・ほむらちゃんの馬鹿馬鹿っ!)
そんなまどかの気も知らず、苦笑しつつ受け入れるほむら
「ふふ、今日のまどかはなんだか甘えん坊ね」
そうして寄り添いあった二人は、お互いの鼓動を聞きながら春の陽気に誘われて、いつの間にか浅い眠りに落ちてしまう


317 : 4/4 : 2011/10/01(土) 19:06:14.75
「・・・ん」
ほむらに寄りかかったまま、寝返りをうとうとして目を覚ますまどか
(気持ちよすぎて寝ちゃってたんだ・・・ほむらちゃんも寝てるや。寝顔も可愛いな)
目を覚ましてそんなのんきな感想を浮べるも、時計を確認して色を失う
「わっ!?お、起きてほむらちゃん!もう次の授業始まっちゃってるよ!」
「・・・ん、おはようまどか」
「お、おはようほむらちゃん。・・・どうしよう、先生に怒られちゃう」
「・・・私のせいね。じゃあこうしましょう。これから二人で保健室へ」
「え!?」
ほむらと同じベッドで眠ったり、色々されちゃう図を浮べて一人赤面し、ぶんぶんと首を横に振って邪念を払うまどか
「まどかは保健委員だもの。私が倒れた事にすれば良いわ」
「そ、そういうことかぁ。でもそこまでしなくてもいいよ」
「私のせいだもの。大丈夫、私が心臓を患って入院していたことは学校側がよく知っていることだもの。ばれたりしないわ」
「・・・ほむらちゃん、優等生なイメージなのに。ズルとかしちゃうんだね」
「ええそうよ。私は悪い子なの。・・・二人だけの秘密よ?まどか」
「あはは・・・うん、そうだね」
(その意味深な発言はどうにかならないのかなぁ・・・毎回どきっとしちゃうよ・・・)
結局その日はそのままほむらが帰宅してしまい、二人が再会する事はなかった
(あ、そういえばこの上着、ほむらちゃんに借りたままだよ。明日返せばいいかな?・・・ほむらちゃんの良い匂いがする)
「ただいまパパ~」
「おかえりまどか。・・・おや、今日は珍しくカーディガンなんて着ていったのかい?」
「え?・・・あ、うん。お昼休みに屋上でお弁当を食べたんだけど、ちょっと肌寒くて。・・・お友達が貸してくれたの」
娘が珍しく朝早くからキッチンで奮闘し、見栄えの良い上手く出来た弁当と、少しこげたり歪な形をしたおかずの入った二つの弁当を完成させていたことを思い出し、
全てを察する知久
「そうかそうか、うまく行ったんだね。おめでとうまどか」
「な、何のことパパ?・・・わけわかんないよ」
「父親としては、娘が他の男に取られるなんて耐えがたいんだけど。ほむらちゃんみたいな綺麗な女の子相手ならむしろ大歓迎さ」
「ほぇ?・・・もぉ何言ってるのパパ!」
父の言葉の意味を理解して、顔を真っ赤にしてぽかぽかと可愛らしくその胸に両手を叩きつける
「ははは、じゃあそのカーディガン、洗わない方がいいみたいだね」
「・・・!?知らない!パパの変態!!」
図星を突かれ赤面し、ドタバタと階段を駆け上って自分の部屋に飛び込むまどか
しかしその後も寝る時まで肌身離さずほむらのカーディガンを身に着け、終始ご機嫌だったとさ
「う~ん・・・むにゃむにゃ・・・ほむらちゃんの馬鹿・・・」
おしまい

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