77スレ/おとぎばなし

Last-modified: 2014-06-03 (火) 02:00:41
155 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/11/12(火) 04:01:02.39 ID:7wnrtDHW0
とある とある 悪魔が作り上げた 小さな世界で
一人の少女が いえ 少女だった女性が その生涯を遂げました

悪魔は 彼女の魂を拾い上げ 世界の外の
あるべき所へと送りだし 窓を閉じました


少女は とても心優しき 人でした
そして少女には とてつもない可能性が秘められていたのです

とてもつらい事を知りました とても悲しい事を知りました

心優しい少女には それを放っておく事などできず
自らを捧げ 女神になる決意をしたのです

女神は 多くの絶望に 救いを与えました
ただ一人 のちに悪魔と呼ばれる少女を除いては


悪魔は 少女の事が 好きでした

少女は何もなかった悪魔に 輝きの日々をくれたのです

そんな少女が 女神になり すべてのための犠牲になるなど
悪魔には 到底耐え難いことでした

女神にもう一度 少女としての日々を与えられるなら
神を穢すことすら厭いませんでした

それが 悪魔の由来となりました


156 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/11/12(火) 04:01:40.23 ID:7wnrtDHW0
少女のいない世界を それでも悪魔は ただ 守り続けていました

なぜなら たとえ少女はもういなくても そこにはたしかに
少女の残した足跡が 少女が託した人々が 存在していたからです

ひたすらに ひたすらに

えんえんと えんえんと

果てしない時の中で 悪魔は身も心も削られていきました


当然です

なぜなら 悪魔は 少女が持っていた女神の力の一部を奪って 世界を作り
少女を送り出した時に その力を返してしまっていたからです

力の多くを失っていた悪魔は 自分自身を糧として 世界を運営し続けました

時が経つごとに 悪魔は 一つずつ 己を失っていきました

それでも世界を守り続けていたのは ひとえに
少女への想いからでした


157 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/11/12(火) 04:02:32.03 ID:7wnrtDHW0
やがて 悪魔は
己が何者かも 少女の顔すらも 思い出せない
残り火のような状態で 世界と共に 終わりを迎えようとしていました

   ごめんね ずっと守ってくれたんだよね

そこに現れたのは 女神として再臨した少女でした

   ありがとう わたしが寂しくならないようにしてくれたんだよね

少女は 悪魔を 抱きしめます

   おねがい いかないで

少女は涙を流して 悪魔へと 言葉を繰り返しました


それは奇跡だったのかもしれません

もはや言葉すら失っていたはずの悪魔は 少女を前にして
これまで決して言えなかった言葉を 言ったのです

   あいしてる


その後 悪魔がどうなったかは 誰も知りません
ただひとり 女神である少女を除いては


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「って言う伝承を魔法少女たちに広めたいんだけどどうかな、ほむらちゃん」

「やめて、まどか」



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童話風叛逆後的なよくわからないほむまど

http://hello.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1384169584/155-157