748 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/11/17(日) 22:39:33.92 ID:ZkNq093d0
ttp://ux.getuploader.com/homumado/download/375/monologue.txt
ふたりのお泊り時のモノローグ的なもの
よければ妄想の足しにして欲しい
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1384477240/748
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<ほむらside>
「ん…」
体に重みを感じて目が覚めた。
時計に目をやるとまだ二時半。目を覚ますにはかなり早すぎる時刻だ。
覚醒しきれない頭でふと目をやると、まどかが体に抱きついて寝ていた。
おそらくいつもの癖で、ぬいぐるみを抱く要領で私に抱きついたのだろう。
安心しきったような寝顔で安らかな寝息を立てている。
「ふふっ…」
愛らしいその寝顔に思わず笑みがこぼれる。
なんて愛おしいのだろう。私の存在の全てを賭けてもまだ足りぬほどの尊い存在、まどか。
そのまどかが今生きて、こうして私の傍にいてくれる。これ以上の喜びは無かった。
ふと身の内に情欲の炎が燃え上がる。このまままどかの唇を奪い、体を組み敷いて、まどかの痴態を思う存分味わいたい。
体を重ね合わせ、お互いを感じ、愛を囁きあう。どんなに素敵な時間になるだろう―――
思わずまどかの体に手をかけそうになる情動を必死に押しとどめ、長く長く息を吐き出す。
まどかと私はまだ、そういう関係では無い。今は、まだ――自分に必死に言い聞かせ、それでもまどかの体に触れたいという
欲求は止められず、上等な反物を撫でるように、私はそっとまどかの柔らかい髪を撫でた。
「っ……」
まどかがピクリと反応し、僅かに体を身じろがせる。
ああ、いけない。まどかを起こしてしまう。
どうしたものか慌ててまどかの反応を窺うも、まどかに変化は見られない。
ふう、と安堵のため息をついて改めてまどかの寝顔を見る。
普段あまりまじまじと見る機会が無いが、幾ら見ても決して見飽きることはないその安らかな寝顔。
可愛らしい吐息。ピクリと動く瞼。すこし表情が歪む。いい夢をみてるといいのだけれど。
まどかの仕草に一喜一憂する自分を感じ、軽い笑みが零れる。
それにしても本当に愛らしい。こんなに近くでまどかを感じることが出来る。
今までの自分の生活では考えられなかった、まるで夢のようなひととき。
だが、いつまでこの幸せな状況が続くのだろうか。それを考えると僅かに不安な気持ちになる。
美樹さやかや百江なぎさ。彼女達は記憶を奪ったとはいえ、いつか私に牙を向くだろう。
そして分かたれた半身を取り戻そうとする円環の理、懸念材料はいくらでもある。
でも私はもう躊躇わない。まどかを守る為にどんな犠牲を払ってでも、この箱庭を維持し続けると決めた。
たとえそれがまどかの祈りを踏みにじる結果になろうとも、歪んだ想いを胸に秘めて私は歩み続ける。
「ごめんね…まどか…」
何に対する謝罪なのか、私は呟く。
これくらいは赦されるだろう。そんな身勝手な想いを胸に、
私はまどかの頬にせめて、邪な思いなど欠片も無く、精一杯優しく触れている事を願いながら唇を落とした。
「…おやすみなさい」
そっとまどかに声を掛け、目尻の涙を拭い瞼を閉じる。
悪夢を見ないといいのだが。
<まどかside>
「…ほむらちゃん……?」
恐る恐る声を掛けます。どうやらばれずに済んだようです。
お泊りに来たほむらちゃんの家で、ほむらちゃんと一緒のベッドに寝られるのが嬉しくて
眠れずに悶々としていたところ、ほむらちゃんがすやすや眠っているのを見て、
あどけない寝顔がとても愛らしく、おもわずきゅっと抱きしめてしまっていました。
ほむらちゃんの身体はほっそりとしててとても柔らかく、甘いいい匂いがします。
思わず頬ずりして、頭の上からか細い声とほむらちゃんの吐息が伝わってきました。
もしかして、起きた!?
ばれないように必死に寝た振りをして、心臓がドキドキするのを気取られないようにゆっくり数を数えていち、にい、さん…
『ふふっ』
ほむらちゃんが笑った後、暫く間がありました。
ほむらちゃんの心臓の鼓動がなぜかどんどん早くなって、それに合わせてわたしの心臓も高鳴って、
ばれませんように!ばれませんように!と必死にお祈りをしていると
ほむらちゃんの手が、わたしの髪の毛に、優しく優しく触れました。
わたしの癖っ毛を柔らかく、優しくゆるゆると撫でてくれる。その手の動きがあまりにも気持ちよくて―――
『っ』
おもわず声が洩れてしまいました。
前から思っていたのですが、ほむらちゃんがわたしに触ったり触れたりするとその…ちょっと気持ちいいんです。
ほむらちゃんに撫でてもらったり、抱きしめてもらったりすると頭がふわっとなって何も考えられなくなってしまいます。
ほむらちゃん、狙ってやってるのかなぁ…でもわたしの中にこもってくる熱は
『ごめんね…まどか…』
ほむらちゃんの涙声の呟きで急に冷めてしまいました。
「ほむらちゃん…」
すやすやと寝息を立てるほむらちゃん。涙の後が目に残っていました。
これは勝手な想像だけれど…ほむらちゃんはわたしに何かすごく大きな隠し事をしています。
確証はないけど、それはきっと私に関する隠し事。
ほむらちゃんと逢った時から、度々感じる何か大きな違和感。
こうじゃなかったような、こうだったような…上手く言えないけど、物凄く大きな既視感と違和感。
それを考えるたびに、なにかふっと気が遠くなるような、胸がぎゅっと締め付けられるようなそんな感覚。
その度に、ほむらちゃんは抱きしめてくれます。
『大丈夫…大丈夫よ…まどか……』
まるで自分に言い聞かせるように、悲痛な声で。
最初はかなりびっくりしたけど、でもそんな警戒心はすぐに無くなりました。
誰に対してもあまり変化の無い態度のほむらちゃんですが、わたしに対してはなぜか凄く優しいんです。
その優しさが上辺だけのものじゃなくて、本当にわたしの事を大事にしてくれてる、そんな気がします。
凄く大人っぽい雰囲気のほむらちゃんですが、所々不器用で、その中に凄く優しさが見え隠れする―――
そんなほむらちゃんが、女同士なのに変だけど、わたしは…大好きです。
ほむらちゃんの大きな隠し事…そんな今の状況を考えると、わたしはほむらちゃんに信用されてないのかなぁ。そう考えると悲しくなります。
今はお互い一方通行のわたし達ですが、ほむらちゃんはいつか打ち明けてくれる。そしてきっとその想いをお互いに伝えあって与えあう、そんな関係になれるように
「おやすみなさい…ほむらちゃん」
そんなお願いを込めて、これぐらいは許してね?ほむらちゃん。
一瞬触れたあなたの唇はとても柔らかく。
ほむらちゃんがいい夢を見れますように―――――――